透き通る様な世界観にいる一般呪術師   作:半ライス大盛り

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 閲覧、感想、ここすき、高評価、お気に入りに登録ありがとうございます!誤字報告もまことに感謝感謝です。

 一年ズ再び登場で嬉しいよ。本誌の方が終わりに近づいて行くのをヒシヒシと感じて悲しくもあり物語の結末に嬉しくもなる……うぅ、やだ絶対ロスる。

 それはそうと、ちょい投稿頻度落ちるかもです。
 お、俺は悪くねえ!それもこれも、ガンダムブレイカー4っていう神ゲーが悪いだ!俺ガンプラのアセンしてるだけで時間が溶ける!

 それはそうと、以前ブルアカとレールガンがコラボした時に出てきた設定とかのおかげでだいぶ妄想の幅が広まったというか……ありがたいですね(意味深







五十歩ひゃっほう!

 

 

 

 

 c月c日

 

 

 あんのクソ坊主め…バカスカ殴りやがって。

 あれがアラサー間近な(ヤロー)の動きかよ、戦闘の勘を取り戻すのが早過ぎだろ。

 

 こっちに来てから派手に暴れたりしてないみたいだし鈍ってるだろうからその錆落とし兼俺のサンドバックにしてやろうかと思ってたら、あのアラサークソ坊主ものの数分でめちゃくちゃ俊敏に動いてきやがった。

 

 趣味と特技が格闘技とか言ってただけあるな。そりゃ呪霊操術なんてモン持ってるくせに本体が武器持って突っ込んでくるわけだよ、マジでなんなんだお前ちゃんと後方でサモナーしとけ。

 

 しかも術式がなくなって弱体化するどころか、それに順応して寧ろ純粋な肉弾戦のレベル上がってるってアイツ。

 

 俺はほぼ我流の力任せなド突き合い戦法が主だから、そういう技術的なヤツはほぼ初見殺しみたいヤツばっかで普通にキツかった。

 

 先に膝をついた方が負けというルールで術式と呪力なしの純粋な殴り合いをしたんだが、マジでなんだアイツの動きは。どこぞの「流水岩砕拳」みたいな受け流し特化の護身術を編み出しやがって、おどれはシルバーファングか。よろしこ、じゃねえんだよ張り倒すぞ。

 

 余裕こいて殴ったと思ったら流れる様なカウンターでオモくそ殴り返された時はマジでびっくりしたよ。その後のアイツのドヤ顔がウザくて呪力込みで殴り飛ばしてやったが…。

 

 『……おい呪力なしって言ってただろ』

 『使っちゃダメとは言ってないですぅ!あ、先に膝付いたのお前な!』

 『上等だこのクソガキ……修正してやる!』

 

 力比べなら俺の方が上じゃい。

 結果、呪力ありでお互い遠慮せずバカスカ殴り合ってました。俺はギアを上げた術式で半自動の反転術式が使えるので傷は癒えるが、夏油はそうはいかず傷を作って帰って行きました。

 

 実質的にこれはもう無傷な俺の圧勝と言ってもいいだろう。ふっ、国に帰るんだな。

 

 しかしおかげで得るものもあった、アイツが使ってた特殊な呼法や技なんかは為になった。それが格闘技由来の技なのか編み出した技なのかは知らんが、存分に真似させてもらおう。

 

 それに2つの術式にもだいぶ慣れてきた。

 というか、“入れ替え”の術式が便利過ぎてやばいな。物じゃなくて空間と自分を入れ替えちゃえば実質瞬間移動みたいなもんだし短距離テレポートでしょこれ。

 

 分解の方は殺傷能力高過ぎて使い所に悩むが、こいつもこいつでかなり強力だ。その所為で扱いに手こずってるんだが……。

 

 それと術式反転だが、正のエネルギーを術式に流し込むっていう感覚もなんとなくわかってきた。術式反転もそれとなく使えるようになったが……どうしても負のエネルギー同士を掛け合わせて正のエネルギーを生み出すという感覚がわからんちんだ。

 

 俺は術式のギアを上げれば肉体が勝手に行ってくれる条件付きの反転術式が使えるから急ぎで習得する必要はないんだが……それでもデフォで反転術式は使えた方がいいだろうしな〜。

 

 宿儺とやり合ってその恩恵をヒシヒシと感じたからな。今以上の強さを求めるなら習得は必須だろう。それと領域の方ももうちょい精度上げるべきだな、こっちで領域を使ったのは確かアキラちゃんと閉じ込められた時だったか?

 

 あの時は相手の結界の外殻をそのまま自分の領域の外殻をとして使わせてもらったが、どうにも結界術は苦手だ。いっそ小さい“帳”でも作ってそれと組み合わせて代用するか?……バカみたいに隙だらけ過ぎるけど。

 

 ……いや待て、“帳”か。

 こっちじゃ使わな過ぎてすっかり存在を忘れてた、こいつも夏油に協力を仰いで色々と試してみるか。結界術云々も多分アイツの方が詳しいだろうし、呪術師歴というか無駄に年重ねてないって証明してもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 c月w日

 

 

 エンジニア部のみんな可愛いよね。

 わかる(自問自答)。

 

 以前、メイドさん部隊こと『C&C』と一悶着あった際にぶち壊してしまった俺のアームギアくんだがようやく修理から戻ってきた。イエーイ、ピースピース。

 

 修理を受け持ってくれていたヒビキちゃんから連絡を受けてエンジニア部の元へ足を運び修理を終えたアームギアを受け取ったのだが、なんか俺の記憶にあるアームギアとだいぶ違うというか、めちゃくちゃ様変わりしてるんだが……君写真と違くない?

 

 ヒビキちゃんから話を聞くと、修理だけではなく大幅に改良を加えた為のといくつか部品と素材を新造したことにより、外見どころかもはや新品の別物と言ってもいいほど変化しているらしい。

 

 なんというか、めちゃくちゃゴツかったデカいアームギアがシャープになったというか、スリムかつスタイリッシュになって帰ってきたんだが。それでいて前回よりも頑丈となっているんだからすごいよね。

 

 なんかこう、ガンダムみたいなゴツい腕がULTRAMAN SUITみたいなスラっとした腕になってる。前のイカつい見た目も良かったが、これはこれでちょーカッコいいやん。いい仕事しますねエンジニア部のみなさん。

 

 しかも指先が尖ってたり、外見は黒一色で起動させると装甲の隙間が発光したりと、中々男心をくすぐられるデザインとなっている。

 

 ヒビキちゃんが『ふふん、やっぱりこういうのが好きでしょ?』と可愛いらしいドヤ顔を浮かべていたが、よくわかっていらっしゃるその通りでございます。思わず受け取った瞬間に「かっちょいー!」と目を輝かせてしまったくらいだ。

 

 装着すると腕だけサイボーグになった気分。

 搭載されている武装類は以前と同じワイヤー系統、バッテリー駆動のエネルギーシールドとスタンガン、Bluetooth機能、内蔵された内部にカートリッジやスラスターなどの推進部、ここら辺はあまり変わってないみたいだ。

 

 だがしかし、ロケットパンチが消えてしまった! どうしてだ、別に指先からトンカツソースが出てくる謎機能が消えたのはいいとして、なんでロケットパンチが消えちゃったのさ!!

 

 聞くところによると設計上の問題と、コスト削減と言われてしまった……かなちい。でもしょんぼりした顔のヒビキちゃんも可愛いから許しちゃう…!

 

 それと急ではあるが、アームギア以外にも一つだけ近接戦用の武器を作ってもらう事にした。といっても俺のではなく、あのクソ坊主こと夏油の武器だ。

 

 夏油から一つぐらい近接用の武器が欲しいと強請られたので、誠に遺憾だがエンジニア部に頼んで見繕ってもらう事にしてもらった。どんなのがいいとヒビキちゃんたちに聞かれたので、『適当に三節棍とかで鉄パイプでいい』と言っておいた。

 

 だってアイツ得意げに游雲振り回してたから(過去の記憶)。

 

 そんなこんなで、早速こいつを使って『廃墟』に赴き試し斬り的なやつをやりに行こうかと思っていたのだが、ヒマちゃんと『作戦』の内容を詰めていこうと約束していたのでヒマちゃんとリオちゃんに合流。

 

 作戦といっても、天才的な頭脳を持つ彼女たちが主体であーだーこーだと色々と決まっていき、俺はポツンと横に置かれて偶に一言二言だけ横から口を出して解らんとこの疑問に答えてもらうくらいになってたが……しゃーないやん、俺頭悪いから専門用語混じりの難しい話は解らんのやって。

 

 けどそんな俺にもわかりやすく噛み砕いて教えてくれるヒマちゃんは神。君の優しさに俺は惚れそうだよ…!

 

 作戦の実行場所はあの『要塞都市エリドゥ』で行われる事となった。ヒマちゃん曰く色々と懸念はあるようだが、あそこで行った方が被害も最小限に抑えられるだろうとのこと。

 

 〈Key〉とのやり取りも対話で済めばいいが、そうならなかった場合を想定して実力行使となった際のメンバーは実力のある最小限のメンバーでやり合う事になった。

 

 ネルちゃんや俺、は確定として後はC&Cのメンバーだったり何やら秘密兵器を用意してあるトキちゃんだったりと……まだ確定ではないが候補はそれくらいだろう。それと俺の方で何人か()()()に来てくれそうな人物には声を掛けておく伝えておいた。

 

 それと〈Key〉を閉じ込めるための結界として“帳”の使用の目処を入れて、彼女たちに多少ぼかしながら呪術関連の存在のことを少しだけ話しておいた。

 

 急にオカルトチックな能力の事を話されて2人とも『何いってんだこいつ』みたいな顔をしていたので、説明するよりも見せた方が早いと考えて幾つか実演も混ぜた。

 

 といってリオちゃんは既に“入れ替え”のほうは体験済みということもあってどこか怖い顔で納得したような表情をしていた。オカルト好きという事もあってなのか、呪術や“分解”やら“入れ替え”を見たり体験したヒマちゃんのほうはどこか興奮した様子だった。

 

 俺が『因みに空を飛んだり手からビームを撃てたりする』と伝えると目を輝かせて大興奮といった様子。

 

 どうやらヒマちゃんはロマンに理解のある女の子ようだ……そしてその隣でリオちゃんは興味ない風にしていたがビームだったり空を飛べるといった内容が気になったのか、チラチラとこっちを見て聞き耳を立てていた。

 

 なるほど、さては君もこっち側だったりするな?

 

 “帳”の効果も説明してこっちも実演するつもりだったが、こっちに関してはメンバーを集めてから説明を交えてやった方がいいだろうと思いまた今度にした。

 

 しかし、“帳”を降ろせたところでちゃんと機能してくれるか謎だったという事もある。

 

 というのも、日本とキヴォトスではそもそも“前提が違う”ということもあるからだ。

 

 元々は()()様とかいう呪術師が日本全国に結界を常時発動、凄まじい規模の結界術を維持と強化をして高専や呪術界拠点の結界や補助監督の“帳”や結界術などの強度の底上げを行っているからだ。

 

 つまりフォローなしの“帳”の効果がこのキヴォトスでどこまで効果を発揮してくれるかわからないというのが懸念点だ。

 

 以前までの効果は見込めないとしても、結界術に()()()()を加えればある程度は機能してくれるはずだ。それなら当日の状況も結構優位に進められる。〈Key〉を閉じ込めることは勿論のこと、“帳”の副作用である電波妨害なんかも多少は効果があるだろう。

 

 後はタイミングを見て“帳”を解除、といったところか。

 

 だが、結界の効力の足し引きに使える条件というのは基本的に“呪力にまつわるモノだけ”……ざっくりいうと人間や呪霊や呪物といったところだ。それ故に()()()()()()()は“帳”を素通りできるが、“神秘”を宿すキヴォトスの人間への効果はどれほどなのか……こっちも検証が必要だろう。

 

 ま、俺の勘だと多分いける。

 何せ、以前ネルちゃんとやり合った際に彼女の宿す“神秘”がこっちの術式、というより呪力を乱してきた。つまり“神秘”と“呪力”は似て非なるエネルギーだが恐らく()()()()()()()()()()

 

 だから“帳”の効果にキヴォトスの人間も引っ掛かる筈なんだが……問題はアリスちゃんに効果があるかなんだよな。こっちも追々と検証が必要だ。

 

 そんなこんなで、今日の作戦会議は終わり。

 解散となったことで『廃墟』に自主トレしに行くか、というタイミングでゲーム開発部の面々に捕まってしまった。

 

 出会い頭に挨拶替わりのアリスちゃんとモモイによるヘッドダイブを決めるのは普通に死ぬのでやめてほしい。

 

 胸に飛び込んで来たマイシスターことアリスちゃんを受け入れつつ、モモイはアイアンクローで受け止めておいた。ははは、こやつめ。俺に抱きつこうなんて1000年早いわクソチビ、もうちょい歳とってから出直すんだな。

 

 話を聞くと、作戦参加への返事と自分たちもアリスちゃんの為に何かしたいとのことだった。ただ待つだけは嫌だと、啖呵を切って来たのだ。なんだ、かっこいいじゃんかゲーム開発部。

 

 といっても、その心意気は嬉しいのだが現状ゲーム開発部にやってもらうべき事はないので当日まで大人しくしてみんなで絆を育んでおいてくれと言うしかない。

 

 なにせ、当日の作戦成功の要となるのはゲーム開発部がアリスちゃんの意識を叩き起こせるかどうかと言ったらところだ。なので戦闘組への参加ではなく、どちらかというと今のところは後方での待機だ。

 

 なのでゲーム開発部が俺の『廃墟』での自主トレについて来ようとしても意味はないので、とりあえずリオちゃんにゲーム開発部の面々を押し付けておいた。

 

 ということでリオちゃんには1日限定のゲーム開発部の新入部員として活躍してもらおう。リオちゃんってばまるで宇宙人の存在を目の当たりにしたような面白い顔をしていたが、そんなの関係ナッシングだ。

 

 ゲーム開発部の面々も難色を示していたが、なんとアリスちゃんの方からリオちゃんへ歩みよってくれたのだ。流石は我が妹、その圧倒的な光属性パワーで敵ともお友達になって来るんだ。

 

 ゲーム開発部もメンバーも警戒したような様子ではあったが、アリスちゃんがいいならいっか、といった感じでわかだまりはあるもののそれを受け入れてくれた。

 

 戸惑った様子のリオちゃんを引き連れて冒険に出て行った。

 リオちゃんは助けを求めるような視線を向けてきていたが、そんなものは無視しておいた。アリスちゃんの行動力にもみくちゃにされて絆されてきな。

 

 一応、監視役として先公とネルちゃんには連絡をしておいた。遠目から見守っておいてあげてくれ。

 

 とりあえず俺は『廃墟』で術式とおニューの武装を慣らして来よう。

 宿儺が使ってきたあの炎の術式? みたいな弓を引く構えで順転『黯』を飛ばすのが中々様になってカッコいい上に速度や飛距離が伸びる事に最近気がついてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  


 

 

 

 「───………は?」

 

 

 無意識のうちに声が漏れる。

 

 人間という生き物は自分の理解を超える現象を目の当たりにした時に思考が止まるというが、まさに今この状況がその現象を指し示しているのであろうと凛太郎は呆然としながらも思考の片隅で他人ごとのようにそんな事を考えていた。

 

 理解が追いつかない。

 

 思考の渦に囚われそうになる凛太郎だったが、ゆっくりと自分がいま置かれたこの()()()()()がなんなのか丁寧に自らの記憶を振り返る。

 

 そして原因となるモノが、恐らくは()()だろう心当たりのあるモノに目星を付けた。

 

 何せ()()が起動した瞬間、眩い光に包まれたかと思いきや自分はこの場所に立っていたのだから、どう考えてもあの装置が原因であろうと凛太郎は頭を抱える。

 

 自分は先程までミレニアムの『廃墟』に居た()()()

 

 その『廃墟』でまだ慣れない術式の慣らし運転とエンジニア部から受け取った新たらしくなった武装のアームギアの慣らしを済ませる為に、『廃墟』を彷徨く暴走状態のようなロボットを相手にひと暴れをしていたのだ。

 

 そして僅かな休憩を挟んでからまた夏油にでも声をかけるか、そう凛太郎は考えていたが。

 

 休憩中に妙な『施設』とも言える廃墟を見つけたのだ。

 勿論、中はもぬけの殻とも言える状態であったがその『施設』は何を目的としていたのかは不明だが、大きな作りとなっており地下が存在していた。

 

 なんとなく、子供心のようなモノで廃墟を探索している時に隠し扉のようなものを見つけて、この『施設』の地下に大きなフロアがある事を発見した凛太郎は目を輝かせながら足を進めていた。

 

 長らく放置されていたのか、壁や床が酷い状態であり倒壊の危険性もあったが、そのフロアで奇妙なモノを凛太郎は見つけてしまったのだ。

 

 それは大きな機械だった。

 パッと見、それはこの大きな『施設』を稼働させる為の大きな配電盤のような見た目だったが、その配電盤から直結させるように設置されていた謎の機械に凛太郎は引き寄せられるように目が惹かれてしまった。

 

 どこかSFチックな機械の見た目に惹かれた凛太郎は何気なしにその機械に触れてしまったのだ。その時の凛太郎は、まさかそれが稼働するだなんて思っても見なかったのだから。

 

 その()()()()()()

 まさかあの謎の装置で()()()()()()()()()()()()なんてわかる訳もないだろうが。

 

 

 「……おいおい、どうなってんだこりゃ」

 

 

 冷や汗が流れる。

 固唾を飲み動揺する自分をどうにか落ち着かせようとするが、それは叶わず表情が引き攣ってしまう。呼吸は荒くなり、心臓の鼓動が早くなって行く。

 

 凛太郎が()()()()()()()()()、見覚えのありすぎるその光景に凛太郎は渇いた笑みを浮かべて笑うしかない。

 

 彼が見上げる視線の先には、()宿()()()()()()()か書かれた立札が設置されていたのだから。ここはキヴォトスではない、紛れもなく自分が生まれ育った()()()

 

 

 「何が、どうなってんだこの状況……ッ」

 

 

 自分の記憶にある風景と全てが重なる。

 だが、それと同時に妙な違和感が込み上げてくる。まるでここは()()()()()()()()()()()と、この()()()()()()()()()()()()()()()()()()妙な違和感と疎外感が自分の肉体に叩きつけられてくるのだ。

 

 気を抜けば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 だが、いまこの瞬間……凛太郎は確かに日本に帰ってきたのだ。彼の心の中に、また友人たちに会えるという歓びと共に別れも告げられずキヴォトスに置いて来てしまったとも言える少女たちの姿が脳裏に過ぎる。

 

 その事実に表情が歪む。

 こっちの世界に戻れる為ならばと、簡単に切り捨ててしまえないほどに凛太郎の中でキヴォトスで親しくなった人間、シャーレの先生や彼女たちの存在は大きくなってしまった。

 

 何よりも、アリスという少女の為にも解決すべき問題をそのままにしてしまっている。

 

 

 「───シロコちゃん」

 

 

 脳裏に浮かぶのは1人の少女。

 凛太郎は無意識のうちに彼女の名を呟く。

 

 徐にスマホを取り出して確認するが、圏外となっており反応がない。どれだけ連絡を飛ばしたところで電話が繋がる事はなくなんの反応も返ってこない機械に舌打ちがこぼれる。

 

 理解できない事ばかりだが、ひとまず高専に向かってみようと凛太郎は決めて歩き出す。彼の足取りはひどく重いものだった、それはまるで見えない鎖でも引きずっているかのように。

 

 

 「落ち着け……ッ! 落ち着いて考えろ……」

 

 

 ───凛太郎は知らない。

 

 いまこの地では『全ての不幸の元凶』と憎悪されるものによって仕組まれた、『死滅回游』と呼ばれる呪術を与えられた者達による最低最悪の殺し合いが行われる場所と化している事を。

 

 彼はまだ知らない。

 何せそれを知らせ存在、各泳者(プレイヤー)に憑く式神。戦いに参加する者への『窓口』とも言える存在は彼の前に()()()()()()()()のだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 ???
「待て、いい加減どこに向かってるのか教えろ」

 ???
「……ま、いいわ。ザックリとなら教えてあげる()()は新宿にいる」



 一方その頃。

 
 アリス
「そう、そこです! あ、今のは避けなきゃ……ま、まだ大丈夫です。ここからアリスと一緒にやり返しましょう!」

 リオ
「そ、そうなの…? それよりも気のせいじゃなければさっきよりも相手の体力が多くなっているような……?」

 モモイ
「そりゃそうだよ! このゲームはウェーブ性のシステムだもん、だからだんだん敵の強さが……ああ!? ちょっと待って、私まだ回復してる途中だからッ!? 」

 アリス
「も、モモイがやられてしまいました! うぅ、ここは私たちだけでどうにかするしかありません!」

 リオ
「……そ、そうね。因みにこのボタンの技は?」

 アリス
「それは自爆スイッチです!なのでそれは押さずに……あ」









ぶっちゃけどの時間帯に更新されると読みやすい?

  • 07:00くらい
  • 19:00くらいやな
  • 21:00くらいやでー!!
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