紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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☆ 93冊目 9~12ページ

 

転生93年と3ヶ月21日目(木曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・半月)

 

後片付けが終わり、紅魔館(こうまかん)にはいつもの日常が⋯⋯と、なれば良かったのだけれど、残念なことに私とレミリアお嬢様の戦いの後始末は終わっていなかった。

私とレミリアお嬢様がやるべき事⋯⋯それは、これまでに提出された書類と報告書に目を通し、スカーレット卿に伝える仕事だ。本来ならレミリアお嬢様だけのお仕事ではあるものの、レミリアお嬢様は魔法図書館で避難なされていたので、詳しいことは報告書でしか知らない。実際に現場にいた私が補佐・補足しなければならないことがあるのだ。

一応、あのとき戦闘対応してくれたメイドたちには呼ばれたらレミリアお嬢様の執務室に来て、どう戦ったかを報告すると朝礼で言っておいたのでみんな仕事中とはいえ、しっかり引き継ぎしてから来てくれた。

 

そんなこんなで、戦闘対応してくれたメイドたち全員に何があったかの聞き込みが終わり、レミリアお嬢様とすり合わせをしつつスカーレット卿に手紙を送るべく、レミリアお嬢様は万年筆を手に取り、スラスラと丁寧にしたため始めた。

 

レミリアお嬢様のお邪魔にならないように、執務室の本棚の整理整頓をし始め、しばらくするとレミリアお嬢様が一息つき、私をジッと見つめ出していました。

それをジッと見返すと、ふとレミリアお嬢様は優しい微笑みを浮かべまた手紙に向かい、万年筆を走らせました。その行為に、首を傾げたものの、まあレミリアお嬢様だし、とも思い執務室の本棚の整理整頓を続けたのでした。

 

=====

 

転生93年と3ヶ月22日目(金曜日、日中:曇り、夜中:曇り・多分満月)

 

今日はレミリアお嬢様は曇りの日ではあったものの、お散歩にお出かけになりました。付き人はもちろん、私。いつもの散歩コースを歩きながら、時々立ち止まり景色を眺め……そして、今日は綺麗な大理石の彫刻品をお拾いになられていた。というか、こんなものがどうして落ちてるんだろう……。今度、ノワールに調べてもらわないとなぁ……。そんな散歩の途中、ふと、レミリアお嬢様が立ち止まり……私に向けて振り返った。

どうして振り返ったのか分からず、ボーっとしているとレミリアお嬢様がそっと抱き着いてくる。無造作に甘えてくるものの、どこか悩んでいるようなご様子だったので訳を聞いてみることにしたのだけれど……その悩みの原因は私……ひいては、私が保護した人間の子供についてだった。

思わず、バレていたことを聞いてしまうと、運命を操る程度の能力の応用で私が保護する光景を見て、そのまま部屋で匿っていることを知っていたとのことだ。今思えば、まったくもってレミリアお嬢様に対して隠し事ができないということをすっかり忘れていた。

 

ともかく、レミリアお嬢様はその人間の子供を匿っている私に対して、もやもやとした感情をぶつけて着ていた。

レミリアお嬢様いわく、「メイド長(わたし)ならそうしたのだけれど実際に起きるとモヤッとしてしまった。」とのことで、こればかりは私も悪いという自覚もあるし……何より、母親代わりで彼女たちを育ててきたこともあり、仕方のない事だとも思っている。私は、レミリアお嬢様をそっとハグし、素直に謝罪しそれでも私はレミリアお嬢様も大切だということをしっかりと伝える。敬愛する主であり、愛すべき子……そして何よりもう95年という月日を共にしたのだ。私が、人間の子供の親代わりをするとあっても……その長い年月で積み上げてきたものは、決して嘘でも偽りでもないということを伝える。

レミリアお嬢様は、その言葉に安心成されたのか涙を拭って、私に再び抱き着く。しばらく、私とレミリアお嬢様はハグしあい、今日は手をつないで紅魔館(こうまかん)に帰ることになった。

 

=====

 

転生93年と3か月23日目(土曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・半月)

 

今日は、人間の少女とレミリアお嬢様の顔合わせの日となった。

昨日、レミリアお嬢様には人間の少女を匿っていることがバレた訳なのだけれど、さっそく会いたいとレミリアお嬢様がおっしゃったので、人間の少女を隠しながらレミリアお嬢様の執務室に連れていくことになった。危険と思うかもしれないけれど、人間の少女の武器は私が預かっているし、そもそも人間の少女は戦う意思がほとんどない。

結果的に言えば、人間の少女とレミリアお嬢様の顔合わせは大成功だった。むしろ、レミリアお嬢様が人間の少女を見た途端、お菓子をあげたり頭を撫でたりハグしたりとやりたい放題……結果、人間の少女も最初は警戒していたもののやがてレミリアお嬢様の甘やかしに素直に応じるようになっていた。

 

そしてこの顔合わせの際、一瞬ヒヤッとしたのが、フランお嬢様がその光景を目撃し、姉妹間で修羅場になった事だ。ちなみに、フランお嬢様も人間の少女を見た途端、目を輝かせていたので多分受け入れてくれている。

人間の少女を本物の妹みたいに猫かわいがりしていたレミリアお嬢様に対して、フランお嬢様は絶対零度の冷たい視線をお向けになられ……レミリアお嬢様が必死に言い訳をするものの、「お姉ちゃんなんかしーらない!」という言葉と一緒に、人間の少女を可愛がり始めた。ショックを受けたレミリアお嬢様は、思わず魂が抜けて体がスライムみたいに溶けてしまったけれど……しばらくして、レミリアお嬢様とフランお嬢様は2人で人間の少女を可愛がっていた。

何度か、人間の少女が私に助けを求めていたものの、まんざらでもない表情だったために笑顔を浮かべて助けなかった。

 

人間の少女のことは、すぐにでも紅魔館(こうまかん)のメンバー全員に伝えようと、テンションの上がったお嬢様方がおっしゃられたのだけれど、私はお二人を説得してまだしばらく人間の少女を隠すことにした。

レミリアお嬢様とフランお嬢様が、この人間の少女に好意的な感情を持っていたとしても、私以外のメイドや警備隊のみんな、そして司書隊のみんながどう反応するのかが分からない……少なくとも、アンナや美鈴(メイリン)と言った面々が納得しないだろう……特にアンナは、この子にボロボロに敗北しているため特に反対する。

そう伝えると、レミリアお嬢様とフランお嬢様も事の重大さに気付いたのか、真剣な表情を浮かべられた……が、その日は特にいい案は浮かばずに、解散ということになった。

 

追記

今日は、人間の少女と一緒に眠ることになった。

教会の地下に閉じ込められていた時の恐怖があふれ出してしまい、怖がっていたので……彼女を優しく抱きしめながら、二人で眠りにつくことになった。

かなり不安げだった人間の少女だったのだけれど……頭を撫でて、即興の子守唄を歌ってあげると、やがて安らかな表情で眠りについたのであった。

 

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