紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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注意:この小説におけるメイド長とはいつも日記を書いている主人公であり、原作メイド長ではありません。ご注意ください。


美鈴(メイリン)の日記 その1

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今日から日記を書くことにした。あのメイド長が書いているのを見て、私も真似をしたくなった。日記を書くと言っても、何を書いていいのか分からない。だから、まずは自分がこれまで歩んできたことを書いてみようと思う。

 

まず、私は東の方にある大きな国から、シルクロードと呼ばれる交易路を通して、この国へとやってきた。

故郷である東の方の大きな国では、私はそこそこ強い妖怪で、人食い妖怪ながらも人間が使う武術に興味があり、人間から武術のみで仙人になった男・・・私の師匠から、カンフーを教わった。

師匠は仙人たちの中でも変わった仙人らしく、自分のカンフーを簡単には教えてくれなかった。朝早くから、師匠のもとに赴き、師事をお願いしては追い返され、また朝早くから赴き、師事をお願いしては追い返されを繰り返していくうちに、師匠が折れ、私に師匠のカンフーを伝授することになった。

師匠のカンフーは、”気”と呼ばれるものを操り戦う珍しいモノで、手に気を纏わせて、相手を掴んで爆破したり(シャ○ニングフィ○ガー)殴る代わりに秘孔と呼ばれるものを突いたり(北○神拳)特殊な呼吸で莫大な気を生み出したり(波○法)それとは違う気を燃やしたり(小○宙)と多岐にわたっていたが、師匠いわく「そんなことするより、基本を極めた方が強い。」とのことで、そのすべての技術の基本だけを教えられた。全部の基本を極めた時、師匠がドン引きしていたのを私は覚えている。

ちなみにその時に、師匠のお世話をすることになったので家事や炊事はいつの間にかできるようになった。誰に言い訳するわけでもないが、下の世話はしていない。私の身は純潔だ。

 

そんなこんなで、私は師匠から武者修行をするように言われて、シルクロードを通ってこの国にやってきた。

妖怪であるということを隠し、傭兵としてやっていこうとしたのだが、最初は閑古鳥だった。なにせ、伝手もなければ信用もなく、女と言うこともありなめてかかられることが多かった。まあ、仕事をこなしていくうちに、段々と罵倒(ばとう)嘲り(あざけり)はなくなっていき、いつしか私は傭兵として名を馳せていた。もちろん、報酬でもらえるお金や、仕事をこなして得た名声には溺れず(おぼれず)に、日課である鍛錬や人との交流を忘れたことはなかった。だが、そんな日々は長くは続かず、とある依頼人の護衛で教会に赴いたところ、私が妖怪・・・こちらで言う化け物と言うことがバレてしまい、依頼人はその場で首を()ねられ、私は化け物討伐組織に追いかけられる羽目となった。格闘戦においては私が優勢だったのだが、化け物討伐組織の持つ祝福された武器に力を封じられて、とある森の中で気絶したところを、今の主であるレミリアお嬢様に拾われることになった。その時のことをメイド長が言うに、怪我は深いものはなかったが・・・血を流しすぎた事と、祝福された武器の力で私の妖怪としての力を封印されていたせいで倒れていたとのことだ。

そのおかげなのか、私はその拾われて治療されてからたった1日で目を覚ましたとのことだ。なお、私はアンナさんと全く同じことをしたらしく、アンナさん以外のメイドさんたちにドン引きされ、アンナさんには笑いすぎで死んでしまうほど笑われてしまった。

その後、アンナさんのおかげで化け物討伐組織はしつこく私を追ってくるが分かり、レミリアお嬢様のご配慮のおかげで、私は紅魔館(こうまかん)の警備隊の隊長、そして庭園の庭師として雇われることになった。まあ、人手が足りないどころか、未探索や未開拓の庭園のおかげで、前より死にかけた事はこの日記にだけ書き記しておこう。

 

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目を覚ましたその日のうちから、仕事を始めた訳だけれど、意外とこの仕事は楽だ。未探索や未開拓の庭園から目をそらせばの話だけれど。

ベットは柔らかいし、ルージュさんの作るご飯は美味しいし、メイド長やアンナさん、オリビアさんにブラウさん、ルージュさんとはすぐに仲が良くなれた。けれど、レミリアお嬢様の妹君であるフランドールお嬢様だけは、私に対して警戒の色を見せていた。まあ、普通ならそうだろう。フランドールお嬢様以外が疲れでおかしくなっているだけで・・・。とにかく、フランドールお嬢様から疑われていることは承知で、私に与えられた仕事をこなすことにした。

 

メイド長が紅魔館(こうまかん)を案内してくれることになり、本館、離れ、庭園、倉庫と案内された。私に与えられたのは警備隊の隊長・・・つまり、この広い紅魔館(こうまかん)を一人で警備しなければならない。レミリアお嬢様が言うには、紅魔館(こうまかん)は確かに広いけれど周りの森はレミリアお嬢様のお家であるスカーレット家の魔力で迷いの森になっているとのことで、関係者でもないと紅魔館(こうまかん)に近づくことはできない、そのため滅多に侵入者は現れないとのことだ。なぜだか、その発言で不安になった気がするけれど、まあレミリアお嬢様の言うことだ。おそらく間違いはないと思う。

さて、もちろん私に与えられたのは警備隊の隊長だけではない。私に与えられたもう一つの仕事は庭園の庭師・・・つまり、かなり広い庭園の手入れをする必要があるのだ。

庭園は、私が来る前からメイド長とオリビアさんとその配下の毛玉で紅魔館(こうまかん)の本館から見える場所は手入れをしていたようだけれど、それ以外の所は背の高い雑草が壁のごとく硬かったり、胴体がずんどうの蛇を見かけたり、庭園なのに野生の狼の群れが狩りを行っていた。背の高い雑草はともかく、胴体がずんどうの蛇や野生の狼の群れが居るのには驚いた。どうしてこうなるまで放っておいたのかと思ったのだが、ちょっと考えるとすぐに理解できた。メイド長とオリビアさん・・・そしてその配下の毛玉たちでは人手が足りないのだ。(毛玉たちに手足は無いが)「庭園のすべてを把握できていなくてごめんなさい。」と頭を下げたメイド長には、人手不足であるのなら仕方ないと伝えて、さっそく仕事に取り掛かる。

倉庫周りの雑草を気を用いて身体能力を強化しつつ、刃状にした気を飛ばして刈り取って、一か所にまとめておく。その作業を繰り返していると、胴体がずんどうの蛇がこちらを眺めていたので、気配を消してそのずんどうの蛇の視界から一度消え、背後に回ってそのずんどうの蛇を捕まえた。最初は暴れて何回か噛みつかれたのだが、気持ちを落ち着かせる気を流し込み続けるとおとなしくなり、頭をなでると一発で懐いてしまった。よく見てみればそれなりにかわいい子で、ヒンヤリとした冷たさが何だか癖になる子だ。名前は少し考えて”ロン”と言う名前を付けた。我ながらなかなかいい名づけだと思う。

ロンをペットにした後、草刈りの作業を再開すると、今度は野生の狼たちが私に近づいてきた。いつの間にか囲まれていて危険だと思いロンを頭にのせて構えを取るが、狼たちは襲い掛かってこず、ゆっくりと私に近づいてお腹をさらけ出してきた。師匠の話だと、狼に限らず、動物がお腹を見せた時は降伏のサインとのことなので、恐る恐るお腹を撫でると、他の狼たちも次々と私に撫でられたいのか手に頭を寄せてきた。結局、その日の作業はそれでおしまい。お昼を過ぎたころに、メイド長に休憩室に連れ込まれていろいろと話をした。その時に食べた、あのカップケーキが美味しくてなかなか忘れられない。また作ってくれるかなぁ・・・?

 

 

 





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