紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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美鈴(メイリン)の日記 その2

 

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今日も引き続き日記を書いていく。

初日からいろいろあったのだが、まだ1日しか経過していないことに自分でも驚いている。なんでもメイド長いわく、紅魔館(こうまかん)の業務があまりに多いので、日記を書かないと体内時計が狂ってしまうそうだ。

実際、私も日記を書いたからこそまだ2日しか経っていないと認識したわけだが、アンナさんとの雑談でアンナさんが「いやー美鈴(メイリン)もここにきて一ヵ月、やっと慣れだしたっすねぇ。」と感慨深く話していたのでメイド長の話は間違いではないだろう。どれだけズレてるんですかアンナさん・・・。

さて、2日目になったとしても私の仕事はあまり変わらない、ペットとなったロンと狼たちの手を借りて紅魔館(こうまかん)の庭園の手入れをする。昨日は張り切って、気を使い刃物状に飛ばして芝の手入れをしたわけだが、それを毎日となるとちょっときついかもしれないので、大鎌に気を纏わせて作業することにした。だから、庭園の一角にある作業小屋から大鎌をどうにかして取り出していると、フランお嬢様が私に声をかけた。

フランお嬢様の要件はただ一つ、私に紅魔館(こうまかん)に対する害意があるかどうかの確認だった。こうして日記に書いていると思うのだが、フランお嬢様の確認が速すぎる。まだ雇われて2日なんですけれども・・・ま、まあ・・・フランお嬢様も体内時計が狂ってるのだろう。実際、会話しているときに「この3週間あなたを見張ってたけど~」って言ってたし・・・。

 

まあ、そんなこんなでフランお嬢様の監視付きで庭園の手入れをすることになった。

フランお嬢様からの視線が少しだけ居心地が悪いし、それを見たロンと狼たちが威嚇しているけれど・・・ロンと狼たち(彼女たち)(性別を確認したら全員メスだった。)を何とかなだめて作業を開始する。と言っても、ロンと狼たちは草を刈ることはできないのであたりに散ってもらい、庭園に入り込んでいる動物を追い払ってもらうことにした。

作業小屋から何とか引っ張り出した大鎌に気を纏わせて1狩り・・・思ったとおりに硬い雑草でも簡単に刈り取れる。それにこっちの方が気の消費が少なくて済むし、ちょっとした鍛錬にもなってとてもいい。確か師匠も、日常のちょっとしたことに気を使うとそれがちょっとした鍛錬になって成長につながるって言ってたなぁ・・・。

そんなこんなで、私はフランお嬢様からの監視を受けつつ、草刈りを続けていたのだが・・・ある程度草刈りが進むと、フランお嬢様が声をかけてきた。

声をかけてきた、と言っても他愛もない雑談だ。紅魔館(こうまかん)に来る前はどこにいたのかとか、どんな人と交流していたのかとか、どんなものがあるのかという本当に一般的な雑談だ。作業をしながら答えていると、フランお嬢様もその話がとても楽しいらしくいつの間にか私に向けていた警戒を説いていた。

私の話が終わり、逆にフランお嬢様の話を聞いてみることにした。私が聞いた限りでは、フランお嬢様がお生まれになった際に本当の母親は死んでしまったらしい。フランお嬢様もメイド長からの受け売りだが、レミリアお嬢様とフランお嬢様のお母上は、生まれつき血が固まりにくい体質で、フランお嬢様をご出産される際に大量の血を流してしまい・・・そのまま、亡くなられてしまったみたいだ。お二方のお母上が亡くなられてからの3年間は、お二方のお父上がこの紅魔館(こうまかん)に在宅し彼のお付きの老執事と共に四苦八苦しながら育てられていたそうだ。

そして3年が経った時、レミリアお嬢様がメイド長を紅魔館(こうまかん)に連れて来てから、毎日が少しづつ変わっていったみたいで、一時期暴走していた時ですら懐かしそうに語っていた。

 

フランお嬢様と昔話をしながら作業をしていると私とフランお嬢様はとんでもないものと遭遇してしまった。その遭遇してしまったものが、とんでもなく成長したマンドラゴラだった。既にマンドラゴラとして長い間、その場所に自生していたからか・・・私の知るマンドラゴラとは違い、言葉をしゃべり知能すら有していて、明らかに私たちに敵意を向けていた。しかも、そのマンドラゴラの根から別のマンドラゴラが成長しており、10体もの歩行するマンドラゴラがフランお嬢様に襲い掛かっていた。咄嗟の事でフランお嬢様は反応できず、私が間に入り庇ってフランお嬢様は事なきを得た。庇った私には少しだけ切り傷ができたものの・・・この程度ならすぐに回復する。放置して、指笛でロンと狼たちを呼び寄せる。ロンと狼たちはすぐさまその指笛を聞き駆け付け、ロンはフランお嬢様を守るように威嚇しだし、狼たちは歩行するマンドラゴラの群れに襲い掛かっていた。

その隙に私は巨大なマンドラゴラに突撃し、師匠から教えられた功夫(カンフー)の一つ、光指剑(シャ○ニングフィ○ガーソード)を使って切り裂く・・・。

 

結果を言えば、それで終わった。しょせんはマンドラゴラだったので、縦に真っ二つにするとすぐさま死んだ。フランお嬢様にケガはなく、私もロンも狼たちも無事。終わってみれば、庭園の地面に大穴が開くという結果を残して終わっていた。けれど、終わってびっくりしたのはフランお嬢様が、庇ったことでできた傷を心配してくれたことだ。それを見て私は、なんて優しい子なのだろうと思い、レミリアお嬢様と同じ忠誠心を彼女に誓うことにした。甘いし、後から冷静に考えれば、変なタイミングだが・・・私にとってあの時が、フランお嬢様にも忠誠を誓うべき時だったというだけなのだろう。

 

ちなみに、メイド長がレミリアお嬢様が、レミリアお嬢様のご趣味であるお散歩から帰ってきたころには、巨大なマンドラゴラの焼却処分は終わっていたし、私とフランお嬢様との確執はなくなっていたが・・・メイド長が能力の黄金のうねりの中からとても嫌そうな顔をして黒無地の本を出していたのはどうしてなのだろう・・・?

 

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私がフランお嬢様との確執を無くしてから、早一日。

今日はアンナさんがおやすみの様で、アンナさんは喜んでベットに飛び込んでいた。けれど、いつの間にか紅魔館(こうまかん)に侵入者が入りこんでいたようで、聞いたことのない悲鳴と、とんでもない怒号が聞こえてきた。慌ててロンと狼たちと共にその二つの声が聞こえてきた方向に向かうと、おそらく侵入者であろう、号泣しながら(いくさ)用大鎌を抱えて逃げ回る少女と、女性がしてはいけない上に見せてはいけない憤怒(ふんど)の表情を浮かべたアンナさんが、嫌な覚えのあるオーラ(聖なる光)を纏わせた双剣を振り回して追いかけっこをしていた。

とりあえず、両者を止めて事情を聴いてみたところ、(いくさ)用大鎌を抱えて逃げ回っていた少女は死神で、人間の輪廻の輪から外れ不老不死になったアンナさんの魂を回収しに来たらしい。(死神はその回収する対象のすぐ近くにワープするらしく、死神対策は難しいと感じた。)しかし、アンナさんはちょうど休憩を与えられ久しぶりのベットでの睡眠を妨害されて激怒・・・なんというか、タイミングが悪かったとしか言いようがない状態だった。

とりあえず、アンナさんには怒りを収めてもらい、死神の娘には今日は大人しく帰るように説得して事情を書いた手紙を渡して帰ってもらった。

 

・・・ちなみになのだが、紅魔館(こうまかん)の庭園の探索・開拓・整備は一切進んでいない。

庭園の背の高い雑草が生い茂る場所に入ると、迷宮のように毎回毎回道が変わるらしく、狼たちも何度か迷子になってしまっている。幸い、狼たちの遠吠えコミュニケーションで無事に帰ってこれているが・・・このままでは庭園内で遭難とかもあり得そうだ。ちなみに、迷子になった狼はすごい涙目だったから、オリビアさんに手伝ってもらいながらブラッシングしてあげたらすごく喜んでいた。

そして、前回の巨大なマンドラゴラ。アレはその迷宮のザコ敵の様だったらしく、今回も似たようなマンドラゴラに襲われ返り討ちにして焼き討ちにした。そんな巨大なマンドラゴラの他に、妖怪化・・・モンスターに進化した獣や自然に生まれた傀儡(ゴーレム)蠢いている(うごめいている)ので狼たちも連携して倒しながら進んでいる。そのせいか、鍛錬にはなるものの、まったく探索が進んでいないのだ。

そして今日はメイド長が休憩時間にやってきたので、私が一番かわいがっている狼を紹介した。メイド長もその狼を気に入ってくれたのか、存分に撫でて仕事に戻っていった。

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