紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
湖での戦いも終わりに差し掛かり、静寂が増えて来た湖の片隅で、一人の妖精が草むらの中に隠れていた。
「……みつかって、ない。」
その妖精の名前は、メア。
妖精メイドの中で最も幼く、パチュリーに育てられている妖精だ。
ガサリと草むらから顔をのぞかせ、辺りに敵がいないことを確認するとゆっくり草むらから出て、メイド服についた汚れや葉っぱを落としてゆく。
「むふーっ……かくれんぼの、てんさい。」
ここに転移されてから一度も見つからなかった誇らしかったのだろう、メアは子供らしく自慢げに鼻を鳴らした。
メアはパチュリーに育てられたおかげで、
「……みんなに、ごうりゅうしないと。」
自慢げにしていたメアだが、自分の状況を思い出し冷静さを取り戻す。
メアがヴワル魔法図書館で絵本を読んでいた時に転移されたこの場所は、危険がいっぱいの戦場。ちょくちょく襲撃されている
再び草むらに飛び込み、隠れていた場所からメアが抱えるほどの本を取り出した。
「まどうしょも、もってかないと。」
メアが抱えている本は、パチュリーがメアのために『
表紙には『
「えっほ、えっほ……」
メアが魔導書を抱えつつ、足元に転がる黒いゴブリンや黒いオークの死体に転ばないように進み始める。
~~~~~
「えっほ、えっほ……あれっ、ここどこ?」
メアが
嫌な予感を感じたメアは来た道を戻ろうと振り返るも……そこにあったのは、道を覆い塞いでいる大木。完全に、進むしか道はないようだ。
「……だいじょうぶ、だよね?」
不安に小さく身を震わせながらもメアは魔導書を大切に抱えて歩き出す。
歩けば歩くほど、森を包む霧は濃くなってゆき、前も段々と見えなくなってゆく。段々と恐ろしくなる周りの様子に、メアはぐすりと涙をこらえる。
また一歩踏み出したと同時に、どこかでカラスが飛び立ったのだろう。カーカーと鳴きながら羽ばたく音を響かせながらどこかへと飛んでいった。その音に驚いたメアは、ギュッと魔導書を抱え込んでしゃがみ込んでしまう。
「うっ……うぅ、こわいよ~。」
メアが弱音を口にする。
メアは生まれてからかなりの時期がたったとは言え、妖精メイドの中で最も幼い存在。
まだまだ子供である以上、気丈に振る舞っても……怖いものは怖いのだ。
と、どこからともなく足音が聞こえてくる。
「ぴぃっ……だっ、だれぇっ!?」
メアが
自分以外の誰か、それが自分の味方か、敵か。それは分からない。分からないのなら、構えなさい。そうパチュリーに教え込まれた成果であった。
魔力を流し込まれた
ザッザッザッと足音が次第に近づき、大きくなってくると……霧の中から見覚えのある人物が現れた。
「さ、さくやおねえちゃん?」
「っ…………メア、ここにいたの?」
やってきたのは、『十六夜
銀髪のボブカットでもみあげが三つ編みに結われており、青色の瞳、ミニスカートのメイド服。そこにいたのは間違いなく『
「おねえちゃ~~~んっ!!こわかったよぉお~~~~~っ……」
「きゃっ……ふふっ、無事でよかったわ。」
メアは『
『
「ぐすん……どうしてここに?」
「そ、それは……そ、そう!れ、レミリアお嬢様に頼まれたのよ。それで、メアを探しに来たの。」
「そっか……そうなんだ~。」
「……さっ、ここは危ないし。レミリアお嬢様の元まで帰りましょう?」
「うん!」
メアと『
しばらく歩いたところで、さらに霧が濃くなり、手の感覚が無ければ『
メアが不安に思っていると、どうやら『
「メア、もうすぐこの霧がなくなって、レミリアお嬢様のところに行けるわ。」
「そうなの……じゃあ、いっしょに、かえろう?」
「…………いいえ、私は……まだ戻れないわ。」
「レミリアさまから、べつのごめいれい?」
「そうなの、だから……ひとりで行けるかしら?」
「だいじょうぶ、メアはつよいこ。」
「……ふふっ。そうね、メアは強い子だものね。」
『
メアの手には、『
「それと、私がメアを助けたのは、レミリアお嬢様であろうと秘密よ?」
「……?どうして?」
「いいから……約束。」
「……うん、わかった。」
「……じゃあ、またね。メア。」
「うん!さくやおねえちゃんも、またね!」
メアは元気よく『
しばらく進めば、段々と霧が薄れてゆき、やがてどこからか争いの音が聞こえる湖へと戻っていた。
メアが辺りを見渡すと、ちょうど黒いトロールと戦闘中のレミリアを目撃した。
メアはふんすと鼻息を出して気合いを入れると、
放った火球は、剛速球で黒いトロールの頭に当たり、そのまま仰向けに倒れる。レミリアが警戒しながらメアの方をにらむものの、メアの姿を見て安堵の表情を浮かべる。
「メア!無事だったのね!!」
「ただいまです、れみりあさま!」
《メア?……メア!無事なのね!? けがは、怪我はない!?》
「だいじょうぶだよ、おかーさん。」
メアはレミリアに抱き着き、通信魔術から聞こえてくるパチュリーの声に落ち着いた声で答える。
その様子を、深い森の奥から眺めている人影が居たが……しかし、無事にレミリアのもとにメアが戻ったのを見て、口元を緩ませそのまま森の奥へと消えてゆくのであった。
長かった応募キャラのスポットライト当ても終わり、ついに本編が進む……。
ぶっちゃけめちゃくちゃ苦しかったですが、皆様の応募してくださったキャラクターは魅力的なのでまたやりたいです。
ただし、次やるなら、本編終了後かもしれないがなぁっ!!()