透き通る様な世界観にいる一般呪術師   作:半ライス大盛り

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今回キリが良くなってちょっと5千文字程度といつもより短めです。

気がつけば投稿した話数が50話を超えてましたね。
呪術のメインキャラと関わらせられて楽しいです。

でも死滅回游介入は後1、2話くらいかもです。
凛太郎が装置の存在に気づくプチイベントのつもりだったんですけど、思ったより長くなってるかも。

それはそうと、糸此上かおるちゃん…私は君が好きだったぜ…!






腹の上がポニョッ

 

 

 

 

 「お、落ち着けってメグミン……!」

 

 「なんなんだオマエ……ふざけてんのか……ッ」

 

 

 

 どうも凛太郎です。

 自分の可愛がっていた後輩が反抗期に入ったとです……!

 

 ───なんて、内心でふざけている凛太郎だが後輩の表情から読み取れる警戒度からそれが冗談ではなく本気の警戒心であると察していた。故に困惑する、なぜ自分の後輩がこれほどまでに警戒しているのか。

 

 

 

 (いや待て、そりゃそうか。俺ってば渋谷で宿儺にぶっ殺されてるから、目の前に死んだはずの人間が出てきたら警戒して当たり前か……!?)

 

 

 

 ───その瞬間、凛太郎の脳内に電流が走る。

 自称IQ53万のチョンマゲゴリラが憑依したかのように凛太郎の思考が加速、この状況を打破する為のの完璧な解が導き出された。

 

 だが凛太郎のIQは53万どころか53(ゴミ)であった。

 完璧な解と言っても、完璧な解(笑)と言って過言ではないが。

 

 タンマを掛けるように凛太郎が伏黒へと腕を突き出すと、彼へ必死に状況を伝えようとする。

 

 

 

 「お前が困惑するのもわかる、落ち着けメグミン! 俺はこの通り無事だ!」

 

 「いやなんの話だ……!?」

 

 「実は異世界転生?……ってやつでキヴォトスって場所で可愛い女の子たちとキャッキャウフフできて楽しかったが、別にお前たちのことを忘れたことはなかったぞ!? というか超寂しかった! マジで寂しかった!!」

 

 「なに言ってんだオマエッ!?」

 

 「───はぁ!? いま俺は滅多にぶちまけない心の内を曝け出したんだぞ!? 後輩なら傷心してる先輩を慰めるくらいしろや! そんな冷たい子に育てた覚えはないぞ!?」

 

 「急になんなんだ、てか育てられた覚えはねえ!!」

 

 「感動の再会だぞ! 慰めろって言ってんだろ!!」

 

 「アンタまじでなんなんだ!!?」

 

 「お前の先輩ですけどッ!?」

 

 

 

 圧倒的に会話が噛み合わない。

 いったいなぜなんだと、思わず凛太郎は頭を抱えて天を仰いでしまう。だがしかし、それは伏黒も同様であった。いきなり出てきたかと思えば、自分の先輩を自称する謎の男が目の前に現れたのだから。

 

 様子を伺うように互いに顔を見合わせる。

 その表情は理解できないモノを目の当たりにしたかのように『こいつなに言ってんだ』と言わんばかりにヘンテコな顔をしていた。

 

 

 

 「───はっ! まさかお前、俺がやられたショックで記憶が……!?」

 

 「自分の頭の心配をしろっ。いきなり出て来てなんなんだよっ……!」

 

 「じゃあ、あれか? 渋谷で夏油の偽物が出て来たから俺も偽物じゃないかと疑ってんな? それなら安心しろ俺はモノホンだ! なんならお前の()()も知ってるぞ!?」

 

 「は?……お、俺の秘密だと……!」

 

 「けどお前の秘密だけ暴露するのは可哀想だから、先に俺の秘密を教えてやろう………ちょっと恥ずかしい所にホクロがある」テレテレ

 

 「知るかッ!?」

 

 「んだとこのシスコン! じゃあテメェの秘密を遠慮なく暴露してやるぅ!」

 

 

 

 自分のとっておきの秘密を暴露したというのに馬鹿を見るような目で見てくる後輩の姿に納得がいかない。その場で地団駄でもするかのように激しく足元を踏みつける凛太郎。

 

 そっちがそのつもりなら、こっちだって遠慮はしない。

 

 凛太郎は目を光らせて歯を見せるように笑う。

 その表情はまるでこれからイタズラをする子供のように、そして影から暗躍でもするヴィランのような表情。そんな様子に、ペースを乱され続けている伏黒は固唾を飲むかのように冷や汗を流す。

 

 何かヤバい、彼の本能が警鐘を鳴らしている。

 今すぐ前の前の男の口を塞いで止めろと、全身の神経が反応している。

 

 凛太郎が息を吸う。

 

 

 

 「実はお前は、自分のお姉ちゃんの隣に立つ男が悠仁みたいなやつだといいなと密かに思って───」

 

 「───わかった! もういいから黙れッ!!」

 

 「お? なんだよ、恥ずかしがる事ないだろ」

 

 

 

 すぐさま男の口を塞いで黙らせる。

 

 

 

 「悠仁いい奴だもんな、見る目あるよお前。けどごめん! 俺は津美紀ちゃんやお前だけを応援することはできない! 何故なら悠仁に惚れてる小沢ちゃんや自分の気持ちに無自覚そうな野薔薇ちゃんも応援したいからな!」

 

 「なんでアイツらや津美紀のことまで……いやもういい、ちょっと静かにしててくれ……!」

 

 「?……大丈夫か、顔色悪いぞ」

 

 (誰のせいだと思ってんだ……!!)

 

 

 

 もうわけがわからない。

 隣でこちらを覗き込んでくる男の姿に苛立たしげに睨みつけるが本人はどこ吹く風だ。というか顔が近い、なんなんだその『俺はわかってるぞ』みたいな顔で頷く動作は。

 

 

 

 (くそッ、マジでなんなんだ……東堂(アレ)と同じにおいがする……そういうのに巻き込まれるのは虎杖だけで間に合ってるんだよ!)

 

 「あ、お前いま俺の事あのチョンマゲゴリラと一緒にしたろ。アレと一緒にされるのは流石に傷つくぞ」

 

 (なんでわかんだよッ!!)

 

 「当たり前だろ俺は先輩だぞ」

 

 

 

 先輩とはいったい(哲学)。

 このたった数分のやり取りだけでどっと疲れた。とてつもない精神力を消耗したと言ってもいい伏黒はため息を吐いて頭を抱える、というかここまでくたびれさせられるのは何かといい加減な五条に振り回された時以来かもしれない。

 

 視線を向ければ、そこには彼の視線に気がついた凛太郎が『イエーイ、ピースピース』と楽しそうにピースサインを送って来ている。

 

 その姿が最近封印されてしまった現代最強を彷彿とさせて頭が痛くなる。

 

 

 

 「───それで、いつまで遊んでるつもりなんだい君たち?」

 

 「ん? ああ、まだ居たのか……いま俺は久方ぶりに後輩と顔を合わせられて機嫌がいいんだ、尻尾巻いて逃げるなら見逃してやるよ三下。ほらほら、ありがとうございます、だろ?」

 

 「ッ……ガキが、あまり舐めた口を聞くんじゃないぞ」

 

 「というかなんだそのヒゲ面とファッション、オシャレ出来てると思ってんのか? 駅前のゴミ箱でも漁ってこいよ、絵面がお似合いだぜ?」

 

 

 

 やいのやいのと、いつまで自分たちを無視して遊んでいるつもりなのか。凛太郎と伏黒のやりとりを見ていたレジィが割って入るように声をかけるが、そんなレジィの存在に凛太郎はどうでもよさそうにシッシッと手を払っている。

 

 そんな彼の、人を小馬鹿にしたような態度がレジィの神経を逆撫でにする。貼り付けていたような薄ら笑いが消え、額に青筋を浮かび上がらせながら凛太郎を睨みつける。

 

 そんなレジィの姿に、凛太郎は中指を立てる。

 そして首を掻っ切るようなジェスチャーの後に親指を下に向けて相手を煽っていた。もはやチンピラパワー全開である。

 

 それがレジィの苛立ちを加速させる。

 

 

 

 「殺してやるよクソガキが!」

 

 「ハッ! 出来ないことを口にするよりも出来ることを頑張った方が身の為だぜおっさん……因みにメグミンや、この倒れている可愛い子ちゃんはいったい?」

 

 

 

 凛太郎が指先を向ける先。

 そこにはサソリの尻尾のような特徴的な髪型をした女性が伏黒の足元に倒れているのだ。

 

 なぜこんな男ばかりなむさ苦しい場所に女性が倒れているのか、凛太郎は女性の容態を確認すると顔にあざこそあるが彼女が気絶しているだけのようだった。

 

 その女性、麗美はこの東京コロニーに訪れたばかりの伏黒を騙して、ポイントを集めるレジィへの元へと伏黒はカモとして彼女に連れて来られた。

 

 凛太郎が黄櫨と戦闘してる最中、伏黒はレジィと針そして麗美を相手に3対1という状況でやり合っていたのだが明らかに戦闘経験のない麗美を先に気絶させたに至る。

 

 それを知らない凛太郎は、まさかここに住んでいた一般人? なんて思いながら伏黒に視線を向けて見れば、彼は数秒ほど思考を逡巡させた後にレジィに指先を向ける。

 

 

 

 「……アイツらがやった」メソラシ

 

 「───前言撤回だぶち殺してやる。女の子にまで手を上げるくらいに性根が腐ってやがったのかテメェらはッ! 舐めやがって、ふざけてんのはファッションセンスだけにしとけよクソ野郎が! 俺は女の子に手を上げるやつが大っ嫌いなんだよ!!」

 

 「……へ、いやそれはそっちが」

 

 「男なら言い訳すんな! それともテメェは恵が嘘ついてるって言いたいのか!? そんなことするわけないだろ俺の後輩がッ!……いや、め、恵ならワンチャンあるか?」

 

 「……俺ヲ信ジテクダサイ先輩」

 

 「───だよな後輩ッ!」

 

 

 

 この日少年は見知らぬ人間へと全力で嘘をついた。

 

 伏黒はもう色々とめんどくさくなってきた。

 これ以上凛太郎の相手をしていたら頭がおかしくなって来そうだったので、レジィたちに適当に自分の罪をなすりつけて置くことにした。

 

 頭を抱えて何度目かわからないため息を吐いている。

 

 

 

 「くそッ! とりあえず、味方ってことで信用していいんだよな!?」

 

 「?……あたり前田のクラッカーだろ。後輩を教え導き、守ってやるのが先輩の義務だって五条先生から教えられてるんでな」

 

 「……なら、できればでいい。アイツらを殺す前に()()()を奪ってほしい。その為にさっき虎杖が日車(ひぐる)寛見(ひろみ)のポイントを使って『死滅回游』に()()()()()()させた」

 

 「へー、悠仁が……ん? しめつかいゆう……とか()()()()とか()()()ってなんのことだ?」

 

 「さっきコガネがルール追加を知らせて……待て、()()()()()()()()? お前、泳者(プレイヤー)じゃないのか……!?」

 

 「知らん、なんだそりゃ。まぁいいや、殺さなきゃいいんだな?───なら広い場所でやろうか」

 

 

 

 伏黒が何を言ってるのか理解できなかったが、とりあえず殺さず無力化してほしいと後輩からお願いされたので半殺し程度で相手を再起不能させることにする。

 

 こんなマンションの渡り廊下のような狭い場所でちまちまやり合うのも面倒だ、なのでステージを変える。

 

 その為に凛太郎は目の前にいる男2人と、自身のそばにいた伏黒と麗美を“入れ替える”。凛太郎の“入れ替え”に即座に反応したレジィと針が2人がかりで挟み込むように攻撃を仕掛けてきた。

 

 相手を掴んで投げ飛ばすつもりだった凛太郎だが、“入れ替え”に反応して来た相手に予定を変更する。

 

 

 

 「はい残念無念、下で待っとけ」

 

 「くそッ、またかよ!」

 

 「チィ、おい! 俺に捕まれ!」

 

 

 

 だが問題はない。

 懐に忍ばせていた待機状態のアームギアを渡り廊下の外側へと放り投げる、そしてその両手2つ分のアームギアとレジィと針の2人を“入れ替えて飛ばす”。

 

 空中に投げ飛ばされたレジィだが針の体を掴むと、民族衣服のように身に纏っていた大量の紙切れを一枚引き千切り掲げる。それはこの状況を変える為の自身の切り札。

 

 自らの術式を発動させる為の触媒。

 

 

 

 「───『再契象(さいけっしょう)』!………!!??」

 

 

 

 ───()()

 レジィが術式を発動させる為に掲げた触媒が己の手から消えていることに気がついた。なぜ、という疑問が脳裏を過るがその原因はすぐに判明する事となった。

 

 落下していく自分の視線の先に、紙切れを片手に自分を見下ろす凛太郎の姿があった。

 

 ()()()()

 たったいま無機物との“入れ替え”を目の前で実践されたというのに、突然空中に投げ出された焦りかららしくもないミスを犯した。呪力の有無は関係なかったのかと。

 

 

 

 「こんの、ガキ───ッ!」

 

 「んだこりゃ……()()()()か? コンビニで傘買ったのかアイツ」

 

 

 

 相手の行動を警戒して術式を発動した凛太郎だったが、相手が取り出した物がただのレシートであったことに困惑する。

 

 この状況で何がしたかったんだ、『バカなのか?』なんてそんなことを考えながら2人仲良く地面まで落下していくレジィと針を見下ろす。

 

 とりあえず、レシートは“崩壊”の炎によって一瞬で塵にしておく。

 

 

 

 「アイツの術式だ……たぶんレシートの内容の具現化、厳密には違うんだろうが」

 

 「へー、結構便利そうだなそれ……まあいいや、んじゃ俺たちも下に行くか〜」

 

 「───……はぁ〜、アンタには後で色々と聞かせてもらうからな」

 

 「?……おう。後輩とのお喋りなら大歓迎だぞ。さっさと終わらせて()()()()といこうや、遅れんなよ恵」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








 〜エレベーター内〜

 津上 凛太郎
「見て見て、この子可愛いでしょ俺のマイシスター」スマホチラリ

 伏黒 恵
「……アンタ、妹がいるのか」

 津上 凛太郎
「いや、俺一人っ子だけど……知ってるだろそれくらい」

 伏黒 恵
「!?………?……そうか」

 津上 凛太郎
「んで、こっちがシロコちゃん。可愛いっしょ、俺の……クラスメイト?」

 伏黒 恵
「……なら高専関係者の人間なのか?」

 津上 凛太郎
「いや違うけど」

 伏黒 恵
「?………?……そうか」




ぶっちゃけどの時間帯に更新されると読みやすい?

  • 07:00くらい
  • 19:00くらいやな
  • 21:00くらいやでー!!
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