紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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☆ 92冊目 34~37ページ

 

転生93年と1か月18日目(火曜日、日中:曇り、夜中:曇り・たぶん満月)

 

今日の紅魔館(こうまかん)には珍しく、重要な手紙が届いたようだ。レミリアお嬢様に許可をもらい読ませていただいたのだが、手紙の差出人はレミリアお嬢様とフランお嬢様のお父上、スカーレット卿だった。手紙の内容をこの日記に要約するのであれば、用件はたった一つ。

なんでも、化け物討伐組織の吸血鬼狩りによる攻勢が一時的に強くなり不夜城(ふやじょう)から休息も兼ねて、近いうちに紅魔館(こうまかん)に来ること。(あくまで休むために紅魔館(こうまかん)に来るだけであり、裁量決定権(面倒なアレコレ)はレミリアお嬢様持ちとのことだ)

そして手紙には、私がお世話になった執事さんと不夜城(ふやじょう)でスカーレット卿に仕えるメイド隊が10名と、ウェアウルフ(人狼)の騎士が30名ほどやってくるそうだ。近いうちにとは言うモノの、明日明後日急に来るわけでもないだろう。のんびり用意させてもらうことにしよう。

 

今日の事で特に重要なことはそれぐらいだが、いいことが起きた。

ついに今日、アンナが1回のミスもせずに仕事を終えることができたのだ。今までアンナはどれだけしっかりとしつつメイドの仕事をしても、どういう訳か必ず1回ミスをすることがある。ミスと言っても私たちからしてみれば、誤差と変わらない些細なミスなのだが……本人からしてみれば、嫌な気持ちになるミスが多かった。

私たちも気にしないでいいとは伝えてはいたのだけれど、アンナは気にしていたみたいだ。ちなみにそのことはオリビアちゃんが教えてくれたので、久しぶりにクッキー以外のお菓子を作ることになる。ルージュにキッチンを使うことを伝えて、パンケーキを作る。前世でも姪っ子に作った時以来だったかな?それでも、かなり久々に作ったわけなのだが、作り方と焼き方のコツはしっかりと覚えており、ちょっと焼き方が甘かったけれど、それでも美味しそうなパンケーキが出来上がった。

そしてそれをオリビアちゃんが休憩室に連れ込んだアンナにご馳走する。アンナはどうしてパンケーキを出したのか分からないみたいだけれど、私の「頑張ったご褒美。」の言葉に心当たりがあったのかボロボロと大粒の涙を零しながらパンケーキを頬張っていた。

ちなみに、ルージュとブラウ、オリビアちゃんだけでなくメイド隊の全員とオマケに美鈴(メイリン)にもご馳走したのだけれど、このパンケーキだけはお嬢様方には内緒という協定を結ばされてしまった。

 

=====

 

転生93年と1ヶ月19日目(水曜日、日中:曇り、夜中:曇り・たぶん半月)

 

今日も特に大変なことは起きない・・・雲が分厚いせいで、夜と勘違いしてレミリアお嬢様が起きてきたぐらいだけれど、普通の一日だった

しいて言うならば、今日はレミリアお嬢様とフランお嬢様がバルコニーで優雅に過ごし、その際にお試しで作ったマカロンがお気に入りになられたことだろうか。

そういえば、ここ数日・・・いや、アンナがメイド隊に所属して3週間ぐらいした時から、アンナには紅魔館(こうまかん)を囲う迷いの森の外側にある少しだけ大きな町に買い出しに行ってもらっている。まあ、馬車や荷車がないせいでそんなに大量の食糧や生活必需品がそろうわけではないのだけれど・・・。レミリアお嬢様のお散歩で拾えるのは緊急時以外は―――・・・

《文字が途切れている》

 

=====

 

転生93年と1ヵ月20日目(木曜日、日中:雨、夜中:雨・多分三日月)

 

何もない普通の日と油断していたが、昨日はあの後・・・大惨事が起きた。フランお嬢様が再び暴走したわけでも、レミリアお嬢様が誤ってグングニルを投擲したわけでもない。むしろ、紅魔館の住人が起こしたわけではない。昨日、私が日記を途中まで書いて、それ以降書いていなかったのは、()()()()()退()に全力を注いでいたからだ。それも、一人や二人と言うわけではなく10人もの吸血鬼狩りが襲い掛かってきた。幸い、こちらには被害らしき被害はない。しいて言うならば、ロビーの修理が必要なだけであり、吸血鬼狩りはほとんど美鈴(メイリン)のペットの狼たちのお腹の中だ。オリビアちゃんの教育には悪かったため、毛玉メイドの一人に頼んで目と耳をふさいでもらって処理はした(静かに食べてもらった)

 

さて、どうして今まで迷いの森を突破できていなかった吸血鬼狩りどもが、この紅魔館にたどり着いて襲い掛かったのか、と言う疑問が浮かぶと思うが、単純明快だった。彼らは何と、人海戦術・・・つまり人の数で迷いの森を無理やり踏破してきたのだ。今回襲ってきたのは10人チームの一番数の少ない人数合わせ・新人ばかりのチームで、一番多いのは50人程のベテランの吸血鬼狩りが迷いの森に入ったとのことだ。どうしてそのことを知っているのかと言われると、お嬢様が一番若い吸血鬼狩りの少女を下僕・・・下級の吸血鬼にして知っていることをすべて喋らせたからだ。吸血鬼狩りが吸血鬼になるのは皮肉なことだが、吸血鬼にされた吸血鬼狩りも親から身元を売られ半ば強制的に吸血鬼狩りにさせられたらしく、むしろお嬢様に絶対の忠誠を誓っていた。(その吸血鬼は、メイド隊の預かりとなりアンナの下につけて主に夜に業務をしてもらうことになった。)

レミリアお嬢様もフランお嬢様もお昼に叩き起こされてしまったからか、非常に腹が立っているご様子で、淑女らしい振る舞いと口調ではあったモノの目を煌々と赤く光らせ、吸血鬼貴族の娘らしい風格を垂れ流していた。ここまでの怒気は、今まで見たことはなかった。けれど、お二人には確かにスカーレット卿の血が流れていることがよく分かった(あんまりスカーレット卿のことは知らないけれど、私が初対面の時の風格と似ていた。)

レミリアお嬢様とフランお嬢様の話し合いの結果、徹底抗戦・・・ではなく、いのち大事に見敵必殺(サーチ & デストロイ)の命令を下した。その時のポーズと表情が完全に某主人公系ラスボス吸血鬼のマンガのご主人様だったんですけれど?ともかく、お嬢様のその号令でメイド隊と警備隊が戦闘態勢に映った。

 

まあ、負けるわけがなかった。

メイド隊はあまり戦闘能力のない私、完全に戦闘能力のないオリビアちゃんと毛玉メイド、さっき吸血鬼にされた子を除けば、元化け物討伐組織のシスターのアンナに、暴走したフランお嬢様からレミリアお嬢様を守りつつ互角に戦ったブラウに、そのブラウに1体1なら互角なルージュ、元から種族として最上位クラスの死神の子が揃っており、警備隊に至っては最近ブラウに不意打ちとはいえ一撃を食らわせた美鈴(メイリン)に、庭園迷宮で鍛えられ、ヒット&アウェイに特化した狼の群れ。そんな彼女らを戦力に私がたてた作戦のもと、一人一人孤立させ各個撃破。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()調()()()()()()()()()()()()()()()3()()()()()()()()。あの霊薬*1を飲ませて、血だけを抜き取るようにしましょう。これで最近、動物の血ばかりで元気のなかったお嬢様方も喜ぶはずだ。あ、脱走だけはしないように洗脳もしとかないと・・・。

ちなみに、敵の総数は150人。きっちり死体も数えたから間違いはない。

 

 

追記

 

1日眠って冷静になって読み返したのだけれど、お二方だけでなく、私も相当気が立っていたみたいだ・・・。まあ、だからと言ってやめる気はないけれどね。

 

 

*1
転生93年と1か月13日目『命の霊薬が沸く壺』





今までほのぼのしていたけれど、いきなり闇を出してしまった()
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