梅と桜で百合を見る   作:Tkmraeua2341

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まさかこんなすぐに書けるとは思ってなかった。


桜の思い

 

私、山本 桜にとって彼女は特別ではなかった。

彼女……緑川 梅さんはとても寡黙で、人付き合いがそんなに上手くいっていない印象がある。

でも1年も同じクラスにいれば自ずと彼女の良い面が見えてくる。

緑川さんは勉強をいつもしていて、でも体育とかも一生懸命で、笑うことは少ないけどちょっとしたことを手伝ったり助けてくれたりする。

 

でも、それだけ。

間が悪いわけでもないのに友達にはならなかった。

お互いにクラスメイトととしか認識していないからかもしれない。

なんと言えばいいんだろうか、悪く言うつもりは無いんだけど……緑川さんは何故か友達が出来ないように振舞っているみたいだった。

もちろん私の勘違いだろうし、緑川さんも自覚はなかったと思う。

それと不思議なことに、彼女はどこか男性っぽく見える時があるのだ。

ボーイッシュとか、男勝りだとかじゃないけれど、ふとした瞬間に胸元を見て女子であることを再確認することがある。

彼女はそういう、不思議な所と優しい所が混ざった個性的なクラスメイトだ。

 

そんな、良くも悪くもないクラスメイトとしての関係が変わったのは、あの日。

名前すら言いたくないあのクソ担任、いやクソ元担任に放課後に呼び出された日だ。

あのクズ元担任、女子更衣室に隠しカメラを仕掛けていたらしく私の着替え中の写真を見せてきた。

他にも私の友達や緑川さんの写真まで。

そしてそれを見せながらこう言った。

 

これら全てを君の行動次第で学校中にばら撒く、と。

 

そう言いながら奴は手を伸ばしてきた。

つい叩き落としたが、写真を目の前に出され動けなくなった。

絶望した。

奴の手が私の腰を撫で回すのが分かる。

機嫌よく笑う奴はとても気持ち悪かった。

何となく、初めてをこのクソ野郎に捧げなくてはならないのだと理解した瞬間、涙が溢れた。

 

その後も奴はまだ何か言っているようだが、私の脳はもう理解することすら放棄したようでもう何も分からなかった。

そんな時、図書室の扉の方から足音が聞こえた。

私にとってそれは正しく天からの救いだった。

誰か、誰でもいいこの悪夢を止めてくれ。

そう願いながら目線を向けて、落胆と絶望が私の心に溢れた。

 

入ってきたのは、緑川さんだったのだ。

これでは私の二の舞になると私の良心が叫んだ。

良かったな、これでひとりじゃないと暗い考えも出てきた。

早速奴も緑川さんにあの写真を見せていた。

そして私に言ったようなことを喋り始めたが、それを無視するように彼女は奴に近づいて行った。

それからはもう一瞬の出来事だった。

 

彼女の右脚がいつの間にか奴の股間を蹴り抜いていたのだ。

奴は白目を剥き、泡を吹いて倒れた。

それから彼女は奴のスマホと私を連れて学校を出た。

警察署に着くまでずっと私に励ましの言葉を言いながら抱きしめたり頭を撫でたりしながら。

 

この時、私は理解した。

 

彼女が、緑川 梅こそが私の運命の相手だと。

 

それから緑川さん……梅ちゃんにわがままを言って3日程一緒に居てもらった。

一人暮らしを始めて1番輝いた時期だったと思う。

梅ちゃんは自分も怖かっただろうに私の心配ばかりして、でもそれが嬉しくて甘えてしまう。

その過程でわかったことがある。

梅ちゃんは家事が少し苦手みたい。

食事は簡単に大雑把にできるものばかりだったし、掃除も見逃す所があったりした。

梅ちゃん苦手なことあるんだって聞いたら笑いながら言われた。

 

「出来ないことばっかだ」

 

多分彼女は私以上に広い視野で物事を見てるんだなって思った。

学生の私にとっては勉強と運動が出来るならなんでも出来るって感じの認識だった。

でも梅ちゃんはもっと出来る出来ないの基準範囲が広いんだ。

なんだか大人と話してるみたい。

 

私が回復(満足)したので学校に行くことにした。

梅ちゃんは私の隣でずっと手を繋いでくれている。

やっぱり嬉しいな、て思ってたら梅ちゃんが急に、

 

「山本と山本の友人に話がある」

 

と切り出してきた。

内容はみんな揃ってからだそうでちょっと気になるが、梅ちゃんのことだし大丈夫だよ、きっと。

 

ちなみに梅ちゃんとは実際に呼んでなくて実際は緑川さんで通してきた。

もっと仲良くなれた時に心の中だけじゃなく、外でも呼べたらなって。

もう呼んじゃってもいいんじゃないかなって思ったりするけど、やっぱりだめ。

こういうのはしっかり私を意識してくれた時にでも呼んじゃおう。

 

学校に着いてからは最悪だった。

不躾な目線や陰口ばかり、正直もう帰りたい。

そう嘆いてたら梅ちゃんが私の手をもっと強く握ってきた。

目線を合わせたら大丈夫、と言われた気がした。

 

ああ…私って思ったより単純だったみたい。

 

これだけで勇気が溢れてくる。

どうでもいい人達のことはすぐに忘れてしまった。

梅ちゃんと一緒なら私は無敵だ!

 

教室に入るとすぐに友達が駆け寄って来てくれた。

でも8人は来すぎだと思う。

人徳だと喜べばいいのかな、そう思いながら他のクラスメイト達を見渡す。

殆どの人が私達を心配そうに見ているが、2〜3人程こっちを見て嗤っていた。

あの人達は要注意だな、ついでに心配そうな振りして少しでも情報を拾おうとする学級新聞部員の浜田さん、あなた適正ありすぎでしょ。

 

そうこうしているうちに梅ちゃんが友達に今回のことを話せる範囲で話していた。

思い出すだけで怒りが溢れてきて私じゃ話にならなかっただろう。

実際今もぷるぷると肩を震わせて俯いている、俯かないと女子がしちゃいけない顔が見られそうだったからだ。

それを周りはいいように解釈しているようで、友達から心配の声も聞こえてきた。

大丈夫、大丈夫。

私は可愛い山本 桜、般若の桜にはなりませぬ。

 

始業のベルがなったので一旦お開きにになった。

梅ちゃんが周りに聞こえるように説明したおかげか昼休み頃には朝の騒動も目に見えて減った。

だが舐めてはいけない。

女子は気に食わない相手にとことん攻撃的だ。

いずれ私や梅ちゃんをビッチとか雌豚なんて言うくらいはする人が出てくる。

そのための友達なのだが、梅ちゃんにはそういう存在が居ない。

そこで、梅ちゃんを昼休みに誘ったのだ。

一緒にご飯食べよーって。

許可を貰えたので早速移動。

ひとまずは弁当組の友達3人と一緒に食べる場所を探す。

できるだけ人目に着いても話が聞かれないような場所……ああ校庭のベンチがある。

この大人数で端のベンチを2ヶ所占領すれば目立つだろう。

そこで梅ちゃんを私の友達にする、言い換えるなら梅ちゃんを私のグループに組み入れる、かな。

それを梅ちゃん以外の3人に周知させておく。

私の友達的には梅ちゃんは大賛成みたいだ、なんでも女子人気が高いとか。

分かるわぁ……としみじみ頷いてしまった。

 

さぁ、梅ちゃんを囲い込む準備をしましょう。




なんかグタグタと続けちゃいそうだからここで区切りますた、まる

この後はもはや気分なので続かない可能性大だな、うん。
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