紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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△ ビビオンちゃんのお悩み相談

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side:メイド長

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「……第2次紅魔館戦争の時であまり活躍できなかったから、武装を強化とか追加したい?」

『はい、メイド長。』

 

と、ビビオンちゃんからの個人的な相談を受けて考え出す。

ビビオンちゃんは、自動人形という工学と魔術が合わさったような技術で作られた存在で、その身体にはもちろん武装が存在する。右腕から、斧のような刃を突き出し飛ばす技、左腕には弓の機構が存在し、それを展開することで矢を射ることができる。矢は左の腰脇から取り出され、ビビオンちゃんいわく木材さえくれれば自力で生産はできるとのこと。そして、膝にはパイルバンカーが装備され、かかとからは仕込みナイフが存在する。

 

「……そうね、考えがないわけではないけれど。今のビビオンちゃんはそれが完成形だから下手に弄れないというのが、現時点での私の答えね。」

当機(わたし)は、今のままで完成形ですか?』

「ええ。最初からそう言う風に、強化や改造しなくてもいいように設計され製造されてるから……。」

 

ビビオンちゃんの強化と改造には、私も賛成ではある。いざというとき、避難所となるヴワル魔法図書館において非戦闘員を守る戦力は一つでも多い必要がある。そう言った意味では、自動人形という疲れない特性を持つビビオンちゃんは防衛戦において重要な楔となる。だからこそ、ビビオンちゃんの強化と改造には賛成、むしろレミリアお嬢様とパチュリーが時々話していたことではあるものの……それを難しくさせているのは、一言で言えばビビオンちゃんの製作者の変態技術が原因であろう。

 

「ここに、パチュリーからの報告書があるわ。簡単に読み上げるわね。

 

ひとつ、ビビオンちゃんの設計は戦闘も可能なハウスキーパー型自動人形であり、本来戦闘行為はおまけ程度でしかないということ。

ふたつ、しかし製作者の趣味で様々な機構を組み込んだ結果、ビビオンちゃんの動作にも干渉するような設計になっており、強化・改造には大幅な変更を加える必要がる事。

みっつ、また採用されている外装は陶器製であり、耐久性にも難がある。さらに言えば、さっき言った機構が複雑で繊細な物であり被弾すれば被弾した個所の武装は使用不可能となる。

 

以上がパチュリーがビビオンちゃんのメンテナンスをしながら、結論付けたものよ。」

『こうして言われると、当機(わたし)ってあの戦争の時、結構危険なことをしてたんですね……。』

「あの時は、乱戦ということもあって味方と一緒に動けていたから、無事に無傷で勝てたって感じよ?」

 

ちなみにビビオンちゃんに伝えた言葉は、あくまで私が簡単にまとめたものだ。チラリとパチュリーからのビビオンちゃんに関する報告書を見ると、専門用語がずらーと並んでいて、頭が痛くなりそうだ。でも、総メイド長として、なにより彼女をスカウトした責任をもって、すべてを読んで理解している。

私の簡単な説明を聞いたビビオンちゃんは表情こそ模様だから変わらないものの、雰囲気はかなり落ち込んでしまっている。

 

「まあ、パチュリーからの提案書だと大規模な改修をしなくてもいいようなプランはいくつかあるけれど……。」

『あるのですか?それを、聞かせてもらってもよろしいでしょうか。』

「いいわよ?……えーっと、あ、これね。

 

まずはプラン1ね、このプランはビビオンちゃんを大きく変えるプランよ。

問題点である外装材質と武器内蔵型の手足を武装のない手足に交換、胴体内蔵の矢の生産機構を取り外して、取り出した武器内蔵型手足と矢の生産機構をもとに手持ち武装として改修。これによるメリットは、ビビオンちゃん自体の耐久性の向上だけでなく性能強化や汎用性の高さも獲得できるということ。

デメリットは、改造後の姿にビビオンちゃんが慣れるまで時間がかかるということと、改修には時間がかかってビビオンちゃんが長い間動けないということ。

 

そしてプラン2は、魔術を使っての現状維持。

現在の状態のままで装甲材質、内部の機構に耐久力向上のエンチャントを施し耐久性を上昇させるというもの。これによるメリットは、ビビオンちゃんはこれまでどうりだしエンチャントも手早く済み、だけど戦いやすくなるということ。

でも、デメリットがひどいわ……まず付与されたエンチャントは消耗しやすくメンテナンス回数が増加するということ、エンチャントで外側の耐久は上がるけれど内部の脆さは変わりがないこと……私的に言えば、これはビビオンちゃんの根本の悩みを解決できないプランだということ。

 

最後にプラン3ね、このプランはビビオンちゃんに着せる案ね。

ビビオンちゃんの身体にぴったり合うように、別材質の外装を鎧のように装着し、その鎧にくっ付ける形で、こっちも外付けの武装を追加するプラン。

このプランのメリットは、ビビオンちゃん自体に改造をくわえないからビビオンちゃんはいつも通りに過ごせるということ、外付けの鎧と武装でビビオンちゃんの戦闘能力が上がるということね。でも、その分のデメリットも大きいわ。

まずは、その鎧と外付け武装を追加したことによる重量の増加ね。多分、これも慣れるまで時間がかかるわ。後は、近接戦闘能力の低下や重量が増えたことによる関節の摩耗が激しくなること、そして鎧と外付け武装のコストがなかなか大きいことね。

 

この中で、ビビオンちゃんはどれにしたいのかしら?」

 

そう言うと、ビビオンちゃんがピクリとも動かなくなる。雰囲気は静かなもので、とても長く考えているのだろう。おそらく、今すぐ答えを出さないと……と、考えているのかもしれない。

 

「今すぐ、答えなくていいわ。じっくり考えて、後で教えて頂戴?」

『ありがとうございます、メイド長。失礼します。』

 

ビビオンちゃんがキレイに一礼し、そのままメイド休憩室を出てゆく。

彼女が、どんな選択を取るのかは……きっと、レミリアお嬢様でさえ見えない未来だろう。





というわけでバスクケーキ様リクエストの「ビビオンちゃんの改造計画」…ですが、まずは謝罪をさせてください。
バスクケーキ様、リクエストにあまりお答えできず申し訳ありませんでした!腹を切ってお詫びします!!

と、言うのもビビオンちゃんの強化・改造というのにもあまりいいお話ができなかったこともあり、それぞれのプランをメイド長が提案してビビオンちゃんが考え出したという形に不時着しました。
一番最初は、プラン1をもとにお話を書いていたのですが、これだと元の設定をかなり改変してるし、そうなるとこのキャラクターを応募してくださったバスクケーキ様に失礼なのでは?と思いボツ。
次にプラン2ですが、バスクケーキ様の設定を大きく変える必要はないものの、それは強化・改造と言えるのか……?となりボツへ。
最後にプラン3ですが、メイド長の危険物収容空間から色々取り出して最初は上手くいっていたものの、後の展開を考えるとビビオンちゃんが某ダーマのロボットみたいな感じになってしまい、とりあえずビビオンちゃん出せば勝てるだろうになってしまいボツ……。

というわけで、ビビオンちゃんが悩むエンドでとりあえずお話をいったん切りました。
非常に厳しいご意見、批判、甘んじて受け入れます。ご容赦ください。
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