やめろ!(アニメ的に)そんなことしちゃいけない! 作:儚無吹雪
今回はデュエルパートです、文章にすると長いので前後編に分けることになりました。
さて決闘が始まったが、どうやら先攻は遊矢くんのようだ。
「俺はスケール1の《星読みの魔術師》とスケール8《時読みの魔術師》でペンデュラムスケールをセッティング!」
開幕からか・・・、ピン刺しのカードを当たり前のように初手に2枚引き込むとは流石の運命力だ。
「これで、レベル2から7のモンスターが同時に召喚可能! 揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け光のアーク! ペンデュラム召喚! 来い!《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!」
「出たぁ!ペンデュラム召喚!」
「こんなに早く出すなんて!」
「痺れるゥ~♡」
なるほど、とりあえず
この世界でのアクションデュエルの場合、定石の一つとしてアクションカードの取得をサポートするモンスターを出すと言うものがある。アクションカードを取りに行くための機動力、相手のアクションカード取得の妨害、それにより普通のスタンダードデュエルと違って、アクションデュエルにおいてはモンスターのステータスや効果だけではなく移動の際の性能や相手のアクションカードの取得を妨害する力も評価に入る。
「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」
相手の動きは、とりあえず足を確保して伏せ1枚だけか・・・
「それでは私のターン、ドローします」
手札は・・・とりあえず壺使うか
「メインフェイズに入り手札から魔法カード《強欲で謙虚な壺》を発動、このターンの特殊召喚を放棄する代わりにデッキの上から3枚見てその内の1枚《ふわんだりぃず×いぐるん》を手札に加えます」
「特殊召喚を放棄・・・?」
「儀式も融合もシンクロもエクシーズもしないなんて・・・」
「LDSらしくないカードだなぁ・・・」
うちの生徒から困惑の声が上がる、確かに特殊召喚が多いデッキだと見ないカードだが、このデッキの場合最強クラスの手札補充カードになる大切な安定剤だ。
「私はフィールド魔法《ふわんだりぃずと謎の地図》を発動します」
「アクションデュエルでフィールド魔法だって!?」
「「「えええええ!?」」」
ただフィールド魔法を発動しただけ、しかしアクションデュエルにおいて普通はしないであろう禁じ手のカードを発動する。なぜ禁じ手なのかと言うと・・・
「確かアクションデュエルでもフィールド魔法は発動できるけど、発動したプレイヤーはアクションカードを使えない、そういうルールだったはずだわ!」
「ということは・・・アクションデュエルなのにアクション魔法を使わないってこと!?」
どうしてこんなことになっているかというと、アクションデュエルのルールがあくまでフィールド魔法依存という点にある。アクションフィールドは全て共通効果で以下の効果を持っている。
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、アクションカードを使用できる。アクションカードは1枚しか手札に加える事ができない。
つまるところアクションフィールドがないと、アクションカードを拾えず発動もできなくなってしまう。なのでフィールド魔法は使わずにデッキを組むのがアクションデュエルにおけるデッキ構築のセオリーなのだが・・・
「アクションデュエルなのにアクション魔法を使わないなんて・・・どういうつもりなんだ!」
「このデッキはフィールド魔法が強いからアクションカード別にいらないなぁと、あと動かなくていいから楽」
「そんな理由で・・・」
エンタメデュエルの開祖の息子でもある遊矢くんとしては、自分のプレイングが信じられないようだ。
「続けます《ふわんだりぃずと謎の地図》の効果発動、手札の《ふわんだりぃず×いぐるん》を見せることで、見せたモンスターと異なるカード《ふわんだりぃず×ろびーな》をデッキから除外し見せたモンスターを召喚します」
「さっきのカードで特殊召喚できないんじゃ・・・」
「いえ召喚扱いなので問題ないです、召喚された《いぐるん》の効果を発動し、さらに除外されてる《ろびーな》の効果を発動、除外されてる《ろびーな》を手札に加え《いぐるん》の効果でデッキからレベル7以上の鳥獣族モンスター《ふわんだりぃず×えんぺん》を手札に加え、その後鳥獣族モンスター《ろびーな》を1体召喚します」
無効効果はないか、伏せカードは妨害系じゃないのかな?
「さらに召喚された《ろびーな》の効果デッキからレベル4以下の鳥獣族モンスター1体を手札に加えその後、鳥獣族モンスター1体を召喚できる、《烈風の結界像》を手札に加え・・・」
せっかくの人目が沢山ある決闘だし適当に考えた召喚口上でも言っときますか
「2体のモンスターをリリースしてアドバンス召喚、渡り鳥達の旅路の終着点、最短距離でショートカット!現れろ」
《ふわんだりぃず×えんぺん》
攻2700
「この見た目でオッドアイズより攻撃力が上だって!?」
「よくあることです、召喚された《えんぺん》の効果とさらに除外されてる《いぐるん》の効果を発動。なお、ふわんだりぃず下級モンスターは共通効果で表側表示でフィールドから離れると除外されます。《いぐるん》を手札に加えて、デッキからふわんだりぃず罠カード《ふわんだりぃずと夢の町》を手札に加え、さらに効果で《烈風の結界像》を召喚します」
《烈風の結界像》攻1000
「特殊召喚せずにここまでモンスターを出すなんて・・・」
「バトルフェイズに入ります」
「バトルフェイズ開始時、速攻魔法《カバーカーニバル》を発動!カバートークンを3体特殊召喚する!」
それだったか、ヘルテンペストのお供のアニメ基準で考えればまぁまぁの防御札の《カバーカーニバル》だが
「無理です、《烈風の結界像》がいる限りお互い風属性以外のモンスターを特殊召喚できません」
「なんだって!?」
「「「ええええぇぇ!?」」」
今は禁じられた、ふわんだりぃずのお手軽制圧札が守りの手を打たせない。
「これは・・・まずいわ!」
「ペンデュラム召喚は特殊召喚、つまりあのモンスターがいる限り遊矢はペンデュラム召喚を封じられたも同然・・・まずい!」
「《ふわんだりぃず×えんぺん》で《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》に攻撃」
「特殊召喚が封じられた状況で、オッドアイズを倒されるわけにはいかない!アクションカード!」
遊矢くんが凄まじい身体能力でフィールドを跳躍する。流石主人公だ、あんな激しい動き自分には到底できそうにない
「あった!アクションマジック!《大脱出》を発動!バトルフェイズを終了する!」
出たなアクションマジック最強候補。アクションマジックは基本的に、戦闘補助多めの低パワーカードが基本だが、流石にバトルフェイズを飛ばされたら強い。このカードのせいで後攻ワンキル系のデッキは、アクションデュエルの場合に少し格が落ちてしまうのだけど・・・
「それはそれで都合がいいです、バトルフェイズを終了しメインフェイズ2に入ります」
「都合がいい?どういうことだ・・・」
「私はまだ通常召喚権を使っていません《えんぺん》をリリースしてアドバンス召喚、このカードはアドバンス召喚されたモンスターをリリースする場合1体のモンスターでアドバンス召喚できる」
「最上級モンスターをリリースしてアドバンス召喚だって!?」
「烈風纏いし帝王よ、今こそ真なる領域の力纏いその力で歯向かう全てを吹き荒ばし蹂躙せよ!アドバンス召喚!」
《烈風帝ライザー》
攻2800/守1000
「アドバンス召喚に成功したふわんだりぃず×らいざぁ・・・失礼《烈風帝ライザー》の効果でフィールドのカード1枚と自分または相手の墓地のカード1枚を対象としそのカードを好きな順番で持ち主のデッキの一番上に戻します、対象はそちらの場にある《時読みの魔術師》とそちらの墓地の《大脱出》です」
「なんだって!?」
アクションマジックの仕様の一つとして取得した場合、自分のカード扱いとして使用後も残り続けるというものがある。使ったからと言ってゲームから取り除かれるわけではない、この仕様を利用し相手のアクションマジックをデッキトップに仕込むことができれば・・・
「よかったですね、次のターンも攻撃を確実に耐えることができますよ」
「そんな・・・俺のデッキトップがアクションカードに」
ディステニードローをさせずに相手の
その力は未来を奪う