紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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転生4日目(土曜日、日中:晴、夜中:晴・満月)

 

3日目が無事に終わり、4日目。

私は、昨日と同じく・・・お嬢様方にとっての朝食の下準備を行い、紅魔館(こうまかん)を隅から隅まで清掃して、洗濯を干し、庭先の手入れを行い、空いた時間で私自身の能力を極める作業とこうして日記をつづり、ときおりフランお嬢様がうなされていないかの確認をしておく。レミリアお嬢様が教えてくれたのだが、フランお嬢様はスカーレット卿の妻”パメラ・スカーレット”が、父”ラウル・スカーレット”に最後の力を振り絞り、フランお嬢様(自身)を託したことを覚えているらしい。その時の、レミリアお嬢様はこう仰っていた「私からお母さまを奪ってごめんなさい。って、謝られたんだ・・・私は、どんな顔をすればよかったのかな。」と、ドレススカートをキュッと握って、涙をこらえていた。その時の私は、そっとあふれそうになった涙をハンカチで拭い、レミリアお嬢様を静かに抱擁したが、それが最善の答えだったのかは、私にはわからない。

 

さて、話を戻そう。

フランお嬢様は、その託す瞬間、つまり”パメラ・スカーレット”が息絶える瞬間をまだはっきりとしない赤ちゃんの意識でありながら、今でも鮮明に・・・記憶と心の奥底に焼き付いているのだ。それが、どうしてもフランお嬢様の眠りを妨げている。眠る時にまれに見る夢は、寝ているときに経験した出来事や行ったことを情報整理を行っている際に起きる生理的なものだ。専門家ではないため、前世のインターネットで調べただけだが、友人の悪夢を解消するために調べたことがここにきても活用された。ありがとう、前世の友人。(名前思い出せないけど!)

そんな状態、記憶と心に鮮明に焼き付いた出来事は、もちろん悪夢として夢の中で再び経験する。眠るたびに起きるのでは、どんな精神力を持つ超人でも耐えられるものではないだろう。何度も何度も、()()()()()()()()()()()()光景を見せられれば、誰だって気が狂う。

もしかしたら原作である、東方紅魔郷(とうほうこうまきょう)のEXステージに出てきた”フランドール・スカーレット”は、そういった経緯もあって発狂してしまったのかもしれない。

 

・・・たらればの話は、日記帳に書いたとしても、口で言ったとしても、二度と変えられないことで、今の私にできることは、彼女たちを守りながらお世話をし、そして自分を強くし、お二方を幸せにすることだ。

いくら、レミリアお嬢様の”お気に入り”とはいえ、4日しか関わりを持たない私にとって・・・まだ、足を踏み入れていい問題ではない。ただそれだけの話だ。

 

=====

 

転生5日目(日曜日、日中:曇り、夜中:晴・半月)

 

昨日も無事に、お嬢様を寝かしつけることに成功し、そしてまた昨日と同じく料理や掃除に洗濯、庭先の手入れを行い、空いた時間を使って私自身の鍛錬を怠らず。日記を書きながら、フランお嬢様の眠る様子を確認する。

今回はうなされてしまっていたので、一度起こし・・・落ち着いてから、もう一度眠らせた。二度目の悪夢は見なかったようで、静かな寝息だけが聞こえてきていた。

 

正直に言って、紅魔館(こうまかん)を運営するのにいつまでも私が一人は中々に厳しい。いくら妖精になったからと言って、年中無休で働けるわけではない。妖精になってから過労死するのは笑えない冗談だ。どうにか、私が休めるように計画してみるのだが、もちろん上手くいくことはない。私一人しかこの紅魔館(こうまかん)のメイドが居ないからだ。猫の手すら借りたい状況で、私以外がメイドになっていたらすでに過労で倒れていたことだろう。

・・・こうして書き起こして思ったのだが、紅魔館(こうまかん)独自でメイドを雇うことはできるのであろうか。何せ、この紅魔館(こうまかん)はスカーレット卿・・・つまり、レミリアお嬢様とフランお嬢様の父親がもつ別荘だ。つまり、紅魔館(こうまかん)の本来の持ち主は、スカーレット卿と言うことになる。黙ってメイドを雇って問題になるより、聞いてみた方がいいのかもしれない。今日の夜、お嬢様が起床され、朝食を取り終わったティータイムの時に手紙を送っていただくようにお願いしてみよう。

ここまで書き起こして、自分でも不思議に感じるのは、”なぜスカーレット卿は、仮にも自分の娘たちが暮らす紅魔館(こうまかん)に人を置かないか”と言う点だ。スカーレット卿において、レミリアお嬢様とフランお嬢様は、性別が女・・・とはいっても自身の血を引き継いだ娘たちだ。守るためや世話をするためならば、普通はメイドや紅魔館(こうまかん)を守る兵士が居てもいいはずなのだが、それが見当たらない。しかも、スカーレット卿のそばにいたのは、あの執事さんただ一人。

その疑問が、のどに刺さった魚の小骨のようにどうしても気になってしまう。

 

まさか、レミリアお嬢様とフランお嬢様の方が、愛人の子供・・・?

どうしよう、ほんの少しあっただけなのに、「あの当主ならやりそうだ。」と考えてしまう自分がいる。

と、ともかく、血が云々、性別が云々、妾の子が云々とかの問題は私にとっては関係ない。私は、意外と一途そうに見えて隠れて若い女性と不倫してそうなあの当主から、レミリアお嬢様とフランお嬢様のお世話を頼まれているのだ。

・・・仮に事実だったら、死ぬ覚悟で反逆してやろう。そうしよう。

 

=====

 

転生6日目(月曜日、日中:晴、夜中:晴・三日月)

 

レミリアお嬢様が手紙をしたためて、フクロウを呼んだと思ったら、手紙をバックに入れて、そのバックをフクロウに持たせて飛ばしていた。思わずポカーンとしていると、レミリアお嬢様から説明されてようやく、あのフクロウは手紙を届けるように訓練されたフクロウと言うことを知った。どこのハ〇ポタだよ!いや、まあ、分かるよ?吸血鬼とフクロウは夜行性だからフクロウに伝書鳩(?)させるのは、できるかなぁって考えてたら、まさか本当にできるなんて分かるか!

とりあえず、結論から言うと紅魔館(こうまかん)独自でメイドや私兵を雇うことは構わないらしい。ただし、レミリアお嬢様が100歳(吸血鬼の成人年)になるまでは、私が責任者となること。が、条件だった。とりあえず、妖精になってから過労死するとかいう冗談じゃない事態は起きずにすみそうだ。

 

今日も、完璧な家事をこなし、空いた時間で紅魔館(こうまかん)の周りを漂っている妖精に声をかけてみる。何回かの声掛けを行い、赤髪赤目の妖精ちゃんと青髪青目の妖精ちゃんが今日からメイドとして加わることになった。ちなみに、その二人とは初対面のはずなのだが、その二人が驚いた様子で私を見た。どうして、私を見て驚いたのか聞いてみたのだが、彼女たちの知人に似ているらしく、それで驚かれたらしい。容姿がそっくりそのままな生物は世界に3人いるって話だし、彼女たちの言葉に嘘はないだろう。多分。

そして、彼女たちの名前がないのも不便なので、赤髪赤目の妖精ちゃんには”ルージュ”の名前を、青髪青目の妖精ちゃんには”ブラウ”の名前を付けてあげた。私が名付けると、二人は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をし、どこか嬉しそうに微笑んだ。私には理解できないが、多分だけれど私に似ている人は名付けをしない人だったのだろう。多分、その相手も妖精だろうけど。

 

ルージュとブラウに簡単な仕事をしてもらい、二人の家事能力を見せてもらったのだが・・・これがまた高かった。

ルージュは主に料理が得意で、私に作れないような料理を簡単に作り上げ、ブラウは清掃が早いようで私よりスピーディーに清掃を終わらせていた。うれしくなって思わず、二人の頭を撫でてしまい、二人を困惑させてしまったのは悪いと思っている。

けど、私は褒める時はしっかりと褒めて、叱る時はしっかりと叱るタイプなので、二人には作り置きをしておいたクッキーをごちそうしてみた。

 

ちなみにそのクッキーは大好評でいつの間にかレミリアお嬢様とフランお嬢様も食べるようになっていた。




簡潔なここまでの登場人物紹介

主人公
地味にハイスペック。

レミリア
7歳にして壮絶な人生を歩んでる。

フラン
産まれた瞬間に罪を背負う羽目になった。

パメラ
既に他界。悔いはないようだ。

ラウル
誓って不倫はやってません。

執事さん
ラウルの側仕え、主人公よりハイスペック。

ルージュ
料理が得意な、硬い剣を持つ妖精。

ブラウ
掃除が得意な、鎌を持った妖精。
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