いやね?2.3年前の投稿作品に夢中になってた訳じゃないですよ?
あ、コレ更新してたんだ〜とか感動してた訳じゃないですよ?ホントよ?
ある日の休日、自分は1人で散歩をしていた。
その日は満月で、いつもより明るい夜に少し冒険心がくすぐられ、お茶を買うついでに夜の散歩へと駆り出したのだ。
満月か……満月と言えば、よく妖怪や化け物と関連する話が多い。
例えば狼男、吸血鬼、日本の妖怪も満月により更に凶暴化するとか何とか。
あんなに美しいのに、いや美しいからこそ、どこか面妖な感覚を覚えるのかも知れない。
そして、満月はどうやら人も狂わせる存在であるようだ。
「……ふふ」
前から歩いてくる男、そいつはこんな夏の夜に帽子とロングコートを身にまとい自分に笑いかけてきた。
あぁ、【野生の勘】が反応した。
瞬間、男はコートを開きながら自分にピンク色に発光するペンライトを向けてきた。
そして案の定、男はコートの下に何も身につけておらず、自分は何か催眠を受けた……ことを肌で感じ気合いで跳ね除けた。
自分の転生特典、【身体強化】の応用だ。
自分はこの【身体強化】についてふと思ったことがある。
身体ってことは、内蔵とかも強化できるんじゃないか?
脳とかもなんか強化できるんじゃないか?
その考えは当たっていたようで、中学生の時に家族で生牡蠣を食べた際、自分だけ無事で他の家族が病院やトイレの住人となっり、自分が喧嘩に巻き込まれた際には、脳震盪を起こすような攻撃にも難なく耐えて見せた。
そこから自分は、【野生の勘】からこの【身体強化】の防御がどれくらいか探った。
何を防げるか、何はダメなのか。
そうして調べ上げた結果、ある攻撃にも有効であると発見した。
「……ふ、えらい別嬪さんだな。さあ、俺のをしゃぶへ!!」
催眠攻撃だ。
自分はまずそういった攻撃方法があることに絶望した。
確かに定番だ、あの訳分からんご都合道具であらゆる属性の美女達を好きにする、この(成人向け作品)世界にあってもおかしくは無いだろうが、いつ自分の家族がその餌食になるかと震えたものだ。
だが、この世界の住人もたくましいようで……
「警察だ!!先程ここから不登録の催眠電波を感知した!大人しくし……うわぁ」
この通り、なんかそういうのを探知する機械が出来上がっている。
だがお巡りさん、いくらほぼ全裸の男が仰向けに倒れてたからってそんな引かなくてもいいんじゃないか?
「あー君、ひとまず一緒に署まで行こう、この変質者は他の人に任せるから」
あ、はい。
……その後、状況的に自分があの露出魔に催眠をし悪事を働かせていた、なんていう誤解も受けることなく解放された。
あと催眠については自分はそういったものが生まれつき効かない体質のようだと説明した。
証拠にその署に置いてある自白させるための催眠装置を使ってもらい、自分が正気のままであると証明した。
結構時間を使ってしまったがまだ夜の9時にもなっていない、さっさとお茶買って帰ろう。
そんなことがあって2週間程たち、自分達は文化祭にむけて準備を始めた。
ちなみに松田は始業式から2週間くらいは暗い雰囲気を纏っていたが、今では隣の席の男子と話し合うほどに回復していた。
まあ、準備と言ってもまだなにも出来ていないのだが。
と言っても文化祭は11月4日、今日が10月6日なのでまだ遅くは……あるのか?
別に今まで遊んでいた訳では無いのだが、こうして2日も話し合いに使ってしまったのは不味い状態だろう。
今日こそは決めなければいけないのだ、が。
「メイド喫茶以外認めない!!」
「執事も含めないならやらない!!」
「なんで執事にこだわる!!メイドだけでいいじゃないか!!」
「私たち女子だけにホール任せるとか最低よ!!」
「だからって野郎が居たってむさいだけだろ!!」
「そんなのただあんたらが楽したいだけじゃない!!」
……ご覧の通り、一部の男女がヒートアップしているのだ。
最初はまだ良かった。
初日は何をするかで話し合いに1日分使ってしまった。
次の日はひとまず喫茶店形式での出し物に決まったのでお茶やお菓子なんかのメニューを決めていった。
その流れで厨房班は割とあっさり決まったのだが、問題はホール班でのことだ。
1人の男子が、女子はメイド服で接客して欲しいと言った。
それに対し1人の女子が、じゃあ男子は執事服ねと言った。
そこから何故か泥沼化した。
いつしか話し合いは言い合いになってしまった。
人数も売り言葉に買い言葉で増えていき3対3で教卓の前で対立している。
それを眺めながら(メイド、執事)服の当てや食材、茶葉や食器に関して相談している自分達。
まあこうやってぶつかり合うのも青春だと思うが、流石に時間も押している。
なのでここらで説得しよう。
ちょっといいか。
「なん……緑川さん?!」
「ちょ、緑川、今取り込み中!!」
自分の意見を言いに来た。
「なんだよ、緑川も執事服着れって言うのか?」
いや、自分はメイド服だけでもいいと思っている。
「「え?!」」
私、山本 桜は混乱している。
私の大好きで大事な梅ちゃんが揉め事があるところに行くのは分かる。
梅ちゃんはよく余計なお世話をしてしまうと愚痴っていたけれど、そのおかげで私はこうして生きていけてる。
梅ちゃんのおかげで幸せになった子だっている。
でもさ梅ちゃん、いくら争いを収めるためでも……
「自分はメイド服だけでもいいと思っている。そして男子にも働いて貰う」
「な、なに言ってるんだ、緑川さん……」
「この争いの焦点はメイド服だけかそうじゃないかではなく、ホール班に女子だけが担当することへの不満だと自分は考える」
「そうよ!厨房班にも女子が半分以上入ってるのにこれじゃ不平等じゃない!!」
「だがこのクラスの男女比率は大体6:4、女子の方が多い」
「じゃ、じゃあ厨房班を全員男子にすりゃいいんじゃね?それで釣り合い取れるだろ!」
「厨房班のほぼ全員が料理サークル員、変更すべきではない」
「じゃあどうすんだよ!!」
「男子もメイドにする」
「「「「……は?」」」」
「執事服がそんなに嫌なら、メイド服で働け」
「「はぁぁああ??!!」」
……確かにそういうことをするのも文化祭くらいよね、うん、分かる。
分かる、けど……梅ちゃん、そういうこと言うタイプだったっけ?
私にとって梅ちゃんはヒーローで、可愛くて優しくてかっこよくて結婚したい人No.1な人なんだけど、こんな相手のことを無視して推し進めるような性格じゃなかったはず。
何か考えでもあるのかな……
「ここにいる全員が結局働くことになる、それなら行動は早い方がいい。それに男子にも需要がある」
「全く無いだろ!!女装した男なんてどこに需要あんだよ!!」
「自分に」
「「「「お前かいっ!!」」」」
……梅ちゃんって、こんな子だったっけ?
コレ前半いらねんじゃね……?
あと終盤何をしたかったんだろ俺……。