猪狩守に憧れた男がライジングキャノン習得を目指すダイヤのA 作:ブラックマッハ
「絶対三振とってやる。行くぞ俺の魂をぶつけたボールを」
最高にカッコイイタイミングで左投げの俺にピッチャーのバトンが渡った。あ勿論、両利きだから野手では右手で、投げられる。
最終回9回裏8対5で満塁からのスタート。相手は、右利きのピッチャー。
まず初球俺が投げるのはカーブ。
ストライクゾーンギリギリに投げる外角右上だ。
俺が目指した(猪狩守)理想的なフォームで投げるからとてもいい気分だ。
投げたカーブはバッター棒立ちで何も出来ずストライクを取った。
まぁ栄純と似た顔だったらストレートしか投げないと思うから驚くだろう。
次はチェンジアップ、110キロあたり前半の球なんだが当たらないぜ。
何故ならチェンジアップは俺にとって一番ムカつく球種だ。だがこの球種は、仲間との思いを込めた物でもある。
俺のストレートは、速くて投げれない。なら遅くしてしまえばイイんだ。
仲間の為なら猪狩守ブランド(猪狩守が習得していない球種)を捨て投げられるかと考えた。考えた結果捨てた。
何故なら猪狩守なら仲間に厳しくして、自分にも厳しくしてチェンジアップなんて必要なくしてストレートですむんだろうな。
でも俺は仲間に厳しく出来なかった。仲間には楽しむだけで良かったんだ。
だから俺は打たせない。ムカつくし仲間の思いを一番込めた一球なんだ。
「ふぅ」
と深呼吸してチェンジアップを投げる。それがとてもムカつかなかった。とても嬉しくて楽しすぎるんだけどどうしても笑ってしまう。
目を開けるとバットが振っていた。
「バットに当たったのか?」
そう呟くと
「当たっていない」
と若菜の声が聞こえてきた。おれは、安心してキャッチャーを見た。
そしてボールは、しっかりキャッチャーの手に合った。そして返球されて俺はしっかりボールをもらった。
最後くらいストレートを投げたい。俺は、キャッチャーの指示には、従わなかった。首を何度も横に振った。
そして最後にストレートの合図が来た。それも、ど真ん中のど真ん中
俺は思いっきり投げた。勿論ライジングキャノンをイメージしながらそうしたら期待に応えて、出てきたんだよ。
そうライジングキャノンが、ボールが赤くなり独特の擬音が聞こえる。その球を全力で投げた。
その瞬間とても気持ちが良かった。良すぎて涙が出てしまった。だがコツを掴めなかった。
あれは、奇跡でもう二度起きるか分からないのだ。やっぱりライジングキャノンは奇跡の球なんだ。
「空振り三振、バッターアウト!! ゲームセット!! 整列」
俺は動けなかった。投げた指を見て動けなかった。指を見るのに満足してようやく動けた。
俺は、走ったが涙が止まらない。勝った喜びと、目指していた球をようやく投げれたんだ。
「俺らが勝ったんだ。全国に行けるかもしれないぞ。俺と守」
「違うぞ皆んなのおかげでここまでこれたんだ」
栄純が整列せずにど真ん中で涙を流しながら言ったのを予想して俺も言った。
「そうだよな、俺も嬉しすぎて涙が止まらないよ」
「栄純、守」
と若菜が言った。
「俺らアカギ中の魂はまだ終わっていない。目指せ全国優勝」
「全国優勝、ワハハ、フライもとれないそんなチームが全て、2人に負けたんだ。全国で勝てるはずがないだろう」
「女がいるチームが勝てないだろう」
俺は正々堂々と言ってやった。
「やってやるよ。そこまで言うなら絶対全国優勝だ。俺らは強い。プレイで見せてやろうぜ栄純」
「そうだな見て驚け、ギャハハ」
ふぅとため息もつきたくなる。あと少しで栄純は、ビンタをしていただろう止めれて良かった。