猪狩守に憧れた男がライジングキャノン習得を目指すダイヤのA   作:ブラックマッハ

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全国に向けての最後の壁

 5回の表待っていた4番バッターが現れた。前より遥かにオーラを感じさせる貫禄を持っていたが俺は更に上回るオーラを放っているはずだ。

 

 4番バッターが打席に入った。

 

 まず初球は、全力のストレートでど真ん中を狙う。

 

 投げた球は見事タイミングよく当たるが、後ろに行き、ファールだった。

 

 キャッチャーから返球されて2球目はスライダーの外角低めの左下に投げた。

 

 これは、始めての事だから当たらない。

 

「こんなにキレのいいスライダーを残しているなんて打てねぇよ」

 

 と言った途端4番のバッターから貫禄が消えた瞬間だった。そして最後にど真ん中のストレートを決めて、空振り三振を決めた。

 

 ふぅ勝負の分かれ目がやっと終わった所か怖かったな。その後も三者連続空振り三振(俺はフォアボールで3塁までしかいけなかった)をお互い繰り返した。その結果2対0の9回表ノーアウトで4番バッターの打席に回って来た。

 

「今度は全力で打ってやるから本気で来い」

 

 全国に駆ける思いが伝わるが俺だって練習して来たんだ。何度もこのフォームじゃないと思い修正して、やっと一人前の猪狩守のフォームに出来たんだ。

 

 だから俺は負けられないんだよ。1人の猪狩守に憧れた野球選手としてな。そして忘れてはいけないアカギ中の魂を全国に見せるためにも負けられないんだよな!!

 

 だから申し訳ないが、俺に負けてもらうぞ。

 

 俺の全力を込めたストレートをぶつける。このフォームこの角度、そしてこのボールから湧き出るオーラ間違いないライジングキャノンだ。

 

 そして勿体ないが躊躇なく投げる。その球は見事ストライクだった。

 

「なんだ今の一球は、ただのストレートじゃない。なんだあのオーラは」

 

 その後声に出して笑った。

 

「面白い、このピッチャー、どこまでも俺の上をいく」

 

「そんなに褒められてもボール打たせないぞ」

 

 そして再び静かになり第二球目はフォーク、俺のメインはストレートだがそれだけじゃない。変化球もしっかり投げられるピッチャーなんだよ。

 

 一つ、一つ大事にして来た武器を手に入れたんだから負けられない。

 

 俺が投げたストライクゾーンギリギリの真ん中低めのフォークは、見事当てたが飛距離も出ずにファールだった。

 

「っく、これでもダメか?自信あったのに、当たっても重くて、打てねぇ」

 

 俺の球ってやっぱり重いんだな。だがまだ終わっていないぞ。油断するな。俺も球はミート出来る力があるんだ。

 

 それにしても4番よく独り言が大きいしよく言うよな。

 

 4番との最後の打席は、ライジングキャノンで終わらせたい。

 

 俺は何度も首を振り最後にストレートの指示が来て頷いた。

 

 そして最後のストレートに全ての魂を込めた。残念ながらライジングキャノンは出なかったが、今までで一番速い球だった。

 

 だがそれを打たれてしまった。綺麗なフォームで。だがこのフライはライトにいる若菜なら取れるそう思ったが、初めて勘が外れてしまった。その球はなんとホームランだった。

 

 俺は夢を見た。こんな四番見たいなバッターがゴロゴロ全国にはいるんだなと分かり気合を入れて投げた。

 

 三者連続空振り三振を取って試合は2体1で俺らの勝ちだった。

 

「栄純行くぞ。整列だ。全国が俺らを待っているぞ」

 

「本当に全国に行けるんだな」

 

「ああ、これもお前のピッチングのお陰だ」

 

「全国待っていろ。俺らアカギ中がやってくるからな」

 

 俺らはそう言ってやっと笑い合えた。相手の四番バッターが話しかけて来た。

 

「俺との勝負、あれは最高に楽しかった。又やろうぜ。高校野球で待っている」

 

「ああやろう。俺が待つ立場だろう」

 

「整列」

 

 審判の言葉で思い出して整列し終えた。

 

 俺と四番バッターの戦いは、始まったばかりなのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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