透き通る様な世界観にいる一般呪術師 作:半ライス大盛り
本誌の展開がショックすぎてロスってます。
やっぱり原作者には人の心とかないんか? 許さんぞ単眼猫ーっ!
本編進めるべきなのに、宿儺戦執筆してました、ゆるちて。
あと限定ユウカ&マリーの後にイチカを実装するのは反則っすよ。運営は私の財布を殺す気ですか?
───痛い。
───痛いッ。
───痛いッッ。
全身を切り裂かれる痛みに言葉にならない悲鳴が、ヒュッと掠れた喉から血反吐と共に搾り出される。絶え間ない斬撃の雨。呪力で強化した肉体で防御しようにも、まるで豆腐に刃を通すかのようになんの抵抗もなく切りか裂かれた。
一撃、一撃が途轍もなく重い。
術式により高まり続ける呪力によって肉体が反射で反転術式行っているが、その反転術式の治癒が追いつかないほどに肉体が損傷の激しさを増していっている。
耳が、指が、腕や骨が、どれだけ治癒したところで治した側から失われていく。
わかりやすく例えるならば凛太郎の
ジリ貧。
このままでは必ずどこかで“詰み”が来る。
まるで栓の抜けた風呂の水のように、自分身体から流れ出てくる鮮血によって作り上げられた血の水溜りを眺めがら凛太郎はどうにか状況を打開しようと考える。
(ヤ、べえ……っ! 死ぬ、このっ……ままじゃ、ガチで殺されるッ!!)
───領域の範囲外まで逃げる?
───無理だ、宿儺が易々とそれを許すはずがない。
損傷の激しさと激痛により肉体には上手く力が入らず、凛太郎はそれは無しだと判断する。足の腱がやられた、そもそも満足に動けない状態で宿儺から逃げ切るのは無理だ。
宿儺の『伏魔御厨子』は通常の術師の領域とは異なり、結界で空間を分断しない。結界を閉じず生得領域を具現化することはキャンバスを用いず空に絵を描くに等しい正に神業。
加えて相手に逃げ道を与えるという“縛り”により底上げされた必中効果範囲は最大で半径200mにも及んでいる。しかし現在、宿儺の展開した『伏魔御厨子』は領域効果範囲を半径50mに絞る事によって術式の出力を底上げしていた。
それによって凛太郎は想定以上に深いダメージを受けている。
「簡易領域」によって領域の必中効果を消して肉体を修復に専念する事も考えたが、それも無しだと頭の中からその案も消し去る。
本来、反転術式と通常の呪力操作を同時に行う事は難しいとされているが、凛太郎は自分の意思とは関係なく肉体が反射で反転術式を行っているので出来なくはない。
しかしそれをやったところで「簡易領域」の出力程度では本物の領域に対しては数秒の時間稼ぎにしかならない。
今はその数秒すら惜しい。
(なら、いいぜ……やってやるよッッ!!)
ならば手段は一つしかない。
未だ掴めぬ呪力の核心。
不安はある、それでもここで呆気なく殺されてやるつもりは毛頭ない。
「ククッ……クハッ───!」
ゲラゲラと耳障りな嗤い声が響く。
突如として出現した牛のような頭骨に象られた巨大な牛のよう御廚子。宿儺は悪趣味な建築物の上に立ちながら、『伏魔御厨子』の範囲内で切り裂かれ続ける凛太郎を見ていた。
───どうする? 津上 凛太郎。
宿儺は見ていた。
斬撃の雨に晒され血と泥に沈みながらこちらを睨む
「………?」
突然、鈍い音が響いた。
「───なにをしている?」
一定の間隔で鳴り響く鈍い音。
宿儺の視線の先、そこには折れた腕で地面を殴りつける凛太郎の姿があった。
思わず眉を顰めた。
この状況で穴掘りでもしようというのか。死にかけの状態で地面を叩くその意図が掴めず凛太郎を凝視する。肉が裂け骨さえ見えそうな拳で、何度も強く打ち付けている。
気でも狂ったか。
こちらの様子を気に求めず呪力で強化した拳で地面を殴り続ける凛太郎に落胆するように息を吐いた───そして気づく、凛太郎の行動の意図に。
宿儺が術式の出力を上げようとした瞬間。
「よっしゃー!」
「………ケヒッ」
黒い火花 が微笑んだ。
二度の黒閃───津上 凛太郎のボルテージが上がる。
それに伴い、反転術式による治癒能力が向上する。
切断され、失った指や耳、削ぎ落とされた肉と骨を再生。損傷すら追い越すスピードで傷ついた肉体を修復させていく。
視線が交差する。
互いに口元に弧を描き、歯を剥き出しにして嗤う。
凛太郎が勝負に賭けたのはここからだ。
「結界術ってのは難しいよなァ!」
「なに……?」
「現実空間に擬似空間を重ねるだとか、俺にはさっぱりだ! “最強”に教えを説いてもらっても、あいつ何言ってるかわかんねえしよォ!」
「(まさか……
「だから俺は、俺のやり方でやらせてもらうッ」
───いつまで高みの見物してんだ。引き摺り下ろしてやるよ!
───……いいぞ、魅せてみろ!
祈るように両手を組み合わせる。
作り上げるのは金剛夜叉明王印。掌印を結び練り上げた呪力を押し出していく。生得領域の具現化と術式の発動、本来2段階の工程を1つにまとめる。
二度の黒閃を経た覚醒状態が可能にした早業。
「領域展開───」
───津上 凛太郎の領域展開は
伏黒 恵の領域『嵌合暗翳庭』と同様に不完全な領域である。未完成である為、相手を閉じ込めるための結界としては成り立っていない。
しかし伏黒 恵と津上 凛太郎の領域展開では同じ不完全な領域展開であっても、完成度に明確な差がある。
領域展開とは、それぞれの術師の中にある生得領域を結界という形で体外に創り出し敵を閉じ込め、その結界に術師の生得術式を付与する事で術式に基づく攻撃を“必中”とする結界術の一種であり呪術戦の極致。
結界術というものは複雑だ。
現実空間にスケールの異なる擬似空間を重ねる感覚。
結界術においてもっと重要なのは“具体的なイメージ”。
伏黒 恵の術式は「十種影法術」
自分の影を媒体として式神を生み出す禪院家相伝の術式。術式の応用性や潜在能力も高く、彼は影という性質の解釈を広げて、閉鎖的な空間のスペースを自らの領域として転用することにより結界を無理矢理閉ざしている。
そして津上 凛太郎の術式は「呪力強化」
先ほども言ったように、結界術で重要なのは何よりも“具体的なイメージ”だ。単純に術式の解釈を広げる事は出来ても、凛太郎は伏黒 恵のように影を拡張させて現実空間に擬似空間を重ねるといったようなイメージはできない。
ゆえに、そこで両者の領域には大きな差が出てしまう。
「(───
呪力の“起こり”
術式発動直前に術師から漲る呪力。
領域展開直前、必中術式の発動直前など大技の発動前には“起こり”が必ずある。たとえそれがただの呪力操作と変わらない術式であろうと、凛太郎の術式を介した呪力強化に僅かな“起こり”が存在する。
掌印や膨大な呪力の規模から、眼前の“起こり”は確かに領域展開であると宿儺は判断していた。その判断は決して間違いではなかった。
しかし、具現化した領域どころか結界術の影も形も宿儺の視界には写らなかった。失敗、その二文字が宿儺の脳裏を過った。
だが、その判断は誤りであったとすぐに理解させられた。
ゾクリッ、と全身の産毛が逆立つような奇妙な感覚に晒される。感じたのは緊張や恐怖といった感情ではない。ソレは歓喜にも近いモノであったのかもしれない。
「(───……速いッ!)」
一瞬であった。
眼前にいた相手の姿を見失った瞬間、自分の懐へと飛び込んで拳を構える高速の影を宿儺は視界の隅で捉えた。惚けそうになった意識と練り上げていた呪力を即座に防御へと巡らせる。
───次の瞬間、『伏魔御厨子』が崩壊した。
そして宿儺の体は
「……なんだ、やりゃ出来るもんだな。俺ってもしかして天才?」
拳を振り抜いた体勢のまま、凛太郎は息を吐いた。
そしてたった今繰り出した一撃によって、肘から先が
数秒で元通りとなった腕の感触を確かめるように、手を握ったり開いたりを数回繰り返す。数秒の攻防、凛太郎は自分の賭けが上手くいった事に笑みを深くした。
それは凛太郎も理解している。
しかし彼は一か八か、この土壇場で凛太郎は自身の肉体を領域とする事で“具体的なイメージ”を固めた。呪術師の、いや人間の体内は一種の領域であるとされている。
通常の領域が
結果は成功。
文句のつけようがない、大満足とも言えるような状況に持っていた。
「………( 不思議な感覚だ。黒閃を初めてキメた時よりも、ずっと……いまならなんでも出来そうな感覚 )」
本来なら凛太郎は自力で領域を使えるほどの技量はない。
いくら二度の黒閃を経て覚醒状態にあったとしても、呪力の核心と言われるモノを
だからこの領域を使用するにあたって、凛太郎が課した“縛り”が存在する。
それは領域内での術式による対象への必中効果の無効。
肉体を領域とする以上相手を閉じ込める為の外殻はないが、形は違えど条件が成立された領域である以上は“足し引きのルール”が適応され存在していた。
これは棚ぼたであった、だから凛太郎はそれを逆手に取った。
元々、凛太郎の術式は自身を強化するだけの
そして次に、領域外への逃げ道を与えるという“縛り”。
それは奇しくも領域を閉じない宿儺が課していた縛りと同じモノであった。宿儺はその“縛り”によって必中効果範囲を底上げしていたが、凛太郎は術式性能と出力を更に向上、底上げしている。
自身にデメリットを与えるこの“縛り”によって不完全な領域を完全なものとして成り立たせていた。
「けどま、長くは持ちそうにないな。甘く見積もって10分……ってとこか?」
際限なく湧き上がる呪力。
高まる全能感に酔いしれそうになるが、悠長に遊んでいる暇もない。
放出した呪力を逆噴射させ、瞬間的に加速する。
吹き飛んでいった宿儺目掛けてジェット機のような速度で飛来した。
「いつまで休んでんだよ」
積み上がった瓦礫の上に立ち、沈黙する宿儺を見下ろす。
死んだのか、なんて傲慢や慢心とも言えるようなくだらない油断などしない。狸寝入りを決めている宿儺に向けて、指先に呪力を溜め銃で狙い撃つように標的を定める。
指先にはバランスボールサイズの呪力が装填される。
「出力最大……───『赫』!!」
放たれるのは『赫』とは名ばかりの呪力弾。
それでも今の凛太郎が放つ一撃はただの呪力放出であろうとも、たとえ特級相当の呪霊であっても容易く深傷を負わせられるような高出力な密度と威力を誇っていた。
宿儺であろうと、直撃すればひとたまりもない一撃。
ピリピリと焼け付くような呪力を感じ取った宿儺は即座に地面を蹴って回避する。そして拳に呪力を込めて接近戦へと持ち込んだ。
「ククッ……やってくれたな!!」
「どうした余裕がなさそうだな! まさか呪いの王とあろうとモンが、この程度で終わりなんてわけじゃねえだろうなあ!?」
「安い挑発だ。貴様こそ随分と必死だな。どうした、何を焦っている?」
「そいつはお互い様なんじゃない?」
超至近距離。
殴り合いを再開する。先程見たような光景であるが、違う点があるとすれば凛太郎の勢いが増している事と、一撃防ぐごとに宿儺が顔を顰めていることであるだろう。
領域展開後、肉体に刻まれた術式は一時的に焼き切れ使用困難となる。
呪力は電気で、術式は家電とも言われている。わかりやすく言えば、オーバーヒートによって異常を起こした機械の冷却を待っている状態。
『伏魔御厨子』を展開中に、領域を維持できない程の強烈なダメージを受けた宿儺は今その状態に陥っている。凛太郎もそれを理解している為、焼き切れた術式が回復しきる前に宿儺を殺すつもりで攻めの手を緩めず継続している。
宿儺も術式の回復まで耐え忍ぶかの様に攻撃を受け流しているが、その表情は険しいものであった。
自身の肉体を領域とした『國裂懺鬼哭』による術式の底上げ。
それに加えて凛太郎が課した“縛り”と領域の効果によって術式性能や呪力出力は飛躍的に向上している。そして黒閃を経た覚醒状態、凛太郎はいま潜在能力を120%以上引き出された状態にある。
その状態から繰り出す凛太郎の呪力特性の乗った攻撃が厄介でもあった。今までは膨大な呪力量と出力で呪力特性を無視していたが、それも無視できなくなってきていた。
一撃もらう毎に、“鋭い呪力”によって肉に釘を打たれるような痛みが走る。凛太郎自身が宿儺に対して呪力特性を押し付けられるほどに、ブーストが掛かり始めているからだ。
陽炎のように揺らめく赤熱の呪力。
全身は紅焔の呪力に包まれ、赤みを帯びた髪は先程よりも鋭く、どこぞの戦闘民族のように逆立っている。
その呪力量と出力によって裏付けされた
「……ッ!(この小僧の領域による術式性能の上昇……凄まじいな。単純な必中領域よりもやりづらい)」
「動きが鈍いぜ。さっきの黒閃が効いてるな!」
「ふっ……貴様こそ、随分と
「当然っ! じゃなきゃテメエとやりあうなんて、出来やしねえよ!」
呪力を乗せた重い一撃。
だが力まかせの凛太郎を弄ぶように、宿儺はその攻撃を軽々と受け流す。脇腹に膝蹴りを喰らい、凛太郎の表情が一瞬苦痛に歪む。
宿儺はその隙見逃さず、間髪入れずに顎へと掌底を繰り出す。吹き飛ぶように浮き上がった凛太郎へと追いすがり、足首を掴んで地面へと叩きつけようと振り回す。
「ッ……痛えなぁ!」
「ハハッ、いいぞ!!」
だが片足を掴まれた瞬間、凛太郎は呪力を手のひらから放出して推進力とした。体を捻り回転する。そしてそのまま勢いを加速させて、掴まれ固定された足首を軸としてその場で一回転して見せた。
ブチブチと、肉が千切れる嫌な音が聞こえた。
その反撃の仕方は予想外であったのか、驚いたような表情の宿儺。呪いの王の顔面目掛けて回し蹴りを叩き込んだ。
そして片足の拘束が外れた瞬間、身を捩って更に回転を加え、千切れた片足で追い討ちの蹴りを繰り出して宿儺を地面へと落とす。
───どういうことだ?
凛太郎との殴り合いの最中、宿儺は思案していた。
いくら凛太郎が『國裂懺鬼哭』による術式の底上げによってブーストがかかっているとは言え、呪力を乗せただけの打撃がなぜこうも自分の防御を貫通してダメージを与えてきているのか?
完全ではないとはいえ、15本の指を取り込んだ宿儺と凛太郎では呪力総量と呪力出力ははっきり言って宿儺の方が圧倒的に上だ。だというのになぜ、そんな疑問が浮かんでいた。
───……いや、違う。
「俺の呪力出力が
「どうした、考え事か!」
「随分と小賢しい真似をする」
「あ?……なんのことだ?」
「ふっ……そうか。“無意識”だったか」
その原因をすぐに理解した。
凛太郎は反転術式を習得していない。彼が使う反転術式は術式効果によって際限なく高まり溢れ続ける過剰な呪力によって、凛太郎が壊れないよう肉体が反射で反転術式を回している。
そこに凛太郎の意識は割かれてはいない。
負の
しかし凛太郎は反転術式によって生まれた正の
術式反転「呪力弱化」
文字通り、呪力強化の反対である弱化の能力。術式対象は凛太郎ではなく、
凛太郎の拳が宿儺に触れた瞬間、まるで呪力を
それによって、凛太郎は宿儺を自分の土台へと引き摺り込んでいた。
「ハァッ!」
「ぐっ!」
地面と水平になるほどの深い前傾姿勢。
加速して勢いを乗せた膝蹴りが宿儺の腹部へと直撃する。蹴りの威力に僅かに浮き上がった宿儺へ掴み掛かり、背負い投げの要領で投げた。
そして素早くマウントポジションを取る。
全身から呪力を迸らせ、繰り出す連撃の拳。ミシミシと骨を軋ませる感触が拳から伝わる。
「くたばり、やがれえっ!」
爆音が響く。
領域と反転術式によって呪力を削り、息も付かせぬ攻防で
攻めの手は緩めない。
こんな
「───『捌』」
「……っ!」
───『蜘蛛の糸』
しかし宿儺の術式は既に回復していた。
凛太郎の攻撃を
足場が決壊する。
まるで地面が爆発したかのような衝撃と共に蜘蛛の巣状に大きなクレーターが出来上がる。凛太郎がバランスを崩した一瞬に、宿儺は拘束を抜け出した。
「お返しだ」
頭部を鷲掴みする。
ゼロ距離で放たれた不可視の斬撃。呪力差・強度に応じて対象を一太刀で卸す『捌』。凛太郎を両断する死の刃を繰り出された。凛太郎自身も、死を色濃く幻視させられた。
「───なに、すんだッ! 痛えじゃねえかこの野郎!」
「ハハハッ! 今のを喰らってその程度で済むのか!」
顔や胴体から鮮血を吹き出させながら、
無傷、とまではいかないが一太刀で卸すつもりで放った一撃に耐え抜いた凛太郎の頑丈さに宿儺は感嘆するように声を上げて笑う。そして凛太郎がなぜ肉を浅く切り裂かれた程度のダメージで済んだのか、だいたいの予想もついた。
凛太郎が無意識で運用している術式反転、それは自身の肉体へ呪力・術式を用いて繰り出された攻撃にも適用されていた。宿儺の斬撃が肉体に触れた瞬間、術式の出力を低下させてダメージを最小限に抑え込んでいたのだ。
───それなら、出力を落とされようと関係ない一撃で殺す。
それを理解した宿儺が笑みを深めてギアを上げる。
凛太郎もそれを感じ取っていた、だからこそ術式の
しかし。
「……は?───ッッ!!? ガッ!ぎぃ、ガッ───ア゛ア゛アァァァッッっ!!」
「ッ!」
ドクン、と心臓が跳ね上がった。
全身の血管や神経がぐちゃぐちゃに混ぜられたかのような痛みに襲われた。鼻と口からは吐瀉物を吐き出すように血液が流れ落ちてくる。
視界が赤く染まる。
膝が震えて、滝のように汗が吹き出してくる。
思考にノイズが走る。
自分が自分じゃない何かに塗りつぶされていくような感覚。血液が逆流しているんじゃないかと思うぐらい、内側で血管がドクドクと脈打っている。
血液が沸騰する音が聞こえる。
全身の血管が広がっていくのがわかる。
凛太郎が甘く見積もった10分、既に
痛みで意識が落ちかける。
全身に巡らせていた呪力が風に吹かれたかのように消える。
凛太郎が片膝をつき、地面に倒れ込もうとした瞬間。
ドスッ、と肩を押されたような衝撃に襲われた。
胸元に感じる小さな違和感、視線を向ければそこには背まで貫通するほど深く凛太郎の体を手刀で貫いている宿儺の姿があった。
「───存外、つまらん幕引きだったな」
「ぶっ、ゴホッ!……ァ、ぁぁ」
「中々、楽しめたぞ。津上 凛太郎」
腕を引き抜く。
凛太郎に体はまるで糸の切れた人形のように地面へと倒れ込み、ピクリとも動かなくなる。
そんな彼の姿を残念そうに、名残惜しそうに視線を向けた後、宿儺はその場を離れようと踵を返し歩き出した。
あーあ、死んじゃった?
ところがギッチョンまだ生きてるし宿儺との戦いはもう少し続くのよね。もう虫の息だけど。
なんで宿儺と殴り合えてんだよと思うけど、どうせこのあと殺されるんだから盛っても大丈夫か。
没ネタとして宿儺が来栖に対して「つくづく人間」って騙し討ちしたシーンをやろうとしたけど凛太郎の場合「言うはずがないだろうそんなことを俺の後輩が!」ってブチギレるだけのシーンになっちゃうからやめました。
凛太郎の領域展開に対しては色々と意見があるかもしれませんが、実際にメロンパンが九十九のブラックホールを防いだシーンで「自身の肉体を領域とする事で底上げした」と言っていたので自分なりの解釈を加えてこういう形になりました。反論は認めます。
だって難しいもん。あと領域の名前は適当っす。色々考えつつもそれっぽいやつにしました。
どれくらいバフかかってるのか簡単にいうと界王拳からスーパー界王拳になりました。もしくは超フルパワーサイヤ人もどき状態。
けど、仮面ライダーの劇場版限定フォーム的な感じで今回限りですかねね。次また領域を使わせるような場面があれば普通の領域展開を使わせます。
今後の展開。※参考程度
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時計じかけの花のパヴァーヌ編
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エデン条約編