紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
side:メリー
「うーん……困ったわ~。」
人差し指で頬を掻きながら、どうやって脱出しようか考えていますが~……けど、先ほどから全然いいと思える脱出の案が思い浮かびません~。
こういう時~、私が堕天する前だったのなら~……天罰を下す程度の能力、あれ~?神器を熟知する程度の能力でしたっけ~?まあ、もう使えない能力なのでどっちもいいんですが~、ともかく、堕天する前なら~天使としての能力で無理やりにでも突破できたんでしょうけれど~……。
堕天使になって、力がちょっとだけ弱くなったので~……今はそれも出来ません~。
『……堕天使の、従僕だと?』
どうやって脱出しようか思案していると~、蓄音機からパメラ・スカーレットの声が聞こえてきました~。
『バカな……なぜ、何故天使があの子の下に付いている!?』
「なぜって~……身寄りのない私をお雇い下さったから……ですかね~?」
まあ、本当の理由は私の黒い翼がお気に召したのでしょうけれど~、それでもレミリアお嬢様は私に居場所をくれたので~、かつての天界の上司よりもお慕いしていますよ~?
独り言のようにつぶやきますが~、パメラ・スカーレットは自身の能力で未来にいる私たちの発言も知っているので~、蓄音機から苦虫をかみつぶしたかのような苦悶の声がこぼれています~。
『あの子は……あの子はなんでお前のような奴ばっかりを!それもこれも、あの妖精のせいだ!!あの妖精がいたから、黒き妖精が私の命を脅かし、あまつさえあの子をよくない道に導いてぇっ!!』
「あ、あら~?」
唐突に蓄音機が壊れそうなほど~、パメラ・スカーレットの発狂した声が聞こえてきます~。と言うより、このフロアにはもしかしてノワール様がいらっしゃるのでしょうか~……だとすると、敵とはいえ哀れだなぁと思います~。
だってノワール様は―――
『お前も、お前も消えてしまえぇっ!!』
「消す理由がだいぶ雑ですね~。」
なんてコメントしていると~、部屋が広がり~……天井から糸でつるされた人間大の刃物を持った木の人形がわんさか現れました~。
「デスパペットですか~……。」
私はナイフを何本か指の間で持ち~、何本かを空中に浮かせます~。
まあ、この程度の相手なら~……
~~~~~
……私は堕天した後に~、”ナイフを操る程度の能力”に能力が変わりました~。
この能力のおかげで~、ナイフに関してはある時までは
元より私は~、警備隊の第2部隊の隊長さんですし~……同じメイドとはいえ負けたくなかったのです~。でもアビーちゃんもとってもいい子ですし~……それ以上にアンナさんが足でナイフを投げるとかいう変態技を披露しているので~……まあ、切磋琢磨という事になったわけなのですが~……。
「ちょっと、鍛え過ぎましたかね~?」
目の前には~、私が操っていたナイフの剣山となったデスパペットの群れがいます~。
それも、全てのナイフは正確にデスパペットの関節に突き刺さっていたり~、デスパペットのコアに突き刺さり、活動を停止させています~。
鍛える前は、ちょっとだけ当てる場所からナイフがズレたり~、勢いが足りなくてナイフが刺さらなかったりしたのですが~……これも特訓の成果という事なのでしょう~。
(それにしても~。)
ガチャガチャとまた天井からデスパペットが下りてきます~。
強さも数もさっきと変わらないみたいですけれど~……それにしても数が多いような気がします~。
(なんだか、倒させるのが目的みたいな感じがします~。)
ダンジョン内の魔物を倒すとどうなるか~の仕組みは~、私は詳しく知りません~……けれど、出てくる敵を倒さないと~、私が死んじゃうので倒すしかないですよね~?
(……嫌な予感がするな~。)
そんな事を考えつつ、私はデスパペットに向けてナイフを飛ばすのでした~。