・男主達が社会人。ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり。
・今回は特に、ジョジョキャラ達の未来や職業等についての捏造が激しいです。また、原作キャラ×原作キャラの表現あり。
・男主視点。
「――だからあんたは"皆の癒し"とか"相談窓口"なんて呼ばれてんだよッ!!」
「――って、徐倫ちゃんから言われたんだが、どういう事だ?」
「どういう事も何もそういう事だろ?」
「それ以外にどう答えろと言うんだ?」
「ノォホッ!!ノォホホホ……ッ!!」
今日も今日とて、俺は図書館司書として朝から晩まで働いている。
業務が終わったら帰宅して、寝て、また朝から働くという日常を繰り返している訳だが。時々、そんな日常にちょっとした変化が訪れる事もある。
――何故か、俺がいる図書館に、ジョジョキャラ達が定期的に顔を出しに来るのだ。
―――
――――――
―――――――――
俺が図書館司書になった当初から、旧図書館組は何度かうちの図書館を訪れていたが……彼ら4人を除いた場合。
最初にやって来たジョジョキャラは確か、こいつだったな。
「こんにちは、志人さん!」
「仗助?何でここに……あぁ、今日の仕事は休みなのかな?」
「休みっていうか、夜勤明けで非番っスね。万が一何かがあったらすぐに呼び出されるっス」
「それなら早く家に帰って休みなさい。疲れてるだろう?」
「疲れてるからこそ、志人さんの顔を見に来たんスよ!俺の癒しなので!」
「徹夜で頭が馬鹿になったのかな??とっとと帰って寝ろ」
高校卒業後。警察学校に入学し、そこも無事に卒業して交番勤務になった仗助。……本人曰く、ここまでは彼の前世と大体同じ流れだったそうだが。
今世ではたった数年で、とある警察署の刑事課に異動する事になった。つまり今の仗助は、ドラマや映画等でよく見る"刑事さん"の立場になった訳だな。
彼がお世話になった上司から、刑事課への異動を強く推薦されたという。
仗助はかなり悩んだようだが、最終的に自分でも納得した上でちゃんと試験を受けて見事合格し、それから刑事課勤務になったそうだ。
ちなみに。同じく今世では警官であるブチャラティは、今でも変わらず交番勤務だ。なんでも、本来の実力を上手く隠す事で、異動の話が自分に来ないようにしているらしい。
たまたまその話を耳にした仗助は、自分もそうすれば良かったのか!と最初は悔しがっていたようだが、今では刑事課の警官として積極的に働いている。
なんだかんだ言いつつも、おそらく性に合っていたんだろう。
「じゃ、そろそろ帰ります」
「うん、いつもお疲れ様です。……あ、今日は午後から天気が下り坂で急に寒くなるみたいだから、寝るなら風邪引かないように温かくして寝た方が良いかもね。
体調を崩さないように、ゆっくり休みなさい。急に仕事が入って来たとしても、無理しちゃ駄目だよ?くれぐれも、頑張り過ぎないように」
「…………ああァー細やかな気遣いと優しさ本当にプライスレス志人さんマジ志人さん……ッ!!」
「はい?」
「や、何でもないっス!それじゃ、失礼しまーす!」
……と、まぁこんな感じで。仗助は大体、数ヶ月に一度くらいの頻度でこの図書館にやって来て、俺と少し話してから帰って行く。
図書館に来たからには、本を借りるか読んで欲しいんだが……まぁ、忙しくてお疲れの刑事さんを相手に、そんな事言えないよな。
で。そんな彼のように、数ヶ月に一度のペースで図書館にやって来るジョジョキャラは、他にもいる。
「おお、志人。邪魔してるぞ」
「先輩!いつの間に……」
「お前が受付にいない間に、だな。その代わりに、なかなか可愛いシニョリーナが対応してくれたが」
「バイトで来てる学生ですよ、その子……ってまさか、いつものように口説いたんですか?」
「……ふふ。顔を真っ赤にしてたぜ」
「…………実年齢30過ぎの若作りなおっさんが10代の女の子を口説くのは軽く詐欺だと俺は思うのですが」
「こら!先輩をおっさん呼ばわりするな!」
大卒後。いろいろあったが結局ジョセフの秘書になった、シーザー。
現在は、高校時代に副会長として生徒会長の手綱を握っていたのと同様に、不動産会社社長の秘書として社長の手綱を上手く握っているらしい……
「そうだ。志人、今度また電話で愚痴を聞いてくれ!あのスカタンは、全く……!」
「はいはいはい。分かりましたから、図書館ではお静かに」
……だが。いろいろと破天荒なジョセフに振り回されているのは、相変わらずのようだ。時間がある時に愚痴を聞いてやる事にも、かなり慣れてきた。
「……なんというか、最近の志人は可愛げが無いな。俺をおっさん呼ばわりしたり、今のように軽くあしらったり」
「それこそ、あなたと同じく30代のおっさんを相手に、可愛げを求めないでください」
「10代の頃は、頭撫でてやると喜んでたのに……今のお前にそれをやったら怒るんだろ?」
「そりゃ、怒りますよ。今は仕事中ですから」
「だよなあ……って、あれ?
「怒りませんよ?本職を真面目にやってるところでスキンシップ取られるのは嫌ですけど、それ以外で拒む理由は無いし、スキンシップ自体は嫌いじゃないし」
「…………前言撤回」
「?」
「お前、やっぱり可愛いな」
「はぁ??」
「今日会いに来て本当に良かったぜ……荒んだ心がかなり癒された」
最後にそんな言葉を言い残して、シーザーは去って行った。……仗助もシーザーも、図書館に来たなら本を読んでいってくれないか?
なお、後日。この時の会話をこっそり聞いていたらしい同僚が、俺が男に口説かれていたと職場で言い触らしたせいで面倒な事になった。恨むぞ、スケコマシーザー……!!
しかも!その不本意な噂が収束する前に、ある人物が図書館にやって来た事で、さらに面倒な事になった。
「ハロォ~志人ちゃん!ご機嫌いかが?」
「大変申し訳ありませんが、お客様。速やかにお帰りください」
「えッ!?」
――おいこら有名人!!と、内心で叫んだ。
経営している不動産会社が、メディア内で徐々に有名になってきた敏腕社長、ジョセフ。もちろん、会社だけでなく社長自身も顔が良いので有名だ。
幸い、この時の認知度はまだそこまで高くなかったから、周囲に騒がれる事はなかったが……
ディオの会社が作った例のセキュリティソフトの関係で、石油王のスピードワゴンと共に話題になっている今、同じように来られたらとんだ騒ぎになるだろうな。
それはジョセフも、その秘書であるシーザーも分かっているのか、ここ最近は図書館に顔を出す事もなくなったが……おっと、それはさておき。
「ちょッ、何でいきなりそんな塩対応!?」
「あなたの秘書から、ついさっき連絡がありまして。……誰にも何も言わずに会社を抜け出して来たそうですね?」
「…………あいつめ、こんな時まで仕事が早いとは!」
どうやらシーザーは、ジョセフが行きそうな場所にいる知り合いに片っ端から連絡を入れたらしい。で、その中の1人である俺の所がヒットした訳だな。
「駄目じゃないですか、そんな事したら。社員さん達が心配してると思いますよ?
まぁ、何だかんだでやる時はきちっとやるあなたが、誰にも何も言わずに脱走するなんて、余程疲れていたか、相当なストレスが溜まっていたんでしょうけど」
「…………あァー……それは、その……」
「……やれやれだぜ、ですね。仕方ないのでここで静かに本を読みながら、ちょっとでものんびりしていってください。
頃合いを見て、秘書さんには俺から連絡して迎えに来てもらいますから」
「……追い出さねェのか?」
「さっきは思わずお帰りくださいって言っちゃいましたけど、いつも仕事を頑張ってる先輩を問答無用で追い出すなんて、薄情な真似はしません」
「…………俺の可愛い後輩が優し過ぎて涙出てきそう!今日来て良かったァッ!」
「大げさですよ」
その後は、いつも賑やかなジョセフが珍しく静かに、大人しく本を読んでいたので、シーザーにはメッセージアプリで事情を説明し、迎えに来るのは遅めにして欲しいとお願いした。
やがて。彼が迎えに来た時には既に、ジョセフも本調子に戻っていた……そこまでは、良かったのだが。
帰り際、奴らが俺を挟んでちょっとした言い争いをしたせいで、俺が男2人から取り合いされていると、現場を遠目に目撃した同僚から勘違いされ……
結果。例の不本意な噂に尾ひれが付いてさらに面倒な事になり、誤解を解くのにかなりの時間が掛かってしまった。
当時は不動産会社社長とその秘書を相手に訴訟を起こそうかと、本気で迷ったんだよなぁ。もちろん、やらなかったけど。……恨むぞ、スケコマシーザーとジョセフ……!!
あ、そうそう。シーザーとジョセフの話で思い出した。そういえば、こんな2人も来てたな。
「おっ、園原さん!
「
――おいこら有名人!!と、内心以下略。
大学でそれぞれ射撃部とフェンシング部に入り、様々な大会で優秀な成績を収め……やがて、オリンピック選手にまで上り詰めた、ミスタとポルナレフ。
最初に彼らを見た時は、普段の格好で素顔をさらしているから焦ったが……
この2人は、本業をやっている時は耳まで隠れる帽子を取っ払っていたり、電柱みたいな髪型を下ろしていたりと、普段とは全く違う見た目なので、そこまで焦る必要は無いかと落ち着いた。
彼らが同じ学校の出身で、しかも結構仲が良いという情報は、ニュース等を通じて既に世間にも知られている。
こいつらはテレビ放送されたオリンピックの開会式や閉会式内で行動を共にしていたし、本人達にその自覚は無いようだが仲良しアピールしてたし。
……そういや、同僚の中に三次元も二次元も関係なくイケメン好きの女性がいて、彼女が他の同僚を相手にポルナレフ達の事を熱く語っていたな。
会話の断片として"受け"とか"攻め"とか聞こえて来たし、例の俺に関する不本意な噂を広めたのもその女性なのだが――それ以上は深く考えてはいけない!いいな?閑話休題。
「……あー、先輩さんに後輩くん。どうもこんにちは。で、何してるんですか?こんな所で」
「何って、志人の顔を見に来たんだぞ?あと、ついでに漫画でも読もうかなと」
「俺も同じく。この人とは、ここに来る途中でたまたま鉢合わせしたから、一緒に来た」
「俺の顔を見に来たって何も変わらないでしょ?」
「いやいやいやいや、結構変わるぜ?」
「志人と会って話をするとなあ、こっちはほっとするんだよ」
「大会前のピリピリした感覚も、園原さんの顔を思い出せば癒される」
「ああァー分かる分かる!」
「俺にはまっったく分からないんだけど??あんた達マジで何言ってんだ」
ごく稀に、彼らは俺とは違う言語で会話しているんじゃないか?と、勘違いしそうになる。向こうは間違いなく、日本語を話しているはずなんだが……
「つーか、園原さん。俺らにそんな気を使わなくても良いんだぜ?」
「んん?何の事?」
「名前。……意図的に呼ばないようにしてるだろ?呼んだとしても、俺の事は後輩で、この人の事は先輩って呼んでる。
まあ、俺もそれに合わせて呼ばないようにしてるんだが」
「そうそう。俺も志人に合わせて、こいつの名前を呼ばないようにしてるぜ。……俺達が有名人だから、周りに名前を知られて騒がれないように、気を使ってるんだよな?」
……バレたか。確かに俺は、この2人が言うように気を使っている。2人の名前を聞いた誰かが、その正体に気づいて騒ぎになってしまうかもしれないからな。
街中みたいに元々騒がしい場所だったら、イージスの防音バリアを張ってしまえば、それで済む話だが……残念な事に、ここは図書館だ。
しーんとしている場所で、何か会話をしているはずなのに防音バリアのせいで何も聞こえない、なんて状況は明らかに不自然である。よって、バリアは使えない。
じゃあ不可視のバリアを重ね掛けすれば良い……という訳にもいかない。知っての通り、俺は仕事中だ。急に姿を消してしまうと、同僚達に迷惑が掛かる。
だから、バリアが使えない状態の時は、認知度の高い有名人になった仲間達の名前だけは呼ばないようにしようと、心掛けているのだ。
「その気持ちは嬉しいんだけどなあ……ぶっちゃけ、先輩達は寂しいぞ!」
「そうだぜ、園原さんッ!普段は忙しいからなかなか会えないし、やっと今日会えたと思ったらあんたはこっちの名前を呼んでくれないし!ちょっとでもいいから呼んでくれよォ!」
「そうだそうだァー!」
「…………先輩さん、後輩くん。図書館ではお静かに」
その後も何かと"名前を呼べ"とうるさかったが、俺は2人が帰る直前まで、呼び方を先輩と後輩で通した。……そう、帰る直前までは。
2人の帰り際に、周りの目がこちらに向いていない事を念入りに確認し、イージスを呼び出して3人を囲む防音バリアを張った。
「――ポルナレフ先輩、ミスタくん。次の大会もそれぞれ頑張れよ、応援してるから」
「えッ、」
「ちょッ、」
「はい、バリア解除」
言いたい事だけ言って、バリアを解除してスタンドを引っ込めた。……こちらに振り向いた状態で固まったポルナレフ達が、間抜け面をさらしている。
「んん?……2人共、何?その顔」
「…………おい、志人じゃない方の後輩」
「なんすか?園原さんじゃない方の先輩」
「この前なあ、シーザーさんがこんな事言ってたんだよ――志人はデレの割合があまりにも多過ぎる新しいタイプのツンデレだ、って」
「なるほど、納得ッ!!」
「納得、じゃねぇよふざけんな」
俺は別にツンデレじゃない。あんなにお願いしてきたんだから、ちょっとくらい名前を呼んであげようかな、と。その気になって呼んだだけだ。
……このように。例え有名人になったとしても、ジョジョキャラ達は遠慮なく、何故か俺の図書館にやって来る。
大抵は変装にちゃんと気を使っていたり、図書館にやって来た時点での認知度が低かったり、と。それらのおかげで、周囲にバレる事なく帰っていくのだが……
彼女がやって来た時は、ちょっと危なかった。
「あ、いたいた!園原さ――」
――おいこら有名人以下略!!
「イージス」
「了解!」
「え?」
彼女の姿を見て、さらに彼女の後ろにいる怪しい奴らも発見した俺は、これはまずいなと判断し、即座にスタンドを出した。
まず。イージスを行動範囲ギリギリまで行かせて、そこにあった読書スペースの椅子を、音が出るように何度か思い切り倒してもらう。
次に。周囲の視線がそこに集中したところを見計らって、俺と彼女を囲む不可視のバリアと防音バリアを張り、その場から離れた。
今は緊急事態だ。職場の同僚達には悪いが、不可視のバリアも使わせてもらうぞ。
「園原さん?どうしたの?」
「……トリッシュちゃん。忙しい中、わざわざここに来てくれたのは嬉しいが、ちょっと迂闊だったな。あそこ、見てみろよ」
指差したのは、つい先程まで俺達がいた場所。……そこに集まり、慌てた様子でキョロキョロしている、ハンディカメラやスマホを手にした数人の男達。
「……あれって、まさか……?」
「そのまさか、だと思うぜ。君を――有名な"歌姫"を尾行していた、マスコミの連中だろう」
高校卒業後。バイトをしながらボーカルスクールに通い、やがてとあるオーディションに受かって歌手になったトリッシュ。
デビュー当時から"声も見た目も美し過ぎる歌姫"などと呼ばれて有名になり、ついには海外進出まで果たしている。
先ほど彼女の姿を見た時は、本当に焦った。何せ変装の出来が甘過ぎて、周囲の目を釘付けにしていたからな。
さらにはマスコミと思われる不審者共に尾行されてるし……本格的に大事になる前に確保できて良かった。
「ちゃんと変装したはずなのに……何処で気づかれたのかしら?」
「……まぁ、君のその美貌とカリスマオーラは、ただ髪型を変えて眼鏡を掛けただけでは、全く隠せないという事だな」
「さすが、相変わらず褒め上手ね!ミスタ達だったらあたしの変装が下手なせいだろ、とか言ってくるわよきっと!」
「あぁー……」
確かに。あいつらなら、はっきりと言葉にしそうだな。
「これ、園原さんを参考にした変装だったんだけどなー」
「おいおい、参考元を間違えたら駄目だろ……俺のはあくまでも、目付きの悪さを和らげる事が主な目的であって、厳密に言うと変装ではないんだ。
とりあえず君は、別の人から変装方法をちゃんと学んでからここに来なさい」
先生役は、現役探偵のアバッキオに頼むか?彼なら変装の心得もあるはず……いや、待てよ?
トリッシュの場合は、ディオが適任か?同じくカリスマオーラを持ってる有名人だし、それを変装で上手く隠す方法とか知ってそうな気がする。
それに、ディオの側にはマライアがいる。彼女にも付き合ってもらえば、ファッションセンスもある事だし、女性視点でいろいろアドバイスしてくれるだろう。
トリッシュにディオやマライアの事を話し、その気があるなら俺から頼んでみようか?と申し出る。……すると、彼女は大きな緑目を見開いた。
「もう来るな、とか言わないのね」
「んん?」
「……だって、こうしてる今も園原さんに迷惑掛けてばかりじゃない。
それにもしも、あたしだけじゃなくて園原さんの顔もあいつらに見られてたら……また迷惑が掛かっちゃうと思う」
……うん、その可能性はあるな。奴らがここに網を張ってトリッシュを待ち伏せしたり、俺や他の図書館職員達に聞き込みして来たりするかもしれない。
「――で?それがどうした?」
「えっ?」
「たかがそれだけの理由で、可愛い後輩に"もう来るな"とか、そんなの言う訳ねぇだろ。俺の方は自分でどうにかするから、心配するな。
次からはちゃんと変装して、周囲にバレないように気をつけると約束してくれるなら、いつでも来ればいい。約束、出来るよな?……おい、返事は?」
「へっ!?あ、はいッ!約束、します」
「よし、いい子」
後輩の頭を軽く撫でつつ、先ほど俺達がいた場所を見る。……奴らは何処にもいない。帰らせるなら、今だな。
念のため、利用客が使っている表の入り口ではなく、職員が使う裏口からこっそりと外に出してやるか。
そう考え、トリッシュの頭から手を離そうとした時。その手を両手で掴まれた。
「ん、何だ?」
「もっと」
「はい?」
「もっと撫でて。癒される」
「…………しょうがねぇな。ちょっとだけだぞ」
その後。ディオとマライアへの仲介を頼まれたので、仕事終わりに必ず連絡を入れると約束した。
なお、彼女を裏口から送り出した後、俺を探していたらしい館長から案の定叱られてしまった。すみませんでした。
さて。あとは、そうだな……数日前に顔を出したジョジョキャラの事も話しておくか。
「あれ?……徐倫ちゃん?」
「あ、志人さん。久しぶり」
「うん、久しぶり。結婚式以来かな?」
「そうね……新居に移った後も、いろいろバタバタしてたから。なかなか顔を出せなかったわ」
「お疲れ様です、奥さん」
「ちょっと!わざわざその呼び方にしなくてもいいだろ!?」
「あはは、照れてる照れてる」
専門学校卒業後、念願の水族館の飼育員になったが。最近になってようやく承太郎からお許しが出たアナスイと結婚し、飼育員を辞めて専業主婦になった徐倫。
水族館の飼育員をやっていた時の彼女は、ペンギンなどの動物達のお世話をしつつ、主にドルフィントレーナーとしてイルカショーで活躍していた。
一度承太郎と一緒に見に行ったが、あれは凄かった。徐倫さんカッコ良かったです。承太郎も妹が笑顔で仕事している姿を見て、満足そうな顔をしてたな。
で、そんな新婚生活中の徐倫が手にしていたのは……子育てに関する本の数々。
「…………まさか、もう子供が――」
「違う違う!今のうちにいろいろ読んでおこうと思って借りに来ただけ!」
「何だ、そうか……」
もう妊娠したなんて聞いたら、シスコンお兄様がどんな行動に出るか分からないからな。安心した。
「その辺りは、ホリィさんとかに相談しないの?」
「もちろん、実際にそうなった時に相談するわよ。でも、事前に知識を頭に入れておくだけでも、大分違うでしょう?」
「あぁ、それは確かにそうだね」
偉いなぁ、この子は。兄貴分としても鼻が高い。……あ、そうだ。
「それなら、ホリィさん以外の女性にも相談してみたら?例えば、由花子ちゃんとか」
「由花子さん?……あの人に?」
「うん。大学卒業して早々に康一くんと結婚してるし、今では子供もいるから。君にとって、夫の妻で子供の母親としては大先輩だろう?
歳も近いし、場合によってはホリィさんよりも良い相談相手になるんじゃないかな?」
あの2人が早々に結婚すると聞いた時は、驚きながらも深く納得した。
高校時代も大学時代もずっと仲が良かったし、由花子の執着心の強さを考えれば、そうなるのは必然だったのだろう。
「…………いや、でも……」
「……何か不安が?」
「うん。だってあの人って、話し掛ければ普通に会話してくれるけど、大体は康一さん以外は眼中に無い、って感じだったでしょ?
同じ学校にいた時も、あたし達が女子だけで固まってた中、あの人だけは康一さんにべったりだったし……」
「なるほどね……でも、大丈夫じゃないかな?彼女、子供が出来てからはいろいろ落ち着いたみたいだから」
「えっ、本当に?」
「夫である康一くんから直接聞いた話だし、間違いないと思うよ」
どうやら子育てをする過程で、康一への執着心が徐々に落ち着いていったらしい。おそらく、夫と子供とで愛情が上手く分散されたおかげだろう。
普通の人よりも愛が重い事に変わりは無いが、昔のヤンデレ具合は鳴りを潜めたとか。……ただし。万が一、康一や子供の身に危険が迫った場合は、どうなるか分からないけどな。
「さて、どうする?良かったら、俺から由花子ちゃんに徐倫ちゃんの事を話してみようか?」
「……じゃあ、お願いできる?」
「分かった。彼女に話すのは仕事が終わってからになっちゃうけど、それでもいいかな?」
「もちろんよ!ありがとう」
よし、決まりだな。
それなら、仕事の休憩時間中に由花子の今夜の予定を聞いて、余裕があった場合は夜に電話で、都合が悪かった場合はメッセージアプリで簡単に状況を説明してから、また後日に詳しく説明して、でもって徐倫と繋げて、と……
「……志人さんって、いつもそうなの?」
「んん?何の話?」
「前にトリッシュさんから聞いたんだけど、彼女とディオさんの仲介役もしたんでしょう?おかげ様で、上手く変装出来るようになったって言ってたわ」
「あぁ、あったね。そんな事も」
「もしかして、他にも誰かと誰かの仲介をした事が、たくさんあるんじゃない?」
「…………ある、な。心当たりは多いよ」
「あと、相談目的以外でこの図書館に来る人達が結構いる?」
「うん、いるね。何故か、その大半が俺の顔を見るために来たとか、癒されたとかなんとか言って帰って行くんだけど……それがどうかした?」
「――だからあんたは"皆の癒し"とか"相談窓口"なんて呼ばれてんだよッ!!」