編集版 転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~   作:ドラゴンネスト

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七話目

「必ず、部長さんと一緒に帰って来て下さい」

 

「ああ、もちろんだ」

 

イッセーは笑顔でそう告げるアーシアに見送られて冥界へと向かう。

手の中に握るのは先程赤い怪盗から渡されたスクラッシュドライバー。それ以外にもライザーと戦うための切り札は用意した。

 

何処か不安を感じながらスクラッシュドライバーとスクラッシュゼリーの二つへと視線を向ける。

あの時にビルドに変身した赤い怪盗が使った物とは違うだけに、本当に大丈夫かと言う不安が湧いてくる。

 

(これだけじゃ無いんだ、だから大丈夫だ!)

 

前回、手も足も出なかった相手に自分一人で勝てるのかと言う不安が浮かぶ己を安心させるように心の中でそう叫ぶ。

 

不安を払拭させる様に強くそう叫び、イッセーは決意を込めて動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上手くいったみたいだな」

 

機能を下げるついでにスクラッシュドライバーに取り付けておいた盗聴器から聞こえて来た会話を聞いていた四季、詩乃、雫の三人。

場所はナデシコCの会議室、三人とも怪盗コスチュームで、だ。

 

盗聴器から聞こえる音が消えたことからイッセーは冥界へと転移したのだろう。流石に冥界と人間界を繋いでくれる程高性能な物は桐生戦兎の頭脳でも作れない。

 

「まあ、今回は結果待ちって所だな」

 

「大丈夫なの、四季の作ったスクラッシュドライバーを渡しちゃって」

 

「性能を抑えた劣化版だし、自壊する時にスクラッシュゼリーも破壊されるから、使い物にならなくなる……計算上は」

 

「最後の一言がちょっと余計」

 

「妙に最後の一言が不安になるんだけど」

 

「流石にこればっかりはな。実際に作って試すわけにはいかないからな」

 

そもそも、試すのに使うドライバーとスクラッシュゼリーを作る時間はなかったのだ。

自壊機能を試す為だけに作るのは勿体ないとも思っても居たのだし。

 

「だったら、念の為にスクラッシュゼリーの回収のためにオレ達も冥界に行くか?」

 

「行くって、見つからないで行く方法はあるの?」

 

詩乃の疑問はもっともだ。分かりやすく言えば完璧な密入国をするといっているのだから。

正面から堂々と移動するのは論外として、見つからない移動手段が理想的なのだが……

 

「一応、ダイヤルファイターとナデシコには冥界に移動する機能がついてるらしい」

 

思いっきりその手段は手元にあった。

まあ、冥界を舞台に大きな戦いがある事もあるのだから、そんな時に加勢したくても移動手段がありませんでした、では話にならないからなのだろう。

序でにナイトローグの時のように余計な敵まで参戦して居たら四季たちの加勢がなかったら危険過ぎるだろう。

 

そんな訳で今回は移動拠点となる宇宙戦艦のナデシコCの試運転、処女航海を兼ねての行動となった。

そもそも、この馬鹿でかい宇宙戦艦がどこから発進するのかも確かめておきたいし。

 

現在はオペレーターもいないので十全に機能を発揮できないが、艦長として登録されている詩乃が艦長席に立ち、空いた席に四季と雫が座って運航する事になった。

 

格納庫の前方が開くと何処かにそのまま格納庫から上昇して行く。

 

「「「ええっ!?」」」

 

ナデシコCのブリッジに外の光景が見えた瞬間三人から驚愕の声が溢れる。

それも無理はないだろう。街中の自宅の地下に有った地下格納庫だった筈が、何故か何処かの無人島から出撃していたのだから。

 

「いや、確かに街中、それも自分家の地下から発進させたら目立つだろうけど」

 

「あの格納庫はどこでもドアにでもなってるの?」

 

「でも、見つからないのは良い事だと思う」

 

既に何処ぞの猫型ロボットのひみつ道具レベルの施設だと改めて認識する三人で有った。

 

「兎も角、気を取り直して」

 

「ええ、目的地は冥界。ナデシコC。出撃」

 

こうして、前方に現れた魔法陣を潜りながらナデシコCは処女航海として冥界へと飛び立っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、冥界へと辿り着いて四季が貴族風の礼服に着替え、手持ちの隠しカメラを通じてナデシコCのモニターに映像を送りながら、貴族達の中に紛れ込むと丁度イッセーとライザーのゲームが始まろうとしていた。

 

イッセーの行動を警備の悪魔達が止めようとするのを他のリアスの眷属の木場、朱乃、小猫の三人が阻み、イッセーはリアス、ライザーとサーゼクスの三人がいる主賓席の前までたどり着く。

 

周囲の貴族がイッセーへと罵声を浴びせるのを魔王であるサーゼクスが静まらせると、婚約発表パーティーの余興としてドラゴンとフェニックスの一騎討ち、つまりイッセーとライザーの試合を提案する。

 

サーゼクスからは、既に最後のチャンスは逃してしまったと告げられるが、イッセーはそれを分かった上で強引に覆す為に来たのだと答える。

 

あの時、勝てなかった相手と今更再戦して勝てると思っているのかと問われると、

 

「ええ、あの時のオレじゃないって事を見せてやりますよ!」

 

普通は誰もがたった数日で何が変わったのだと思うだろう。まあ、神器(セイクリッド・ギア)の事を考えればそれの覚醒によっては大きなパワーアップは測れるだろうが。

そんな周囲からの呆れとも嘲笑とも言える視線を受けながら、スクラッシュドライバーを取り出す。

 

 

 

『スクラッシュドライバー!』

 

 

 

四季から渡されたドライバーを装着し、新たにドラゴンスクラッシュゼリーを取り出し、

 

「当てにしてるんだから、力を貸してくれよ……」

 

そんな事を呟きながらスクラッシュドライバーの装填スロットにスクラッシュゼリーを装填する。

 

 

 

『ドラゴンゼリー!』

 

 

 

「うおぉー! 変、身っ!」

 

 

 

『潰れる! 流れる! 溢れ出る!』

『ドラゴンインクローズドライグ!』

『ブラァ!』

 

 

 

気合の入った叫び声とともにイッセーは巨大なビーカーに包まれ、液体化した成分が全身を覆いスーツを形成し、最後に頭部から吹き出す液体が頭と腕の装甲を作り出し、その姿を多くの者の前で赤いクローズチャージ、否、『仮面ライダークローズD(ドライグ)』へと変身してみせたのだった。

 

吹き出した液体が本来の青と違うのはスクラッシュドライバー自体が劣化版であるが故かは分からないが、本来青くなる部分が赤龍帝の名に相応しい赤に染まっている。

 

(クローズドライグって適当に名付けたけど、やっぱりクローズヴェルシュの方が良かったかな~?)

 

イッセーの変身シーンを眺めながら、自身の作品の出来栄えに対して、そんな事を一人考えていた。なお、音声はイッセー用の為に特別に用意したものである。

 

「ハハハっ! おいおい、そんな玩具がなんの意味があるって言うんだ?」

 

変身という派手な真似をしたイッセーに、周囲が驚きのあまり静まり返る中、ライザーの嘲笑が沈黙を破る。

 

「なるほど、これはなかなか面白くなりそうだ」

 

そんな嘲笑を遮り、サーゼクスの言葉が響く。

 

「兵藤一誠君。君がライザー君に勝った時には相応の対価を支払うとしよう」

 

「サーゼクス様!? 下級悪魔に魔王様が対価などと!」

 

「例え下級であろうとも彼も悪魔だ。それに、こちらからの頼みなのに対価を支払わないとは悪魔としての理に敵わない。……さあ、君は何を望むのかな?」

 

イッセーの使ったスクラッシュドライバーとスクラッシュゼリーに興味を持ちながらも、今は妹の為と自身の予定通りに自体を進めて行く。

流石にイッセーもグレイフィアからの伝言やこの言葉からサーゼクスの意図ができないわけがない。

彼が、イッセーが望むべきなのは、金でも、絶対的な地位でも無い。

 

「それなら……」

 

リアスの方を指差すとイッセーは、

 

「リアス・グレモリー様を返して下さい!」

 

「良いだろう、それでは早速ゲームを始めよう!」

 

事前準備はできていると言った様子で試合会場に転移させられる。イッセーとライザーの二人。

急に試合を決められたライザーも相手が一度勝った相手なのだから、文句もないようだ。

 

先ほど使ったスクラッシュドライバーの事も甘く見ている様子で余裕そのものと言った態度だ。

 

「部長! オレには木場の様な剣技も無くて、小猫ちゃんの様な馬鹿力もないし、朱乃さんの様な魔力の才能もアーシアの様な治癒の力も」

 

そこで一度言葉を切って赤い怪盗の事を思い出す。

 

「あの赤いコソ泥野郎の様に強くも無い!」

 

 

 

 

 

 

 

(コソ泥じゃ無くて、オレ達は怪盗だ、怪盗!)

 

思わず叫んでイッセーの言葉を訂正したくなったが、此処は敵地と言葉を飲み込む四季であった。

 

(スクラッシュゼリー回収して帰るつもりだったけど、あの野郎、一発殴る)

 

 

 

 

 

 

 

 

「だけど、オレは貴女の最強の兵士(ポーン)になってみせます!」

 

本来ならば腕に専用武器のツインブレイカーが現れるはずだが、実は劣化版にはその機能は付けていない。その為に腕には彼の神器であるブーステッド・ギアが現れる。

 

「力を貸しやがれ! ドライグ!」

 

 

 

『Welsh Dragon over boostr!』

 

 

 

試合開始と同時に己の片手を対価にして可能にさせた禁手(バランス・ブレイク)を発動させた事で、クローズDのアンダースーツの一部、頭部と両腕が赤龍帝の鎧に変化する。

 

『凄いぞ! 10秒も持たないはずだったが、この鎧の力が有れば1分は持つ』

 

「1分か!? それだけあれば奴を殴り飛ばして、お釣りが出るぜ!」

 

『この鎧は持ってもそれ以上はお前の体持たない』

 

そう伝えながらも神器の中に宿る龍帝は理解していた。この鎧の力はドラゴンであっても、この世界のドラゴンのものでは無いと。

 

自分よりも強大な怪物の力の一部であると。

 

『(しかし、なんだこの力は? 初めてだぞ、鱗片だけで此処まで恐ろしいと感じた存在に触れるのは)』

 

この世界にはエボルトは居ませんが、フルボトルの成分を液化させた事による長時間の接触が原因なのかは定かでは無いが、ドライグはその力の持ち主の恐ろしさを正確に気がついて居た。

 

星を狩るエイリアン、ブラッド族のエボルト。宇宙レベルの消滅の力たるブラックホールを自在に操る怪物など、夢幻と無限ならば兎も角、それ以外の存在には太刀打ち出来る存在では無いだろう。

サーゼクス達魔王? 最悪、眷属諸共纏めて消されて終わりである。

 

何気にドライグの中での世界の強者ランキングに夢幻と無限の下にエボルト(想像態)がランクインした瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて、フェニックス対ドラゴン、フルボトルとしたらドラゴンの方が上だけど、どんな対決になるかな?)

 

後でイッセーを殴ることを心に決めながら逃走用に用意したフルボトルの一部、フェニックスボトルとドラゴンボトルを手の中に握りしめながら、四季はそう心の中で呟くのだった。

 

(まあ、劣化品とは言えスクラッシュドライバーを使わせてやったんだから勝ってくれよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

(出来栄えはまあまあって所か)

 

クローズドライグに変身したイッセーとライザーのゲームを眺めながら、四季は心の中でそう呟く。

作った本人だからこそ分かる。禁手との上乗せにより今のクローズドライグのスペックはクローズチャージのスペックに大幅に近づいている、と。

 

(流石にこれは想像以上だな。ハザードレベル5ってのも有るだろうが……)

 

思えば正規の変身者で有る万丈龍我と近い面もある分クローズとの相性も悪く無いのだろう。ハザードレベルを高めたと言う点での強化も生きている。

 

元が一般人の為にオリジナルのクローズチャージに変身させたところで、本来の変身者には遠く及ばないが、それは自分も同じだと自覚しているので敢えて口には出さない。

 

(ラブ&ピースの為に戦う天才物理学者にはオレはなれないからな)

 

人から悪魔に成り上がったところで、女王にプロモーションしたところで、本当のクローズには届かないだろうが、ライザーに勝つには、それで十分だ。

 

なお、今は関係ないことだが渡す気が無かったので通常のフルボトルを使っての特殊能力は劣化版も使えたりする。

 

四季が観察する中、映像の中のクローズドライグは目にも留まらぬ速さでライザーに突っ込んでいくが、ライザーはそれを間一髪で回避する。

 

ライザーに回避されたクローズドライグはそのままの勢いのままに壁に激突する。

 

衝突のダメージもなく壁に激突した際に発生した土煙の中からゆっくりとクローズドライグが振り返る。

 

『……まだ力を制御できてないようだな』

 

その力に脅威を感じたのだろう、ライザーから余裕が消えたように見える。

 

『認めたくは無いが、今のお前は化け物だ! 赤龍帝の餓鬼! 悪いがもう手加減しないぜ! リアスの前で散れ!』

 

『テメエェのチンケな炎で俺が消えるわけねぇだろぉ!』

 

互いに顔面へと拳を叩きつけるが、クローズドライグにはダメージがある様子はない。

 

『へへへっ、凄いな、全然効かねえよ。今のオレは、お前なんかに……負ける気がしねぇ!』

 

そう叫びながらクローズドライグはお返しとばかりにライザーの顔を殴り返す。

 

(防御面は……上級悪魔レベルなら問題なし、とは言い切れないな。あいつは今禁手(バランス・ブレイク)との同時使用している訳だし)

 

そう思った後、再び映像へと視線を向ける前に、

 

(そう言えば、大半の神器(セイクリッド・ギア)、いや全部が本来は禁手(バランス・ブレイク)状態が本来の運用形態と言う可能性もあるよな)

 

目の前の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)のそれが良い例だ。能力は変わらず全身に鎧を纏うライダーの変身システムに近い。

故に、少なくとも赤と白の一対のそれはあの状態が基本形態、言わば籠手は能力が使える程度の変身アイテムと言うのが分かりやすいだろうか。

 

(亜種の形態は通常形態で所持者のデータを収集して最適化した形と捉えれば、所有者のデータを収集する機能もあるのかもな)

 

ライダーシステムの開発能力を有している四季の視点での神器についての考察だが、興味も無いのでその辺で辞めておく。

桐生戦兎のそれのお陰かエボルト由来のフルボトルの技術の方が神器よりも強力で使いやすいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フェニックスの炎は本来ならばドラゴンにも傷を残す。まともにくらうのは危険だったはずだ』

 

驚愕の感情とともにドライグはイッセーへとアドバイスを告げる。

 

『お前の体を包んでいる鎧がフェニックスの炎を防いでいるのか?』

 

「へっ、だったら、こいつが有れば俺は無敵って事だな」

 

「巫山戯るな! そのオモチャがなければオレが触れるまでも無く、お前は消失している! お前など、そのオモチャと神器(セイクリッド・ギア)が無ければただのクズだ!」

 

「その通りだ! だけどっ!」

 

再度互いの攻撃が相手に直撃するが、今度は一方的にクローズドライグが殴り飛ばす。

 

「ぐあぁっ!」

 

今まで目立ったダメージの無かったライザーが先ほどのクローズドライグの一撃で苦しみ始める。

 

「この痛みは……っ!? 貴様ぁ!?」

 

「アーシアから借りておいたんだ」

 

そう言ってクローズドライグが開いた手の中に有ったのは十字架。

悪魔に対して激しい痛みを与えるそれを握りしめての一撃なのだ、不死身のフェニックスとは言え、元の聖獣としての鳳凰、フェニックスならば無害であろうそれも、悪魔のフェニックスならば不死身の特性と関係のない痛みとなる。

 

「聖なる力をギフトで高めた一撃は、いくら不死身のあんたでも効くだろう?」

 

「バカな!? 十字架は悪魔の身を激しく痛め付ける! 如何にドラゴンの鎧を身につけようが……っ!?」

 

そこまで言った後に、十字架の影響を受けない理由と、イッセーが僅かな時間で禁手に至った理由に行き着いた。

 

「……ドラゴンに腕を支払ったのか……? それがその馬鹿げた力の理由か!?」

 

「それだけじゃないぜ」

 

そう言って対価として支払っていない筈の腕に十字架を身につけてみせる。

 

「さっきからアンタがオモチャ扱いしてたこのスーツを着てから、オレは十字架を握っても平気なんだよ!」

 

そのまま振りかぶった腕でライザーを殴り飛ばす。

 

『おい、このままではラチが開かん。この鎧のコア、そこに譲渡しろ』

 

「ああ! 行くぜ、赤龍帝の贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

映像だけでもわかる。開発者と言うよりも製作者だからこそ分かる。

今、イッセーはドライバーではなく、スクラッシュゼリーの方に譲渡を行った。

……行ってしまった。

 

(幾ら何でも、それだけは想定していない、いや、想定出来なかったぞ!)

 

映像の中でクローズドライグの全身から吹き出す液化した成分が全身を包むと同時に、ギフトで倍加させられた膨大なエネルギーにより、膨大なエネルギーに耐えられなかったドライバーとスーツが火花を散らして行る。

元々組み込んでおいた自壊装置と合わせて、ドライバーの限界へのカウントダウンが始まってしまったのだろう。

 

(嘘だろ?)

 

全身から溢れ出した液化成分が限界を迎えつつあるスーツの発する熱に焼かれて急激に硬化していく。そこまでは良い。だが、問題はその形だ。

 

(クローズ……マグマ?)

 

それは、単なる偶然か、必然か、高温に焼かれたスクラッシュゼリーのエネルギーは硬化しその姿をクローズマグマの形へと変化して行った。

 

いや、焼け爛れた様な姿は何処かアナザーライダーを思わせるが、それでも、その姿はアナザーライダーの特徴など有して居ない姿は間違いなく仮面ライダーの物だと認識できる。

 

(急激にエネルギーが倍加された事による暴走、それに出口であるスクラッシュドライバーが耐えられなくなって決壊に近い形で全身から噴き出した上で、スクラッシュゼリーが突然変異を起こし始めている?)

 

一瞬だけ映ったスクラッシュゼリーに罅が入った所から推測してみたが真実は明らかではない。

 

(ってか、半ばハザードトリガー使ってる様なモンだよな、あれは。しかも、成分自体を強化した)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『チャージクラッシュ!』

 

「「オオオオオオオオッ!」」

 

クローズドライグが必殺技を発動させると同時にクローズドライグとライザーの拳がぶつかり合い、その衝撃が試合会場を吹き飛ばす。

 

「イッセー!」

 

「お兄様!」

 

リアスとライザーの妹のレイヴェルの悲痛な叫びが響く中、拳を振り切った状態で立って居たのはクローズドライグだった。

 

「があぁ!」

 

だが、立って居たはずのイッセーが全身を襲う激痛に悲鳴をあげる。

ドライバーを中心に全身に走る火花と同時にイッセーの全身に激痛が走る。ドライバーに起こった小規模な爆発と共にイッセーのクローズドライグへの変身が解除される。

 

「はぁ……はぁ……どう言う事だよ?」

 

『あの鎧の中心を勘違いして強化してしまった様だな。力の核そのものを強化してしまったせいで限界が来たんだろう』

 

「くそ、それじゃあ」

 

スクラッシュドライバーのパーツが小規模な爆発と共に砕け散っていく。そしてイッセーから離れると同時に地面に落ち、最後の爆発共に完全に破壊されてしまった。

 

そして、最後に残ったスクラッシュゼリーも完全に砕け散った。

後に残ったのは一つのボトルだけ。

 

もう一度と思ってスクラッシュゼリーの跡に残ったボトルを握り締めた瞬間、ボロボロになったライザーがイッセーの首を締め上げる。

 

「『兵士(ポーン)』の力で良くやったと褒めてやろう」

 

イッセーの首を締め上げる中、

 

「正直ここまでやれるとは思わなかった。強い悪魔になれると思うぜ、お前」

 

そう言って締め上げて居た力が抜けてライザーは崩れ落ちる。

既に限界だったのだろう。最後の行動は最後の意地だったと言うことか。寧ろ、フェニックスの生命力が有ればこそ命の方が助かったと言える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……あれ? もう出来てないか、マグマボトル)

 

四季は試合結果を見ながらそう思ってしまう。

 

(まあ良いか。これでクローズマグマナックルが作れそうだし)

 

認識阻害用のアイマスクを取り出してナデシコCの詩乃と雫の2人に撤収の合図を送る。

 

「この様な勝手な行いをお許しください。でも、部長を、オレの主人であるリアス・グレモリー様を返してもらいます」

 

リアスの両親も仕方ないと言う様子でそれを認める。リアスの手を取る。

 

「おめでとう、イッセー君。所で、君の使って居た道具だが」

 

そんなイッセーの勝利を祝福するサーゼクスの言葉にイッセーは最後に残ったボトルを見せて。

 

「それが壊れてしまって、これだけしか……」

 

「フム。では、それを預からせて貰えないかな? もしかしたら修復できるかもしれない」

 

「っ!? 本当ですか!? 是非お願いします」

 

そう言ってイッセーがサーゼクスに渡そうとした瞬間、

 

 

 

『おっと、そうは行かないぜ』

 

『0・1・0』『マスカレイズ!』『快盗チェンジ!』

 

 

 

 

そんな音が響きボトルにワイヤーが巻き付く。

 

「何者だ!?」

 

周囲の貴族たちから騒めきが広がる中、彼らの真上を飛び越え、バルコニーのある窓の元まで赤い影が飛び出す。

 

「お前は赤いコソ泥野郎!」

 

「ルパンレッドだ!」

 

そこに立ったルパンレッドを指差してイッセーが叫び声を上げるが、呼び名を訂正する。

そして、気を取り直して巻き付けたワイヤーを引いてボトルを回収しようとするが、

 

「すまないが、これは君には渡さないよ、ルパンレッド君」

 

ワイヤーの一部が消失し、ボトルはサーゼクスの手の中に納まってしまう。

 

「おいおい、魔王様。オレは奪いに来たわけじゃなくて、赤龍帝に渡した物を返して貰いに来ただけだぜ」

 

「ふざけんな、あの時お前、くれるって言ただろう」

 

「彼の言う通りだよ。贈り物の返品は良いことじゃないと思うね」

 

そんなやり取りをしている間に警備の兵士たちがルパンレッドの元に殺到しようとして居た。

自分の不利を悟ったルパンレッドはビルドドライバーを取り出し、

 

「仕方ない、それはあんた達に預けとくぜ」

 

それを装着して取り出した二つのボトルを装填、

 

 

 

 

 

『フェニックス! ロボット!』

『ベストマッチ!』

『Are you ready?』

 

 

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

 

 

『不死身の兵器! フェニックスロボ! イェーイ!』

 

 

 

 

仮面ライダービルド・フェニックスロボに変身して取り囲み兵士達の前で背中の翼を広げ、

 

「御来賓の方々、お騒がせして申し訳有りませんでした。では、皆さま……オ・ルボワール」

 

背後に出現したナデシコCへと飛び去っていく。

そして、フェニックスロボを回収したナデシコCは反転し、飛び去っていく。

 

「「「宇宙戦艦!?」」」

 

駆けつけた一部の人間界について知っている貴族とイッセー達リアスの眷属達から驚愕の声が上がる中、宇宙戦艦の飛行高度に近づけない悪魔達はただ見送るしかなかった。

 

「せ、そ、空飛ぶ戦艦持ってる泥棒ってなんだよ……」

 

呆れを含むイッセーからのもっともな呟きが響くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「回収に失敗した様子ですね、彼は」

 

飛び去っていくナデシコCを見送りながらナイトローグはそう呟く。

 

「これは少しまずい事になりそうだな」

 

新たな声に気がついてそちらの方へと視線を向けると、そこには盾のようなものを持った金色の騎士の姿があった。

 

「貴方ですか、『マルス』」

 

「ああ、お前を迎えにな。ソーサラーも迎えに来ているぞ」

 

「彼女も来て居たんですか。それは助かります。冥界からの転移は面倒なので」

 

金色の騎士『仮面ライダーマルス』の指差す先には2人へと手を振っている金色の魔法使い『仮面ライダーソーサラー』の姿が有った。

ナイトローグの口ぶりからしてソーサラーの変身者は女なのだろう。そんなソーサラーの転移によってナイトローグ達三人姿は冥界からの消えたのだった。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

クローズドライグの、赤龍帝のスクラッシュドライバーの使用しての戦闘データと言う収穫はあったが、本命であったスクラッシュゼリーの回収に失敗したイッセー対ライザー戦は終わった。

 

 

原作とは違いライザーはドラゴン恐怖症にはならず、負けた悔しさをバネに一から鍛えなおしてるらしい。

 

 

そんな良いのか悪いのか分からない変化を持ってリアスの結婚騒動は終わった。

 

無事に帰って来たリアスもイッセー宅に同棲する事になり、増改築され豪邸となったと言う話だ。

 

「問題はあのボトルが悪魔側の手に渡った事だな……」

 

今回の成果に於ける大失敗を思い出しながら思わず頭を抱えてしまう。

後日豪邸となった兵藤宅に忍び込んでイッセーから『ハザードレベル5』を回収したので、今後彼が仮面ライダーに変身することはできないだろうが、それでも自分たちのアドバンテージであったフルボトルの技術が奪われてしまったと言うのは厄介だった。

 

あのボトルは、今はサーゼクスの元から四大魔王の1人のアジュカと言う技術担当の手元へ渡されたらしい。

 

「問題だよな」

 

悪魔の駒の開発者である以上、フルボトルの技術にも何か気がつくところがあるかもしれないと警戒している。

 

「そうよね」

 

「うん」

 

ネビュラガスやパンドラパネル、パンドラボックスが無い以上はハザードレベルと言う概念が無い。研究は難航してくれる事だろうが、早めに取り戻した方が良いだろう。

 

「まあ、今回の一件で多少なりとも協力してもガチャは出来ると言うことが分かったのだけは収穫だけどな」

 

今回の最大の収穫である新たに入手した十連ガチャのチケットを手に取りながら、今後の行動の方針を決める材料となる情報を挙げていく。

 

「でも、正体を明かして仲間になる気は無いんでしょう?」

 

「当然だろ」

 

少なくとも、アナザーリュウガの一件では自分達がルパンレンジャーや仮面ライダービルドとは明かして居ない。使ったのは魔人学園関連の力と仮面ライダーオニキスの力だけだ。

 

「当面は向こうの動きに注意した方が良いな」

 

序でに、手元にある十連ガチャ券は戦力増強のために使うと言うことに決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥界某所…

 

「それで、何か分かったかな?」

 

「研究対象としては中々に興味深いが、まだ何もわからないと言うのが現状だよ」

 

赤髪の男、サーゼクスが問いかけるのはアジュカ。彼の研究室にあるのはイッセーが使って完全に内部が破壊されたスクラッシュドライバーとスクラッシュゼリーが変異したボトルだ。

 

分解されたスクラッシュドライバーは内部構造が完全に焼けただれ、崩壊している。

 

「分かったのは二つ。一つはコチラのボトルの様なものの中の物を摘出してスーツに変える機能があると言う事だ」

 

「もう一つは?」

 

「開発者の名前らしきものが刻んで有った」

 

焼け残っていた『SENNTO.K』と刻まれて居た部分を見せる。

 

「SENNTO? セントと読めば良いのかな、これは?」

 

「単なるイニシャルだが、恐らくこれがお前の妹の眷属の言っていた」

 

「三人組の怪盗のスポンサーと言うことかい?」

 

実際には四季が本家……と言うよりも本当の製作者に敬意を評して『桐生戦兎』の名前を刻んでいただけなのだが、それが思わぬところで魔王二人に変な勘違いを生みつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、冥界で2人の魔王の間で謎の人物『SENNTO.K』が話題になっている頃四季達は、ガチャの装置の前に立っていた。

 

「取り敢えず、狙いとしてはスパークリング、フルフル、ジーニアスの三種だな」

 

「それって、もしかして」

 

「ビルドの強化アイテム」

 

「前にハザードトリガーって言うの手に入れてなかった?」

 

「……あれ、使うと暴走するんだよ。…………必ず」

 

「そ、それじゃあ仕方ないわね」

 

詩乃の問いに遠い目をしながら答えると納得してくれた様子だ。長時間使えないからこそ安定して使える強化フォームへの変身のためのアイテムが欲しいのだが、

 

「それじゃあ、十連やってみるか」

 

そんな願いを込めて十連ガチャチケットを使う。

 

目の前の装置の中から10個のカプセルが飛び出してくる。最初のカプセルには、

 

 

『蓬莱寺京一の力』

 

 

だった。

 

「便利と言えば便利だけど……」

 

神速の剣士。前衛が自分だけの現状では使えても意味はないかとも思うものが出た。緋勇龍麻の力を持ってるし。続いて、

 

 

『如月翡翠の力』

 

 

魔人学園シリーズ二連続。水の力を操る玄武の忍者である。ルパンレンジャー時に使えば便利かもしれないが、しばらくは保留だ。

 

 

『比良坂紗夜の力』

 

 

二連ではなく三連だった。三人目の魔人キャラの能力。『伊邪那美命』の宿星を宿す唄姫。

しかも、この三つのそれは四季のそれと同じく宿星さえも含めている。

 

「今度こそ……」

 

 

 

『仮面ライダーウィザードのウィザードライバー』

『ウィザードリング各種(インフィニティ除く)』

『ドラゴタイマー』

 

 

 

次の三つは最強フォーム除いて仮面ライダーウィザードコンプリートである。

 

「暫くオニキスとウィザードメインにしようかな、オレ」

 

「便利そうよね、物凄く」

 

「私もこの魔法、見てみたい」

 

いきなりウィザード関連が最強フォームのぞいて揃った。しかも、インフィニティが最強とあるが、時折さらにインフィニティは強化される。

手数の多さでのチートさは平成ライダー達の中でも基本フォームからチートに入るライダーである。

……はっきり言おう平成ジェネレーションでウィザードと戦った男は相手が悪かった。(鎧武とドライブと戦った2人にも言えるが)

 

続いて手に取ったカプセルの中には、

 

 

『グッドストライカー』

『シザー&ブレードダイヤルファイター』

 

 

「遂に、巨大戦も出来るようになったな、オレ達」

 

「巨大化する敵っているの?」

 

「居ないんじゃないかな~」

 

「あっ、こっちは綺麗」

 

過剰戦力なルパンカイザーは兎も角、シザーとブレードのダイヤルファイターはなぜか宝石の形をして居た。

劇中でもこの二つのダイヤルファイターは一対で宝石の姿になっていたのでガチャ産でも宝石として存在しているのだろう。

 

「VSチェンジャーに使えばダイヤルファイターになると思うから必要になれば使えば良いか」

 

最後の二つのうちの一つへと視線を向ける。

 

 

『風火輪(東京魔人学園)』

 

 

封神演義に出て来る宝貝の一つで東京魔人学園では便利な移動力上昇アイテムの一つである。

やはり、身に付ければゲームの効果と違って空を飛べる、飛ぶ様に走れるのだろう。

 

 

『オリハルコン(東京魔人学園)』

 

 

最後に出てきたカプセルの中には一対の手甲。魔人学園シリーズに於ける主人公の武器の一つで、かの伝説の金属オリハルコンで出来ている。

今までは未変身の状態では素手で戦っていたが便利になる事だろう。

 

「使えるのはオレだよな」

 

「ええ、私の場合、それを貰っても銃も弓も扱い難くなるし」

 

「私もそれはお兄さんが使うべきだと思う」

 

詩乃と雫の二人からも四季が使うべきと言う意見が出た為、自然とオリハルコンは四季の装備となった訳だが。

 

「所で、私はこれを貰っても良いかしら?」

 

そう言って詩乃が選んだのは比良坂の力だ。弓使いの彼女には余り相性が良いとは思えないが……

 

「元々私達は技だけだったし、強力なのは使えなかったのよね」

 

元々気や魔力の概念など無い世界の出身である詩乃にとって力を扱う感覚がうまく掴めなかったのだろう。

魔法と言う概念が、少し違う形とは言え存在していた上に魔法師だった雫には感覚も掴みやすかったが、詩乃にとっては難しかったのだろう。

 

そんな訳で四季としても、雫としても反対意見は無くその力は詩乃の物になったのだった。

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