透き通る様な世界観にいる一般呪術師   作:半ライス大盛り

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お久しぶりです。
アクナイ熱戻ったり、スターレイルやってたり、お仕事なんかで忙しくて遅くなりました。血掟テキサスとゼーレ鬼つええ! このまま逆らうやつら全員ブッ殺していこうぜ!

それからあんまり数字の話はしたくないのですが、お気に入りが1000を超えていましたありがとうございます。オラに感想評価わけてくれー!(手のひらドリル評価乞食)

スタレのR-18とか書きたいかも…。






信念はあるさ、生きて苦難を乗り越えれば、人は……いかれちまうのさ

 

 

ある日の昼下がり、今日も今日とても用務員の如く砂嵐に晒されるアビドス校舎を綺麗に掃除して、点検や修繕などを行っていたのだがアビドス本館の教室に設置されている固定電話から一本の連絡が届いた。

 

そのお相手はなんとカヨコちゃんである。

 

俺が恋しくなったら連絡してね、なんてふざけて彼女に言ってはいたのだが本当に連絡が来るとは思っていなかった。それもまさかこんなにも早くお電話を頂けるなんて、と勝手に一人で舞い上がりそうになったが、それとは別で呪霊関係の連絡かもしれないと意識を切り替える。

 

しかし、そうではないらしい。

 

あれ以降、特に呪いに対して悩まされるような日々は送っておらず。呪霊の所為で失いかけたかつての日常を取り戻すかのように、便利屋に振り回されながらも楽しく過ごせてるとのこと。

 

受話器越しに声音を弾ませて語るカヨコちゃんの様子に、なんだか自分まで嬉しくなってしまう。満足感とでも言えば良いのか、呪いなんかの所為で、手の届く距離にある人の輝きを取りこぼすような事にならなくてよかったと本気で思えた。

 

なんだか久しぶり、なんて程じゃないが久々のカヨコちゃんとの会話に盛り上がってしまい、長電話をしたせいでアヤネちゃんからは睨まれてしまった。長々と電話してすいません。

 

意外と話し込んでしまった為、会話を切り上げて通話を切ろうとした時だった。カヨコちゃんから直接会って話がしたいと持ちかけられたのは。

 

まさかのデートのお誘いだった(早計な判断)

 

それから待ちわせの日時を決め、ルンルンな気分で待ち合わせ場所まで向かったのだが。

 

 

「へー、アビドスへの襲撃依頼……ん? 襲撃依頼?」

 

「そう」

 

「?……もしかして俺の聞き間違い、とかではない?」

 

「ううん。聞き間違いじゃないよ」

 

「……うへえぇ〜、まじか〜」

 

 

彼女の言葉に思わず耳を疑う。

 

寂れたアビドスだが付近に飲食店がないわけではないので、適当に入ったお店で軽い食事をしながら話を聞いていたのだが、その内容は思っていたよりもぶっ飛んだ内容であった。

 

どうにも彼女たち便利屋68にアビドス本校への襲撃を依頼する電話が舞い込んだらしい。

 

うーん、頭が痛い。

どうして一つ問題が解決に近づいたと思えば、更に問題事が増えるのか。

 

しかも便利屋にそれを依頼して来た依頼主(クライアント)が問題だ。

 

 

()()()()、だっけ……それ俺に言っちゃっても大丈夫なやつ?」

 

「……本来ならクライアントの秘密情報は保持しなきゃならないけど、今回は別。私もリンには助けられたし、社長たちもどうするか悩んでるみたいだから」

 

「……そっか。ありがとうねカヨコちゃん」

 

「ううん、気にしないで。お礼を言われるほどの事でもないから」

 

「それでも、こういう時は感謝だよ。ありがとう」

 

 

()()()()()()()()()()()()

キヴォトスで様々な事業を展開している大企業。軽く調べた程度だが、民間軍事会社、銀行経営、兵器の販売など、様々な分野に手を伸ばしている企業だ。

 

キヴォトスに来て間もない俺でもこの名前は嫌でも聞き覚えがあった。それもそのはずだ、なんてったって今アビドスが抱えている膨大な借金、その借金元でアビドスに融資を行っていたのが()()()()()()()

 

そしてそれはカイザーグループ、多角化企業のカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者。

 

 

「……(なんだってそこの偉い奴が、わざわざアビドスを?)」

 

 

カヨコちゃんたち便利屋68にアビドス襲撃を依頼したのはカイザーの民間軍事会社の代表らしい。

 

簡単に言えば超大物だ。

この情報を伝える為に、カヨコちゃんがわざわざ秘密裏にクライアントを調べてくれたのだ。そして今までアビドスに乗り込んできたヘルメット団の連中なんかも、そのカイザーが雇った傭兵のようなものだという。

 

疑問が尽きない。

何故わざわざそんな連中を雇ってアビドスにけしかけるような真似をするのか。言い方は悪いが現状、アビドスはカイザーにとって良い金づるの筈だ。対策委員会の子たちは毎月集金に来るカイザーの役員に利息約800万という額の借金を毎月キッチリと返済している。

 

毎月返済して誠意を見せてもいる。

 

9億というただの学生には馬鹿げた借金。

今までの様子や、彼女たちの誠実さからも、夜逃げ出されるような事はない。放っておけばしっかりと金は会社に入って来る。だというのになぜ、自分たちにとって都合のいいカモを潰すような真似をするのか。

 

それとも()()()()()()()()()()()()()()()

 

その意図を探ろうとすればするほど、嫌な予想ばかりが脳裏に浮かび上がってくる。

 

 

「大丈夫?」

 

「え?」

 

「……すごい怖い顔してるよ今のリン」

 

「んー、ごめん。ちょっと考え事をね」

 

 

ズズーッと殆ど空になったコップの炭酸(サイダー)をストローで啜る。

 

いかんいかん。

どうしても嫌な考えばかりが浮かんで思考がまとまらない。そもそもこういう難しい事をうだうだ考えるのは得意じゃないし、割とその場のノリと勢いで解決しようとするタイプだ。たぶん五条先生とかもそんな感じだろう、というかあの人の所為で結構適当な部分が移ってるかもしれない。

 

どうするべきか。

 

 

「……もういっそ俺がカイザーコーポレーションなるものをぶっ潰しに行けば何も問題はないのでは?」

 

「いや、問題だらけだよそれ。というか本当に出来そうだからやめて」

 

「んん〜、冗談冗談。流石にやらないよ後々の処理とかめんどそうだし」

 

「……面倒じゃなかったらやるの?」

 

 

本当に冗談だからそんなげんなりした顔はしないでね。

 

『議論なんてそんな野蛮な…ここは穏便に暴力で…』なんて事が実際に出来たら楽だが、それは最終手段としよう。見境なく暴力を振るうつもりはないし、そんな事したらアビドスのみんなに悲しまれてしまう。なので、惜しくも却下。

 

 

「カイザーか……どうにも胡散臭い話だよなァ」

 

「……元々、あの手の企業に“そういう”噂は多いから。特にカイザーは噂が絶えないね、合法と違法の間のグレーゾーンを上手く立ち回ってるみたい」

 

「なるほど。実際はほぼ真っ黒って感じか」

 

 

深刻そうな顔つきで告げるカヨコちゃん。

 

そうなってくるとアビドスが抱えている借金なんかも色々と怪しく思えてくる。どこまでが正当な金額での借金なのかはわからないが、おおかた吹っかけられてると考えてもいいだろう。

 

だがこちらが真実を確かめる術がない以上、結局の所これは推測の域を出ない。

 

溜め息が出る。

どうしようもない汚れた大人というのはどこに行っても変わらないんだな。そういうのは呪術界の腐敗した連中だけでもうお腹いっぱいだってのに。

 

 

「……そうだ。カヨコちゃん、ちょっとお願いしたい事があるんだけど、いいかな?」

 

「お願いしたい事?」

 

「───正確に言えば、カヨコちゃんにと言うよりは“便利屋”にかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───それが数日前の出来事。

 

 

 

「ん、銀行を襲う」

 

「………へ?」

 

 

え、マジ?

というかガチで今から銀行を襲うのか?

 

まさかと思っていたが、あまりの展開に思考が追いつかず戸惑ってしまう。誰かこの状況を止められる者は居ないのかと確認するが、それどころかアビドス対策委員会のみんなは完全フル装備でヤル気十分と言った御様子である。

 

というかみんなその目出し帽どこから取り出しの?

そもそもソレ持ち歩いてたんですか?

 

凛太郎は目を点にして困惑する。

 

現在、凛太郎たちアビドス対策委員会に新たにシャーレの先生を加えたメンバーはアビドス自治区を離れて連邦生徒会の手が及ばないエリアにある『ブラックマーケット』と呼ばれる場所、所謂 闇市に来ていた。

 

それは市場(マーケット)などという小さな規模で収まるものではなく、街ひとつ分くらいはあるであろう大規模なものであった。中退、休学、退学、様々な理由で『学校』をやめた生徒たちが集団を形成して連邦生徒会の許可を得ていない非認可な部活や組織が活動している。

 

それ程までに数が多く栄えているのかガヤガヤと、どこもかしこも人気の多い賑やかさについ驚いてしまうくらいだ。

 

 

このブラックマーケットに訪れたのは数時間前のことだ。

 

なぜアビドス一行がブラックマーケットに訪れたのか、その理由はもちろん自分たちが返済した借金がどこへ流れてついているのか、そして疑惑の真相を突き止める為にわざわざここまで来たのだ。

 

凛太郎はカヨコから得た情報をアビドス対策委員会へと共有して、自身が怪しいと睨んでいるカイザーの繋がりを辿る事をみんなに提案した。

 

 

『はあ!? どうしてわざわざ民間軍事会社の代表が私たちの学校を襲うように依頼するのよっ!』

 

『理由は正直わかんないけど、何か裏があるってのは確かだと思う』

 

『……そのゲヘナの便利屋からの情報は信用できるの?』

 

『そこは大丈夫。仲の良い信用できる子だし、ほらシロコちゃんも見かけたでしょラーメン屋で』

 

『?……もしかしてそれって柴関にいた』

 

『そうそう! セリカちゃんのバイト先にいたあの子達だよ』

 

 

これからどうするべきか、という話し合い自体は割とすんなり纏まった。

 

どうにもきな臭いカイザーの情報を調べ上げる為に、手始めにカイザーローンについて調べる事にした。しかしネットで調べたところで噂話程度の情報しか手に入らない。

 

ならば直接調べるほかない。

“運のいい事に”わざわざ遠出する必要もなく、ちょうど向こうからアビドスに来てくれる奴がいる。それは毎月の返済日にアビドスに訪れるカイザーローンの銀行員だ。

 

その銀行員はなぜかわざわざ利息をアビドスに受け取りに来るのだ。口座からの引き落としや振込ではなくなぜか現金のみの支払いでそれを受け取りに来る。

 

キヴォトスでもインターネットなどの技術は普及している、寧ろその技術力は自分がいた世界よりも優れているだろうというのが凛太郎の見解だ。だというのに片田舎と言ってもいいようなアビドスに直接足を運んで現金を手渡しのみでの返済。

 

カイザーが何か企んでいるとわかった以上、疑うなというのが無理な話だ。

 

だから輸送車の行方から調べる事にした。

正直言ってカイザー関連はもう信用できない。

 

そして結果は、“大当たり”だったわけだ。

 

 

「はい。リンタローもこれつけて」

 

「……え、デジマ?」

 

 

シロコから手渡されるのは黒い目出し帽の覆面。

流石の凛太郎も表情が引き攣るが、既に覆面を装着して準備完了といった様子のシロコはどこか期待する様子で覆面を差し出している。周りの様子を見てみれば、やるならとことんまでやるしかねえ! と覆面を装備してヤル気全開の対策委員会たちの姿が見える。

 

なんだか全員の笑顔が怖い。

自分たちが汗水流して、利息返済の為に苦労して稼いだ現金の全てが闇銀行に流れてると知ってかなりおかんむりなのだろう。なんだか負のエネルギーを感じる。

 

 

「……キヴォトスに来る前もはちゃめちゃな事はいっぱいあったけど、流石に銀行強盗は初めてだよお兄さん」

 

 

とりあえず凛太郎も受け取った覆面を装着して、近くに駐車してあった車の窓ガラスで今の自分の姿を確認する。

 

 

「………ファブルやんけ。そういや、猪野さんもこんなんつけてたな」

 

 

その立ち姿はどこぞの殺さない殺し屋のようにも見える。しかし妙な既視感を覚えるその姿に記憶を捻り出せば、自分と同じ2級呪術師であり降霊術関連の術式を扱う呪術師仲間の姿が重なり笑いそうになった。

 

とりあえず朧げな記憶を頼りにいくつかポーズを決めてみる。なんだか意外と様になっている気がする。

 

 

「──うし。ボチボチ俺も、一級術師になっちゃうぞイ☆」

 

「……アンタ、一人で何やってるのよ」

 

「んー、いやちょっと知人のモノマネを。結構似てると思うんだよね俺の後輩辺りには多分ウケるかと……あ、覆面姿もかわいいよセリカちゃん。プロの貫禄出てるね」

 

「いや、覆面が似合うって言われても素直に喜べないから。というかプロの貫禄って何っ!?」

 

 

むんっ、と力こぶを作り笑う凛太郎の姿にセリカは呆れたように息吐く。そもそも女の子に対して貫禄があって覆面が似合うねってどうなのか、普段から自分に対してどんなイメージを持っているのか問い詰めたくなる。

 

睨むように視線を向けるセリカからサッと目線を逸らせば、慌ててふためいている“白い制服を着た影”が目に映り込んだ。

 

 

「ごめん、()()()。あなたの分の覆面は準備がない」

 

「うへー、ってことは、バレたら全部“トリニティ”のせいだっていうしかないねー」

 

「ええっ!? そ、そんな……覆面……何で……えっと、だから……あ、あうう……」

 

 

シロコとホシノに挟まれ泣き出しそうな様子でこちらに助けを求める少女と目が合った。そんな彼女の様子に申し訳なくなり、流石に凛太郎は助け舟を出しに行く。

 

 

「それならヒフミちゃんが俺の使う? 流石に可哀想だし」

 

「ううっ、り、リンタロウさん……」

 

「ん、それだとリンタローの分がなくなる」

 

「まあ、何とかなるでしょ」

 

 

監視カメラとデータをぶっ壊して銀行員を全員気絶させるか、最悪銀行ごと亡き者とすれば問題ないだろう。なんて軽く考えながらこの場に置いて部外者でありながら自分たちに力を貸してくれている少女に目を向ける。

 

少女──阿慈谷ヒフミは救世主でも見つけたかのような様子で凛太郎の姿を見上げる。彼女は『トリニティ総合学園』に所属する生徒であり、このブラックマーケットで出会いここの地理にも詳しいとの事で案内役を任されてしまった少女だ。

 

凛太郎と対策委員会がヒフミと出会ったのはブラックマーケットに訪れてすぐの事だ。現金を積んだ輸送車の後を追ってブラックマーケットに辿り着いたのはいいものの、予期せぬトラブルにより途中で輸送車の姿を見失ってしまったのだ。

 

その予期せぬトラブルというものは彼女、ヒフミが大きく関係している。

 

輸送車の追跡中に突然銃声が鳴り響いたかと思えば、一世代前のスケバンとでも言えばいいのか。いかにもオラついたヤンキー女子高生たちのチンピラ集団に追われて逃げ惑うヒフミと出会したのだ。

 

 

『さて、お怪我はありませんかお嬢さん(マドモアゼル)?』

 

『あ……え?え? だ、大丈夫です?』

 

『失礼。何やら困ってるご様子だったので手を貸してしまいましたが、要らぬ気遣いでしたかね?』

 

『え??……あ、い、いえ! あ、ありがとうございます!』

 

『ふふ、それはよかった。それで、可愛らしいお嬢さんはどうしてこんな所へ? 一人で出歩くにはここは少し危険過ぎるかと』

 

『あうう……そ、それは……』

 

『もしよろしければ自分が安全な所までエスコートを、お尻が痛いッ!』

 

『!!?』

 

『おうコラ。なに息を吸うような流れでナンパしてるのよこのヘンタイ』

 

『痛っ、ちょセリカちゃん。いま俺カッコつけてる所だから、(けつ)に蹴り入れないで……ちょタンマ銃でバットを持つような構えをとらないでくださいそれは洒落にならんて』

 

『いやー、ごめんね。あの人に変な事されてない?』

 

『大丈夫ですか? 嫌な事はしっかりと断らないとダメですよ?』

 

『あらやだ酷い言われよう。ねえシロコちゃん俺泣いちゃいそう』

 

『ん……リンタローの日頃の行い』

 

 

これが阿慈谷ヒフミとの邂逅だ。

どうやら彼女の通うトリニティ総合学園はこの学園都市キヴォトスにおいて三大学園と数えられている一大勢力であり、言ってしまえば彼女は所謂マンモス校に所属する生徒でお嬢様学校に通う一人のようだ。

 

それを知ったブラックマーケットのチンピラたちは彼女を人質に身代金を要求するつもりだったらしい。やっぱりキヴォトスって怖い所だなと凛太郎は再確認させられた。

 

どうしてそんな彼女がこんな場所に訪れているのか疑問に思ったが、その疑問も直ぐに解消された。

 

 

『これです! これがペロロ様です! アイス屋さんとのコラボの限定生産で100体しか作られていないレアグッズなんですよ!』

 

『わあ☆ モモフレンズですね! 私も大好きです!ペロロちゃんすごく可愛いですよね!』

 

『……今の女子高生ってああいうのが好きなの?』コソコソ 

 

『いや、俺もよくわからん。どちらかと言うとキモ──』コソコソ

 

『ぺ、ペロロ様はキモくないです!』

 

『───ですよね。俺もかわいいと思います。先生(コイツ)がキモいって言ってました』

 

『あっれリンタロォ!?』

 

 

どうやらモモフレンズと呼ばれるファンシーキャラクターの限定グッズを入手する為にここまで来たらしい。ヒフミから見せられたのは最近キヴォトスで流行しているらしいモモフレンズのマスコットキャラで主役格のペロロ様と呼ばれるぬいぐるみ。

 

白く丸っこい鳥の様な姿をしており、だらしなく舌を出していてどこに視線を向けているのかわからない眼球。わかりやすく好き嫌いが分れるようなデザインのキャラクターだった。

 

ジャ○プのギャグ漫画でこんな奴いたな、お前絶対すね毛濃いだろ。それがペロロ様なるものを初めて見た凛太郎の感想である。限定グッズの為にこんな危険な場所まで一人で来るとはなんとも恐ろしい行動力だ。

 

 

 

 

 

 

 

閑話休題(それはともかく)

ヒフミをチンピラ集団から助け出した際に、見失ってしまった輸送車を探し出す際にこの広いブラックマーケットに詳しい彼女を半ば強制で案内役として任命し、ここの組織情報やどういった人間がこのブラックマーケットに流れ着くのかを軽く説明してもらいながら観光気味にブラックマーケットを探索していた。

 

凛太郎も便利屋68と共に一度だけ訪れた事はあったが、それっきりであり大した情報も持っていなかったので彼女の案内は大変ありがたかった。

 

そして道中路店で買い食いなどをしながらも探索の甲斐あってか、闇銀行前で停車している輸送車を見つけそこでカイザーの銀行員と闇銀行の行員が現金の受け渡しをしているのを目撃したのだった。

 

アビドス対策委員会は激怒した。

必ずやかのカイザーローンと闇銀行をシバき倒しその証拠となる集金確認の書類とその他諸々を手に入れなければならぬと決意した。凛太郎にはキヴォトスの政治などわからぬ。凛太郎は、唯の呪術師である。呪霊を祓い、学友と遊んで暮して来た。けれども邪悪(女性(レディ)への)に対しては、人一倍に敏感であった。

 

故にカイザーへの判決は有罪(ギルティ)。アビドス対策委員会のメンバーを悲しませる輩は野郎オブクラッシャー。去勢してやる。

 

 

「ふふ、大丈夫ですよ。ヒフミちゃん、とりあえずこれをどうぞ☆」

 

「それってさっきの路店で買ったたい焼きの袋? おお!それなら大丈夫そうー!」

 

「え? ちょ、ちょと待ってください、みなさん……っ!?」

 

「で……先生はどうすんの?」

 

「ん〜、外で待機しておこうかな。みんなと違って派手に暴れたりとかは無理だからね」

 

「かぁ〜、これだからモヤシ野郎は」

 

「私に対して当たり強くない?」

 

 

そして数分後、ノノミの手によって紙袋で作られた覆面を頭から被った女子高生が完成した。紙袋には黒のマジックペンで5番の数字がしっかりと振られている。因みに凛太郎の覆面には数字は振られていない、ハブられたとかではなくまだ作成途中の物の為だ。

 

 

「見た目はグループのリーダー格って所ですね」

 

「こりゃあ親玉だねー」

 

「わ、私もご一緒するんですか? 闇銀行の襲撃に……?」

 

「そりゃあもちのろーん。ヒフミちゃん、今日は私たちと一緒に行動するって約束したじゃん」

 

「う、うああ……わ、私、もう“生徒会”の人たちに合わせる顔がありません……」

 

「問題ないよ! 私らは悪くないし! 悪いのはあっちで、だから襲うの!」

 

「加害者はみんなそう言うんだぜセリカちゃん」

 

「ちょ、変な事言わないでよ! 悪いのは本当にあっちじゃん!」

 

「……それじゃあ先生。例のセリフを」

 

「よし、みんな。“銀行を襲うよ!”」

 

 

 

 

この後、滅茶苦茶銀行を襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






・津上 凛太郎
「初めての銀行強盗、実は楽しみです。おら、袋に現金を詰めるんだよ早くしな。じゃねえとお前のケツに鉛玉突っ込むぞ」
 
なんだかんだ言いつつノリノリで強盗襲ってる男。銀行の警備員はとりあえず再起不能レベルでボコボコにしておいた。もし次銀行を襲う時はピエロマスクとスーツを自前で用意しておこうと考えいる。
 
・砂狼 シロコ
「全員その場に伏せなさい! 持っている武器は捨てて!」
 
・小鳥遊ホシノ
「うへー、無駄抵抗はやめてね〜。外部に通報される警備システムはタローくんが粉々にしちゃったからねー」
 
・黒見セリカ
「ほら、そこ! 伏せてってば! 下手に動くとあの世行きだから!」
 
・十六夜 ノノミ
「覆面水着団のクリスティーナだお♧」
 
・奥空アヤネ
「ちょ、リンタロウさん!? 私たちの目的の物は現金じゃなくて集金記録ですよ!?」
 
アビドス対策委員会改め、覆面水着団の皆さん。
凛太郎からカイザーの情報を聞いた事によっておかんむり状態。その為割と容赦や躊躇いがない計画的な犯行である。
 
・阿慈谷 ヒフミ
「あ、あはは……」
 
初登場、みんなのファウストさん。
学校をこっそり抜け出してブラックマーケットに訪れたが、チンピラに絡まれた事によって鬼ごっこ開始。後に対策委員会の面々に助けられる。
 
ナンパされたことに対しては悪い気はしない。
 
・シャーレの先生
「うお、銀行が揺れてる……うわ窓ガラスから銀行員が吹っ飛んできた」
 
今回は殆ど出番なし。

今後の展開。※参考程度

  • 時計じかけの花のパヴァーヌ編
  • エデン条約編
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