紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
なにせ、メイド長のほとんどが病床に叩き込まれたともなれば、大混乱も起きるという物……。
始めに、今回の決戦での被害を軽く述べると……重傷者はノワールとプリムの二人。ノワールは、
プリムもまた、頭蓋骨の後頭部が陥没骨折したうえで、右足を粉砕骨折、持っていた大理石のような質感の不思議な弓も、本人が地面に叩き付けられた衝撃で、粉々に砕けてしまっている。
―――普通に二人とも致命傷かつ瀕死である。
そんな二人が、なぜ生きているのかと言うと、事前にとあるものを持たされていたからだ。
それが、マルガの作る”お守り”……それも、一度だけ死を避けることのできるものを持っていたのである。
ドルイドのマルガの作る”お守り”は、マルガ自体、ドルイドの秘術に至りかけていることもあり、その効能は本物だ。(ちなみに、マグノリアと、ヘスティーナの他にマルガと仲のいいメイドにはそれぞれの仕事に合った”お守り”が渡されている。そんな便利なアイテムいつ使ってた?と思われるかもしれないが、マリアが見ていないところで使っていたのである。)
おかげで、ノワールとプリムは死を免れ、二人は重症程度で済んでいる。(まあ、それにしてもひっどい大怪我だが)
現在、ノワールとプリムはメディーの医務室の隣に病室を急遽増設し、そこで治療され、安静にしている。
次に酷い怪我をしているのは、マグノリアとヘスティーナの二人だ。
マグノリアは、言わずもがな……ヘスティーナを傷つけられた怒りで暴走……半竜化を伴いながらの戦闘で、肉体に甚大な負荷がかかったうえで、6属性チャージブレスを使ったため肺と喉を傷め、挙句には
そして、ヘスティーナは……と言うと、幸いにも飛ぶ斬撃で傷つけられた右肩は、完璧に……とまではいかないが、元の機能の90%程度は回復するだろうという見込みで、力が少し入れずらくなる以外はこれと言った後遺症は残らないと診断されていた。
しかし、鍛冶師にとってそれは致命的であり、ヘスティーナは少し悲しげな表情を浮かべていたものの、レミリアを守れたことを誇らしく思っており、名誉の負傷だと周りに言いまわっているようだ。
この四人以外に怪我を負った
「それでも、問題は山積みなのよねぇ……」
「……♪」
ナデナデと、レミリアは膝の上に座るブラウ・ペイルライダー(以下、”ブラウ”と呼称する。)の頭を撫でながら、ため息をつく。
場所は、レミリアの執務室……レミリアの他には、納得いかないといった様子のフランと
「……
「そうですね……ハッキリ言って、メイド隊は混乱と停滞の渦中にあります。
まずは、清掃メイド隊ですが……ブラウ清掃メイド長が、幼くなってしまったというのが最大の混乱理由となります。
次に運搬メイド隊と雑務メイド隊ですが……ノワール運搬メイド長とプリム雑務メイド長のお二人とも病床に臥せっており、現在はドクター・メディーの監視のもと安静中で、業務につくことができない状態です。
調理メイド隊、主力メイド隊もまた、ルージュ調理メイド長と赤いリボンのアンナ主力メイド長がいまだに救助されないことに不安を見せ始めております。
現在、主力メイド隊は青いリボンのアンナ主力メイド長が日中問わず業務に付き、各メイド隊も、ネペタ清掃副メイド長、ブライニィ調理副メイド長、ソマリ運搬副メイド長(毛玉メイド)、アイーダ雑務副メイド長が指揮を執ってくれているおかげで何とか業務が回っている状態です。」
「対策は打ったの?」
「はい。現在は、私が
しかし、
「続けて、警備隊なんですけれど……ハッキリ言って、警備隊はこれ以上の出撃は難しいと言わざるを得ない状況です。」
「っ……どうして?武器や防具はこれまでの作り置きで十分なはずでしょう?」
「はい……そっちの消耗は問題ないはずでしたが……連戦に次ぐ連戦で疲労困憊、保護した妖精たちの監督に、どうやら迷いの森に敵対的なゴブリンの一族がやってきたようで、そちらの対応もしなければならくなり……」
「迷いの森に連れていける人員がいない……と言う事ね。」
「申し訳ありません……。」
「
パチェ、しばらくの間マルガとビビオンを借りていいかしら?」
「やってみます。」
「異論ないわ。
とんとん拍子で、次々報告される問題の解決策を出すレミリア。その姿は、間違いなく当主として不足ない姿であり、どこか父であるラウルの面影を残していた。
ちなみに、その間、フランは納得いかないという表情を崩さず、じっとレミリアを見つめていた。
「……フラン、さっきからどうしたのよ?」
「……お姉さまって、大人に近くなるとあんなに大きくなるんだねェ。」
ポツリとつぶやきながら胸の大きさを強調するジェスチャーをするフランの発言に、フラン以外が全員ずっこける。真面目な雰囲気の中、フランのいきなりのセクハラ発言にびっくりしたともいえるが……レミリアには心当たりがあったが、少なくともあれから強化されたグングニル……”グングニル・エクリプス”の影響で、大人びた姿から元の少女姿に戻っているが、確かに大人びた姿の時、自分の胸部がやけに重く肩が凝っていたのはよく覚えている。
「アンタねぇ……今それを言っちゃう?」
「えーだって、話振られたから~。」
「まあ、確かにあの時のレミリアお嬢様、かなり大きかったっすねぇ~。」
「アンナ……アンタもか」
「ちなみに、ノワールさんとプリムさんも治療を受けた後、あの時のレミリアお嬢様の胸デカかったって話してたっす。」
「あの二人もかい……」
なんでみんなして、私の胸ばっかり気にしてるのよ。と、レミリアはため息をついた。
なにがとは言わないが、普段の幼い姿の時はAだが、大人びた時はD~Eぐらいになる。なにがとは言わないが。
ともかく、話題はすっかりレミリアの成長率についてになってしまっていた。
「ねえ、お姉さま……折角だし、もう一回、グングニル・エクリプスであの姿になってよ。」
「えっ、イヤ。」
「いやっ!?お姉さま、今、イヤって言った!?
なーんーでー?お姉さまも
「えっ、レミリアお嬢様、私のスタイルに憧れてたんですか!?レミリアお嬢様は腹筋を割りたいんですか!?」
「えっ、割れてるの!?」
「あ、はい。うっすらと。」
笑劇の新事実が明かされ、レミリアの執務室はすっかりゆっるーい雰囲気に包まれ……もはや、真面目な話し合いと言う雰囲気でなくなってしまった。
―――そんななか、物静かに来客用ソファーに座り紅茶を飲みつつ、騒ぐレミリアたちを眺めていたパチュリーは……
「よしよし……今度は私に甘えたいのね~。」
「……♪」
いつの間にか移動していたブラウの頭を撫でながらハグしていた。