梅と桜で百合を見る   作:Tkmraeua2341

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おそらく続かないし、続いても3話くらい。


きっかけ

 

私、緑川 梅は転生者だ。

生前はただの作業員、田舎にある工場で働かさせてもらっていた。

高校卒業して、面接で入社出来た会社を3ヶ月でやめて田舎に帰った時に紹介してもらったとこだ。

前の職場より楽ではあったが、辛いことも少しは経験した。

そこで頑張って働き続けて22歳になった時、何故か死んでいた。

いや、自分でも謎なんだ、どうやって死んだ?

あまりにもショックすぎて思い出せないとか?

まぁ、しょうがない。

今考えてもどうにもならないし、わかってパニックにでもなれば辛いのは自分だ。

 

まぁ、それで死んだ後…神様に会った。

 

もうこの場面で自分が死んだこともこれからどうなるかも察しが付いたわ。

予想通り自分が死んだこと、これから転生させること、特典を貰えることを教えられた。

転生先はランダム、特典の内容もランダムらしい。

だがランクというか、強さを弱めることで狙った内容を叶えられたりするとかなんとか。

正直よく分からん。

 

それから神様に幸運を祈られて光に包まれたあと6歳の女の子になってた。

 

神様…性別が逆だと心の中でしみじみと呟いた。

なんなら今日は初めての小学校だったらしい。

それからは…うん、疲れた。

まず自分が転生した世界は現実にとてもよく似ている。

違う点といえば容姿がよく整った人ばかりだとか、犯罪率が一部を除いて極端に低いだとか。

結構当たりといえる部類の世界だった。

これでも20年以上はこういう現実で生きてきたのだ、いきなりファンタジーな世界に行っても発狂するだけだっただろうし。

何よりゲームがある、これで辛いことがあっても頑張れる。

そして特典だが、2つもらったようだ。

1つは【身体強化】、その名の通りだな。

もう1つは【野生の勘】、あそこに何かあるかも、探し物はそっちにありそう、というくらいの代物だが【身体強化】よりも嬉しい。

書類や判子探しに時間を取られなくなりそうだからだ。

何よりテレビのリモコンがすぐ見つかる、最高じゃないか。

 

……さて、自分語りはもう終わろう。

現在、自分は女子高生となり2回目の初夏を迎えていた。

放課後でついうたた寝をしていた自分は時計を見てもう帰らねばと思った。

しかしその時、勘が疼いた。

勘に従い図書室に向かった。

そこで目にしたのは…

 

「さぁ山本さん、どうするべきか分かるよねぇ?」

「ぅ…ぅ…」

 

クラスメイトの尻を撫で回しながらスマホで画像を見せている担任と、

真っ青になりながら怯えた表情を隠せずに震えているクラスメイトだった。

 

…そういえばさっきの自分語りで犯罪率が一部を除いて低いと言ったな。

とある犯罪だけ前世よりも多く、酷くなっている。

 

性犯罪だ。

 

そして、目の前で起きている事件の被害者と加害者を簡単に表現しよう。

 

被害者…山本 桜。容姿端麗で文武両道、クラスでは高嶺の花のような存在だが彼氏もいる。それもイケメン。

 

加害者…岡田先生。仕事はそんな出来ず人任せが多い私怨を持ちやすいバーコードハゲのデブったおっさん。

 

……やっぱりというかなんというか、自分、NTR系の世界に転生したっぽい。

 

 

 

さて、現状を把握したのに1秒、スマホカメラをセットしたのに5秒使った。

現場の方ではクラスメイトがもう泣き出してしまった。

それでも担任の手は止まらず、なんならスマホをポケットに入れて空いた手で胸を触り始めた。

スマホを向けているのを気付かせないよう胸ポケットにはみ出すように入れる。

ちょうどカメラレンズが出るように。

そしてわざと足音が聞こえるように歩み寄った。

最初に気付いたのは担任だった。

こっちを見て驚いたようだが、何故か笑いながら話しかけてきた。

そして聞かされた内容は、よくある仕事の愚痴だった。

仕事が上手くいかない、分かる、自分もそうだった。

容姿を笑われる、それも分かる、前世の自分も優れた容姿はしていなかった。

だから見返したい、それもよく分かる、それで頑張って上司によくやったと褒められたいよな、決してそんなことは起きないのだが。

見返すためにこの女とお前も俺の物にする、うんそこからよく分かんない。

なんでも担任が言うに、自分とそこのクラスメイトはクラスどころか学校規模でも良い容姿に能力をもっているんだとか。

そしてその女共を俺の物にすることで自分自身が凄い奴であることを証明するらしい。

 

うーん…そこの彼女なら何となく分かるのだが、自分はそんなに優良物件ではなかったはずだ。

だって自分には勉強は将来必要になることを身に染みて実感し、太りたくないから運動を全力でする程度のよく居る女子高生だ。

容姿だってこの学校に通っている女子とあまり変わらないというか、みんなレベル高いからそんなにこだわってない。

何より自分はボッチで勉強をする陰キャなのだ、そこの友達いっぱいな陽キャと似ても似つかん。

そんなことを思っていると担任がこちらにスマホを見せてきた。

そこに映っていたのは、着替え中の私だった。

学校中にばらまかれたくなければ俺の言うことを聞くんだな、と担任は笑いながら手を伸ばしてきた。

 

……あぁ、自分だって数年は社会人だったのだ。

この世の理不尽を少しは理解出来ていると思う。

担任がこんなことをしでかしたのも、極論と偏見と擁護を混ぜれば世間が悪いと言えるだろう。

 

だがしかし、それでこんな可愛い子に酷いことをするのは、やはり違う。

 

狙うは担任が自分の体に触れてきた時、自分の正当性のために気持ちは悪いが触れられなければいけない。

ふと担任の後ろを見れば被害者であるクラスメイト、山本と目があった。

今も泣いている、勘で自分のためにも泣いてくれているのが分かり暖かい気持ちが溢れた。

同時にこんないい子を泣かせた担任に対して容赦はなくなった。

 

あぁ、胸を触られた。

 

それを認識すると同時に私はあるものを蹴り上げた。

自分のつま先の感覚から的確に2つとも捉えたことがわかった。

なんてことはない、男の急所、むき出しに近い内蔵、ゴールデンなボールを蹴り上げたのだ。

 

その後を簡単に言えば、担任は消えた。

事件のあった日に自分は山本と一緒に近くの警察に駆け込んだ。

恐怖やら不快感やらでフラフラな山本を連れていくのは心配だったが、誰かと一緒の方が安心すると言われたので連れていくことにしたのだ。

そして警察署にて訳を話し自分のスマホを見せて担任がしでかしたことを説明する。

そして署で何時間か待たされてると解放された。

なんでも担任が結構問題を起こしていたらしく、やっと逮捕できると青筋を浮かばせながら婦警さんは笑っていた。

それまでの間、山本が不安そうだったので抱きしめていた。

今時の女子だってこれくらいのボディタッチはするだろう、中身が自分なせいで怖くなるが。

 

そして学校に行くまでに山本が通えるまで家に上がり込んでお世話した。

驚いたのは山本が一人暮らしだったことだ。

未だに実家暮らしの自分より大人に感じるのは、少し悔しい。

しかし今は人肌が恋しくなっている気がしたので上がり込ませてもらった。

それから3日程で山本は回復した。

タフだなーと感心するも、心配なので手を繋いで登校した。

ただ、妙に機嫌が良くなった気がするのだが…気のせいか?

 

学校側には何日か休むことを説明していたので先生方には特に怒られることはなかった。

むしろ腫れ物を触れるような、気遣い過ぎているような印象を受けた。

問題は生徒の方で、こちらを見てはコソコソと話す者ばかりだった。

教室に入れば山本の友達だろう人達にバリケードになってもらいながら事情を少しぼかしつつギリ廊下にも聞こえるように話した。

自分は悪目立ちしてしまうだろうが、まあいいだろう。

バリケード組はこちらを睨んだが山本が庇ってくれた。

だがその過程で自分が胸を触られたことが伝わってしまい空気が凍った。

自分は気にしていないことも伝えたのだが、余計に心配されてしまった。

 

そんなことが起きて担任が代わり、夏休み前になって山本に呼び出された。

それまでの間、自分は山本に近づかないようにしていた。

自分をきっかけにあの嫌な事件を思い出させるのは酷だと思ったし、山本本人やその友人たちにも説明した。

それから何やら話し合っている所を何度か見たが、説明したその日から接触はそんなになかった。

それが急に呼び出しとは、何が何だか分からないが……一応スマホのカメラを起動させてから場所に向かう。

指定された場所は校庭の端にあるでっかい木の下だった。

向かえばもうすでに山本がいた。

近づけば山本は笑顔で手招きをした。

久しぶりに話すのだが、結構スラスラと会話が出来た。

最近のことや好物のこと、自分の家で飼ってる猫の事など。

10分程雑談した後、山本が真剣な声で自分を呼んだ。

 

「緑川さん、私と付き合ってください」

 

……はい?




もし次回があるのなら今度は桜視点でやってみるのだ。
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