紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
転生490年と7カ月6日目(土曜日、日中:曇り、夜中:曇り・多分三日月)
レミリアお嬢様の疑心と、
しかしやはりといっていいべきか、その準備の進行速度は亀よりも鈍足なものだった。
はっきり言ってしまえば、レミリアお嬢様と
一応、どちらも中立である二人のアンナの主導でなんとか準備が進んでいるって感じなのである。
まあ当然ながら、
詳しい位置まで書くのは面倒だから省くが、大体欧州に区分される位置である。
そうであれば当然、
ここから、シルクロードの果てである清を超えた先、日本の幻想郷に転移するともなれば……まあ当然、こちらには帰ってこれないわけである。
こことは違う環境であると考えれば、不安にならないのはよほどの度胸があるメイドだろう。
ただ、私としては今の状態で幻想郷に転移するのは……なんというか危険な気がするのだ。
ただでさえレミリアお嬢様と
エデンの園のように、何もかもが平等の場所ではない……あの場所はすべてを受け入れるが、それはそれは残酷なことに、力こそがすべての古い土地だ。
……だからこそ、今の状態の
おそらくそれは、レミリアお嬢様も分かっておられるはず……あの方は疑心に捕らわれたとはいえ、家族を思う心だけは、それだけは本物のはずだ。
誰一人傷つかないように、だれ一人失わないように、レミリアお嬢様は数々の準備を……たとえそれがどんなに強引な手であろうと、行われるだろう。
実際、メイド隊の仕事に警備隊が内部警備の名目で監視するようになったのだ。
元々、館内の警備は清掃メイド隊の仕事だったのだが、ブラウが幼くなり、ネペタちゃんがメイド長となったことで戦闘能力は大幅に落ちたといえるし、その仕事効率も落ちたといえるだろう。
けれど、清掃メイド隊の子たちが決して弱いわけでもお仕事ができないわけでもない。むしろ、ブラウが強すぎたし仕事ができすぎたというべきだろう。
そして、レミリアお嬢様はその落ちた効率を穴埋めするという名目で、清掃メイド隊が請け負っていた館内警備を警備隊に移したのだ……フランお嬢様と
理屈は、私にも理解できる。
もとより、警備隊の仕事は、
けれどこれまで、館内を警備していなかったのは、警備隊の人数が少数精鋭だったからなのだが、かつては少なかった警備隊も、今じゃ幽霊騎士とリビング・アーマーという無尽蔵の兵力によって賄えるようになった。
だから、もともと働いていた狼女たちを館内の警備に配属して、清掃メイド隊の仕事を減らそうというお気遣いは手に取るようにわかるのだけれど……。
……今のレミリアお嬢様にとって最も信用できるのは、武力を持つ警備隊で、メイド隊は監視の対象……となっている。
今回のことで、中立だったり、仲裁だったり、そういった子たちのほどんどが、
このままでは、メイド隊と警備隊の溝はさらに深くなってしまう……。
なにか、何かいい手はないのだろうか……。
転生490年と7カ月7日目(日曜日、日中:雨、夜中:雨・多分新月)
レミリアお嬢様と
今のところ、大きな激突の様子を目撃したわけも、耳にしたわけでもないけれど、いずれ時間の問題だろう。
今は、何とか私が仲裁しているからか、二人とも最後は落ち着いてくれるのだけれど……。
なんだか今日は体調も悪いし、できればこのまま、あしたもーーー
文字の列がちぐはぐになり、最後はインクがぶちまけられていた。