紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
ここさえ乗り切れば後はすぐ終わる……やってやる、やってやるぞ!
side:レミリア
急速も終わり、私たちはまたパチュリーのいるテントに集まっていた。
第2層の攻略前よりも多い人数で、テントの中はギュウギュウだけれど、誰も文句は言わずに、ただパチェが声を発するのを待っていた。
「みんな、集まってるわね?」
パチェの言葉にみんな頷く。
「それじゃあ、庭園迷宮第3層”湖”の説明を始めるわ。」
パチェの言葉にみんな背筋を正す。
ここで聞き逃しがあれば、後は聞く余裕はないからという事もあるけれど、みんなそれだけ真剣に今回の件に向き合ってくれているという事でもある。
庭園迷宮第3層”湖”は、今から4065年前、かつて迷いの森が今よりも大きかった時代。その迷いの森の中に、この湖は存在していた。
それを見た、とあるスカーレット家の誰かがこのままこの泉を手放すのは惜しいと考え、庭園迷宮の第3層につなげた。と言うのが、パチェの予想だった。
パチェはそう言った後、本来の目的を話し始める。
”湖”に転移したメイドたちは、アンナの主力メイド隊が多く存在し、また第3期雇用ラッシュの際に雇用した特別なメイドたちの反応もまた存在し、どうやらパメラ・スカーレットが無秩序に召喚した魔獣や魔物たちと乱戦が繰り広げられているようだ。
そして、これはノワールが見つけたらしいのだが、この”湖”には
「以上で、庭園迷宮第3層”湖”の事前説明を終了するわ……今のうちに聞いておきたいことはあるかしら?」
お決まりのセリフをパチェは言うが、誰も手は上げない。
私も、あまり質問はないため、椅子から立ち上がり号令をかけるために手を叩き、注目を集める。
「この階層で、おそらく全ての通常メイドの救出が完了するわ。アンナたちと、ブラウ、ルージュの行方はまだわかっていないけれど……それでも、ようやく振り出しに戻すことができる。
みんな、気を引き締めていきましょう!」
私がそう言うと、みんなが元気よく返事を返してくれる。
明らかに疲れている子もいるけれど、それでもやる気は重文みたいだ。
~~~~~
「申し訳ありません、レミリアお嬢様……私がふがいないばかりに。」
「私も……まさか、脚が折れてしまうだなんて。頑丈さだけが私の取り柄だったのですが……面目次第もありませんっ。」
「気にしないでいいわ、
「それは、そうですが……。」
よほど悔しいのか、唇も噛んでおり、今にも泣き出してしまいそうだ。
久々に、
「大丈夫よ
「ですが……っ!」
「いいえ……
もし、今の
「だから、お願い
「…………わかり、ました。ですが、ちゃんと帰ってきてくださいね?」
「レミリアお嬢様……私はっ。」
「
「……はい、あんまり動くなとパチュリー様から言われましたけれど。」
「じゃあ、そうしなさい
「……ッ」
きつい言葉を
でも、
「私は……私は、警備隊の総隊長です。レミリアお嬢様の
「ええ、いつも助かっているわ。でもそれは、アナタが健康な時じゃないとできない事でしょう?」
「わかっています……でも、私はいざとなればこの命を捨ててまで―――」
ケガ人だと理解したうえでのこの乱暴……その理由は、そこから先の言葉を言わせるわけには言わなかったのだ。
「れ、レミリア、お嬢様?」
「
「っ!?」
「私のために命を捨てるだとか、死力を尽すだとか……そんな悲しい覚悟の言葉なんて大っ嫌いなの。」
「で、ですがっ。」
「
……
吸血鬼の衝動に駆られたはしたない私でも、いつも通りのわがままな私でも、パメラの求める子供っぽい私でもない……けれど、私が、私らしく感じる、私の姿。
「……分かりました、レミリアお嬢様。出過ぎた真似をしてごめんなさい」
「私もごめん……
「あははっ、大丈夫ですよレミリアお嬢様!私は頑丈さだけが取り柄ですから!!まあ、脚は折れましたがね!」
てへっと、舌をだしながら頭を掻く
本人なりに可愛らしい仕草をしたつもりなのだろうが、少しだけイラっとしてしまいそうだった。
けれど、それを見た
「うぅ~……ふとやってみたらすっごい恥ずかしいです。」
「もう、
「まさか
「もー!二人とも勘弁してくださいー!」
あぁ、そうだ。
私は、こういうくだらないことで笑える日常が大好きなんだ。
なにかのせいで傷ついたり、泣いたり、失ったり……そんな運命は、いらない。
今度こそ、私は歩むべき道を見つけた。もう、迷わない。
「じゃあ、二人とも……安静にね?他のみんなを心配させちゃだめよ?」
「はい、レミリアお嬢様っ。」
「お気をつけて、レミリアお嬢様!」
2人が休んでいる部屋から出て、深呼吸をする。
……そうと決まれば、私はフランの元へ向かうのであった。
~~~~~
「フラン、ちょっといいかしら?」
私は、突入準備を続けていたフランに声を掛けた。
フランはどこか上の空の様子だったけれど、私が声を掛けるとちょっとびっくりしながらも反応してくれる。
「な、なに? お姉さま?」
「ちょっと話したいことがあるの……二人っきりで。」
「……?」
ちょっと茶目っ気を出して提案するとフランが首をかしげる。
さっきの
ともかく、首を傾げたフランの手を取り、庭園の誰もいない、そして何もない所に連れて行った。
「それで、話ってなに?」
「庭園迷宮も折り返しね。」
「……そうだね。これも、お姉様がすごいからだよ!」
「いいえ、フランの助けもあってこそよ?ありがとう、フラン。」
「えへへ~……でも、フランはそんなに褒められたことはしてないよ。でも、どうしたの急に?」
「いいえ、何でもないわよ。これまで頑張っているフランをまずは褒めないととって思っただけ。」
いきなり本題を切り出さず、ちょっとした小話から始める。
思えば、フランに対してはいつも本題を切り出してから話すことが多かった。
私と違い、フランが大人っぽいから、私はフランを対等に扱い……姉と妹として接することを忘れていたのだろう。
「お姉様から褒められるのは嬉しいけどさ……お姉様、本題に入ろう?」
「……ええ。
フランは……私に
「っ!?」
私の言葉を予想していなかったのか、フランが目を見開いて驚いた。
実をいうと、目を覚ましてからという物、私の脳裏の隅っこにはとある考えがこびりついていた。
パメラ・スカーレットは過去から私たちを攻撃し、策謀に嵌めている。今、私たちが開いていしているのは過去のパメラ・スカーレットその物であり、パメラが残した再生魔術だけが、パメラの言葉を伝えてきている。
そして、その過去から私たちを策に嵌めるパメラ・スカーレットには、そのお腹の中に生まれる前のフランがいる。
……否定したかったが、フランの様子を見るに私の隅っこにこびりついていた考えは正しかったのだろう。
でも、私の答えはすでに決まっている。
「……気付いちゃったんだね、お姉様。」
「……ええ。」
「…………どうするの?」
「完全勝利をしたうえで、フランが消えない方法を見つけるわ。」
「……そうだよね、メイド隊のみんなを助けるのがお姉さ――――――え?」
私の答えにフランは今度は、理解不能と言う表情浮かべる。
まるで、急に万物の知識を理解した猫のようにマヌケな表情。でも、フランだからかどこか可愛らしく感じる。
「ちょっと、フラン? 私が血のつながった妹を見捨てるような冷血な吸血鬼に見えるのかしらー?」
「ひぃん……頬を引っ張るのはやめてよお姉さまっ!
じゃなくてっ!
お姉様、自分で言っていること、分かってるの?」
「ええ、もちろんよ。パメラの作戦を完全に潰したうえで、パメラが納得する結果を生み出す。そう言ったのよ?」
正直、自分でもバカな発言だと思っている。むちゃくちゃだという事も理解しているが、やらなければならない。
「……頭を打ったの?」
「フラーン?頭を打っておかしくなったわけじゃないわよー?」
再び、フランの頬を引っ張るとフランはまたひぃんと情けない泣き声を出す。
「いいフラン。私は
「……お姉様。」
「メイド隊や警備隊のみんなを助ける、フランを消さない……両方やってこそ、
フランを抱きしめながらそう宣言する。
フランは、ちょっとだけ涙をこぼしながらも笑顔を浮かべ、私の胸に身を任せた。
「……お姉様、ちょっと肋骨が痛いよ。」
「フラーン?あなたの方がちょっとだけ大きいからって言っていい事と悪いことがあるでしょー?」
「ひぃん……。」
書き方のやり方を変えたため違和感やこれまでの差異はあると思いますあ、ご理解のほどをよろしくお願いします!