六組日記   作:ジト民逆脚屋

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なんかTwitter復活したっぽい?


よん

「という訳で、我々一年六組は分からず屋の利かん坊の友人を助けに行きます」

 

  は、寮長室でそうぶちあげた。

 

「……待て、待て待て待て待て! どうしてそうなる!? 奴は世界中から狙われているんだぞ!」

「そうですね。でも、織斑先生達は篠原ちゃんを倒しに行くんですよね?」

「……ッ! お前、何処でそれを……」

 

目を剥く千冬を他所に、  はさもありなんと頷いた。

 

「噂ですよ。だけど、事実みたいですね」

「ちっ、だがお前達の参加は認められん。それに、篠原という生徒は六組には居ない」

 

うん、そうくるよね。

でもね、織斑先生。私達は頭が悪いけど、色々と噂を聞くのは得意なんだよね。

それに、この手紙が事実なら私達は絶対に行かなきゃいけない。

 

「織斑先生、篠原ちゃんから手紙は?」

「手紙? いや、来てないが……」

「なら、これを。篠原ちゃんは世界を護る為に死ぬつもりです」

「何?」

 

手紙の内容を要約すると、テロリストが自分の研究を悪用して、衛星砲なるとんでも兵器を奪おうとしている。

だから、自分が直接乗り込んでそれを止める。

全部終わるまで、この手紙に書かれた場所に避難していてほしい。だよ。

 

……ねえ、篠原ちゃん。ちょっとふざけ過ぎだよ?

絶対帰ってくるとか書いてるけど、帰ってくる気ないよね。

ん? なに、ちょっと優しくされたから自分を使って護るとか、マジでふざけるなよ。

まだまだなんだよね。夏休みもあるし、海や山に行ったり、宿題に頭悩ませたり、誰かの家に泊まったり旅行したりして、夏休みが終わっても私達六組は何時だってお祭り騒ぎだよ?

文化祭は陽キャの独壇場だよ。年末だって騒ぐし、年始も大人しくしないよ?

年がら年中パーティータイムが私達六組、君はもうその一人なんだよ?

……逃げられると思うなよ。

 

「……  、これが事実でもお前達を戦場に出す訳にはいかない」

「は? 戦場に出る気ないですよ。説得に出ます」

「は? 説得? あいつをか?」

「はい、私が説得して連れ戻して、飢えたうちのクラスにぶちこみます。……原型を留められると思うなよ」

「ええ……」

 

千冬も六組についてはよく知っている。

陽キャの群れ、コミュニケーションのブリュンヒルデ集団、毎秒パーティータイムチーム。

挙げればきりがないが、一組を超える混沌の集団と言える。

そこに千冬がよく知るコミュ障陰キャラビットを放り込む。

我ながら、かなり酷い事になる。そう直感出来るが、それと同時に最近の束を思い出す。

 

 

――束、お前はこの子達を護りたいのか

 

 

遠目に見た束の顔は、見た事の無い穏やかな色を浮かべていた。家族や自分達に向けるものとは違う、何かもっと安らかな表情だった。

もし、この手紙が事実なら、あの変わり者の友人を喪う事になる。

そして、それは目の前の  と部屋の外に集まっている六組も同じだ。

千冬は迷った。教師として、他人様の子供を預かり教え導く立場として、何の力も無いこの娘を鉄火場に立たせるのか。

 

 

――……今更か

 

 

千冬は深く息を吐いた後、覚悟と譲歩の言葉を吐き出した。

 

「……現場には出さん。通信のみで、結果を出せ」

「はい、では私は準備がありますので失礼します」

 

千冬の譲歩に頷き、  が寮長室から出ると、廊下には六組の面々が真剣な表情で待ち構えていた。

 

「リーダー……」

「さ、皆も準備しようか。篠原ちゃんを迎えに行くよ」

「じゃあ……!」

「うん、一気に忙しくなるよ」

 

六組の面々は決意の表情で動き出した。

そして、それは  も同じだ。

 

「さてさて、かなり忙しくなるね。私みたいな小娘が何処まで立ち回れるかな?」

 

落ちこぼれの代表、だけど代表だ。

  は皆が動き出したのを見送り、一人で学園のとある部屋へと足を向けた。

 

「噂頼りだけど、試す価値はあるよね?」

 

ここからは賭けの時間だ。

 

「ねえ、篠原ちゃん」

 

  は手の中の手紙を見る。

そこには、今までの事とそれについての感謝、どうして身分を偽ったのか。

そして、

 

 

――大好きだよ、  ちゃん。今までありがとう

 

 

この言葉があった。

帰ってくると書いておきながら、この締め括りでは帰ってくる気は無いのが明白だ。

決めた。必ず連れ戻してビンタする。

絶対に許してやらない。

夏休み中は毎日連れ出して、夏休みが終わっても皆と騒ぎ、卒業しても騒いでやる。

許してなんかやるもんか。

 

「篠原ちゃん、君が相手にしているのは世界でもないし、悪いテロリストでもないよ」

 

君が相手にしているのは、世界もテロリストの事も分からない落ちこぼれの陽キャのパリピ集団だよ。

篠ノ之・束とか、天災とかそんな事微塵も理解してない娘達だよ?

さて、篠原ちゃん。覚悟しろよ?

君が篠ノ之・束?

天災?

ISの産みの親?

私達に、そんな簡単な分別がつくと思うなよ。

 

私達にとって君は天災でも篠ノ之・束でもなくて、ただの意地っ張りのわからず屋の利かん坊だよ。

それ以外でも以上でもないよ。

だから私達は君を連れ戻す。

天災篠ノ之・束の代わりになんかしてやるもんか。

君は何処のクラスか分からない意地っ張りの篠原ちゃんだ。

 

「さて、大立ち回りの時間だよ」

 

そう言って、  が立ったのは理事長室と書かれた扉の前だった。

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