紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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☆ 490冊目 6~7ページ目

転生490年と7カ月6日目(土曜日、日中:曇り、夜中:曇り・多分三日月)

 

レミリアお嬢様の疑心と、咲夜(さくや)との対立、その爆弾を抱えたまま、紅魔館(こうまかん)は幻想郷へと転移しようと準備をすることになった。

しかしやはりといっていいべきか、その準備の進行速度は亀よりも鈍足なものだった。

はっきり言ってしまえば、レミリアお嬢様と咲夜(さくや)の対立が大きく影響している、というのもあるが、そも『全く知らない場所(幻想郷)へ転移する』という事態が、準備を進める紅魔館(こうまかん)の住人達に不安を抱かせているのである。

一応、どちらも中立である二人のアンナの主導でなんとか準備が進んでいるって感じなのである。

 

まあ当然ながら、紅魔館(こうまかん)があるのは欧州だ。

詳しい位置まで書くのは面倒だから省くが、大体欧州に区分される位置である。

そうであれば当然、美鈴(メイリン)を除いてほとんどが欧州出身かその周辺の出身だ。

ここから、シルクロードの果てである清を超えた先、日本の幻想郷に転移するともなれば……まあ当然、こちらには帰ってこれないわけである。

こことは違う環境であると考えれば、不安にならないのはよほどの度胸があるメイドだろう。

ただ、私としては今の状態で幻想郷に転移するのは……なんというか危険な気がするのだ。

ただでさえレミリアお嬢様と咲夜(さくや)の対立を抱えているというのに、あそこは魑魅魍魎が跋扈し、幅を利かせる混沌の地……化け物たちの最後の楽園といえば聞こえがいいが、その実その楽園内は限りある土地をめぐって妖怪や怪物、神々が生存をかけて争う場所だ。

エデンの園のように、何もかもが平等の場所ではない……あの場所はすべてを受け入れるが、それはそれは残酷なことに、力こそがすべての古い土地だ。

 

……だからこそ、今の状態の紅魔館(こうまかん)が転移したところで、食い物にされてしまうのが落ちだろう。

おそらくそれは、レミリアお嬢様も分かっておられるはず……あの方は疑心に捕らわれたとはいえ、家族を思う心だけは、それだけは本物のはずだ。

誰一人傷つかないように、だれ一人失わないように、レミリアお嬢様は数々の準備を……たとえそれがどんなに強引な手であろうと、行われるだろう。

 

実際、メイド隊の仕事に警備隊が内部警備の名目で監視するようになったのだ。

元々、館内の警備は清掃メイド隊の仕事だったのだが、ブラウが幼くなり、ネペタちゃんがメイド長となったことで戦闘能力は大幅に落ちたといえるし、その仕事効率も落ちたといえるだろう。

けれど、清掃メイド隊の子たちが決して弱いわけでもお仕事ができないわけでもない。むしろ、ブラウが強すぎたし仕事ができすぎたというべきだろう。

そして、レミリアお嬢様はその落ちた効率を穴埋めするという名目で、清掃メイド隊が請け負っていた館内警備を警備隊に移したのだ……フランお嬢様と咲夜(さくや)、ネペタちゃんの全員の反対を押し切って。

 

理屈は、私にも理解できる。

もとより、警備隊の仕事は、紅魔館(こうまかん)全体の警備だ。それは当然、館の内側も及ぶものだ。

けれどこれまで、館内を警備していなかったのは、警備隊の人数が少数精鋭だったからなのだが、かつては少なかった警備隊も、今じゃ幽霊騎士とリビング・アーマーという無尽蔵の兵力によって賄えるようになった。

だから、もともと働いていた狼女たちを館内の警備に配属して、清掃メイド隊の仕事を減らそうというお気遣いは手に取るようにわかるのだけれど……。

 

……今のレミリアお嬢様にとって最も信用できるのは、武力を持つ警備隊で、メイド隊は監視の対象……となっている。

今回のことで、中立だったり、仲裁だったり、そういった子たちのほどんどが、咲夜(さくや)の側についた。

このままでは、メイド隊と警備隊の溝はさらに深くなってしまう……。

 

なにか、何かいい手はないのだろうか……。

 

 

転生490年と7カ月7日目(日曜日、日中:雨、夜中:雨・多分新月)

 

レミリアお嬢様と咲夜(さくや)の対立は、日に日に双方の不機嫌な様子という形で、目に見えて大きくなってきている。

今のところ、大きな激突の様子を目撃したわけも、耳にしたわけでもないけれど、いずれ時間の問題だろう。

今は、何とか私が仲裁しているからか、二人とも最後は落ち着いてくれるのだけれど……。

 

なんだか今日は体調も悪いし、できればこのまま、あしたもーーー

 

 

文字の列がちぐはぐになり、最後はインクがぶちまけられていた。

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