空条承太郎の親友   作:herz

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・読者様からリクエストを頂いたので、「他キャラ達から見た男主」の話を投稿します!

・内容は徐倫、ジョセフ、アバッキオ、ツェペリ男爵、承太郎の5人から見た男主の話。徐倫視点から順番にご覧ください!




・男主達が社会人。「空条承太郎の親友は、保護者量産常習犯」の後。

・ツェペリ男爵視点。ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり。




ウィル・A・ツェペリ、曰く――

 

 

 

 

 

 ――純白の鎧、純白の翼、純白の杖。それから、白魚のような肌。整った容貌に、その頬に刻まれている神秘的な金の刺青。

 まるで神話の天使の如く秀麗な姿もさることながら、その能力によって産み出される翡翠色の防壁もまた、宝石のような輝きを放つ。

 

 これらの事から。数多く存在するスタンドの中で、"最も美しいスタンドといえば?"という問いに対し、イージスホワイトの名がよく挙げられる――

 

 

 

 

 

 

「――そんな噂が、今。財団内で広まっているらしいぞ?」

 

「…………はあぁ??」

 

 

 最近、財団内で小耳に挟んだ噂を聞かせると、志人君は珍しくすっとんきょうな声を上げ、胡乱な目で私を見た。

 しかし。その直後にはっと我に返り、失礼な態度を取った事を謝罪して来た。私は笑いながらそれを許す。

 

 ……大人になっても年上を敬う事を忘れない、本当に良い子だと、しみじみ思う。

 

 

 今日はたまたま時間が出来たため、三谷氏の私設図書館まで足を運んだ。

 すると、同じくこの図書館へ本を読みに来た志人君と出会い、せっかくだからと同じテーブル席へ座る事に。……そこでふと思い出したのが、彼に今聞かせた噂話だった。

 

 

「……全く。一体何処からそんな噂が……というか、いつから広まったんですか?」

 

「私が聞いた限りでは、本当につい最近からだそうだ。……君はこの頃。以前のように、財団の訓練場を利用する事や、護衛任務を受ける事が多くなったと聞いている。

 それがきっかけで、多くの人間が君のスタンドを目にする機会が増えた事により、噂が広まったのではないか?」

 

「…………あー……そういう事か。実は数年前から、ようやく仕事も余裕を持って出来るようになったので……

 少しずつ、スタンド能力の特訓をやる回数を増やして、財団からの依頼も出来るだけ受けるようにしていたんです。

 

 まさか、それが仇になるとは……誰だよ、そんな噂を広めた奴」

 

 

 おや?……彼は、この噂をあまり快く思っていないようだ。自分のスタンドが最も美しいと言われたら、普通は喜びそうなものだが……

 それとも。これはスタンド使いと、そうでは無い者との感覚の違いだろうか?

 

 

「お前が最も(・・)美しいスタンドだ、なんて噂が広まってるんだってよ。…………だよな。やっぱりそこが気に食わねぇよな」

 

 

 椅子に座っている志人君が背後を見ながら、そんな事を話している。私には独り言を言っているようにしか見えないが、そこにイージスホワイトがいるのだろう。

 

 

「イージスは、何と言ったのかね?」

 

「……自慢のつもりはないけど、美しいという言葉は言われ慣れている。だがしかし、最も(・・)美しいという評価は気に入らない、と。……俺も同意見です」

 

「ほう?」

 

 

 美しいと言われるだけならまだ良いが、最も(・・)という評価は気に入らない?……はて?どういう事だろうか。

 

 

「その真意は?」

 

「…………もしも、ウィルさんがスタンド使いだった場合」

 

「ん?」

 

「自分のスタンドと他人のスタンドを勝手に比べられた上、優劣を付けられるのって……何だか、嫌だなって思いませんか?」

 

「ふむ……そうだな。スタンドとは、そのスタンドの使い手の深層心理が具現化した物だ、と聞いた事がある。

 それが勝手に評価されると、自分自身が他のスタンド使いと比べられたように感じてしまうな……確かに、それは不満だ」

 

「でしょう?つまりは、そういう事ですよ」

 

 

 なるほど。それなら、なんとなく理解できる。しかし……

 

 

「だが、その場合。本来そういった不満を持つのは、優れていると評価された方ではなく、劣っていると評価された方ではないか?

 決して非難するつもりは無いのだが……何故、最も美しいと評価されたスタンドを持つ君の方が、不満を抱くのかね?」

 

「…………俺はそもそも、俺達のスタンドそれぞれを比べて、何らかの評価を付ける事自体が、間違いだと思っています。

 最も美しいとか、最も速いとか、最も硬いとか――最も強い、とか……そんなの、周りが勝手に言い始めた事じゃないですか」

 

 

 "最も強い"……そう言った時。彼の表情は何故か、悲しげだった。

 

 

「スタンドに――スタンド使いの心の力に、優劣なんて存在しません。それぞれ、得意としている事が違いますから。

 

 ……波紋使いだって、それは同じじゃないですか?波紋の使い手が、その力をどう使うのか。それ次第で優劣が変わる事も多々あるでしょう?」

 

「――――」

 

「"最も○○"なんて評価をして、その人自身の力がそういう物だと決めつけて優劣を付けるとか、馬鹿らしいなと思いませんか?

 だって。周りが勝手に付けた評価なんて物は、その力の使い手次第で、いつでもひっくり返す事が出来るのだから。……良い意味でも、悪い意味でも、な」

 

 

 ……頭をガツンと殴られたかのような、そんな衝撃を感じた。

 

 志人君の言葉は、もっともである。我々波紋使いも、スタンド使い達と同様に、他と比べられるのはよくある事だ。

 しかし。波紋の使い手のやり方次第で、その評価は二転三転する。

 

 そんな不確かな物によって、我々の力が"そういう物だ"と決めつけられるのは……嗚呼、そうだな志人君。それは非常に、馬鹿らしい。

 

 

 波紋使いも、スタンド使いも。日々成長している……故に、己の力に対し勝手に付けられた評価を、いつでも覆す事ができるのだ。

 

 

「…………すまない、志人君」

 

「えっ、何ですか?いきなり謝罪なんて……」

 

「私が愚かだった。馬鹿な事を聞いてしまって、申し訳ない。

 そして、ありがとう。君のおかげで、私は"力の本質"やその正しい使い方を、思い出す事ができた」

 

「は、はぁ……」

 

「スタンド使いの力に、優劣など存在しない……波紋の力もまた、それと同様。うむ、至言だな。本当にありがとう、志人君」

 

「…………どういたしまして……?」

 

 

 ……自身の言葉が、私にどれ程の影響を与えたのか。礼を言われた本人は、それがよく分かっていないらしい。困った事だ。

 

 

 それはさておき。

 

 

「むう……惜しいな」

 

「はい?」

 

「志人君。今からでも私の弟子になる気はないかね?もちろん、波紋使いとして」

 

「いやいやいや、何言ってるんですか?俺に波紋使いの才能なんて無いでしょう?」

 

「私から見れば、充分素質はあると思うのだがね……」

 

「えぇ?……でも。例え素質があったとしても、申し訳ありませんが、弟子入りは遠慮させてもらいます」

 

 

 おや。断られてしまった。

 

 

「それは、何故かね?」

 

「……今から新しい力を鍛えていくと、スタンド能力の特訓の方が疎かになってしまいます。

 波紋使いとしての修行も、それは同じ事です。スタンドの特訓も、波紋の修行も同時進行でやるなんて器用な事、俺にはできません。

 

 そして、何よりも。波紋の修行が中途半端になったら、それを教えてくれるウィルさんに失礼じゃないですか」

 

 

 そういう事か……なんて真面目な男なんだ。新たな力を得られるとなれば、人によっては舞い上がって調子に乗るというのに。

 それどころか、自分では新たな力を得ても中途半端になってしまうと、冷静に判断して断った。彼は力に溺れるような人間ではない……

 

 その上。教えを請う相手を敬い、思いやる心まで持っている。

 ……実に惜しい。本気で彼を弟子にしたくなった。断られてしまったのは非常に……残念だ。

 

 

「……いやはや。志人君のスタンドが美しいと言われるのも、分かる気がするな」

 

「何故ですか?」

 

「スタンドは、本体の心の力……と、君自身が先程、そう言っただろう?」

 

「えぇ。言いましたけど?」

 

「イージスが美しいという事は、つまり――君自身の心もまた、美しいと言われているのと、同義ではないかね?」

 

「――――」

 

 

 そう。彼のその誠実な心は、美しい。……おそらくだが、本体である志人君の心が美しいからこそ、イージスの姿もそう見られるようになったのだろう。

 彼の誠実な心が、天使のような見た目のスタンドを生み出した……そう考えた方が、しっくり来る。

 

 

「…………は、はははっ!冗談でしょう?俺の心が美しいって、何ですかその小っ恥ずかしい発言は」

 

「冗談ではなく本気なのだが」

 

「またまた!そんな事言われたら、調子に乗っちゃうじゃないですか。やめてくださいよ」

 

「君はこの程度の事で調子に乗るような男ではないだろう?」

 

「買い被り過ぎです!」

 

 

 ……承太郎ではないが、"やれやれ"と言いたくなる。決して悪い意味ではないが、この子は本当にいろいろと自覚が足りないな、と。改めて思った。

 

 

 

 

「…………マジで、冗談、きつい……俺は――」

 

 

 

 

「志人君?今、何か言ったかね?」

 

「いえ。何も言ってませんよ?」

 

「……そうか?」

 

 

 はて?私の気のせいだったかな?

 

 

 

 

 

 

「――彼は、美しい心の持ち主だ」

 

 

 

 

 

 






・親友君を弟子にしたかった男爵

 運動神経の良さや修行に対する心持ちなど、園原には波紋使いとしての素質が充分あると考えている。だがしかし、勧誘は失敗。

 園原と話したおかげで、"力の本質"やその正しい使い方を思い出す事ができた、と。彼に感謝した。
 彼曰く、園原は"美しい心の持ち主"。本体の誠実な心の美しさが、スタンドの姿に現れたのだと考えている。ただ、当の本人にその自覚が無い事がちょっと不満。

 志人君とは前世で出会いたかった。本気で弟子に欲しい……!


・弟子の話はお断りした親友君

 財団内で、彼のスタンドは最も美しいと噂されている。

 自分達のスタンドそれぞれを比べて、何らかの評価を付ける事自体が間違いだと考えている。"力"に優劣など存在しない。強いて言えば、それは"力"の使い方次第だ。

 ツェペリ男爵の誘いは光栄に思ったが、弟子入りの話はやんわりお断りした。
 若い頃ならともかく、三十路過ぎの俺はスタンドと波紋を両立できる程、器用な人間じゃないし……でも正直、波紋使いには憧れる。














「…………マジで、冗談、きつい……俺は――




 ――心どころか、体まで穢れているのに」





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