空条承太郎の親友   作:herz

27 / 29


・読者様からリクエストを頂いたので、「他キャラ達から見た男主」の話を投稿します!

・内容は徐倫、ジョセフ、アバッキオ、ツェペリ男爵、承太郎の5人から見た男主の話。徐倫視点から順番にご覧ください!




・男主達が社会人。「空条承太郎の親友と、いつかの未来」の少し前。

・アバッキオ視点。ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり。




レオーネ・アバッキオ、曰く――

 

 

 

 

 ある日。久々に、志人と2人で会う約束をした。今日がその約束の日だ。

 互いに仕事が忙しくてなかなか時間が合わず、いつの間にか月日が流れていた。あいつと直接顔を合わせるのは、数年振りとなる。

 

 俺と会わない間に、志人は30を越えた。……20代の時と比べて、何か変わっているだろうか?

 いや、案外何も変わってないかもな。それならそれで、あいつらしいとも言える。

 

 

 さて……待ち合わせ時間に間に合うように家から出ようとしたのだが、探偵の仕事関係で急に用事が出来てしまった。これじゃあどう頑張っても間に合わねえ。

 全く。今日はせっかくの休日、しかも可愛い弟分と数年振りに会える日だってのに!不本意だ。

 

 電話で志人に謝ると、ちょうど待ち合わせ場所の近くにカフェがあるようだから、そこに入って待っている、との返答があった。

 急いで用事を済ませ、志人から聞いていたカフェに向かう。……既に30分以上は待たせている。あいつには悪い事をしたな……

 

 

(待たせた詫びとして、カフェで飲み食いした分は俺が払ってやるか……って、)

 

 

 ……目的のカフェのテラス席に、1人の男が座っていた。

 

 白いVネックシャツの上に黒いカーディガンを羽織っており、下はジーンズとチャッカブーツ。

 そして黒縁の眼鏡を掛けたその男は、涼しげな表情で優雅に足を組み、紅茶を飲みながら手元にある本に目を落としている。

 

 

 よく見ると、その男は俺の弟分だった。

 

 

(――何処のお忍び貴族だ、てめーは)

 

 

 思わず内心でツッコミを入れた。今日は仕事でもねえし、猫被りスタイルで来たんだろう。

 そのせいで、どっかの御曹司がプライベートな時間を過ごしているように見えてしまう。同じ店にいる女共に注目されているのが分かる。

 

 しかし……ほんの一瞬、誰かと思った。

 

 数年前に会った時は、どちらかというと実年齢よりも年下に見えたのだが……今は、それより年上に見えてもおかしくない。そんな雰囲気を纏っているのだ。

 30を越えた事で、あいつの中で何かが変わったのか?……否、それにしては堂に入り過ぎているというか、言っては悪いが老成したというか……

 

 想像以上に大人として成長している志人に対し、俺が戸惑いを感じていた、その時。あいつが顔を上げた。

 おそらく、俺の視線に気づいたのだろう。俺の方を見て一瞬驚き、それから笑顔で手を振って来た。

 

 ……少し訂正。今のあいつでも、笑うと年下に見えるようだ。志人の笑顔に客の女共がざわつく中、俺は彼の隣に立った。

 

 

「……悪い、待たせたな」

 

「いいよ、謝らなくて。仕事が絡んでるなら仕方ないし。……じゃあ、今から会計済ませ、」

 

「待たせた詫びに、俺が払って来る。先に出てろ」

 

「え、ちょっと待ってよ、アバッキオ!?」

 

 

 志人に取られる前に、テーブルに置いてあった伝票を取り、さっさと会計を済ませて店から離れた。……隣を歩く弟分は、申し訳なさそうな顔をしている。

 

 

「お金、払わせちゃってごめん……」

 

「待たせた詫びだって言っただろ。気にすんな」

 

「…………分かった、ありがとう」

 

 

 礼を言う志人の頭を、無言で撫でる。10年以上前と比べれば、こいつは幾らか俺達に甘える事を覚えてくれたらしい。俺達からすれば、まだまだ足りないけどな。

 

 

「……そういや、お前。自分でテラス席を選んだのか?」

 

「いや。店員に案内されたのが、あの席だったよ」

 

「という事は、店側から客寄せとして利用されたな」

 

 

 こいつの容姿なら、道路側のテラス席に座らせておくだけで人目を引く。店内に女性客が多かったのは、そのせいだろう。

 

 

「まぁ、そうだろうね」

 

 

 おっと?

 

 

「何だ、気づいてたのか」

 

「うん。俺が入った時、店内は結構空いてたのに、わざわざテラス席まで案内されたし。その後から客がどんどん入って来たし。視線が痛かったし。

 テラス席の方がアバッキオも俺を探しやすいだろうと思って、店員には何も言わなかったけどさ。

 

 正直に言うと、客寄せパンダ扱いは不快だった」

 

 

 ……意外だな。今までのこいつなら、そういう事に気づいても決して口には出さなかったし、知らない誰かに対する不満を言う事も、あまり無かったはず。

 

 否、正確に言えば。自分以外の誰かのためなら、いくらでも言う。

 だが。それが自分だけの不満だった場合は、余程の事が無い限りは不満を呑み込んで、出来るだけ我慢する……そういう奴だった、はずだ。

 

 

「…………ねぇ、アバッキオ。もうちょっと、愚痴聞いてもらっても良い?」

 

「あ?……おう。いいぞ」

 

 

 珍しいな、と思いながらも二つ返事で頷くと、志人は無言でイージスを呼び出してバリア張った。これは……

 

 

「驚かせて悪い。今、防音バリアを張った。……この人混みなら、俺達の声が聞こえなくても不信に思う人間はいねぇだろ?」

 

「……そう、だな」

 

 

 志人の口調がいつも通りになった。……確かに、この人混みの中なら気づかれないだろうな。

 だが、俺はいきなりバリアを張られた事よりも、別の事に驚いていた。

 

 

(――人とすれ違う度に、バリアを上手く変形し、それを避けている……?)

 

 

 イージスのバリアは、ドーム型が基本だったはず。それなのに、今は変幻自在だ。

 人混みの中を歩きながら、自分と俺以外の人間がバリアの中に入らないように、的確に避けている……色が緑色だし、まるでスライムのようにぐにゃぐにゃした動きだな。

 

 それでも志人は平然としており、普通に話している……

 

 

「さっそく愚痴言って良いか?」

 

「あ、ああ」

 

「ありがとう。……それでさ、実はアバッキオが来る前に、何度も女達に声掛けられたんだけどな?

 キャーキャーうるさいし、途中から対応面倒臭くなったし、念のために持って来た本開いて、それ以降は小説に集中する振りで全部無視してやった」

 

 

 ……あの本は女避けのために持って来たのかよ。まあ、悪くない手だが。

 

 

「店員の中にも1人、迷惑な女がいた。特に用事も無いはずなのに、俺の近くを何度も通って媚びた目でちらちら見て来るんだよ。

 あれでアピールしてるつもりだったのかもな。余程自分の顔に自信を持ってるナルシストだったんだろ、多分」

 

「そりゃあ、鬱陶しい女だな」

 

「そうなんだよ!マジでうぜぇ。あの店にはもう行かない。紅茶は美味かったのに勿体ない……

 あぁ、そうだ。紅茶の事でもう1つ。店の中、女性客が多過ぎたせいで香水臭くてな!紅茶の良い匂いも台無しだった」

 

 

 女の客が多かったのはお前が目立ってたせいだろ……と、一瞬考えたが言わなかった。俺は見ず知らずの女共の味方ではなく、可愛い弟分の味方だからな。

 

 しかし、本当にはっきり言うようになったな。それに、女共の事も1人で上手くあしらえるようになったらしい。

 ……ああ、そうか。ようやく、他人へのお人好しな態度を控えるようになったのか。これなら、余計なトラブルに巻き込まれる機会も減るだろう。安心した。

 

 

「……災難だったな。待たせて悪かった」

 

「いやいや、アバッキオは悪くないって。……よーし、大分すっきりした。ごめんな、いろいろ言っちゃって」

 

「構わねえよ。愚痴ぐらい、いつでも聞いてやる」

 

「んん、ありがとう兄貴」

 

 

 嬉しい事に、志人は俺の事をよく"兄貴"と呼んでくれる。……こいつがそう呼ぶ相手は俺ぐらいだと、以前ジョルノが教えてくれた時は少し優越感を抱いた。

 

 

「……にしても、何で防音バリアを?愚痴を言うだけなら、バリアを張る必要もなかっただろ?」

 

「だって、アバッキオの迷惑になるから」

 

「は?」

 

 

 俺の迷惑?……どういう事だ?

 

 

「ここは人目がある。そんな中で口の悪い俺が、さっきの愚痴を正直に言ってたら、周りから嫌な目で見られるだろ?

 俺だけだったら、そんなのはどうでもいい。でも、今はアバッキオも一緒にいるから。

 

 愚痴吐いてる俺と一緒にいるだけで、アバッキオまで嫌な目で見られる。それは嫌だ」

 

「…………それだけ、か?俺のために、わざわざ?」

 

「むしろ、それ以外の理由があるか?……相手が他人だったらここまでやらないが、一緒にいるのがアバッキオだったから。

 俺は前世の記憶を持つ仲間のためなら、どんな些細な事でもイージスの力を使うぞ?」

 

「ふふ。スタンドとしては、望むところだね。俺の力、遠慮なく使ってよ」

 

「あぁ。これからも頼りにしてるぜ、イージス」

 

「うん」

 

 

 俺のため。ただそれだけのために、スタンドを使った。……志人は当たり前のようにそれを肯定し、イージスと笑い合っている。

 

 

「…………成長した。いや、むしろ――化けた、と思っていたんだがな……それだけじゃ、無かったのか」

 

「んん?」

 

「本質は変わらないまま、化けた。……っは。何だお前、結局根っこの部分はお人好しのままじゃねえか」

 

「失礼な!時と場合によるが、今の俺のモットーは"身内に甘く、他人に厳しく"だぜ!

 前世の仲間達には……そりゃあ甘くなるけど。でも、他人へのお人好しはもう止めたんだからな!」

 

「ははははッ!そうかよ」

 

「嘘じゃないぞ!」

 

「分かった分かった」

 

 

 ……数年振りに志人を見た時、予想以上に大人の男として成長していた。スタンド使いとしても、その能力を以前よりも使いこなしていた。

 かつては女に言い寄られると腰が引けていたのに、上手くあしらえるようになった。いろいろと溜め込みがちだったのに、はっきりと不満を口にするようになった。

 

 総じて。成長したというよりも、化けた。しかし、志人の本質である、人を気遣う優しい心は全く変わっていない。

 

 

「……なあ、志人」

 

「何だよ」

 

「――眩しい奴だなあ、お前は……」

 

「はぁ??」

 

 

 心が、輝いている。……きっと何があっても、こいつの本質は変わらないだろう。それが眩しくて仕方ない。

 志人のスタンドの、天使のような美しい姿にも、その本質が現れていると思う。

 

 元暗殺者共が志人の事を"俺達のAngelo(天使)"だとか呼んでいたが、なるほど。そう呼びたくなる気持ちも分かる。

 

 

「そのまま、素直に成長してくれよ?」

 

「……何の話?」

 

「さあな」

 

 

 前世の俺のような、駄目な大人にはならないでくれ。……そんな言葉を呑み込んで、苦笑いを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

「――あいつは、眩し過ぎる」

 

 

 

 

 

 






・弟分の急激な成長に驚く兄貴分

 数年振りに顔を合わせた弟分が、いろんな意味で成長、否、化けていた事に驚愕している。

 今まで園原の事は実年齢よりも年下に見えていたのだが、急に年相応どころか、それより年上に見える程の雰囲気を纏い始めた事に困惑。
 彼曰く、園原は"眩し過ぎる"。前世の自分の人生と比べたら、直視できない程に美しく輝いているように見える。

 俺のような、心が汚れた大人になるんじゃねえぞ……(´・ω・`)


・兄貴分曰く、心が輝いている弟分

 どっかのお忍び貴族(アバッキオ談)のような三十路過ぎ。

 急に老成()したように見えた理由は、顔を合わせたのが数年振りだった事と、こいつの肉体年齢が精神年齢(40代)に近づいてきたせい。
 今世で30代に突入してから、いろんな意味で急激に成長し始めた。アバッキオのように、園原の変化に驚く者は多い。





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。