紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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□ ネペタちゃんのとっておき

side:ネペタ

 

ネペタは、庭園迷宮で生まれた妖精です。むかし、メイド長の温かい気配を感じて、メイド長の所に行って、そしてメイド長にスカウトされたエリートメイドです!

そんなネペタは、庭園迷宮に不思議な声に飛ばされて、身を隠しながら庭園迷宮からの脱出を目指しているのです。

ぶとー(武闘)派の多い、清掃メイド隊に所属しているネペタですが、ネペタは戦うことが苦手です。けれど、パチュリーさまのまどー(魔導)教室を受けているからごしんじゅつ(護身術)程度には魔法と魔術をつかうことができるのです。

それでも、あくまで、ごしんじゅつ(護身術)ごしんじゅつ(護身術)……今の庭園迷宮をウロウロしているような大きな石の人形とか、見たことないマンドラゴラとか、トカゲ(ワイバーンもどき)が進化したドラゴンには、あまり効果がないので隠れているのです。

 

(でも、庭園迷宮の形は変わっていてもある程度元の形に似てるです。)

 

庭園迷宮は誰かによって、大きく形が変わっているのです。

けれど、大きく変えられているのに、ある程度の元の形が残っているので、昔と言えども、ネペタのとちかんが、脱出口はあっちと教えてくれているのです。

だから、こうしてコソコソと脱出しようと移動していると……

 

「びぇ~~~ん!こわいよぉ~~~、たすけてぇ~!!」

「あれは、マグちゃんところのメイドなのです?」

 

広場のど真ん中で膝をついて泣いている妖精メイドを見つけるのです。

左腕につけているわんしょう(腕章)は、マグちゃんが所属する主力メイド隊のわんしょう(腕章)で、まだ傷も汚れもないから、つい最近入ったばかりの新人ちゃんなのだろうです。

……でも、マグちゃんの所に遊びに行ったとき、あんなメイドいたっけ……?そんなことを考えてみるけれど、泣き続ける妖精メイドをみて、とりあえず助けることにしたのです。

 

「びぇ~~~ん!こわいよぉ~~~、たすけてぇ~!!」

 

周りを見渡して、敵がいないか確認してから、いけがき(生垣)から出て、何があるのか分からないから、ゆっくりと近づいて、そして声をかけるのです。

 

「もう大丈夫なのです!ネペタが安全な場所に連れてってあげるのです!!」

「びぇ~~~ん!こわいよぉ~~~、たすけてぇ~!!」

「だから、もう大丈夫なのです!ほら、立ってほしいのです!」

「びぇ~~~ん!こわいよぉ~~~、たすけてぇ~!!」

「……話、聞いてるですか?」

「びぇ~~~ん!こわいよぉ~~~、たすけてぇ~!!」

「………これ、マズい奴ですよねっ!?」

 

嫌な予感を感じ取り、後ろに向かってジャンプしましたのです。

その直後、

 

「『イッタダッキマース!』」

 

その妖精メイドが浮かび上がり、地面から牙の生えた植物がネペタを食べようと、口を閉じたのです。

 

「『アーア、モウチョットデ、オトモダチニナレタノニ』」

「おっ、お前みたいな友達は、ネペタの方からお断りなのです!!」

 

そいつは、妖精メイドにぎたい(擬態)してネペタを食べようとしたバケモノでした。

植物のつるの先端が、妖精メイドの姿のようにぎたい(擬態)しており……そのつるの根元は、見覚えのある化け物が……庭園迷宮によく生えているマンドラゴラがこちらをじっと見ていたのです。

 

「頭がいいマンドラゴラなんて、今まで見たことも聞いたこともないのです……。」

 

警戒の色を強めて、後ろ腰に付けてある一番大きなひみつの袋にいつでも手を突っ込めるように準備するのです。

 

「『オイシソウナヨウセイ、ハヤクタベタイナァ!』」

「悪いけど、ネペタは美味しくないのです!それに、食べられる予定なんてないのですから、諦めてほしいのですっ!」

「『ソノヨテイハキャンセルダヨォ!キミノイキサキハ、ボクノイブクロダァッ!!』」

 

妖精メイドにぎたい(擬態)しているつた以外のつたが、ネペタを捕まえようとすごいスピードで伸びで来るのです。けれど、ネペタは冷静に一番大きなひみつの袋にてを突っ込んで、掴んだ粉をそのつたに向けて投げつけたのです。

「ボフッ」っていう音がしたと思うと、頭のいいマンドラゴラが伸ばしたつたが瞬きをした瞬間に、シオシオとかれてゆくのです。

 

「『ナ、ナナナ、ナンダコレ!グ、グエェエエエエッ!!ネガ、ボクノネガカレルゥ!!』」

「くひひっ!ネペタがパチュリーさまに教えられながら作った草が枯れる粉薬です!のーか(農家)の狼女さんに頼まれて作って、りょーさんし続けた甲斐があったのです!!本当なら、お水に一つまみ混ぜて使うのですけれど、お前になら存分に粉のままいっぱい使ってやるのです!!」

「『ヨクモォッ……デモショセンハコナハコナ!チカヅカナケレバモンダイナーーー』」

「ネペタをなめるんじゃねーですよ!!」

 

ネペタは能力を使い、投げつけた粉を複数個に集めて圧縮し、投射魔術を展開して発射するのです。

圧縮された草が枯れる粉薬は、ネペタでも見えないほどの速度で、距離を取ったツタに向かって当たったのです。威力が強すぎて、当たってちぎれちゃったツタもあったけれど、当たったツタは草が枯れる粉薬の効能で、次々と黒く枯れてゆくのです。

 

「くーっけっけっけっ!ネペタをなめたバチが当たったですねぇっ!」

「『ヨッ、ヨウセイフゼイガァアアアアアアアッ!!コノボクヲナメクサリヤガッテェエエエエエエエエエッ!!トカシテヤルゥ!アシモトカラユックリトカシテ、ヒメイヲアゲサセテカラヨウブンニシテヤルゥウウウウウッ!!!』」

「はわっ!?お、怒ったのです!怖いのですー!!」

 

ネペタは頭がいいので、怒った頭のいいマンドラゴラから逃げるのです。

ついでに、左腕の裾に隠しておいたひみつの袋から、白い粉を取り出して、広範囲に振りまいて、能力である程度あつめつつ、目くらましの代わりにするのです。

 

「『ニゲルナクソヨウセイガァアアアアアッ!!』」

 

怒りまくって、白い粉の煙に突っ込んできた頭のいいマンドラゴラですけれど、それはぐさくというものです!

ネペタは、逃げるのをやめて振り返り、炎弾の魔法陣を展開して、発動するのです!

 

「粉の取り扱いは、注意なのですよ!!」

「『ソンナナマッチョロイヒノタマデーーーーーーー』」

 

頭のいいマンドラゴラの言葉は、そこで途切れたのです。途切れた理由は、とても簡単なのです。

ついさっき、ネペタが空中に巻いて、能力で集めていた目くらまし代わりにしていた白い粉の正体は、ただの小麦粉なのです。その小麦粉を、ある程度集めて、そこに炎弾の魔法を放り込んで、その小麦粉の煙が爆発したのです!だから、頭のいいマンドラゴラの言葉が、途中で途切れたのです!

小麦粉はかねんせい?の粉で、空気と火があると爆発する危険なものでもあると、パチュリーさまとルージュさまに教えてもらったのです!これが、ネペタがいつでも出せるさいこうかりょくのひっさつわざなのです!!

……一応、ネペタにはもう一つのひっさつわざがあるのですが、そっちはネペタが集中しないと出せないわざなので、今回はこっちを使ったのです!

ふんじんばくはつがおわると、爆発したところには頭のいいマンドラゴラの死体が動かずにそこにあって、無事に死んだことを確認したのです。

 

「ふぅ……な、なんとかなったのですぅ……。」

 

正直、ネペタもギリギリでした。もし、この頭のいいマンドラゴラが、もっと頭がよかったら……きっと、ネペタは勝てなかったのです。この頭のいいマンドラゴラが、喋って罠を張る程度の知能しか持たなくて助かったのです。

 

『……ただの妖精メイドが、ここまでやるのね。』

「っ、さっきの不思議な声の人です?」

 

ネペタが汗をハンカチで拭いていると、どこかからあの不思議な声が聞こえてくる。

周りを見渡してみると、ちくおんきって言われる機械がいつの間にか置かれていて、魔術式が浮かんでいたのです。

 

『やはり、あの妖精の力は侮れない……他の妖精の成長を促すのは危険すぎる。』

「……いったい何の話をしているのですか?ネペタにもわかりやすくいのです!!」

『じゃあ、アナタにもわかりやすいように簡単に言ってあげます。ここで、アナタは死になさい。』

 

直後、ズドン!とネペタの背後で大きななにかが落ちてきた音が聞こえて来たのです。ゆっくり振り返ってみると、山のように大きい岩の人形が、ネペタを見降ろしていたのです。

そして、目の光る石をピカンと光らせたと思うと、ネペタを潰そうと腕を振り上げたのです!

 

「はっ、あわわわわわっ!!?ね、ネペタっ、ぜったいぜつめいのピンチですー!!」

『……諦めたか。所詮、妖精はこの程度なのね。』

 

ネペタは思わずそんな風に大きな声で言い、頭を抱えてしゃがむのです。

すぐに逃げた方がいいのは分かっていたのですが、それでも怖くて足がすくんで、しゃがんでしまったのです。

きっとこれが、ネペタの最期なのです。ブラウさまにも、レミリアおじょうさまにも、メイド長にも会えずに死んでしまうのです。かわいそうなネペタなのです。ぴえんなのです。

 

『いいか、ネペタ。』

 

ふと、ブラウさまの声が聞こえてくるのです。

 

『戦いが怖くていい、逃げてもいい、怯えてもいい。』

 

その昔、ブラウさまにどうして強いか聞いてみたことがあったのです。

ブラウさまは、少し悩んでいたけれど、すぐに教えてくれたのです。

 

『でも、これだけは忘れるな。

 

―――決して、これで終わりとか、ここまでかとか、生きることは諦めるな。』

 

「……っ、ネペタは……ネペタは諦めないです!ネペタは……ネペタはっ!ネペタは強い子なのですー!!」

 

振り下ろされる大きな岩人形の攻撃を、前に飛び込むことで避けたのです。そして、何とかはやく立ち上がることができたので、太もものところに隠していた二つのひみつの袋に手を突っ込み、粉を取り出して能力を使い、二つの粉を一つの球体にするのです。

それを、能力を使ってさらに集めて……圧縮、圧縮……ネペタは運がいいのか、大きな岩人形は地面から腕が抜けなくて慌てているのです。

ネペタは一度、砂を圧縮して投射魔術で発射するひっさつわざを思いついていたのです。けれど、そのひっさつわざは、パワーもなくて残念なひっさつわざでした。それを見た、パチュリーさまは、ネペタに特別な粉をくれたのです。パチュリーさまは、言ってたのです。”砂鉄……砂状の鉄と合わせて着火すると危険だから、気を付けてね”と言っていたのです!!

ネペタが能力を使って圧縮している球体が、ついにネペタの能力でも圧縮できないほどの状態になったのです……つまり、ひっさつわざの準備が終わったという事なのです!!

 

「く~~~ら~~~え~~~っ!パチュリーさま、直伝!テルミットキャノーン!!」

 

投射の魔術陣、着火の魔術陣を通したその塊は、大きな火花をあげて、大きな岩人形に襲い掛かったのです!

でも大きな火花が敵を襲う……それじゃあ、ネペタのひっさつわざじゃないのです。テルミットキャノンで一番恐ろしいのは、着火の魔術陣を通した瞬間にできる高熱の塊が、投射魔術陣で発射され、それが当たる事なのです。

パチュリー様いわく、これでできる物の温度は、2500度になるとか言ってたのです!そんなものが高速で発射されて、当たったら……もちろん大変なことになるのです!!

ドカーンと、音を立てて、大きな岩人形の両腕が地面に落ちるのです。その理由は、簡単なのです。大きな岩人形の胴体が、ドロドロに溶けているのです!

危険すぎてブラウ様に、敵であろうと人間や妖精に撃つなと言われているテルミットキャノンですけれど、大きな岩人形を相手に撃ったのならならきっとブラウさまも許してくれると思うのです!

 

「ふへ~……つかれたのです~。」

 

流石に魔術陣を使いすぎて、ネペタの魔力はなくなっちゃって、能力もいっぱい使ったから体力ももうそこまで残っていないのです……とっても疲れたのです~……ブラウさまの膝枕が欲しいです~……。

 

「こっちから、すごい光が……あっ、ネペタちゃん!」

「け、毛玉メイドさん……なのです?こ、今度は本物です~……」

「よかった、ご無事だったのですね……どうやら随分お疲れの様子、私がおんぶして運ぶので少しご休憩を。」

「うん~……ありがとうなのです~……。」

 

もう、考える力も残ってないのです~……でもこの毛玉メイドさんは安全だから、任せるのです~……。

ネペタは今日はもう寝ちゃうのです~……おやすみなさい~…………。

 

「スヤァ……」

「すぐに眠ってしまいました……よし、ネペタちゃんを起こさないように安全な場所に運ばないと……」

 

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