編集版 転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~   作:ドラゴンネスト

3 / 33
二話目

初戦闘を終えた翌日、駒王学園に転校してから数日が過ぎていった。なお、新しく呼び出した雫も無事転校することが出来た。

文字にして仕舞えばその程度で片付けられる事だが、学年が一つ下の詩乃と雫とは違うクラスになったが、一緒に登校する姿を注目されたり、ビルドフォンに来るメールの賞金首情報からはぐれ悪魔を狩って過ごす数日だった。

 

一番の問題は一つ。

 

「十連一回引くまで約30体のはぐれ悪魔討伐、か」

 

「先は長いわね」

 

そう、初回特典がない通常エンカウントするはぐれ悪魔では約三体倒す事で一回ガチャが引ける訳である。

流石にそこまでガチャを引きたいと思ってるわけでは無いので必死に集めているわけでは無いが、戦力強化の面から考えるとビルドの強化アイテムは早めに入手しておきたい。

科学的な技術で作られたビルドドライバー等の本体や武器は兎も角、ネビュラガスなどの成分が関係している部分は、ネビュラガスの無いこの世界では作れないのだ。

 

だが、

 

(スクラッシュドライバーは出来たけどさ!)

 

桐生戦兎の技能は伊達ではなかった様子で、無事スクラッシュドライバーは完成した。

まあ、使う予定の者もいない為、スクラッシュドライバーは完成してから即刻お蔵入りが決定したので、まだスクラッシュゼリーは作っていないが。

ドラゴンもロボットも所持しているフルボトルから摘出した成分からスクラッシュゼリーを作れば良いので、飽くまで優先順位は自分がメインで使用するビルドの強化と割り切り今のところ本体のみの製作に留めて放置している。

 

ぶっちゃけ、現状では後衛二人と前衛一人なので結局、作った所でスクラッシュドライバーも四季が使うしかないのだ。

 

 

 

 

 

ないのだが、

 

 

 

 

 

当の四季には既にビルドドライバーが有り、性能はビルドドライバーより高いとは言え拡張性の低いスクラッシュドライバーは使う必要も無く、ハザードトリガーなどの強化アイテムが手に入れば有用性は更に下がってくる。

 

それでも、ベルト自体はいざという時の為の備えの一環として作っておいた。他のボトルから新たにスクラッシュゼリーを作ってオリジナルの仮面ライダーを作るのも悪くは無いのだし。

 

そんな事をオレンジフルボトル等を眺めながら考えて居たこともあった。

仮にオレンジやパーカー等のレジェンドライダーの成分から生まれたフルボトルから更にスクラッシュゼリーを作ればどうなるのか? それは非常に興味ある問いだったが、自身や詩乃、雫の装備の作成等の優先事項に追われた結果研究には入れていない。

 

まあ、

 

「「「リア充は死ねぇえええ!」」」

 

毎朝詩乃と雫と一緒に登校していると、襲いかかってくる三人組の撃退が今は最優先であろう。

 

最初に突っ込んできた坊主頭を踏み台にしてメガネの頭を軸に平均台の要領で一回転しながら『兵藤 一誠』を蹴り飛ばし、メガネを蹴り飛ばした一誠へと投げつける。

流れるような動作で撃退を終えると、四季は坊主頭を踏み台にした際に真上に投げた鞄を受け止める。

 

この学校には有名な者が数人ほどいる。高が学園という程度の小さな村社会の有名人など大したことないと言う無かれ、学園中の生徒から名前を知られている有名な者がいる。

 

先程四季に鎮圧された三人組、兵藤一誠、松田、元浜の三人もその有名な部類に入る三人組だ。通称『変態三人組』。学校中の女子から蛇蝎の如く嫌われている変態行為の常習犯である。一説にはこの三人の変態行為が全て表沙汰になれば町の年間の犯罪件数が一気に1000件ほど増えるとも噂されている。

 

【挿絵表示】

 

「懲りないわね」

 

「何時もの光景」

 

「こいつらに付き合ってたら遅刻するから早く行こうぜ」

 

地面に倒れふす三人を一瞥してさっさと校舎へと向かう三人だった。

 

「ちくしょ~、イケメンは敵だ~」

 

「リア充爆発しろ!」

 

「毎朝美少女二人を侍らせて登校しやがって!」

 

変態三人からの憎しみというよりも嫉妬のこもった声を聞き流しながら。

まあ、片手で詩乃と腕を組んで、片手で雫と手を繋いでの登校なのだから普通に恨みを買っても不思議ではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は流れ放課後

 

ラビットフルボトルを手の中で弄びながら、四季は変態三人が剣道着の集団に追いかけられている姿を眺めていた。何があったかは大体想像はできる。また覗きが見つかったのだろう。

 

(帰ったら次の武器の開発に入るか)

 

そんな彼らの事を思考の片隅に放置して次の研究へと意識を向ける。

スクラッシュドライバーの時も思ったが材料の入手やそれを加工する機材の揃った施設についてはナデシコCが有って良かったと思う。

幸いにもナデシコCの中にはある程度の機材や材料は揃っていて場合によっては知識の中にある物よりも優れた物も使用できる。

例外となるのはビルドの世界特有の品であるフルボトルとその中の成分、ネビュラガスだろう。

 

オレンジなどの原作では登場しなかったり、スクラッシュドライバー開発時に手元に無かったフルボトルから生み出す新たな仮面ライダーと言うのは結構魅力的に感じてしまう。

だが、応用を試す前に先ずは確実に作れるドラゴンとロボットのスクラッシュゼリーを試作品として作るべきかと、考えを改める。

 

「試しにドラゴンのスクラッシュゼリーを作ってみるか」

 

試作品の第一号はドラゴンと決める。何度か試作を繰り返し、十分なデータが揃った所で正式な完成品のドラゴンを、次にロボットを作り、第三号以降をオリジナルから選んで行こうと思う。

 

「さて。そろそろ、二人が待ってる頃か」

 

其処で時間潰しの思考を終えると、一緒に帰る約束をして居た詩乃と雫との待ち合わせの時間もそろそろなので校門の方へ行こうとした時、何故か変態三人が居て何が話していた。

 

「ホント、懲りないな、お前ら」

 

「「「天地!?」」」

 

「邪魔すんじゃねえ!」

 

「そうだそうだ!」

 

「帰れ帰れ!」

 

「ああ、そうさせて貰う」

 

呆れた様にそう呟く四季の言葉に噛み付いてくる三人組。そんな三人に付き合ってられない、と言うよりも巻き込まれたく無いとばかりに立ち去って行こうとした時、何処からか視線を感じる。

 

「いいな~、あの赤い髪」

 

「『リアス・グレモリー』。オカルト研究部の部長。出身は北欧って噂だ!」

 

(グレモリーのお姫様、か)

 

あれだけ騒いでいれば当然だろうが、上から感じた視線の主はリアスだった。

自分達の力のことを考えるとあまり関わらない方が良いだろう相手。この学園に通う現魔王の一人の妹であり、二大お姉様と呼ばれるこの学園の有名人一人だ。

 

なお、詩乃と雫の二人も学園一年の二大美少女として有名になっていたりする。

 

そして、彼女が部長を務めるオカルト研究部の副部長である『姫島 朱乃』が件の二大お姉様の片割れである。

 

急がないと二人を待たせると思い、四季は三人組を残して足早にその場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

ナデシコCの格納庫の中に作ったビルドの関連の技術を研究するための簡易ラボ。

現在格納庫に置かれているのがMSサイズとは言え、アメイジングストライクフリーダム一機だけなのでかなり格納庫のスペースには余裕がある。

 

そんな格納庫の余剰スペースに簡易の倉庫を作り、簡単なベッドと空調などを整えた簡易ラボ。その中で、

 

「完ッ成!」

 

四季が高々と掲げているのは剣型の武器『ビートクローザー』。

仮面ライダークローズの専用武器だがビルドのキードラゴンの姿でも使用できる武器でもある。

最初に作ったのがドリル型のビルド専用の武装のドリルスマッシャーなので、それに続く第2弾と言うところだろう。

 

キードラゴンとクローズ。クローズドラゴンを入手した事もあり、二人のライダーの専用武装という事で二つ目の武器として制作してみたのだが、問題なく完成に至ったというわけだ。

 

「でも、作れるって分かっていてもこうして完成させられるのは嬉しいものがあるよな」

 

出来たばかりのビートクローザーを眺めながら感慨深げに頷く四季。伸びをしながら、ビートクローザーを持ってナデシコCの格納庫から出ると武器庫の中の、先に完成させたドリルスマッシャーの隣に置く。他にもそこには詩乃に頼まれたヘカートや雫に頼まれたCAD等の装備品も置かれている。

 

何時の間にか一般家庭の家の地下には似つかわしくない物騒な施設が出来上がっているが、その辺は深くは考えないことにした。……戦艦の格納庫と武器庫の時点で今更だが。

 

「そう言えば、最近街に堕天使が出入りしてる様子だな」

 

今のところ四季達が堕天使を倒したところで利益はないので、一般市民に被害が無いなら、と放置して居たが。

今更ながら、この世界の中心人物である兵藤一誠が悪魔へ転生する切っ掛けは堕天使に殺されたことではなかったかと思い返す。

 

「まあ良いか」

 

自分たちと言うイレギュラーを内包している以上、世界が知識通りに進むわけもないだろうし、倒した後に間違いでした、では済まないのだから。

 

そんな訳で堕天使達に対しては完全に自分たちに対して火の粉が降りかかるまでは無視を決め込む事にした四季だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「理由はわからないけど、どうもこの街に堕天使が数人入り込んでる様子だから、二人も気をつけてくれ」

 

夕食後の席で堕天使側の勢力が街に入り込んでいる事と、暫く様子見することを告げる。

 

「放っておいても良いの?」

 

「相手の目的が分からないからな」

 

詩乃の言葉に、だから相手の目的が分からない現状では様子見だと告げる。

この街の裏側が悪魔勢力の傘下ということは知っている。

少なくとも堕天使も表向きは悪魔と敵対関係だが共に冥界に居点を置く聖書勢力の一部である以上、裏で繋がっていても不思議はない。

 

「多少後手に回るかもしれないけど、相手が動いたら堕天使の監視をするって事で」

 

そう言って四季が取り出したのはVSチェンジャーと三つのダイヤルファイター。

巨大化する相手もいないので、その面ではグッドストライカーは必要ないだろうが、必殺技が使えないのはちょっとマイナスだろう。

 

「ライダーじゃ無くて、怪盗で、な」

 

既に三人分の正体を隠す為の赤、青、黄の三着の礼服とシルクハット、アイマスクも用意している。

 

「この服って、前から用意してたけど」

 

「ルパンレンジャーに変身するときの変装用だ」

 

詩乃の言葉にそう返す四季。礼服とシルクハットにアイマスクは変装用兼ルパンレンジャー時の正装として用意している。

 

「でも、なんだか格好いい」

 

「そうだろ」

 

「私も悪くないとは思うけど」

 

好意的な意見の雫にちょっとだけ気分の良さそうな四季。詩乃も詩乃で満更でもない様子だった。

 

「それじゃ、怪盗として鮮やかに、な」

 

楽しそうな笑みを浮かべながら告げる四季の言葉に頷く二人。そしてハイタッチを交わす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、丁度三人が今後の行動を決めていた頃、一誠は項垂れていた。

 

「暗い青春だ~。オレの学園生活は花も実も無く終わっちまうのか~」

 

そして、忌々しげに思い浮かべるのは美少女二人を連れた四季の姿。

 

「チクショー! オレも天地の野郎みたいに両手に花が当たり前の! 薔薇色の! 薔薇色の学園生活を楽しみたいぜ!」

 

「あの……駒王学園の兵藤一誠くん……ですよね」

 

他の学園の制服を着た黒髪の女子高生が一誠に声を掛ける。

その場で彼女から告白された一誠は歓喜とともにそれを了承。翌日には変態仲間の松田と元浜にも彼女として紹介して、次の日曜日にデートをする約束をした。

 

「あの子、堕天使だな」

 

「堕天使よね」

 

「うん、堕天使で間違いない」

 

四季、詩乃、雫の三人が一誠の彼女になったと言う少女『天野 夕麻』を見ながらそう呟く。

ルパンレンジャーへの変身の訓練も兼ねて堕天使の拠点を調べた時に堕天使達の顔は確認しているし、何より一誠達の変態行動は学園の中のみならず町全体に轟いているのだ。彼女ができるとしたら町から離れて行動を自重するしかないだろう。そう確信している。(詩乃と雫の女子視点からの意見)

案外、人外の種族からなら欲望に忠実なのが純粋として好意的に見られているのかも知れないが、それはそれ。

 

そして日曜日、デート当日、ショッピングに食事、水族館デートと定番的なデートをした後、一誠と夕麻は公園を歩いていた。

 

「今日の初デート記念に一つお願いがあるの。いい?」

 

「な、何かな?」

 

内心『初デート記念のお願い!?』と興奮している姿を表に出さず微笑みを浮かべる夕麻に聞き返す。

 

「死んでくれないかな?」

 

彼女からの突然の言葉に戸惑いを隠せない一誠に光の槍を突き刺そうとした瞬間、

 

 

 

『そこまでだ、堕天使!』

 

 

 

夕麻の腕に一枚のカードが突き刺さる。

 

「ぐっ!? だ、誰だ!?」

 

夕麻の叫びに答えるように現れる三つの人影。

それぞれが赤、青、黄の礼服を身に纏い、シルクハットを被り、顔をアイマスクで隠した三人組。

 

「貴様ら、人間風情が邪魔をするな!」

 

「おっと、残念ながら邪魔をさせて貰うぜ」

 

そう言って取り出すのはVSチェンジャーとレッド、ブルー、イエローの各々のダイヤルファイター。

 

「「「快盗チェンジ!」」」

 

『レッド』『ブルー』『イエロー』

 

『0・1・0』『マスカレイズ!』『快盗チェンジ!』

 

その言葉と共に三人がVSチェンジャーを上空に向けて引き金を引き、溢れた光に包まれた三人が姿を変えるのは、シルクハット型のゴーグルをしたそれぞれのパーソナルカラーのスーツ。

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

『快盗戦隊! ルパンレンジャー!』

 

そして、ルパンレッドは夕麻と名乗っていた堕天使へと指差し、

 

「予告する。お前のお宝、頂くぜ!」

 

そう宣言するのだった。

 

***

 

「っ!? に、人間風情が、生意気な!」

 

改めて光の槍を出して投げつけてくるが、それは堕天使の手を離れた瞬間破裂して消え去る。

手を離れたその直後にルパンブルーがVSチェンジャーで撃ち落としていたのだ。

 

「っ!?」

 

「ナイス、ブルー」

 

「ええ」

 

軽く会話を交わすと、続いてレッドがベルトのバックル部分を外してそこからワイヤーを伸ばし槍を投げた直後の堕天使の腕を絡みとる。

 

「なっ!? こんな物!」

 

「私もいる」

 

小型の光の槍を作り出して片腕に巻きついたワイヤーを切ろうとするがそれよりも先にルパンイエローのワイヤーが自由に動かせていた腕を拘束、続けざまにブルーもイエローと共に片腕を拘束する。

 

「じゃ、落ちて貰おうか、堕天使らしく、地面に、な!」

 

「ひっ!」

 

レッドの言葉と共に三人が同時にワイヤーを振り回す。なんとか抵抗しようとするが、それも虚しくそのまま地面に叩きつけられる堕天使。

 

「ぐべっ!」

 

女として出してはいけないカエルの潰れたような声を上げて、顔面から地面に落ちた堕天使の女。強く打ち付けた顔には殴打の痕と、血と土に汚れて屈辱からか鬼のような形相を浮かべていた。

堕天使の女の血と土に汚れた鬼の形相は百年の恋も冷める程の恐ろしい物だったのだろう、先ほどまでデレデレとしていたイッセーが完全に怯えている。

 

「よくも! よくも、至高の堕天使である私を!」

 

「おいおい、堕天使って天使からの落後者の集まりだろ? それが至高って」

 

堕天使の女の言葉に笑いながら言葉を返すレッド。

 

「至高の落後者? つまり、万年留年生?」

 

レッドの言葉に何気なくそう呟いたイエローの言葉に他の2人は思わず吹き出してしまう。

 

「ぷっ! ハハハハハ! イエロー、ナイス!」

 

「し……っ、レッド、笑っちゃダメよ」

 

「くっくっくっ……つまり、天使の落伍者の、堕天使界の、落第生って訳か?」

 

イエローの言葉に爆笑してるレッドと笑いを堪えてるブルーの姿に百年の恋も冷めるほどの鬼の形相を浮かべている女堕天使。

 

「ふざけるなぁ!!!」

 

見下していた人間からの侮辱に耐えきれなくなったのか、堕天使の女は怒りに震えながら光の槍を振りかざして三人へと襲い掛かろうとする。

 

「っと」

 

だが、ブルーとイエローは素早く散開し、レッドがそれを避けながら蹴りを放つ。

 

「ぐはっ!」

 

それに吹き飛ばされ、血を吐きながらレッドを睨む堕天使の女だが、何かに気が付いたのか翼を広げ、

 

「ここは一旦引くしかないけど、そこの人間ども! この至高の堕天使レイナーレをコケにした事を必ず後悔させてやる!」

 

堕天使の女、改めレイナーレは、そんな捨て台詞を残して飛び去っていく。

 

「おっと、オレ達も長居は無用か」

 

レイナーレと名乗った堕天使が逃げた理由、赤い魔法陣の出現に気が付いて、レッド達も真上へとワイヤーを投げ、

 

「それじゃあ、オ・ルボワール(ごきげんよう)

 

低空を飛んでいた三機の飛行機にワイヤーを巻きつけそう言い残して飛び去って行く。

後に残された目の前に巻き起こった光景に唖然としていた一誠の前に赤い魔法陣から現れる赤髪の女の子。

こうして、赤の悪魔と赤き龍の物語は本来の運命とは少しだけ違う流れで始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーん、三人組の怪盗、ね」

 

彼女、リアス・グレモリーは新たに眷属となった一誠からの話を聞いてそんな言葉をつぶやく。

赤、青、黄の三人組の快盗戦隊ルパンレンジャーと名乗る自称怪盗達に彼が助けられた事を聞いた彼女は、彼らが最近この街ではぐれ悪魔を狩っている何者かと関係あるのでは、と考えていた。

 

堕天使と戦える力を持って、互いをレッド、ブルー、イエローとコードネームで呼び合い、そのコードネームに合わせた色の礼服とシルクハット、目元をアイマスクで隠して居ただけなのに不思議と服装以外が思い出せない謎の男女の三人組。

これを怪しむなと言う方が無理があるだろう。

 

「中々興味深いわね」

 

面白そうな笑みを浮かべて彼女はそう呟く。彼女の手元には未使用の騎士、僧侶、戦車の悪魔の駒が三つ残されている。手持ちの駒には先程までは更に兵士の駒が八個残っていたが、予想を超える数を一誠を転生させるのに使ってしまった為に残るは三種一つずつだけになってしまったそれを一瞥しながら。

 

丁度怪盗の三人組と同じ数だ。自分の領地で断りもなく好き放題してくれているのだ。それを抜きにしてでもこの地の管理を任されてる者として怪盗達に落とし前は着けさせる。

だが、ちょうど三つ駒が空いているのだ、落とし前をつけた後は見所が有れば三人とも眷属に勧誘してみようとも考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、件の怪盗三人組こと四季達三人はと言うと、

 

「さっき言ってたお宝って何のことなの?」

 

「なんとなく、その場のノリで言ってみた」

 

自宅に戻った後、怪盗用のコスチュームから私服に着替えてからそんな会話を交わす四季と詩乃。序でにオ・ルボワール(ごきげんよう)と言ったのも殆どその場のノリである。

 

「残念ながら監視に向いたガジェットは手元に無いから、オレ達の正体隠蔽がうまく行ったかは分からないけど、バレてたら監視なり接触なりして来るだろう」

 

受身にはなるが相手の動きでそれは推測するしかない。正体がバレた場合の対応とバレていない場合の対応もそれぞれ考えているので、状況を見て計画の修正が当面の予定だ。

 

「私達に先に接触して来たらどうするの?」

 

まあ、それが一番な問題点である。四季がビルドに変身して派手に活動して来たから、接触するのなら四季だけにだろうと考えて計画を立てていたが、今回の事で三人組と相手に認識されてしまっているのだ、正体がバレたとしたら二人のところにも接触があっても不思議は無い。

 

「一応、その時の対応も考えて居るけど、これの認識阻害機能が効果発揮してくれていれば、考えすぎで済むんだよな」

 

アイマスクを手に取りながらそう答える。ぶっちゃけ、アイマスクの認識阻害の機能が効いているのならば、それが一番である。

 

そんな訳で認識阻害効果が効いた場合と効かなかった場合の2パターンでの対応を決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、

 

その日は何時もの様に四季のベッドに潜り込んで寝ていた二人を起こし、二人と一緒に通学していると学園の前に人集りが見える。

何事かと思って人集りに近づくが、残念ながら何を見ているのかは其処からでは分からなかった。

 

「嘘だろう、あの変態の兵藤がグレモリー先輩と」

 

そんな時、偶然聞こえた信じられない物を見たとでも言う様な誰かの呟きが状況を物語ってくれていた。

 

「朝田さんや、北山さんが、天地の野郎と一緒に登校しているのも、心底憎いのに!」

 

一部四季への恨み節が混ざっているが、それは完全にスルーしておく事にした。

 

先日の女堕天使の一件の後、この世界の本来の流れ通りに一誠は悪魔へと転生したのだろう。

あの時に女堕天使の手で死ななかった分、イッセーが最悪の初恋と言うトラウマを背負わない事が良かったのか悪かったのか定かではないが、提示されたメリットに自分から食いついたのだろう。

その辺については自分達に迷惑さえ掛からなければ、頑張れ、と気の無い応援でもしておこうと思う四季だった。

 

リアスと一緒に登校するイッセーの姿を遠巻きに眺めている生徒を放置してさっさと学園に向かう四季達3人。

男女問わず向けられている殺意の渦の中にいるとも知らない一誠を無視して。普段は美少女二人を連れて通学しているのだから、四季の方に殺意が向けられているがこの日は静かに通学できることに内心良かったと思う四季だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠が松田と元浜にリアスと一緒に登校してきたことを問い詰められてた事を除けば、特に特筆する事なく普段の授業が終わり放課後。

部活に行く者、帰り支度をする者といつもと変わらない放課後の光景だ。だが、其処に、

 

「やあ、兵藤くんは居るかな?」

 

そんな言葉と共に教室に入って来たのは同学年の別のクラスの生徒である『木場 裕斗』。リアス・グレモリーの眷属の騎士である。

 

荷物を纏めながら多少の警戒を込めて其方へと視線を向けると、木場がイッセーを呼びに来た姿が見える。

 

「グレモリー先輩の使いなんだ、一緒に来てもらえるかな?」

 

「あ、ああ」

 

周囲の女子から上がる意味不明な悲鳴と絶叫を聞き流しているのか、気にしていないのか分からない態度でイッセーを連れて教室を出て行く木場。

 

そんな二人の様子を窺いながら、監視に使えるガジェットが無いことを惜しむ。

 

(まっ、ここで態々オカ研の部室のある旧校舎に忍び込んで会話を盗み聞きするなんて真似をしなくても良いだろう)

 

ルパンレンジャーの変装用の礼服とアイマスクもVSチェンジャーはいつでも取り出せるが、此処で相手の拠点に飛び込むのも正体を自分から教える愚行だと考える。

そんなリスクに対してリターンも少なく行動する利点は無いだろう。

 

「なんで、あいつがグレモリー先輩に!?」などと絶叫している変態三男組の残り二人を一瞥しつつ、さっさと荷物を纏めて教室を後にする。詩乃と雫の二人と待ち合わせているのだ。

 

桐生戦兎の能力があれば科学寄りの他の仮面ライダーのガジェットも作れるだろうかと考える。ダブルの擬似メモリなら上手くいけば再現も可能かも知れないが、セルメダルなどに由来するエネルギー部分の再現は少し難しいかも知れない。

 

(他の技術で補えるかは未知数だし、セルメダルとライドベンダーが当たれば手っ取り早いんだけどな)

 

そんなことを思いつつ、四季は詩乃と雫のいる一年の教室に向かう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。