紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

143 / 161
□ キャスパリーグと咲夜の出会い

 

庭園迷宮の第3層の攻略も終わり、残すはブラウ、ルージュ、赤リボンのアンナを救出するのみとなった庭園迷宮完全攻略戦。

レミリアとフランの休息、ついて行った警備兵とメイドたちの休憩を兼ね、1度紅魔館(こうまかん)に戻ることとなり……

 

「それで、フラン。その猫の処遇はどうするわけ?」

「どうしようねお姉さま……」

「にゃーん!!?」

 

……キャスパリーグの処遇について頭を悩ませていた。

 

~~~~~

 

そもそも紅魔館(こうまかん)には、既に大型のペットが何体もいるのである。

レミリアのペットに古代岩石竜(エンシェントロックドラゴン)のユーリと、世界喰らい(ワールドイーター)もとい超巨大人喰い植物(ネフィリム・マンイーター)のユグ君。

美鈴(メイリン)のペットに、ツチノコから気の影響を受け進化した黄龍のロン君。

パチュリーのペットに、ヴワル魔法図書館を縄張りとしているキメラの夫婦、エメナスとローウィルがいる。

 

「正直、私はこれ以上ペットを増やす予定はないわよ。」

「わ、私もロン君のお世話でいっぱいですし……そもそも、ユーリくんやユグくんに、エメナスとローウィルのお世話もしてますし

「……そもそもエメナスとローウィルが猫ベースのキメラだからこれ以上猫はいらないわ。」

 

上から、レミリア、美鈴(メイリン)、パチュリーの順である。

テーブルの上にのせられているキャスパリーグは、その言葉にショックを受け、フランに向けてかわいらしく涙目を浮かべていた。

 

「じゃ、じゃあ私が―――」

「ダメ」「ダメです!」「ダメよ」

「そんなぁっ……」

 

と、誰かが飼わないなら自分がと立候補した途端、レミリアたちに怒られてしまう。

 

「アンタ……迷いの森で拾った可愛いらしいネズミ(ハムスター)のジョンがどうなったか忘れたの?」

「うっ……それはぁ……」

 

ジョン……フランが迷いの森で拾った可愛らしいネズミ(ハムスター)だ。

その愛らしさにフランは一目惚れ、優しく掌に載せて紅魔館(こうまかん)に連れ帰り、レミリアとメイド長マリアに見せ、ヴワル魔法図書館でどんな生態なのか調べ、美鈴(メイリン)に教えてもらいながら、しっかりとお世話をしてあげていた。

賢い可愛らしいネズミ(ハムスター)だったため、躾をすればなんでも覚える愛嬌のある可愛らしいネズミ(ハムスター)だったのだが、ある日、眠ったフランが無意識にジョンの”目”を引き寄せてしまい、指先ではじけさせてしまったのだ。

その結果、ジョンは”キュッとしてパーン”されてしまい、ジョンのケージの中は悲惨な状態になり……あまりの凄惨さにフランを起こしに行った吸血鬼メイドが悲鳴を上げたほどだった。

 

「いくらこの猫がキャスパリーグとはいえ、二度も”キュッとしてパーン”はイヤでしょ?」

「…………はぁい。」

 

シュンと悲し気な表情を浮かべてうなだれるフラン。

キャスパリーグはレミリアとフランの話を聞いて、自身のみに何が起きるのか察したのか、安堵のため息をついていた。

と、そこへ……

 

[コンコン]

 

「失礼します、咲夜(さくや)とカートです。紅茶とお茶菓子をお持ちいたしました。」

 

扉の外から、咲夜(さくや)の声が聞こえて来た。

壁際においてある時計を見てみれば、時刻はすっかりお茶会の時間。

もうそんな時間なのねと、思いつつ、レミリアは入室を許可しようと声を整えた。

 

「入っていいわよ~。」

「はい、それでは失礼し――――――」

 

咲夜(さくや)が、ひっくり返さないように慎重にワゴンを押すカートと入室し、キャスパリーグと目が合い、じっと見つめる。

キャスパリーグもまた、入ってきた咲夜(さくや)をじっと見つめだした。

その様子に、咲夜(さくや)以外の全員が首を傾げだした。

 

「……か」

「……にゃ(特別翻訳:う)」

 

「「「「か?」」」」

「う?」

 

プルプル、わなわな……咲夜(さくや)とキャスパリーグが顔を伏せながら震えだす。

その雰囲気に、ゴクリと誰かが生唾を飲んだ、次の瞬間。

 

かわいい~~~ッ!!

えぇ~~~!?どうしたんですか、この可愛い子猫!どこで拾ってきたのでしょうか!?」

にゃ~~~んっ!!(特別翻訳:美しい~~~っ!!)

うにゃっ、うにゃ~~~んっ(特別翻訳:なんだこの子、超かわいいし超美しい!ボクこの子に飼われた~い!!)」

 

咲夜(さくや)は目を輝かせて、折れていない左腕だけで器用に抱き上げて可愛がり、キャスパリーグはゴロゴロと喉を鳴らしながら咲夜(さくや)の腕の中で甘えだし始めたのである。

その様子に思わずポカーンとするレミリアたちと、同じ血筋だからこそ、キャスパリーグの言っている意味の分かるカートは、少し引いていた。

 

「あらあら~どうちたの~?かわいいね~、ここ?ここ撫でてほしいのね?ほ~らなでなで~」

「ゴロゴロゴロゴロ……(特別翻訳:あ~~~っ、撫で方が上手で優しい~……そうそこぉ~……はぁ~~~んっ)」

 

お姉さま、あの様子なら咲夜(さくや)ちゃんにキャスパリーグを任せた方がよくない?

奇遇ね、フラン。私もちょうどそう考えたところよ

 

お仕事そっちのけで、キャスパリーグを可愛がり出す咲夜(さくや)……もしもここにマリアが居たら、咳払いでもして気持ちを戻すのだろうが、そのマリアはまだ救出できていないので、誰も咲夜(さくや)を注意しようとはしなかった。

様子を見かねた美鈴(メイリン)が、少し顔を青くしているカートちゃんに声を掛けた。

 

「ところで、カートさんはどうしてこちらに?給仕なら、アンナ隊のメイドさんたちのお仕事では……?」

「あー、えっと……たまたま行く場所が一緒で、咲夜(さくや)ちゃんのお手伝いを……って、そうだ!レミリアお嬢様、緊急のご報告がございますにゃ!!」

「(にゃって言った。)何かしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダーティちゃんが第4層から、”重傷を負いながらも生還”現在は、メディーさんのところで治療を受けてますにゃっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。