紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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☆ 93冊目 50~53ページ

転生93年と6か月11日目(火曜日、日中:曇り、夜中:雨・多分半月)

 

一日たち、レミリアお嬢様はご冷静になられたのでフランお嬢様と一緒に話を聞くことにしたのである。

ここ最近、レミリアお嬢様が感情に左右されて使い物にならなくなることが多く、自覚があるのかどうか聞くためであった。

 

一言で言えば、レミリアお嬢様も感情が左右されて使い物にならなくなっていることは自覚がおありのようだ。その理由も、レミリアお嬢様が自己分析でしっかりとご理解なさっていたようで、原因をお教えくださった。

なんでもここ最近、レミリアお嬢様は感情のコントロールが上手くできていないとのことだ。こと、私の事となると特にコントロールができなくなるみたいで、お話してくださったときも感情の機微が非常に大きかった。最初はニコニコととってもいい笑顔だったのだけれど、話している最中に顔を青くさせながら大粒の涙をポロポロとこぼしていらした。

間違いなく情緒不安定になっていると判断したのだけれど、原因がいまいちわからない。確かにレミリアお嬢様は当主としての責任や仕事でストレスや不安を感じているし、そう言った原因になりやすいカフェインも多く取っていらっしゃる。いくら吸血鬼と言えど長くやればもちろんそうなるのだが……ここ最近、レミリアお嬢様の当主としての責任はともかく、仕事は減少傾向にあった。そのおかげで、カフェインを取ることも少なくなったしご自身の時間を使えるようになって、逆にストレスは少なくなっているはずだ。

当主の責任だって、レミリアお嬢様はこの前、胸を張って「私はどんなことがあろうとも当主としての責任をはたすわ!」と御前会議で仰っていたのだ。そんなお人が今更、当主の責任に押しつぶされそうになっているわけがない。

 

……ともすれば、考えられるのはあの日という非常に触れずらい原因だった。というか、それだった。レミリアお嬢様にいくつかの質問をし、あまり書くべきではないが確認もした。間違いなくそれだった。

私が真剣に見たこともあり、レミリアお嬢様は羞恥心にかられながらも大丈夫なのか聞いてきた。もちろん、それは安心していいし、むしろ喜ばしいことではある。いろいろとアレではあるものの、大人の階段をまた一つのぼったということでもあるのだ。その為、レミリアお嬢様に耳打ちで伝えると、今度は安堵の表情を浮かべながらポロポロと涙をお零しになられた。

それを見たフランお嬢様は不思議そうにしておられたが、同じように耳打ちで伝えるとホッと胸をなでおろされた。

 

ちなみに、吸血鬼にその日は来るのかという疑問については、パチュリーに質問したのだけれど「周期は人間と違ってとても長いけれど、周期が長い以外は人間とほぼ変わらない」とのこと。それに当てはめるなら、レミリアお嬢様のその日はおそらく重い部類ということだろう。

 

追記

後でブラウに「妖精にもその日はあるの?」と聞いてみたのだけれど、妖精にはその日は来なくて望めばいつでも子供を作れる。けれど、強く望まないと子供は作れないし、そもそも妖精はそう言った欲が薄く滅多なことで発情しないとか。どおりで93年近く生きて一度も来ないわけである。

あと、アンナは普通に来るらしいが死ぬ痛みよりだいぶマシらしいので普通に耐えれるとのこと……慣れちゃダメな気がする。

 

~~~~~

 

転生93年と6か月12日目(水曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・三日月)

 

レミリアお嬢様があの日ということが判明した次の日、レミリアお嬢様は腹痛でおやすみすることになった。そのため、しばらくの間はフランお嬢様が当主代理を務めることになったのだが、フランお嬢様いわくレミリアお嬢様が前日で片付けたらしくやることがないとのこと。

そうぼやいていたのもつかの間、スカーレット卿からのお手紙が届き、一緒に読むことになった。

 

スカーレット卿の手紙に書かれていたのは、ハンターグリーン家に対して釘をさすということと、そのハンターグリーン家の現当主と今のハンターグリーン家の情報が書き記されていた。

 

まず、ハンターグリーン家とスカーレット家は表面上は停戦状態にはあるものの裏ではバチバチにやり合っていて、今回の側室に私が選ばれたのも、おそらくはスカーレット家に対する脅迫のようなもので、この手紙が届いた3日後に到着するように、スカーレット卿が直々に選抜して編成した狼男の騎士の軍団を紅魔館(こうまかん)へと向かわせるとのこと。元から警備隊の人数が少ないことを手紙で知っていたため、ちょうどいいタイミングで知らせることができたと書いてあった。

 

次に、現ハンターグリーン家とハンターグリーン家当主”テリー・ハンターグリーン”についてだ。

まず、今のハンターグリーン家は”力こそすべて”という指標を掲げており、周辺の中立を表明していた吸血鬼貴族を襲撃し、力でしたがわせて急速に支配領域を広げていて、最近ではスカーレット派の吸血鬼貴族にも襲撃をしたらしく、近いうちに戦争に発展するとのこと。このまえまで、ミッドナイトブルー一派と戦争をしたばかりだというのに大丈夫なのだろうかと思ったのだけれど、手紙に結局ミッドナイトブルー派との戦争はスカーレット派の大勝で終わり、このままハンターグリーンと戦争しても問題ないぐらいらしい。

さて、その”力こそすべて”と掲げて暴れているハンターグリーン家だが、数年前までは支配した周辺の吸血鬼貴族と取引をするぐらい穏やかな派閥だったのだが、それがどうして急に侵略行動に移ったのか……それは、件の人物”テリー・ハンターグリーン”が原因だろうとスカーレット卿の手紙にはつづられていた。

 

テリー・ハンターグリーン。齢103歳の神童とも呼べる存在であり、ハンターグリーン家を暴走させている元凶でもある存在。いまだ少年の姿ではあるものの、力はスカーレット卿とミッドナイトブルー家の当主と変わりはないらしく、間違いなくハンターグリーン家を牽引するにはふさわしい存在ではあるとのこと。しかし、問題はそのテリー・ハンターグリーンの素行だ。

テリー・ハンターグリーンは103歳という子供ではありながらも、多数の吸血鬼貴族の女性を侍らせ肉体関係を持つ熟れた存在で、相手が女性であるならば種族なんて関係ねぇ!と豪語するぐらいの変態らしい。

命からがらハンターグリーン家から亡命してきたテリー・ハンターグリーンの実姉と実妹が言うに、小さい頃から野心家であり平和主義者の父親を疎ましく思い、暗殺……そのまま実権を握って姉妹だろうと関係を迫ったらしい……最低な脳みそ股間野郎じゃないか。しかしながら、その実力と知能は本物……だからこそ、今の状況が出来上がっているわけである。

そして、私が狙われた理由ではあるが……紅魔館(こうまかん)偵察した何者かが報告し、おそらくは報告されたであろう私の容姿が、そのテリー・ハンターグリーンのお眼鏡にかなったということなのではないかとやけに怒りがこもった太い字で書かれていた。

 

正直、脳みそ股間野郎に嫁ぐとか嫌である。というか無理、ド変態なうえ絶倫でハーレム好きとか気持ちわるい。

そんな人物に狙われたと理解してしまい、みんなには申し訳ないけれど私はその日を休むことにした。ついでに咲夜(さくや)を甘やかして癒しを求めたのであった。

 

~~~~~

 

転生93年と6か月13日目(木曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・新月)

 

昨日は一日咲夜(さくや)をとにかく甘やかして癒された。おかげで、私も咲夜(さくや)もツヤツヤしているとアンナに言われた。アンナが羨ましそうにしていたのであとで、アンナも思う存分甘やかすことにしよう。

さて今日のお仕事だが、未だにハンターグリーン家の脅威があることもあり、私は軽めの仕事をしてから後はレミリアお嬢様の看病やフランお嬢様のお手伝いをした。

 

レミリアお嬢様の今日のご様子は、昨日より腹痛は少しだけマシになったらしくルージュが作ってくれた栄養満点のスープを飲んで読みかけだった小説の続きをお読みになられた。それでも、痛いときは痛いらしく、私にハグを求めたり手をつないでほしいと頼まれた。もちろん、すべてそれ以上の事をしました。ハグをしながら添い寝をしたり、膝枕をしながら手をつないだり、子守唄を歌ったり頭を撫でたりと、ちょっと親代わりらしいことをしてみる。

レミリアお嬢様はそれがうれしかったのか、恥ずかしかったのか……どっちかは分からなかったけれど、嬉しそうなテレ顔を見せていた。

やがて、レミリアお嬢様はお眠りになられたので起こさないようにそっと退室し、今度はフランお嬢様のご様子を見に行った。

 

フランお嬢様のご様子は、レミリアお嬢様が片付けられていた昨日とは違って大忙しだった。

なにせ、今日は木曜日……雑務メイド隊からアレコレの報告がまとめられた書類や決裁書が届く日だ。本来ならば金曜日にやるようなものだが、金曜日はレミリアお嬢様のご趣味の日なので前日の木曜日にすることにしているのだ。

ともかく、大量の書類に埋もれたフランお嬢様はうーんとうなりながらも一つ一つ丁寧に書類を片付けられていたのだが……そこへ美鈴(メイリン)とパチュリーからの報告書も届き、ついには白目をむいて絶望なさってしまった。けれど、そんなことをしていると一日では終わらないので、どうにかしてフランお嬢様に気をしっかり持ってもらい、頑張って処理してもらった。

月もだいぶ傾き、朝方になったころようやく終わり、フランお嬢様はへとへとになりながらも「お姉さまはいつもこれだけの量の書類をさばいているの?」と聞いてきた。残念ながら、今日の書類はどちらかと言えば少ない方だ。と答えると、フランお嬢様は再び絶望し、椅子に深くお座りになりそのまま気絶してしまった。

 

追記

全てのお仕事が終わった後、私はアンナをめいっぱい甘やかして癒された。





作者の独り言
お話の投稿時間って人それぞれだけれど、朝方と夕方に投稿するのどっちがいいんだろう……。


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