紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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☆ 93冊目 38~39ページ

 

転生93年と5か月31日目(木曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・三日月)

 

今日は、木曜日ではあるが私は紅魔館(こうまかん)の外側、迷いの森の中を歩いていた。というのも、ここの所メイドの雇用ラッシュが発生しているため、その波に乗じて妖精メイドを増やそうという魂胆である。この件に関しては、いつも通り各メイド隊のメイド長と教育係にすでに許可を取ってあるので、特に問題もない。

 

そんなこんなで、私は迷いの森に居る妖精に見つけ次第声をかけていったのである。そんなこんなで勧誘していった結果、メイド隊の長年の悩みであった人員不足を解消できそうなほど妖精メイドを雇うことに成功した。

かなりの数を雇用したせいで、各メイド隊の教育係からクレームが飛んできたが、どこか嬉しそうだったとだけは書き記しておこう。

 

さて、ここ最近特別な妖精を雇うことが多いわけだが、今日もそう言った妖精を迎え入れることに成功している。

 

その妖精は、ブラウいわく本来なら地獄や魔界と言った特殊な環境でさらにごくまれにしか発生しない”魔眼妖精”であり最初は私も驚いていた。

その妖精の名前は、”アビー・クリムウェル”ちゃん。転生者であり、他者に対し酷い恐怖を持ってしまっている子だ。

なにせ、迷いの森の中でバッタリ私とあってしまったとき、すごい速さでナイフを投げようと構えていた。

すぐさま手をあげて敵ではないことを教えていたのだけれど、これまで相当ひどい目にあってきたのだろう、それでも警戒を解くことはなくすぐにでも攻撃できる姿勢のままだった。

何回か、言葉を交わしたのちに警戒を解いてもらい、珍しい妖精……そして、転生者であり、これまでひどい目にあってきたと考えるとどうしても放っておくことはできずに、粘り強くメイドにならないかと交渉してみた。

結果的に、私の粘り勝ちでおずおずと承諾してくれた。多分、こんな風に誘われて裏切られたこともあったのかもしれない。そう考えると少しだけ悪手だったなと反省する。

 

アビーちゃんを最後に紅魔館(こうまかん)に戻り、アビーちゃんをみんなに紹介したわけだけれど……残念なことに、アビーちゃんは紅魔館(こうまかん)のみんなのことを信用できずにいた。

メイド隊の大体のことを説明し、家事全般が得意ということもありコミュニケーション能力の高い子たちが多いアンナ隊に所属してもらうことにした。

そして、アビーちゃんに何かがあったり、困ったことがあったら私に言うように伝えてアビーちゃんをアンナに任せてみることにした。

ちなみにアンナとオリビアちゃんには、アビーちゃんの抱えている事情を憶測ではあるものの伝え、アビーちゃんの教育はアンナが付きっ切りでするようにお願いした。

これで、アビーちゃんのトラウマが改善されることを祈るが……。

 

追記

アビーちゃんはどうやらさっそく小悪魔ちゃんと仲良くなったみたいだ。

小悪魔ちゃんが元々魔界出身ということもあり、さらにはアンナがアビーちゃんの事情を説明したからか、小悪魔ちゃんもアビーちゃんのメンタルケアに当たってくれるそうだ。

 

~~~~~

 

転生93年と6か月と1日目(金曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・新月)

 

今日は少し大忙しな日でもあり、少しだけ不思議な気持ちになれた日だった。

というのも、昨日はアビーちゃんと大量の妖精メイドを雇ったわけであり、雇ったメイドたちの適正能力を調べたり、本人の希望や能力の有無と言ったチェックが存在したからだ。

結果的に言えば、メイド隊の全体的バランスがとても良い具合に配属ができた訳なのだが、各メイド隊のメイド長と統括メイド長補佐の仕事の一環として参加していた咲夜(さくや)がその日一日疲労でダウンすることになった。

 

私はまだ地獄の書類デスマーチと比べるとかなり楽だったため、その日の仕事をしていたわけなのだが……夜間の休憩中、少し夜風に当たりたくなり紅魔館(こうまかん)の中庭に出ることにしたのだが、そこで不思議な妖精を保護したわけである。妖精、という特性上、少女や幼女の姿をしているわけだけれど、その保護した子はこれまで雇ってきたどの妖精メイドよりも少し小さい子だった。

裸で中庭の芝生の上で寝ていることもあり、収納空間からブランケットを取り出して風邪をひかないようにしながらその子をメイド休憩室へと運んだ。

 

運んだ途端、私が子供を産んだと勘違いが広がり、レミリアお嬢様がキャラ崩壊を起こしながらメイド休憩室に飛び込んできたときは、そうなったかぁ。と頭を抱えた訳だが、みんなに誠心誠意伝えたおかげで何とか誤解を解くことには成功した。

けれど、”うまれた”という表現自体は間違っていなかった。妖精に詳しいブラウが教えてくれたことなのだが、この子の魔力的に、今ついさっき……私が中庭に出るちょっと前ぐらいに生まれた子らしい。ブラウの言葉に、私だけでなくメイド休憩室に居た全員が驚いたのも無理はないだろう。むしろ、そんな奇跡が起きていたこと自体が驚きをさらに強めている。

 

そんな事をしていると、保護した子が目を覚ましたわけだが残念なことに生まれたばかりということもあり、まったく言葉をしゃべることはできなかった。身長は4~5歳とは言えそこは妖精、生まれた瞬間からそうなのだろう。

 

さて、レミリアお嬢様とメイド隊のみんなで名前を考えた結果、保護した妖精の名前は”メア”に決定したわけだが、いかんせんいろいろと幼すぎることもあり、誰が育てるかという問題が上がった。私を含めたメイド長は全員多忙なこともあり交代で見ることも考えたが、レミリアお嬢様がそれを却下。レミリアお嬢様自体も、子育て経験はないため辞退、さらにいえばメイド隊のメイドたちの中でも一部を除いて子育てなんてしたことがない子がほとんどだ。

でも意外なことに咲夜(さくや)がいの一番に子育てに志願したのは驚いた。まあレミリアお嬢様が何とか説得してくれたおかげで、諦めてくれたけれど。

 

緊急の御前会議をする事にもなり、紅魔館(こうまかん)に所属する全員で白熱した議論をすることになったのだけれど……結果的に言えば、司書隊で預かることになった。その理由は簡単、パチュリーが”黒無地の魔導書(ベシュヴェールング)の解読”という業務上あまり動かない事そしてパチュリーは実は子育て経験(親戚の訳ありな子供を育てたことがあるそう)もあるということもあり、パチュリーに任せることにしたのだ。

議論に白熱し当主として使い物にならなくなったレミリアお嬢様に変わり、冷静に議論を眺めて最適な答えを提示したフランお嬢様の決定ということもあり、レミリアお嬢様以外に反論や反対はなかった。

 

ちなみにその後レミリアお嬢様は、フランお嬢様にジト目+正論でお説教されることになりだいぶ気まずそうな青い顔をなされていた。





というわけで、第3回キャラクター募集にて、応募されたキャラクター全員が出そろいました!
ご提案していただいた皆様に感謝の言葉をお送りしたいと思います!

誠にありがとうございます!

どうぞこれからも、「紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!」のご愛読、よろしくお願いします!!
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