紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
[ゴォーン……ゴォーン……]
深夜、人々が眠る時間に、廃墟と化した都市の教会の鐘が鳴り響き、不気味な雰囲気が街を覆っていた。その廃墟の中には、放棄された城がそびえ立っている。明かりがついていないはずのその城からは、不快な笑い声や卑猥な言葉が漏れ聞こえていた。この廃墟都市で行われようとしているのは、テリー・グリーンハンターと十六夜マリアの結婚式……決して不快な笑い声や卑猥な言葉が飛び交うような場所ではないはずではあった。
しかし、そんな笑い声や言葉が飛び交うのもまた仕方のないものだった。
「いやぁ~ん♡ テリー様ぁ、このカッコ……恥ずかしいですぅ~♡」
不快な笑い声や卑猥な言葉を飛ばしているチンピラ吸血鬼たちの視線の先に居るのは恥部を隠す必要最低限の布地を身にまとった十六夜マリアの姿。まるで売婦のような恰好をさせられているマリアだが……もちろん、今の彼女はテリーに操られており本人に意思はほぼないといえる。それゆえに、今マリアが煽るように腰を左右に振ったり、前掛けのみで隠された鼠径部を足を開いて見せつけたり、普段のマリアなら口にしないような淫語を口走っているのすら、テリーが意のままに操っている証拠である。
「はぁ……はぁ……最高だよぉ♡ ボクだけのマリアたぁん♡ もっとみんなに、エッチなマリアたんを見せてあげて?」
「テリー様が言うならぁ~♡ はーい♡ サービスですよぉ?」
マリアがいやらしいポーズをとればとるほどチンピラ吸血鬼たちの不快な歓声が上がり、結婚式とは思えないような雰囲気が場を支配し始める。そんな折、結婚式場となっている城の大広間にて、怪しげなフードの人物がコソコソと動いていた。そんな人物がいれば、普通なら怪しまれるところではあるが……チンピラ吸血鬼たちは、大胆な
「そ、それじゃあ……そろそろ、誓いのえっちをぉ♡」
「やーん♡ テリー様のえっちぃ♡ でぇもぉ……そんなところも大好きですぅ♡」
「ぐへ、ぐへへへっ……」
そろそろ我慢の限界なのだろう、テリーがゆっくりとマリアに近づき、操られているマリアはテリーを迎え入れようと腕を広げ――――――
―――操られているマリアをフードの人物が抱え上げて連れ去った。
「…………は?」
一瞬、なにが起きたのか分からず困惑するテリー。
急いでフードの人物へ視線を追わせると……
「んっ……んふっ、やぁっ…………んぶっ」
フードの人物と、テリーの都合のいいように操られていたマリアが激しいキスをしていた。
彼らの唇が離れると、その間には銀色の半透明な橋が出来上がっており、マリアの表情はすっかり溶けていた。
「はぁ……はぁ……きしゅ……すご――――――」
「ごめん、マリア。ちょっと寝てて。」
フードの人物がマリアに手をかざし、小さな魔法陣を広げる。その魔法陣を見たマリアは、ゆっくりと瞼を閉じて安らかな寝息を出し始める。
……そこまで見て、テリーの怒りが再起動し結婚式会場であった城の大広間に絶叫が響いた。
「キィイイイイイイイッ!!!!
貴様……キサマキサマキサマキサマキサマ、きさまきさまきさまきさまきさま、キサマキサマキサマキサマキサマ、貴様貴様貴様貴様貴様、キサマキサマキサマキサマキサマ、きさまきさまきさまきさまきさまぁっ!!?!??!?!!!
ボクの、ボクの邪魔をしたなぁッ!?僕たちの幸せな結婚式を台無しにしたなぁッ!?ボクだけのマリアたんを穢したなぁッ!!?
ボクのマリアたんに触れるな見るな近づくな知覚するなぁっ……殺してやる、殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルゥウウウウアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!」
テリーの発した怒りが、周りにいるチンピラ吸血鬼たちにも伝播し……そのチンピラ吸血鬼たちの姿を異形の物へと変えてゆく。それを見たフードの人物は、一瞬身をこわばらせるものの、気を取り直したのか右手に赤い魔法陣を出現させ……
「殺れ!やれ!!ヤレェッ!!!アイツを許すな!逃がすな!殺せ殺せ殺せェッ!!ボクのマリアたんを穢したことをコウカイサセテヤレェエエエエッ!!」
「……あーもう、うるさいなぁ。」
テリーの猿叫の号令で異形の姿となったチンピラ吸血鬼たちはフードの人物に襲い掛かろうと突撃しだす。フードの人物は、炎の剣を構え……そのまま横に大きく振りぬいた。直後、炎の壁が出現し近づいていた多くの異形の吸血鬼を焼き払った。
振りぬいた速度が速すぎたのだろう……フードの人物のフードが外れ……美しい金色の髪が露わになる。
「き……貴様はぁっ!」
「ぎゃーぎゃー、ぎゃーぎゃー、うるさいのよ。おこちゃまなのかしら?」
「――――――フランドール・スカーレットォオオオオオオオッ!!
お前お前お前お前お前ぇっ!スカーレットの気狂いメスガキがッ!!破壊しか能のないお前が、寄りにもよってボクのマリアたんを穢したのかぁぁああああああっ!!?お前の狂気が僕のマリアたんにうつったらどうしてくれるゥゥウウウウウウウッ!!?
……ふう。
……フフフッ、フハハハハハっ!まあいい……流石に、お前でもこの数の敵を相手に勝てるわけがないじゃないか!さ、早くボクのマリアたんを返したまえ?そうすれば、命は奪わずにおいて挙げる。ただし、身の純潔は保証できないけどねぇ。」
怒りが一周回ったのかテリーが唐突に落ち着き、フランに降伏するように言うテリー。あまりの身代わりの速さと気持ち悪さに、フランは思わず顔をしかめてしまう。
「はーヤダヤダ。自分勝手な男は嫌われるって、両親から教えてもらえなかったのかしら?あと、諦めるのはそっちよ?今すぐ、マリアの事を諦めなさい?そうすれば、命だけは助けてあげるから。」
「……聞いているのかい、フランドール嬢? 今すぐ抵抗を止めて、ボクのマリアたんを返せといったんだ。」
「もっしもーし? 私の言葉聞こえてないのかなぁ、そのお耳はお飾りですかぁ?それとも脳みその方が腐ってるんですかぁ?もしかして喋ってる言語が違うのかなぁ?おかしいなぁ、意思疎通ができてるはずなんだけどなぁ?」
「……最後の警告だ。今すぐ抵抗を止めて、ボクのマリアたんを――――――」
「格下の猿が何か言ってるみたいだけど、私”弱っちい格下のお猿さん”の言葉分からないの。」
「ぶっ殺す!!」
テリーの怒りが再び頂点に達し、周囲の異形化吸血鬼にフランを襲うように合図を出す……。
が、テリーが瞬きをした次の瞬間、自分を含めた異形化吸血鬼たちの額に銀色のナイフが突き刺さった。
「くすくす。だから言ったのに……こわぁいこわぁーい銀髪姉妹が、お目目を真っ赤にして怒ってるのよ?」
そう言ったフランの側に二人分の人影が現れる。アンナと
「グギィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!戦争だぁあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!ボクの手下どもよ!!スカーレットの連中をミナゴロシニシロォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
「さぁて、みんな!戦争だよ!!」
こうして、十六夜マリアを賭けた