なのははクロノ、ユーノと共に時の庭園に向かうため、アースラの通路を走っていた。ポケットの携帯電話が震えたのはそんな時だ。なのはは慌てて着信を切ろうとするが、画面に表示されている名前を見て目を瞠った。
「クロノ君……」
「ん?」
「シュテルから電話……なんだけど……」
これにはクロノも驚いたらしい。なんだって、と目を剥き、未だ震えているなのはの携帯電話へと視線を向ける。どうするべきか、とクロノ自身困惑しているようだ。
なのはとしては、電話に出たい。これから自分たちがすることを言えば、協力してくれるかもしれない。無論巻き込みたいとは思わないが、シュテルならアドバイスなどくれるのでは。なのはが上目遣いでクロノを見ると、仕方がないなと頷いた。
「ただし時間がない。早めに切り上げてくれ」
「うん」
通話ボタンを押して電話を耳に当てる。もしもし、となのはが言うよりも早く、相手の声が届いた。
『時の庭園に向かうのですね』
驚きながらもなのはは肯定する。こちらの行動をどうやって把握しているのだろうか。それとも単純に、そろそろ動く頃かと読んだだけか。
『単刀直入に言います』
シュテルの声になのはは我に返った。はい、と相手の言葉を促す。
『私も同行させてください』
「……え?」
まさか本当にそんな申し出をしてくれるとは思って居らず、なのはは間の抜けた声を出してしまった。
電話から五分後、目の前にシュテルが立っていた。クロノに相談したところ、やはり渋ってはいたが、とりあえずは来てもらうように言ってほしいとのことだった。そしてシュテルにそれを伝えたところ、程なくしてシュテルがアースラを訪れたというわけだ。
「一つ聞かせてほしい」
クロノが口を開く。シュテルは黙ってクロノの言葉を待つ。
「目的は……何だ?」
冷たい言葉に聞こえるかもしれない。だが、この質問は当然と言える。これから向かう先は、危険な戦場なのだ。立場すら分からない不審者を一緒に連れて行くことは難しいだろう。それを分かっているのだろう、シュテルは一度だけ頷いて、クロノの質問の返答を口にした。
「私の仲間の一人がプレシアに攫われています」
「な……っ」
さすがにその返答は予想していなかったのだろう、クロノが絶句する。
「何かを手伝わされているようでしたが、特に危害を加えられているわけではなさそうでした。下手に刺激するよりも一先ず様子見としていたのですが……」
「このままだと次元震に巻き込まれる、か」
「そういうことです。さすがにそれは見過ごせませんから、助けなければいけません」
以上が理由です、とシュテルが締めくくる。なるほど、とクロノは頷いた。
シュテルの言っていることが本当なのか、なのはたちには分からない。少なくとも、全てを教えてくれているわけではない、と思う。理由のない直感だが、間違ってはいないはずだ。ただ、仲間を迎えに行きたいというのは本当なのだろう。
なのはがクロノへと視線を向けると、同じようにこちらを見ていたクロノと目が合った。期待を込めてクロノをじっと見つめると、クロノが小さくため息をつく。
「分かった。ただしこちらの指示には従ってほしい。それでもいいか?」
「構いません。執務官のご厚情に感謝します」
シュテルが丁寧に頭を下げた。
四人は時の庭園に転移後、行く手を阻む傀儡兵を倒しながら奥へと向かう。シュテルも傀儡兵を倒しながら、念話を送る。本来なら通じないのだが、シュウが作った連絡用の道具をディアーチェたちも持っており、問題なく念話を交わすことができた。
『シュテルか。……よし、座標は特定できたぞ』
王の声に、シュテルはさすがです、と賞賛する。何も言わずとも、こちらが伝えたいことをくみ取ってくれている。この様子ならこちらへと向かう準備もできているのだろう。
『シュテル、今から向かいますね』
ユーリの声にシュテルは頷いてから返事をした。
『シュウが見つかればまた連絡します。そちらも、そのように』
『うむ。了解だ。ではな』
念話が切られ、シュテルは意識を戦闘に戻す。手近な傀儡兵を収束砲でなぎ払った。
「……いつの間にここに……」
「いや、本当にただの偶然……」
あらかじめ決めていた場所にたどり着いたプレシアを待っていたのは、道に迷ったかのように困った表情を浮かべているシュウだった。プレシアの姿を確認して、ほっと安堵のため息をつく。ここにいては危険だということは変わっていないのだが。
それでもちょうどいいとは思う。直接渡すものがあったのだから。プレシアはシュウへと歩み寄ると、デバイスに格納していた資料を取り出す。クリップで纏めた十枚程度の資料だ。それをシュウに差し出した。
「別の世界、というよりこの場合は時間軸かしら? 簡単に調べたものだけど、持って行きなさい」
シュウが目を瞠り、資料に目を落とす。プレシアはその反応に笑みをこぼすと、目的の地点まで歩いて行く。ここなら都合がいいだろう、と。
「プレシアさん!」
シュウが叫ぶのと、大勢の足音が室内に入ってくるのは同時だった。早すぎる、と思ったのはシュウも同じだったようで、シュウの表情は蒼白になっている。管理局に見られるのは困るのだろうか。シュウがそう思っているのなら、何か考えなければならない。
そして部屋に入ってきた三人の姿を見て、正確にはそのうちの一人を見て、プレシアは絶句した。
「シュウ。ここにおったか」
「ディアーチェ……」
シュウが名を呼び、安堵のため息をつく。やはりシュウの知り合いらしい。それにしても、この姿は。
「ん? なに?」
娘たちとよく似た姿の少女が、きょとんとした様子でかわいらしく首を傾げた。その仕草に、思わず頬が綻んでしまう。そう言えば、とプレシアは思い出す。シュウの仲間の話を。ということは、娘によく似た姿の子がレヴィなのだろう。
「貴方がレヴィ?」
念のために聞いてみると、そうだけど、とレヴィが頷いた。
「なんでボクのことを知ってるの? ……あ、そっか。シュウから聞いたのか」
一人で納得して解決してしまっている。その様子がおかしくて、プレシアは思わず噴き出してしまった。
「ねえ、レヴィ」
「なに?」
「撫でさせてもらっても、いいかしら」
プレシアの言葉に、ディアーチェが怪訝そうに眉をひそめ、ユーリが首を傾げる。シュウは驚いた表情を見せたあと、少し眉尻を下げながらも微笑んだ。
「よく分からないけど、いいぞ?」
レヴィがプレシアの方へと歩いて行く。側まで来たレヴィの頭を、優しく撫でてやる。記憶に残っているアリシアと同じ髪質だ。思い出がいくつかフラッシュバックし、プレシアは思わずレヴィを抱きしめていた。
「わわ! ど、どうしたの!」
「何でもないのよ……。何でも」
抱きしめながら、レヴィの頭を撫で続ける。レヴィはしばらく戸惑っていたが、仕方ないなあとレヴィもプレシアを抱きしめ、頭を撫でてきた。
どれぐらいそれを続けていただろうか。プレシアは満足したのかレヴィを解放し、レヴィもプレシアから離れた。
「ありがとう……。いい思い出になったわ」
それを聞いたシュウの表情が悲しみで歪む。分かりやすいと思われていそうだが、どうしても表情に出てしまう。案の定プレシアは苦笑すると、口を開いた。
「色々とありがとう、シュウ。本当にお世話になったわ」
「いえ……。こちらこそ。短い間でしたけど、楽しかったです」
特にパストはシュウを無視してプレシアと研究に関して色々と話をしていたようだ。シュウには難しすぎてよく分からなかったが、二人ともとても楽しそうにしていたのを覚えている。そのパストは、今日は一切何も語ろうとはしていないが。
「じきに管理局も来るでしょう。そろそろ行きなさい」
そう言ったプレシアがシュウに対して背を向ける。シュウはその背中をしばらく見つめていたが、やがてしっかりと頭を下げた。偉大な魔導師に、別れの意味も込めて。
その後、シュウはディアーチェに先導されてその場を後にした。
「さようなら、プレシアさん」
シュウのその小さなつぶやきは、誰にも聞かれることはなかった。
なのはと共に走っていたシュテルは、ディアーチェからの念話で足を止めた。唐突に足を止めたシュテルへなのはが不思議そうに振り返る。シュテルはディアーチェと二言三言言葉を交わし、念話を終えた。
「シュテル。どうしたの?」
「仲間が、連れ去られていた仲間を保護したようです。私の用事は終わりました」
シュテルの言葉に、なのはが驚きで目を丸くする。それも一瞬のことで、すぐに満面の笑顔に変わった。
「そっか! 良かったね、シュテル!」
自分のことのように喜んでくれる。シュテルはそんななのはに頷き、
「はい。私の用事は終わったので、後は貴方たちに付き合いましょう」
なのはがきょとんとした様子で首を傾げ、いいの? と聞いてくる。シュテルはもう一度頷いて、言った。
「ここまで連れてきてもらったのです。それぐらいはしますよ。それに」
貴方一人にしておくと不安ですから。
それを聞いたなのはは複雑そうな笑みを浮かべる。嬉しそうな、けれどもう少し信用してほしいと不満のような。そんななのはの気持ちに察しはつきつつも、シュテルはなのはを促した。
「執務官に指示された仕事があるでしょう。行きましょう、ナノハ」
クロノから与えられた指示は、駆動路の停止だ。プレシアの捕縛へ向かったクロノと別れ、四人で駆動路に向かっているところである。
「うん! がんばろうね、シュテル!」
笑顔でそう言ってくるなのはへ、シュテルはもちろんです、といつもの無表情で答えた。
「なんかあたしら、蚊帳の外だねえ……」
「うん……」
その二人の様子を何とも言えない表情で見つめるアルフとユーノ。ただ、そう思っていても二人の間に割り込もうとは思えなかったが。
駆動路へと目指し、四人が走る。その道中で広い部屋にたどり着いた。ホールのような部屋で、そこにいたのは巨大な傀儡兵。シュテルはそれを見た瞬間、眉をひそめていた。
この傀儡兵が保有している魔力量が、明らかに他とは違う。ここまで仕様の異なる傀儡兵がいれば報告書にも書かれていそうなものだが、シュテルたちが以前見た資料にはこの傀儡兵の記載はなかったはずだ。それとも、これはここにあるだけで動かないのか。
不気味に感じながらも一歩を踏み出した時、傀儡兵の瞳が輝いた。ゆっくりと体を動かし始める。
「シュテル……」
傀儡兵の威圧感に気圧されたのか、なのはがわずかに震えた声を出す。その珍しい反応にシュテルは驚く。やはりまだ魔法に触れて間もないためか、こういった荒事には慣れていないのだろう。
「これも私たちがいる影響、なのでしょうか」
「え?」
「いえ、こちらの話です。お気になさらずに」
そう言うと、シュテルはデバイスを構えた。
「これは私が引き受けます。ナノハたちは先に進んでください」
その言葉になのはたちが驚き、すぐに大きく首を振った。
「だ、だめだよ! 私たちも手伝う!」
「そうです! ここは皆で……」
「間に合わなくなりますよ?」
シュテルの冷たい声音に、二人が押し黙る。冷静になりましょう、とシュテルは続ける。
「駆動路を封印した後に手伝っていただければ構いません。そう簡単に墜とされたりはしませんよ」
「でも……」
「ナノハ。貴方に魔法の戦闘を教えたのは誰でしたか?」
それを聞いたなのはが一瞬だけ目を見開き、そしてすぐにしっかりと頷いた。その瞳からは不安そうな光は消え、代わりに自分を信頼してくれているらしいしっかりとした眼差しが届く。そこまで信頼されても困りますが、と内心で思いながらも、シュテルは頷きを返した。
「では行きなさい、ナノハ」
「うん!」
なのはが次の部屋の扉へと一直線に飛び、ユーノとアルフが戸惑いながらもそれに続く。巨大な傀儡兵は彼女たちの方へと狙いを定めようとしたが、
「貴方の相手は、私です」
シュテルの砲撃が顔の横をかすめると、傀儡兵はシュテルへと視線を戻した。なのはたちを諦めたのだろう、ゆっくりとシュテルの方へと向かってくる。
なのはたちが通った扉の奥には、ここよりも広い部屋がある。そこにも多数の魔力反応があるが、なのはたちなら大丈夫だろう。それに、こちらへと向かってくる魔力反応がもう一つ。
「私は貴方に集中するとしましょう」
では、始めましょうか。
シュテルがデバイスを構えてそう言うのと同時に、傀儡兵の周囲に魔力の塊が浮かびだした。
どれほど時間が経っただろうか。
シュウたちは物陰からその場を盗み見ていた。シュウの視界には、プレシアと、そしてフェイトがいる。プレシアは黙ってフェイトの言葉を聞いていたが、やがて酷薄な笑みを浮かべた。
「資料を読む限りではただの愚者だと思っていたのだがな……」
シュウの背後でディアーチェがつぶやく。ディアーチェの側では、レヴィとユーリがはらはらとした様子でシュウと同じものを見守っていた。
「正しいかどうかは我には分からんが……。あれは、そう簡単にできるものではない」
「うん……」
シュウは静かに頷く。それしか、できない。
「シュテルは?」
「資料に記載されていなかった巨大傀儡兵と戦闘継続中、だそうだ。他とは違う大きな魔力を持っているようだが、心配するな。意思のない機械にシュテルが負けるわけがなかろう」
「大丈夫。それは信じてるよ」
その点においては、シュウは彼女たちに絶対の信を置いている。よほどの予想外がない限りは、負けることはないだろう。そう思った瞬間、シュウは妙な胸騒ぎを覚えた。
――予想外の出来事……?
何に足して胸騒ぎを覚えたのか、記憶をたぐる。だが思いつくことがない。
「あっ!」
レヴィとユーリの発した声に、シュウは思考を中断した。プレシアの方を見ると、足場が崩れ、プレシアが虚数空間へと落ちていくところだった。
虚数空間。魔法が一切発動せず、重力の底まで落ちる他ない空間。そこに落ちることは死を意味する。
アリシアの遺体と共に落ちていこうとしていたプレシアは、しかし途中で止められた。プレシアの腕をフェイトが掴んでいた。プレシアが驚きで目を見開き、シュウたちもまた絶句している。
自分たちが読んだ資料では、プレシアはこのまま虚数空間に落ちていたはずだ。資料に記載されていなかっただけかもしれないが、自分たちが知る流れとは異なるもの。シュウはすぐにディアーチェへと顔を向け、
「もうやっておる」
ディアーチェのその言葉の直後、ディアーチェの目の前の小さな光の球体から声が聞こえてきた。
『その手を離しなさい、フェイト』
シュウの意図を察して、ディアーチェはサーチャーのようなものをあの場所へと飛ばしてくれたらしい。映像はなく、音声のみが届けられてきた。
『いや、です……! 絶対に離しません! 私はまだ……母さんと一緒にいたいから……!』
フェイトの言葉に、プレシアが息を呑む気配が伝わってきた。それを聞きながら、シュウは物陰からその光景を見る。フェイトが右手だけでプレシアの全体重を支えている。長くは保たないだろう。プレシアは今、何を思っているのだろうか。
『強情な子ね。誰に似たのかしら』
フェイトは何も答えない、いや、答えられないのだろう。プレシアを落とさないように支えることで精一杯だ。
『仕方ないわね……。私の負けよ、フェイト』
え、とフェイトが間の抜けた声を漏らし、次いで表情を明るくする。その笑顔を見て、プレシアは、
『貴方は貴方の人生を歩みなさい。がんばるのよ、フェイト』
そんな言葉を投げかけ、フェイトの腕をふりほどいた。
「母さん!」
フェイトの叫び声が直接届く。シュウは思わず目を背けようとして、
「……あ……」
プレシアと、目が合った。そう認めた瞬間には、プレシアの姿は見えなくなってしまった。
ほんの一瞬だけの視線の交錯。だが、プレシアは確かに優しく微笑んでいた。
「そうですか……。やはり、そうなりましたか」
シュテルはルシフェリオンを構えながら、そう念話を返した。告げられたのは、プレシアが資料通り虚数空間へと落ちた事実。予想はしていたので驚きはしない。ただ、シュウがどう思っているか心配ではある。
シュテルは目の前の傀儡兵へと視線を向ける。手早く殲滅してしまおうとカートリッジをロードしようとして、
「シュテル!」
自分を呼ぶ声に、シュテルは内心で驚き、すぐに動作を停止する。今はまだ、見せるわけにはいかないものだ。シュテルは傀儡兵を見据えながら声の方へと視線をやると、なのはがこちらへと飛んでくるところだった。
「ナノハ。そちらは終わったのですか?」
「うん。ちゃんと封印してきたよ」
胸を張って言うなのはに、シュテルはそうですか、と頷いた。どこか残念そうな表情を浮かべるなのはに、シュテルは小さく肩をすくめる。
「こちらはまだ戦闘中です。無事に終われば、そうですね……。褒めてあげましょう」
「本当? じゃあ、がんばります!」
なのはが満面の笑顔になる。以前より薄々感じてはいたが、どうにも懐かれすぎているような気がする。
「まあ……。いいでしょう」
「え? なに?」
「何でもありません。さあ、始めましょうか」
シュテルとなのはがそれぞれデバイスを構え、傀儡兵が周囲に魔力を収束させていく。簡単なものではあるが、この傀儡兵は収束砲を武器としているようだった。当然ながら威力も高い。発射までに時間がかかっているので避けることは簡単だが。
なのはに注意を促そうとしたところで、大きな揺れが建物を襲った。
「……っ!」
駆動路が封印された影響だろうか、大きな揺れが長時間続く。シュテルは素早く空を飛び揺れから逃れるが、まだ経験の浅いなのはは揺れに翻弄されてその場に座り込んでしまった。すぐにシュテルが飛んでいるのを見て、自身も飛行魔法を展開しようとして。
同時に、傀儡兵の収束砲が放たれた。砲撃は真っ直ぐにシュテル、ではなくなのはの元へ。
「ナノハ!」
シュテルは咄嗟になのはの目の前へと飛び込むと、なのはを守るようにその体を抱き寄せ、シールドを展開する。だが、大して魔力を込められなかったシールドは簡単に砕け散り、二人は収束砲の光に呑み込まれた。
「う……」
なのはがゆっくりと目を開ける。ゆっくりと視界に映るものを認識していく。自分の周囲には大量の瓦礫。どうやら先ほど収束砲を受けた際に壁を崩したらしい。続いて聞こえてくるのは、重厚な足音。傀儡兵のものだろう足音が、ゆっくりとこちらへと近づいてくる。まだ距離はあるようだが、それだけ飛ばされてしまったということか。
そして最後に確認したのは、自分の隣で倒れる師の姿。
「シュテル!」
一気に我に返り、なのははうつ伏せで倒れているシュテルの肩を揺する。だが気を失っているのか、反応がない。とにかく安全なところへ、と思い彼女の体を起こそうとして、
「え……?」
シュテルのフードが取れていた。初めて見るシュテルの素顔。自分とうり二つの顔。デバイスを包んでいた布もいつの間にかなくなっていて、デバイスの形状も確認できた。レイジングハートと細部の違いはあれど、ほぼ同じだ。
傀儡兵の足音が近づいてくる中、なのははシュテルの顔を見つめたまま、言葉を失っていた。
冒頭からご都合展開。
顔バレはロマン。
誤字脱字の報告、感想などいただければ嬉しいです。
ではでは。