現時点で更新されているストーリー「あまねく奇跡の始発点編」まで読みきった衝動で書き殴りました。後で修正するかも…。
エデン条約好き…。
トキは90連ナギサは天井でお迎えし、ミカのピックアップが終了していると知らされ絶望しています。
先生の皆さん連合作戦イベント頑張りましょう。
プロローグなので短めです。
ぷろろーぐ
えー、呪術高専にて学友と共に研鑽を重ねて切磋琢磨しているであろう皆々様。
いかがお過ごしでしょうか。
貴方の心に語りかけている一般呪術師です。
吹く風も強くなり外は冷え込む季節になってきました。
秋と言えばやっぱり食欲の秋ですかね、カボチャやリンゴあとは魚介類で言えばサンマやカツオなんかが美味しいですね。まぁ個人的には季節を問わずに美味しく食べられる焼肉が最強ですけど。
とまあ、そんな事はさておき渋谷にて封印された五条先生の救出作戦の方は上手く行っていますか?
普段から最強を豪語して好き勝手やっていながら大事な場面で封印されやがった怪しさ全開の目隠し野郎をしっかりと助け出す事はできたでしょうか?
もし上手く行っているのであれば可愛い後輩の為に身体を張った甲斐があったという物です。
何せ呪詛師や特級呪霊とやりあったり、挙げ句の果てにはあの呪いの王と
……まあ、恩師を救い出すことが出来ず道半ばで力尽きてしまった自分は作戦の成功を祈ることしかできません。もしも失敗し、あの“最強”が封印されたまま、なんて事になったらなんて考えたくはありません。
ええ、呪術界隈はどうしようもなくクソなんで。はい、死にもの狂いで頑張ってください。
そして、そんな自分もいまとてつもない窮地に陥っています。
「ん?………あの……大丈夫?」
「………」
「えっと……聞こえてる?」
「……かわいいッ!」
「……え?」
滅茶苦茶かわいい。
絹のような美しい銀色の髪。大きな瞳は水色に輝き瞳孔は左右で違う色に染まっている。その容姿から溢れ出るミステリアスな雰囲気に飲み込まれそうになる。
やばい、惚れそう。
助けて五条先生、俺この子のこと好きになっちゃいそう。やばい動悸がすごくなってきた……ッ。
「心臓が痛い。これが……恋?」
「………?」
いや、心臓どころか軋む様に全身が痛いけど。
まずは状況を整理しよう。
先程は混乱のあまり脳内でこの場にいない仲間に語りかけてしまったが、そんな事をしている場合じゃない。
さっきまで青空を呆然と眺めていたのだが、目に入れても痛くないと言うより寧ろ目に突っ込みたいくらいの美少女が現れて倒れ伏すこちらを覗き込んでいる……言葉の使い方間違ってそうだけども。
そしてその少女のかわいいさに見惚れていたが、彼女の頭部にて大きな存在感を放つ獣耳とまるで童話の中で神に付き添う存在が持つであろう光り輝く光輪に視線が行ってしまう。
天使かな?
いやこれは天使だわ。
「……つまり俺は死んでる?」
「そんな事はないと思う。それに、服は血で凄い事になってるけど見たところ怪我は……大丈夫?」
「う、怪我の心配までしてくれるなんて……っ。君かわいい上に優しさまで持ってるとか向かうとこ敵なしじゃん。因みにお名前を伺ってもよろしいでしょうか、この後一緒にご飯とか。あ、あとLINEやってる?」
「……んっ、そこまで褒められると悪い気はしない。あ、私は砂狼シロコ、それから……らいん? はよくわからないけどモモトークなら使ってる」
「すなおおかみしろこ……どういう漢字なのかわかんないけど良い響きだ。てかLINEやってないのね珍しい。まあいいか! 俺がそのモモトークなるものを使えば問題ないな! あ、シロコちゃんって呼んでいい?」
「ん」
小さく頷き、それに合わせるように動く頭部のお耳がなんとも可愛らしいことで。というかその耳って本物だったりします?
と、いかんいかん。
呑気にお話ししてる場合じゃない。状況の整理だった、彼女の連絡先も気になるがそれよりも先に聞かなきゃいけないことがあった。流石に地面に寝そべったままお喋りするのはよそう、側から見たらシロコちゃんのスカートの中を覗き込もうとしている変態にしか見えない。
「よっと、いちちまだ身体中痛えな。あ、そうだシロコちゃん聞きたい事あるんだけどいいかな?」
「問題ない。私に答えられる質問なら」
「ありがと。それじゃあ、ここってどこだかわかる? 俺さっきまで渋谷にいたはずなんだけど、宿儺に殺され……ンンッ!じゃなかった後輩の皮を被った悪い奴にボコボコにされて気絶したと思ったらここで倒れててさ状況がよくわかってないんだよね」
「………しぶや?」
「そう渋谷、あの無駄に人が多い場所。なんか頭ん中はゴチャゴチャになってるしここが何処だかさっぱりわからないんだよねぇ。人の気配も全然しないしでお兄さん困ってたのよ」
「うーん……しぶや、っていうのはよく分からないけど、ここは学園都市キヴォトス。私たちが今いる場所はアビドス自治区だよ。ここから少し離れた所に学校もある」
「………はい?」
「むぐ、んぐ………つまり、シロコちゃんの話を纏めると俺はやっぱり死んでるってコトであってる? あ、このチョコバーとエナジードリンクありがとね。貰っておいてなんだけどよかったの?」
「ん、全部間違ってる。……ライディング用でいくつか持ってるやつだから大丈夫」
ロードバイクを押しながら隣を歩く少女の横で自己紹介を済ませた男───
だが確かなのは津上 凛太郎はあの時、渋谷で
訳がわからない。
チラリと視線を向ける先には肘から先が
しかし、あの時右腕と共に無くなった制服の袖が、血で汚れ穴が開いたままズタボロとなった高専の学生服があの戦いは夢などではなかったと証明している。
因みにチョコバーとエナジードリンクはしょぼくれたしわくちゃ顔で空腹で腹を鳴らしながら歩いていたら、見かねたシロコからお情けで頂いたものだ。ドリンクで口を潤している時、なぜか頬を赤らめている少女がいたが察しの良いこの男は気がついていないフリをしながら堪能ゲフンゲフン、やり過ごす事にした。
「あー、くそッ。記憶はごっちゃだし、よくわからん事を深く考えると頭痛がする」
「……とりあえず、リンタローが記憶喪失ではなさそうで安心した。最初血だらけで人が道で倒れてるのを見つけた時はビックリした」
「あはは、確かにそれはそうかも。まあこうしてシロコちゃんに見つけてもらえたからラッキーかな。助けてくれるのは有難いけどそれはそうとして俺もそのアビドス? ってとこの学校にお邪魔してもいいわけ? よその人が急に来たら学校の人に怒られたりするんじゃ」
「ん、問題ない。それにいま学校には私を含めて5人の生徒しかいないから」
「へー……ん? ごにん……5人っ!?」
「……本当に何も知らないんだね」
ハァ!?と凛太郎は表情に露わにしてしまうほど驚くが、隣を歩くシロコは気にした様子も見せないので訳ありだろうと深く考えない事にした。しかし呪術高専のような特殊な少人数クラスならまだしも他の一般高で5人はやばいのでは?
(しっかし、本当に人が全然居ないなここらへん……)
シロコとのお喋りに花を咲かせ鼻の下を伸ばしている凛太郎だったが、先程から通行人はおろか住民の姿が一人も見えない事に疑問を持ち始めていた。
現在の正確な時間こそ分からないものの、学生服に身を包み登校する最中だったであろうシロコの姿からおおよそ正午前と言ったところか。
賑わっているとまでいかなくとも、普通なら少なからず通行人がいるはずだ。住宅街だというのに生活感は感じられず、歩いている最中に見つけたコンビニらしき建物もシャッターが降りていた。気になる所ではあったが、田舎とかだとこれが普通なのかと一人納得してしまう。
それと気になる事があるとすれば、もう一つだけあった。
それはシロコが肩から掛けている学生鞄と一緒に並んでいる大きな銃器の存在だ。アサルトライフル、突撃銃とも呼ばれるものだっただろうか。
映画などで齧った程度で、そういった方面の知識は疎い凛太郎であったがそんな自分でも見た事があるような形状をした銃器。表情に出すことはしないものの、シロコが背に掛けているソレに驚いてしまう。
それってエアガン? とか、なんでそんなの持ち歩いてるの? など色々聞きたい所ではあったが、自称相手の趣味に理解を示せる男である凛太郎は温かい目で見守っておく事にした。
「そういや、ここから学校まであとどんくらいなの?」
「ん……そうだね。ここからなら、残り約10kmってところかな」
「ほーん10kmか。このままのんびりシロコちゃんと歩いて行くのも魅力的だけど、寝起きの運動がてら走って行こうかな。シロコちゃんも遠慮せずそのロードバイク乗ってくれていいよ」
「……いいの? 私スピードを出して走っちゃうけど」
「大丈夫大丈夫。学生が遅刻しちゃいかんでしょ。こう見えて運動は結構出来る方だからさ」
「……わかった」
「はは、決まりだ。んじゃあ行こうか」
こちらを少し心配そうにしながらもロードバイクへと跨り走り出したシロコを尻目に、グッと体を伸ばして軽く準備運動を行い息を整えてから少し遅れて走り出す。
常日頃から呪霊や術師を相手に戦う為鍛えてあげた肉体と恵まれた天性の身体能力ならば、本調子とまでとはいかなくともこの程度のランニングなら朝飯前だ。
風を切り人気のない住宅街を走り抜ければ、少し離れた所でロードバイクを走らせるシロコの元へとものの数秒で追いつく事が出来た。
「や、さっきぶり」
「……驚いた。まさか本当に追いついてくるとは思わなかった」
少しロードバイクを走らせて、凛太郎の姿が見えなければ引き返して様子を見に行く事も考慮していたシロコは軽い足取りで自分と並走する少年の姿に少なからず驚いていた。
「ん……もっと速くしても大丈夫?」
「
気合いの入った良い返事に少しだけ嬉しそうに少女の頬が緩まった。加速したロードバイクに合わせ、こちらも前傾姿勢となり速度を上げる。
5分か10分か、もしかしたらそれ以上の時間か。
かつては機能していたであろう信号や交差点などの要所で短い休憩を挟みながら数十分、漸く目的地であるアビドス高等学校が見えてきた。
ここアビドスの郊外には元々砂漠地帯があり、過去に大規模な砂嵐が頻発した事で住宅街や市街地、自治区の殆どが砂漠化して飲み込まれてしまっている。
そんな話を道中シロコの口から聞かされる事となったのだが、実際ここに来るまでの道のりで広がり続け砂漠に沈む都市をこの目で見てきたのだ。その話を聞き現状を確認して道理で人の気配がしない訳だと納得してしまった。
人が居ないというより、去っていったという言葉の方が正しいのだろう。
「おー、ここがアビドス高等学校か」
「そうだよ……あ、そういえば久しぶりのお客様だ」
「なるほどね。それじゃ、お邪魔します」
「ん、いらっしゃい」
見上げる先は所々に剥げたような傷があり、中々年季が入っているであろう鉄筋校舎。
シロコが言っていた砂嵐の影響によるものなのか、塀や校門を入ってすぐの校舎付近に大量の砂が積もっている。しかし誰かが日頃から清掃しているのか、塀の外へと掻き出されたような痕跡も見つけられた。
「あっちが本館でその隣が別館、それから奥が体育館。他にも色々ある」
「へー。意外と……あれ、あそこにいる生徒さんは?」
「ん……あれは」
校門を通り抜けた後、ロードバイクを止めたシロコに案内されながら校舎へと足を進めていく。表情の変化が乏しいシロコだったが柔らかい表情を浮かべながら心なしか楽しげに話を聞かせてくれる様子に、彼女はこの学校が大好きなんだなと理解できた。
そんな彼女の様子に和みながら話を聞いていた凛太郎だが、前方から現れた人影に気がついた。
後ろ姿から確認できたのはシロコと同じアビドスの制服に、黒髪のショートヘアの女性。ここの生徒であることから彼女も知り合いなのか尋ねようとした所、向こうもこちらに気がついたようで振り返り、シロコの姿を捉えると笑顔を浮かべたのだが───その隣に立つ凛太郎の存在に気がつくと表情を変えて固まってしまった。
凛太郎はひとまず挨拶をしようと思っていたのだが。
「し、シロコ先輩が血だらけの人を連れてきましたー!」
「……え」
「ありゃま」
津上 凛太郎
渋谷にて宿儺との激闘の末に死亡した一般呪術師。
戦闘のイメージとしてはマダラVSガイ先生といった感じ。宿儺に胸をブチ抜かれ死んだ、のだが気がつけばキヴォトスにて目を覚ますことなった。
容姿は黒髪のツンツンヘアー。
青い瞳と片耳のピアスが特徴の青年、顔立ちも整っており所謂イケメン。
年齢:17歳
身長:179cm
体重:70kgくらい
所属:東京都立呪術高等専門学校ニ年
等級:二級呪術師
高専入学方法:スカウト
術式:呪力強化※黒閃経験あり
趣味:ナンパ、読書(漫画)、映画鑑賞
好きな食べ物:焼肉と米
苦手な食べ物:粘り毛のあるもの
ストレス:無知なるものを利用する奴
公式ファンブック参考のスキルフラグ
座学:4pt
運動神経:10pt
呪術センス:10pt
今後の展開。※参考程度
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時計じかけの花のパヴァーヌ編
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エデン条約編