紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
side:ブラウ
紅魔館が襲撃され、敷地内全体で争いが起きている中・・・私は別館へと何人かの妖精メイドを引き連れて向かっていた。
比較的早い段階で、別館は落とされてしまい・・・別館で寝ている吸血メイドたちや、休憩するために別館に戻った妖精メイドと毛玉メイド、そして別館清掃のためにネペタと数人の妖精メイドが避難しているのかどうかさえ不明だったが、命からがら別館から脱出してきた一人の妖精メイドにより、ネペタが別館に居るメイドたちを纏めて別館の一番広く、扉が頑丈に作られた部屋・・・休みのメイドたちの憩いの場となっている
その妖精メイドをヴワル魔法図書館に避難させたのち、戦うことを希望した清掃メイド隊の妖精メイドを連れて別館へと急ぐ。
(いかに頑丈な
別館にいた子達の祈りつつ、道中で騎士や兵士を斬り殺しながら急ぐ。別館の扉を蹴破り、そのまま
「ぶ、ブラウメイド長?ここまで来てなぜ止まるのですか?」
「なにかいるぞ、警戒してくれ。」
困惑した妖精メイド達だったが、私の言葉を聞いて怖がりながらも槍を構えた。
いつも通りの別館内部ではあるものの、奪われたと言う割にはあまりに綺麗すぎる。外にはわんさか騎士や兵士に聖職者も混ざっていたというのに、ここはあまりにも静かすぎるのだ。
(嫌な予感がする。)
長年の私の勘が警鐘を鳴らしている。今すぐ部下たちを逃がせ、さもなければみんな死ぬと。
「テミア*1みんなを連れて外に出て、敵が入ってこないようにしてくれ。」
「えっ、ブラウメイド長お一人で行くのですか!?そ、そんなのあぶな―――」
「早くっ!」
少し声を荒げさせ、テミアたちを別館の外に出させる。理由はなんでも良かったけれど、少なくともテミアたちも分かってくれるはずだ。
テミアの指揮に従って私についてきた妖精メイドたちが別館から出ていく。最後の妖精メイドが別館の玄関ドアを閉めた途端、メインホールに1つの拍手がひびき始めた。
「いやはや、なんとも美しき自己犠牲精神。貴女がゲロ以下の吸血鬼のメイドでなければ思わず女神だと崇めてしまいそうですね。」
「・・・お前は誰だ?」
メインホールの柱の影から、優しそうな神父が出てくる。しかし浮かべられている柔らかな笑みの裏側にある気持ち悪いぐらいの悪意と欲望が私に向けられている。
「これはこれは失礼致しました。
「何の用だ?」
目の前の男を警戒しながら、ショートソードを構える。
アンセルと名乗った男は私の様子を気に欠けることなく、不気味なほど柔らかな笑みを浮かべ続けている。
「
「なるほど・・・神父の風上にもおけない小児性愛者か。」
「おぉっと勘違いしないでいただきたい!
―――貴女には死んでいただきたい。」
急に発狂したと思ったらいきなり冷静になり、殺意と同時にナイフを投げてきた。警戒していたのもありアンセルの攻撃をかわすことはとても簡単だ。私に当たるものだけを的確に切り払い、奴の懐に一歩で踏み込み、ショートソードを振りぬく。しかし、人を斬った手ごたえはなく、視線を向ければ残像のみが斬り裂かれていた。
(・・・超スピードか?)
後頭部狙いで飛んできたナイフを伏せてかわして、そのまま背後にショートソードを振るう。
一撃、二撃、三撃、甲高い金属音とビリビリと衝撃が手に伝わる。しかし、三撃目でアンセルに大きな隙が生まれ、その隙をついて攻撃する。だが、アンセルは人間とは思えないほどのスピードで体勢を立て直し、そのまま距離を取った。
「超スピードだな。」
「こうも早く
「・・・生憎だが、私は変態に与する気はない。」
「そうですか、残念です。死ね。」
再びアンセルがナイフを投げてくる。そのナイフをかわしつつ、アンセルの懐に飛び込みショートソードを振るうが、超スピードの程度の能力でかわされてしまう。
素早くショートソードを振るう私に対して、能力を使い優位に立つアンセル。やがて、アンセルが私に隙を見出したのだろう。ショートソードを構え直す一瞬の隙をつかれて蹴り飛ばされてしまう。
何回か床をバウンドした後、空中で体勢を立て直してショートソードを構え直す。口の中に血の味を感じ、溜まっていた唾と一緒に吐き捨てる。
「あぁ、そう言えば。この紅魔の総メイド長・・・彼女の体躯はまるで少女ですよねぇ。」
「・・・・・・何が言いたい?」
戦いの間の小休止と言わんばかりにナイフを曲芸師のようにジャグリングしつつ話し始める。
確かにメイド長の身長はメイド隊の中でも小さい方だ。妖精メイドたちと比べてもその身長は同等だったり少しだけ大きいだけだったりする。だがメイド長がメイド長たる所以は、そんなもので測れるものは何一つないはずだが・・・。
「彼女の容姿・・・実を言うと、一番
―――汚らわしい。
彼女の大人びた表情は何とも吐き気を催す。あのような少女的で可愛らしい顔は幼子のように曇りなき万遍な笑みと、子供らしい表情がよく似合うのですよォ。
ですから、貴女を殺しこの紅魔の妖精たちを保護した後・・・彼女は
彼女を妻として愛するのでしょうか、それとも自らの娘としてかわいがるのでしょうか!?あぁ妻であっても娘であっても捨てがたい!!どちらもン我が主がお与えになった幸せには間違いンなぁいでしょう!!妻であれは大きな町の教会で夫婦で毎日を穏やかに過ごし、子供を6人程作りそして町中の孤児たちを集めて
・・・自らの妄想でトリップしている
こいつは、あろうことか私たちのメイド長を汚らわしいといったばかりか・・・自分勝手な妄想を長々と垂れ流し・・・挙句の果てには、本人の意思など関係はないと言わんばかりに未来を思い描いている。
もうやめた、こんな
私は持っていたショートソードを投げ捨て、
「おや、投降なさるおつもりですか?いいでしょう、素直に首を差し出していただけるのであればせめて苦しみを与えずに殺してさし上げます。我が主も反省さえすればすべてお許しになるで―――」
「―――黙れ。」
「―――ガヒュッ!?」
一瞬で
「ガッ・・・グァ、イ、息がぁああ・・・・・・」
「・・・お前に一ついい事を教えてやろう。」
今まで、掃除の邪魔だからとしまっておいた妖精の羽を出現させる。
「私も妖精だ。」
「キ、貴様ぁ!貴様が妖精であるものかぁッ!穢すな・・・私の妖精像を穢すなぁッ!!」
「私が許可するまで喋るな。」
ギリギリと、首を掴む手の力を強めて息をさせないように脅す。
「・・・では、私はどんな妖精だと思う?」
必死に抵抗し、私の手を殴ったり引き剥がそうともがく
「や、やめて・・・やめてくださいっ!ど、どうか、どうか命だけは!!いのぢだげはぁあああ!!!」
「・・・貴様が彼女を妄想で穢した時点で、貴様が助かるわけがないだろう?」
私の持つ能力を使い、
迷いの森の内部に設置された、人間どもの拠点にでも逃げたのだろう。逃げなければ、他人に迷惑をかけずに済んだというのに・・・やはり人間は愚かだ。
「さて・・・今度の人間は何人死ぬのやら。」
そう考えると、不思議と