透き通る様な世界観にいる一般呪術師 作:半ライス大盛り
シリアスって大変ですね。ギャグチックに書いてたほうが楽だし楽しいです…こりゃエデン条約編とか先が思いやられるぞい…。
c月v日
牢獄の中から失礼します。
どうもおはこんばんにちわ、凛太郎でーす。
いやー、現在わたくしはですね。
ななな、なんと! ゴツい手錠とか足枷をつけられて、見覚えのないよくわからん牢屋の中にぶち込まれちゃってるってわけですねー、はい! 俺ちゃんってば何故か牢獄に監禁されちゃってるんだべさー!はははは……はぇ?
いや、マジで俺なんでこんな所にいるの?
目が覚めたら『知らない天井だ』状態だったし、ガチガチに拘束されてるしで、俺ってばマジわけわかめ状態だったわけよ。
……よし、ふざけるのはここまでにしておこう。
ぶっちゃけるとあれだ、あのドストライクなメイドさんに負けちった♪ いや、手加減した所為でとか純粋に負けたとかではなくてですね。追跡してくるメイドちゃんをどうにか撒こうとは頑張ったんですよ。
そんでもって身体強化の呪力出力を上げた瞬間、あの出力バグって原因不明の負荷による反動みたいのにまた襲われちって……気づいたら目、口、鼻、耳という穴から血がドバドバ出てきて気絶しちゃったみたいッス♡
いや、あれは冗談抜きで死ぬんじゃないかってくらい痛かったね。
なんかこう、全身の神経に何か入れられたみたいな。心臓が破裂するんじゃないかって鼓動が速くなって、脳みそいじられてるみたいな感じで頭もちょー痛いし全身の血液も沸騰してるレベルで身体中が熱かったし、マジでこれなんなん?もしかして俺ってばそろそろ死ぬ?
けど不思議な事に眼を覚ましてみれば、あれだけ痛かった頭や心臓も最近調子の悪かった体だってめちゃくちゃ元気になってる。
なんというか、寧ろ今まででよりもずっと調子がいいというか、妙な違和感が消えて体に
とりあえず今の俺は元気100億倍アンパンマン状態っす。
しかしヒマリちゃんには申し訳ない事をした。あれだけ大口を叩いて彼女の護衛を引き受けたというのに、失敗した上に掴まって監禁までされちゃった……やめて! 俺とヒマリちゃんに乱暴する気でしょう!? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!
なんて思ったがそんなことはなかったッピ。
ヒマリちゃんは隣の部屋に居たし普通に元気そうだった。目が覚めてからしばらく暇だったんでしりとりして遊んでたんだが、やっぱり頭がいいだけあって強いね。だけど、“る攻め”するのはやめてほしい。る攻め対策してないんだって。
それからあのドストライクなメイドちゃんこと、トキちゃんが監視……というか様子を見に来てくれたりした。『その、お身体の方は大丈夫ですか?』なんて心配してくれたりして妙に優しかった。
ありがとう、君ってばかわいいね。ホレソウ
なんでかな〜、なんて疑問だったが目の前で口や鼻からエメラルドスプラッシュした奴が居ればそりゃ心配するのが普通な感じか。
ありがとう、君ってば優しいね。ホレソウ
しかしあの時の俺は出血量が凄すぎてグロテスクなマーライオンになっていたから変なトラウマとか植え付けてないといいんだけど。口から出てきたのは穿血じゃなくて鮮血だったよ。
とりあえず拘束されてる所為で満足に動くことも出来ない為、食事はトキちゃんアーンしてもらって食べた。うめえ、うめえよ。俺もうこのままトキちゃんにお世話されるだけの生活でもいいかも……手足に手錠がついてる所為で事件性ありそうな匂いがプンプンするが。
これがヤンデレ彼女に監禁される気分ってやつか……悪くねえな!
拘束具は術式で強化していつでもぶっ壊して脱出できるので、しばらくは様子見かな〜。マジでヤバそうな状況になったら何がなんでもヒマリちゃんを連れて脱出するが、あっちも今すぐに何かする気配もないみたいだし。
あ、因みにスマホとかは外部と連絡出来るものは没収されちゃった。俺のこの日記帳は特に問題なしと判断されたのか返してもらった。
やめてトキちゃん覗き込まないで、流石に恥ずかしいから。
c月p日
監禁2日目。
暇すぎて精神統一しながら呪力操作の修行をしていたのだが、中々有意義な時間だった。ムラっけがあり雑になっていた変な呪力が以前のような調子で出力の操作などもできるようになってきた。これならバグって呪力操作で全身がBON!となることはもうないだろう。
しかしここ本当に暇だ。
ちょくちょくトキちゃんが遊びに来てくれるが、それでも暇すぎて涙が出てくるよ。暇すぎて筋トレとかもしてたんだが、片手で逆立ち状態の腕立て伏せをしてるタイミングでトキちゃんが遊びに来たのだが『おお〜』と手をパチパチ叩いて驚いていた。ふっ、これくらい朝飯前さ。
ヒマリちゃんも覗き込んで来て同じようなリアクションをしていた。ふふふ、そこまで良い反応をしてもらってはこちらも楽しくなってきてしまうものだ。
頑張って片手状態から指一本の状態に持ってゆき腕立て伏せを再開して見せたら、ヒーローショーでも見たかのような反応が返って来て楽しいかったです。
……あれ、そういえばなんで俺たち捕まってるんだっけ?……まァいいか!
とりあえずやる事がなくなったタイミングでトキちゃんが持って来たお菓子を食べながらみんなで人生ゲームなどのボードゲームをして遊んでました。最近はテレビゲームばかりだったが、こういうのも良いな。
あれ、そういえば俺たちなんで捕まって……楽しいからまァいいか!?
ヒマリちゃんから軽く勉強を教えてもらったりもした。
口頭で伝えられた問題をメモしてヒマリちゃんにわかりやすく解説してもらいながら問題を解いていたが、全知と呼ばれるだけあってヒマリちゃんはすごい頭脳の持ち主のようだ。
しかしどう考えてもおかしい。どう計算してもこのタカシくんは徒歩なのに時速4200万km以上で移動している計算になるのだ……えっ、あってるの? タカシくんすごいなぁ。
それはそうと、シャーレの仕事を無断欠勤してしまってるわけだが……これって別に俺は悪くないよね? ちゃんとお給料入るよね? というか先公の奴、俺がいない事にちゃんと気づいてくれるよな……?
うーん、あいつ変なところで抜けてそうだから心配だな。とりあえず頼んだぞまだ見ぬスーパーAIアロナちゃんや。
というか手錠とか拘束された状態も慣れて来て色々出来るようになってきた。見てくれ俺のこのブレイクダンスっ! いつもより多く回っております!
c月g日
監禁3日目。
じゃじゃーんこちらミレニアムのビックシスターこと、調月 リオちゃんでーす! はい拍手、パチパチパチ〜……こらヒマリってば、チャンリオの顔を見るなり露骨に嫌そうな顔をするんじゃありませんっ!
監禁3日目にしてようやくというか、久しぶりにこの子の顔を見た気がする。あらら、随分と忙しいみたいですね生徒会の仕事には顔を出してないみたいなのに(ユウカちゃん情報)
この前の会合。
ヒマリちゃんとチャンリオが謎のこそこそ話をしてた時間は建物の屋上に隠れながら窓に張りついて覗き込んだりしてが、リオちゃんはだいたい後姿しか見えなかった。なので突入した後はゴタゴタしてたしで、面と向かって話すのはこれが初だね。
しかし君、表情硬いね。
ほらピースピース! 基本無表情なトキちゃんだってよく笑うようになったんだから、みんなでもっと表情筋緩めて行こうぜ! この部屋に入ってきた時なんかすごくいい表情してたんだから。
あの時のリオちゃんの顔は凄かったね。
なにせ部屋に入って1発目に見えた光景が俺、トキちゃんとヒマリちゃんの3人でUNOしてる場面だったんだから。ちょうどトキちゃんがUNO宣言してる瞬間だったよ。因みに俺は宣言忘れて追加ドローさせられましたね。
トキちゃんもトキちゃんで『あ、やべ』みたいな顔してたけどリオちゃんの表情はもっと凄かった。なんかこう、ただのおもちゃだと思って部屋に飾ってたそのフィギュアが動く瞬間を見ちゃった……みたいな理解が追いつかない顔してた。
リオちゃんってば『な、何をしているのかしらトキ?』って声もすごい震えてたし。
なんか、しばらくみんな無言だった。
気まずいというか、無言の空気感に耐えかねて俺が『お前のターンだZE! 早くカードをドローするんだな!!』とさりげなくゲームに誘ってみたが、ちょっと主張が強すぎたのかプレイに応じてもらえなかった。ピエン
ならば違うゲームにしようと思っていたがダメだった。
俺のリクエストに応じて初心者のトキちゃんがホクホク顔で全自動の雀卓を持って来てくれ、ちょうどメンバーが4人揃った事だしみんなでやろうと思ってたのだが残念な事に雀卓は没収されてしまった。ドウシテダヨー!
じゃあババ抜きでもすっか、と提案してみたがこれも却下された。わがままだな。あれもダメ、これもダメ、じゃあ何なら許してくれるんだ君は。
動揺しながらも自分のペースに持っていこうとしていたみたいだが、敢えなく失敗となりなんとも言えない表情のリオちゃん。そんな彼女の姿にヒマリちゃんは笑い転げそうになるのを必死に堪えてたね。
どうにかして俺とヒマリちゃんに何やら“大事な話”を聞いてほしいみたいだが、こっちの要求は突っぱねる癖にどうして自分の要求は通ると思ったのか。
しばらく『じゃあみんなで麻雀やろぜ!』とゴネてみたら苦虫を噛み潰したような顔で頷いてくれた、やったね。頷いたリオちゃんの姿にパァっと表情を輝かせてるせトキちゃんが可愛かったです。
ふっ、俺の勝ちだな。
麻雀とか、こういうジャンルのゲームをやるのは久々だ。悠二や恵、パンダなんか高専の連中を誘ってやったこともあったな。あと金ちゃんパイセンとかともやったことある。
それはともかく、リオちゃんから聞かされた“大事な話”とやらなんだが……正直に言って聞いていて気持ちのいい話ではなかった。彼女の言葉に自分の耳を疑ったくらいだ。
まず俺たちがいるこの場所だが、どうにもミレニアムにいるわけではないらしい。ここはエリドゥと呼ばれる都市でリオちゃん曰くキヴォトスの危機、無名の司祭達?に備えるために作り上げたとい超すごいハイテク都市とのこと。実際、様々な防衛機構を備えているらしい。
ほえー、なんて話を聞いていたがヒマリちゃんが『因みにセミナーの資金を横領して建造してますよ』なんて耳打ちされ『え、マジ?』と視線を向けてみれば当の本人は顔を逸らしていた。いや、それはダメでしょ。ユウカちゃんたちがかわいそうだって…。
それから『無名の司祭』とか『名もなき神々』だとか、『不可解な軍隊』とか、うんちゃらかんちゃらと……色々と説明してくれていたが、正直に言って話が半分以上は頭に入って来てない。俺ってばよくわからん用語集とか長い横文字的なやつは苦手なんだよねぇ。
なんじゃそりゃって感じ。
バカにも伝わるようにもうちょい噛み砕いて教えてくれると嬉しいですね。
結局のところ、何が言いたいのか聞いてみればアリスちゃんは危険な存在らしい。
そりゃ確かに俺の妹は人を死に至らしめてしまうくらいにアイドル的な可愛いさを秘めているが……どうにもそういうことではないらしい。
アリスちゃんの正体は『名もなき神々の王女AL-1S』と呼ばれる存在らしい。だからなんじゃい、という感じだがよっぽど深刻な事らしい。このキヴォトスを滅ぼす元凶となる危険な存在なのだとリオちゃんは言っていた。
勇者を自称する彼女の正体は魔王であると。
話を聞いていくうちに、次第に自分の中で何かがスッと冷めていくのを感じた。
酷い既視感を覚える。
彼女の淡々とした口調や、先が読めてしまうようなつまらない話。そして何よりも、キヴォトスに来る前まで何度も体験した事あるような“上の人間”とのソリが合わない会話の空気感。
それで結局何が言いたいのか、聞き返してみれば予想通りの答えが返ってきた。
つまりどういうことか、彼女はアリスちゃんを殺そうとしているのだ。その行いが必要だからと、トロッコ問題云々で作業のように命を奪おうとしている。
その言葉を彼女の口から聞いて頭が真っ白になった。そしてその意味をゆっくりと噛み砕いてていき、堪えきれずに吹き出してしまったくらいだ。
そんな俺の様子に怪訝な表情を浮かべていたが、そりゃ無理だろというのが俺の感想だ。
彼女の言い分とその必要性は
だがそれよりも、この調月 リオという少女が“その行為の重さ”をまるで理解してもいない。だというのに、知った風に平然と言ってのける姿に堪えきれず笑ってしまった。
俺がいた世界とキヴォトスとじゃ常識というものがまるで違う、だからこそ認識に多少に誤差があるのかもしれないが。それでも人の心のあり方や“人間性”という“根っこの部分”は変わってない。
───だから理解できる。
彼女は手を汚してまで
奪った命の中にも、そいつの為に流される涙が、痛みや憎悪があったのだ。その全てを一生背負って歩いて行かなきゃならない。背負う十字架の、罪の重さに気がついてない。それでアリスちゃんを殺すなどと言ったのだ。
それはダメだろう。
「理解してもらえたかしら、貴方が行動を共にしていた少女……いえ、少女の外見を備えた“アレ”は普通の生徒ではないのよ。貴方が、貴方たちがアリスと名付け呼びかけるモノは───っ!」
「───ああ、それもういいよ」
ゾクリ、とその場にいた全員が背中をつららで撫でられたように悪寒が走る。重くて冷たい静かな威圧感。息が詰まったかのように呼吸ができなくなり、か細い喉がヒュッと音を鳴らした。
誰かが固唾を飲むような音が聞こえる。無意識のうちに全員の視線がこの威圧感の正体である一箇所へと注がれる。
リオの視界の先で、薄暗い牢獄の壁に寄りかかりながら彼女の話を聞いていた男がゆっくりとその腰を上げた。気怠げそうに息を吐いて、手足に取り付けられた拘束具の鎖をジャラジャラと音を立てて引き摺りながらリオの元へと歩いていく。
まるで別人。
リオの側に控えていたトキは、先程までおちゃらけていた雰囲気を纏った少年の豹変ぶりに目を見開いた。鉄格子越しにリオを見下ろす凛太郎の姿に、リオを害するつもりなのではと割って入ろうとするが彼の鋭い眼差しが彼女をその場に縛り留まらせる。
「……さっきさ、アリスちゃんを殺すって言いてたけどそれって誰がやるつもりなの? その手段は? 君が直接か、それともトキちゃんにやらせるつもり?」
「それは……」
「なるほどね。いいよ、今ので
「っ………」
「おおかた、君が立案でその実行がトキちゃんってところだ。君たちの関係性とかよく知らんし踏み込んだ事は言いたくないけど……それでも普通はダメでしょ?」
向けられる視線が鋭い刃となる。
ヒマリやトキでさえ、その威圧感に言葉を失ってしまう。それでもリオは脚を引いてしまいそうな自分を奮い立たせるように踏み出すと徐に手を伸ばして鉄格子を掴むと、冷たい視線を檻の中の少年に向けたまま口を開いた。
「……貴方は何故、頑なにアリスを庇うのかしら?」
「………」
「貴方がアリスと呼ぶ少女の正体は人間じゃない。その危険性は貴方にも十分に理解してもらえたと思ったのだけれど」
「確かに、理解はできたよ。けど俺の心は納得はしてない、そもそも君が脅威の排除っていうその結論に至るまでやれる事は全部やったわけ? 誰かに相談するなり、他に策を講じるなりさ」
「現実的ではないわ。それは単なる問題の先送りに過ぎない」
「うわめんど。あー言えば、こー言うんだから〜……はぁ、そもそもの話だけど君さ……ッチ、あー、やめやめ! これ以上は熱くなっちゃうし俺女の子にキツい言い方とかしたくないから一旦やめ!」
マジダル〜、とげんなりとした顔の凛太郎。
自分の意見に絶対的な自信を持ったような言動。聞く耳を持たないリオの様子に凛太郎は呆れ果てたような様子でため息を吐いて、頭を掻いている。これ以上論争を続けていれば、どうしても強い言葉が出てきてしまいそうだった。
それは自分も本意ではない。
アリスちゃんを殺すだなんてことは許せないしさせるつもりもない、けどそれ以上に彼女がこの先後悔するでするであろう選択肢はとってほしくない。
自分のようになってほしくない。だがありのままを伝えるわけにも行かず、どう言葉にすればいいか凛太郎もわからず、言葉を濁すことしかできない。
睨むような鋭い目つき。
鉄格子の隙間から、少女の赤い瞳と少年の青い瞳の視線が交差する。
「はぁ〜……とりあえず、君がアリスちゃんを殺すつもりだって言うなら、俺は全力でそれを阻止するから」
「……それが、どういう事を意味しているのかわかっているのかしら」
「さぁね……ああ、それと君が裏で何かコソコソしてアリスちゃんに何かあればあの子じゃなくてきっと俺が魔王になっちゃうから、そこんとこよろしくね?」
「は?」
「安心してくれ、これでも“呪いの王”からはお褒めの言葉はもらっただけの実力はあるんだ。嬉しくないが、ヴィラン役だってしっかりこなしてみせるよ」
んじゃ、よろしくなんて笑顔で言いながら凛太郎は壁際まで戻っていく。一触即発とも言える空気感が霧散したことで側にいたヒマリやトキ、この場の空気に飲まれていた彼女たちは安堵するかのように小さく息を吐いていた。
───その時、本人とリオを含めてその場にいた者は気づかなかった。凛太郎から溢れ出た負のエネルギーが紫電となって迸り、彼が握りしめていた鉄格子の一部が急速に
※因みにこのあと、みんなで麻雀はやった。
トキ
「国士無双です。いえーい、ピースピース」
凛太郎
「ポ゛ン゛ッ!! 鳴く事しかできないぜ!」
ぶっちゃけどの時間帯に更新されると読みやすい?
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07:00くらい
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19:00くらいやな
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21:00くらいやでー!!