紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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□ 紅魔館の戦い・中編その2

side:ルージュ

 

[ズァッ!ザシュッ!!]

 

「ば、バカな!相手はたった一匹の妖精だぞ!?なぜ殺せない!?」

「こ、こいつ・・・俺たちの攻撃すら利用して・・・ぎゃぁッ!?」

「い、一斉にかかるな!同士討ちを狙われているぞ!!」

 

久しぶりに、この大剣を手にして一対多数をしているわけだけれど、全然自分の腕が衰えていないことに驚きとため息が出る。

どこまで行っても私はそうなのだということを改めて再認識してしまうけれど、中庭での戦いに集中するために頭の片隅に・・・いや、頭からその考えと思いを捨てることにした。

 

「クソッ、こいつだけでも厄介なのに!」

「早くこいつを殺せ!さもないと俺たちが危ないんだぞ!?」

「言われなくとも殺せるなら殺してる!!」

 

私が一番突出してこうして敵に囲まれているわけだけれど、この状況に関しては私は得意中の得意なので苦戦の一つもしないと思う。問題は、私たちの後から入ってきた妖精メイドたちやメイド長が採用したメイドたちだ。彼女たちは仮にもあまり戦闘経験はないは―――

 

「うわあああ!アントニーが首の骨を固められて折られたぁああっ!!」

「こっ、こっちの半吸血鬼は妙な格闘技を使うぞ!」

「な、ナイフの嵐が!に、逃げろぉおおおおっ!!」

「ヒィイイッ!!し、死んだ奴らがおそってきたぉおおっ!!」

「くっ、くそぉっ!小さい猫にラット卿が殺されちまった、誰か指揮を!!」

「な、なんだあの人形!?全身が武器だぞ!?」

「よ、妖精が・・・妖精が笑顔であらあら言いながら襲ってくる!!ぎゃぁあああああっ!!」

「こ、この幽霊・・・銃を持ってるのに近接でぶっ放してくるぞ!!気を付け、カヒュッ」

「け、毛玉の津波だぁああっ!」

「こ、この妖精ども連携してくる!逃げろ、アンディ!アンディーーッ!!」

「チクワダイミョウジン」

「誰だ今の!?」

 

あっちもあっちで中々阿鼻叫喚の様子みたい。(目を逸らしてしらんぷり)

正直、戦闘慣れをしている連中ならともかく初戦闘の妖精メイドたちもいたから心配だったけれど・・・心配は無用だったみたい。

広がっているカオス後輩や部下たちが頑張っている姿から目を離し、剣を振り上げながら突撃してきた兵士を切り捨てる。それを皮切りに、複数人の兵士が一気に私を殺そうと襲い掛かってくる。

一人を斬り捨て、二人目の首を蹴って折り、3人まとめて斬り捨てて五人目、斬られて崩れ落ちる死体に紛れて騎士が突貫してくるが、冷静に左手でグーを作って兜をそのまま殴りつける・・・威力が強すぎたのか、殴った騎士の首が吹っ飛び一人の兵士の胴体にめり込む。胴体はそのまましばらく直進し、運の悪い一人の兵士が騎士が持っていた剣に貫かれた。

大剣を担いで、私を囲む兵士を見渡す。私に見られた兵士たちは、視線が合うと顔青ざめざせ身をぶるりと震わせている。そんなに怖ければ逃げればいいのに、逃げようとはしない。教会に何か扇動されて正義のために行動していると思い込んでいるのだろう。

 

「はぁ・・・面倒くさいなぁ~。」

「じゃあ、抵抗するな!」

「それはまた違う話だと思うよ?誰だって、死にたくないわけだし。」

「俺らはそうだな、だがお前らは死ね!この悪魔の手先が!!」

「ひどい言いよう・・・泣いちゃいそうだ。」

 

騎士の一人の横暴な言葉にウソ泣きをしてみる、兵士の何人かは一瞬だけ体の動きを止めたけれどすぐに殺す覚悟を持ち直して手に持ってる武器を構え直した。あーさすがに決意は固いかぁ・・・。

出来ればこれで、諦めたりしてほしかったけれど・・・まぁそりゃそうか、なら仕方ないよね。

 

「皆殺しにするしかないかぁ~。」

「ッ!かかれェッ!!」

 

=====

 

かつて、メイドの数が少なくて休みが無かった頃、アンナがやけに張り切っていたことがあった。「今日のアタシは昨日のアタシとは違うっすよ~!」と意気込んで、仕事を始めたのだけれど・・・その直後に、早大に転んでドレッサーの角に頭をぶつけて死んでいた。その時のアンナを見たメイド長が「はぁ~・・・即オチ2コマね。」と、呆れながらに生き返ったアンナのぶつけたところを見ていたことがあった。

なぜ、唐突に私がそんな話をしたのかというと―――。

 

「こんな、ごどが・・・ゆるざれるが・・・」

「襲ってきたのはそっちなのに。」

「ばけ、ものぉ・・・・・・。」

 

あのうるさい騎士がこと切れる。その騎士の体から大剣を引き抜き、死体の山に加える。チラリと視線を移すと、虐殺の最中に少し移動したからかあのカオスな戦場中庭の中心から少し離れている。

相変わらず、紅魔館のメイドや毛玉が入り乱れた戦場だが紅魔館側の戦力が優勢のように見える。攻めてきた人間側が、おびえたり逃げたりしてるので多分優勢だろう。

大剣にこびりついた人間の血を払い、辺りの死体の山の様子を見る。かなりの数を斬り殺しているはずなのに、まだ騎士や兵士の数が減った気がしない。けれど、着実に数は減ってるのだろう。兵士の装備が殺気私が始末した連中と比べて少しだけ傷や汚れが少ないのが多い。

・・・いくら何でも、紅魔館一つに戦力をさきすぎなんじゃないだろうか。それに、確かに数こそ多いが、紅魔館の戦力は質がいい。妖精メイド一人も兵士5人分の力を持つと考えると、結局のところ敵方のしていることは自分の軍隊を少しづつ向かわせていることなので戦略的には大失敗ともいえる策だ。

紅魔館側の私を含めた戦力が、敵軍の予想を大きく上回っていたのか・・・それとも、紅魔館側の戦力が疲弊するほどの余力を敵が持ち合わせているのか・・・。

 

「・・・うーん、まだ戦いは続きそうだなぁ。」

「ルージュさま!」

 

・・・と、いろいろと考え事をしていると調理班の毛玉メイドの一人が駆け付けてくる。

確か彼女は、本館の防衛を任せたはずなのだけれど・・・どうしてこっちに駆け付けて来たんだろう。

 

「ご、ご報告です!本館が陥落、地下室通路にて激しい戦闘が起きてます!!至急、救援を!!」

「ノワールはどうしたの?」

「ノワール様は抵抗中です、ですが・・・このままでは・・・・・・。」

 

いくら閉所とはいえ、あのノワールがそこまで苦戦するのだろうか?

妖精で性格は割とカスだが、魔法使い・魔女としての能力はマーリンが負けを認めるレベルだ。正直、ノワールが軍団戦で負けるわけがないのだけれど・・・。

それでも、負けたということはノワールにとっての天敵が攻め込んできた人間に居たのだろう。魔法妨害能力か、魔法反射能力か・・・。

 

「・・・どうしますか?」

「うん、まあ・・・()()()()()()()()()()()()。」

 

報告しに来た毛玉メイドの首をめがけて大剣を振るう。しかし、その毛玉メイドはそれをかわして剣を構えた。

 

「な、なにを!?」

「外見模倣能力は珍しいけれど、本人を完璧に再現できるわけじゃないからね。その子は元々喋れない子だから、余計によくわかるよ。」

「・・・ッ、クソがッ!!ハズレだったのかよ!?」

 

私の嘘を信じた毛玉メイドが、口調を荒くしたと思うと次の瞬間には姿がぶれた。

毛玉メイドだった奴は、姿が変わって修道服を纏う男の姿になる。というか、これが奴の本体なのだろう。持っていた紅魔館印の槍を投げ捨てると、懐からナイフを大量に取り出した。

 

「どうやって気付いた、俺の変身は完璧だったはずだ!!」

「完璧だったよ、けれど纏ってた力が違ったからね。」

「チッ・・・だがテメェを殺せば問題はねぇ、喰らえっ!」

 

焦ったのだろう、分かりやすい軌道でナイフを投げてくる。

避けるまでもないので、当たるのだけを切り払うとそいつは私の肩に触れてきた。

 

「テメェの姿と能力、模倣させてもらうぜ!」

「・・・へぇ?」

「ハハハっ!テメェ自身の姿と能力で死・・・ねぇ・・・・・・えっ、はっ・・・な、なんだ・・・・・・こ、これ・・・は・・・!?」

 

段々と私の姿に変わるその男・・・しかし、様子がどうもおかしい。

私はその様子がおかしくなる理由を知っているので、ニヤニヤと悪い笑顔を作ってみる。

 

「どうしたの? 私の姿と能力を模倣したんでしょ?」

「あが・・・ち、ちからが・・・お、おさえられないっ・・・ちからが、ながれこんでくる!のうが、やかれる!たすけて、たすけてぇぇっ!!」

 

やがて幼い子のように錯乱しだしたその男。

 

「いやだ、いやだぁああっ!え・・・あっ、これが、ちから・・・これが、せかい?お、おれは・・・おれはぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――――

 

・・・私になりかけのその男が、水風船のようにパーンと破裂する。頭だけでなく、体も魂も模倣した私の能力に耐え切れずに破裂しただろう。

ちょっと残念だ・・・私が耐えられたんだから彼も耐えられるとは思ったんだけれど・・・。まあ、どうでもいいか。

 

「・・・さて、本館が落ちたのは嘘だろうから、とっとと中庭の敵を殲滅するか。」

 

私は大剣に自分の能力を流し込むと、大剣からは虹色の光があふれ出す。虹色の光があふれ出した大剣を構え、再び正門から入ってきた敵軍に突撃した。

 





ここまでブラウとルージュと来て、次はノワールかな?と思われましょうがノワールの活躍はありません!

ノワール「は?」
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