紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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今回は、ルージュ率いる調理メイド隊にフォーカスを当てていきます!



紅魔(こうま)4メイド長 ルージュ

 

紅魔館(こうまかん)には、料理長や料理人は存在しない。

普通の貴族の屋敷ならば、お抱えの料理人の一人でも存在するのだろうが・・・紅魔館(こうまかん)には存在しない。なにせ、紅魔館(こうまかん)は吸血鬼貴族のお屋敷だからだ。

血をうまく調理する料理人なんて聞いたことが無い、そもそも吸血鬼は直飲みが主流らしいので・・・私の主であるレミリアお嬢様とフランお嬢様の方が珍しいのだろう。あのお二方は、コップに注いで飲む派だ。

 

そんな紅魔館(こうまかん)の厨房を誰が管理しているのかというと、私ことレ・・・失礼、ルージュと、私がリーダーである調理メイド隊が管理している。

元々、戦うことしかできない私が趣味で始めていた料理・・・その出来をメイド長が見込んでスカウトしてくれたが、私は割とこの仕事が気に入っている。何分、かわいい部下もできたし・・・なにより、レミリアお嬢様とフランお嬢様の「おいしい」の一言が嬉しいからである。

 

そんな私の調理メイド隊なのだが、他の人から見れば確かに忙しそうに見えるのだろう料理の仕込みにメイドや警備隊、司書隊の食事の準備、ユーリや家畜の餌と言ったものも用意する必要があるし、食糧庫に収められている食材の管理もする必要がある。

だけど、調理メイド隊は意外と暇な時が多い。確かに、料理の仕込みや食事の準備に追われているものの、慣れてしまえばすべてお手軽にできてしまう。

 

「ルージュさん、今日の仕込みとお昼の食事の準備、終わりました~。」

「うん、お疲れ様。じゃあ、少し休もうか。」

「あ、その前に調理器具の手入れだけしときます~。」

 

毛玉メイドたちが率先して、お鍋やフライ返しなど調理器具の点検をしている。包丁を使う毛玉メイドは自分の包丁は自分で手入れをしており、こだわりを感じる。ちなみに、私は包丁で斬撃飛ばして食材を切ってるから手入れの必要はあまりないかな。

毛玉メイドたちが調理器具の点検を横目に、厨房の一角に設置されている休憩用パーソナルチェアに静かに座ると、同じスペースに設置されているソファーの上にあるブランケットに包まれた山が動き出し、そこから一人の妖精・・・調理メイド隊のマスコットでもあるライラックちゃんが出て来た。

 

「休憩~・・・ですか~・・・?」

「お願いできる?」

「はい~・・・では~・・・一緒に~・・・休みましょう~。」

 

私のお願いで、ライちゃんからの能力が私に使われる。

直後、精神操作の感覚を感じるが・・・それを受け入れる。すると、体の力が自然に抜けて何もしたくないという気持ちが高まる。

けれどもまあ、お仕事もほとんど終わったから特に何もしなくてもいいので、ライちゃんと一緒に思う存分休む。

 

「はぁ~・・・ゆっくり休憩できるって幸せ~・・・。」

「ルージュメイド長、それ他のメイド長に聞かれたら大変ですよ~?」

「大丈夫~・・・胃袋は掴んであるから~。」

 

私がそう言うと、調理器具を点検していた毛玉メイドたちがクスクスと笑い出す。

どうしてみんなが笑っているのか理解できずに首をかしげていると・・・

 

「へぇ、私はどうなのかしら?ルージュ。」

 

今の状況ではあまり聞きたくない声が聞こえて来た。

思わず、ライちゃんの能力を振り払って背筋を伸ばすほど、聞き覚えのある声・・・

壊れたゼンマイ仕掛けの人形のように後ろを振り返ると、

 

「なーんて、冗談よ。ルージュ。」

 

イタズラな笑みを浮かべているメイド長がそこにいた。

・・・というか、冗談。冗談だったの?トーンが割と低くて本気かと思ったのだけど・・・?

 

「や・・・やだなぁ、メイド長。いつの間に来てたの?」

「そうね・・・ライちゃんに能力の使用をお願いしているところからかしら?」

「・・・割と最初の方。」

 

と、メイド長がライちゃんの隣に座り、ライちゃんをそのまま膝枕した。

はたから見れば、微笑ましい小学生の姉妹の交流だが・・・片方は、私でも頭が上がらない人だ。

 

「メイド長~・・・?」

「よしよし、ライちゃんも頑張ってるわね。」

「えへへ~・・・。」

 

ライちゃんを甘やかすメイド長を見ると、小さなお母さんだなとは考えるものの、あまり邪な考えは浮かべないようにする。

メイド長は割と身長を気にしているのでむやみやたらに言ってしまうと本当にシャレにならない。メイド長の身長を小さいとバカにした侵入者がどうなったのか・・・今でもブラウと美鈴(メイリン)がおびえるぐらいにはシャレにならない・・・。

 

「メイド長って、お母さんみたいですよね。」

「あら、そう見えるの?」

「ええ、まあ。」

 

1人の毛玉メイドが気兼ねなくそうメイド長と話しているのを見て、私は嬉しさを感じていた。

なにせメイド長は・・・・・・

 

 

・・・いや、やめておこう。

もう、ソレは過去の話・・・それも100年以上前の話だ。今更蒸し返したところで、いい事なんて一つもないだろう。

 

「メイド長が甘やかさない相手は、いないんじゃないんですかね?」

「・・・そうかしら?」

「そうだね。」

「ルージュ?」

 

照れたように私の名前を呼ぶメイド長。

照れ隠しで虹色クリスタルの羽をパタパタさせていて、とても可愛らしい姿だ。

さて、まだしばらく休憩時間はあるし・・・少しお昼寝でもしようかな。

 

 

目を覚ますとすっかり夕方で、毛玉メイドたちはすでに夕食の支度をしていた。

なんで起こしてくれなかったの?とは怒ったのだが、幸せそうに寝ていて起こすに起こせなかったと聞かれて謝った。

・・・そっか、私は今・・・幸せなんだ。

 

「ふふっ・・・よーし、夕食の調理始めるよ!」

「「「はい!!」」」

 

今日もレミリアお嬢様とフランお嬢様の「おいしい!」の一言の為に包丁をふるい始めたのであった。





調理メイド隊

調理メイド長(料理長):ルージュ
マスコット:ライラック
毛玉メイド


はたから見れば忙しそうだけど、本人たちから見れば楽っていうパターンって結構あるよね。

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