(注)過去に類を見ないほど桐葉君がキャラ崩壊を起こしています。
【side:桐葉】
5月1日、6限目。今回の特別試験の結果が発表されるとき……俺と有栖の決着がつくときがやってきた。
「これから特別試験のテスト結果を発表される。黒板にも表示するが、より細かく見れるようお前達のタブレットにも一斉表示を行う」
今回のテストは前情報に偽りなく、これまでとは比較にもならないほど高難易度だった。5教科平均80点以上を取れる生徒は学年全体でもおそらく一桁、90点以上ともなると(清隆君や六助はどうせ手を抜くから除外)せいぜい俺や有栖くらいだろう。
これまで全てのテストで満点を取ってきた俺でさえ、確実に間違えたであろう箇所が全ての教科に存在した。その点に関して非常に悔しく思う一方で、非常にやりごたえのあるテストだったという満足感もある。
個人的には今後も同じ難易度でお願いしたいところではあるが、他の子達がおいてけぼりになるしそういう訳にもいかないよね。それにまだ高校生のうちから大学、大学院のレベルの内容を前借りしていたら、今は良くても進学してから非常に退屈な日々を送る羽目になるだろうし……まあともかく、今回のテストでは今までのようなお互い満点で引き分け、という結果にはならない筈だ。
画面が切り替わり、タブレットに試験結果が映し出される。
クラスメイトの結果をいちいち目を通す必要など無い。率先しておバカな後輩を囲い込んだとはいえ、このクラスにボーダーを切るような間抜けがいるとも思えないし。ではすぐに総合点順にソートして結果を確認するか? ……いやいやいや、それも少々風情が無いだろう。俺達の長きに渡る戦いにようやくピリオドが打たれるのだから、やはりそれ相応のスタイリッシュな演出が欲しくなる。
「有栖」
「ええ、ではまず国語からにしましょう」
どうやら有栖も同意見だったらしい。用意周到な彼女のことだ、クラスメイト達にも総合点の結果を先に見ないよう根回ししてくれていることだろう。……俺の眼は良すぎるから、クラスの誰か1人でも確認しちゃどっちが勝ったかわかっちゃうからね。
タブレット画面を操作し国語の項目で並び替え、点数の高い生徒順に表示すると……
【国語】
①2年Aクラス 坂柳 有栖 98点
①2年Aクラス 本条 桐葉 98点
「同点、か……そうなるようあんな条件を付けたとはいえ、これで二人とも連続満点記録はストップだなー」
「そうですね。ですがこれまでのような歯ごたえの無いテストで積み重ねた記録などに、大した価値はありません」
「あっはっは、違いない。……さて、次は数学だ」
測度論やルベーグ積分等、高校の範囲では決して取り扱わないであろう難問中の難問が交ざっていたが……
【数学】
①2年Dクラス 綾小路 清隆 100点
②2年Aクラス 坂柳 有栖 98点
③2年Aクラス 本条 桐葉 97点
「おっと、予想だにしない展開」
「彼の生い立ちを考慮すれば、満点を取ったところで何ら不思議ではありませんが……なるほど、出し惜しむつもりはないとはこのことだったんですね」
そういや学力では俺や有栖よりも遥かに上って以前言ってたっけ。あれだけ目立つのを嫌っていた彼が急に方針を変えたのは、月城代理やホワイトルームの刺客を相手にする以上、なり振り構ってはいられないってことなのかな?……あれ?だったらなんで国語は満点じゃなかったんだろうか。確認し直したら68点って、思いっきり出し惜しみしてるやんけ。
「というか有栖、清隆君のことになると妙に上機嫌になるのは構わないけどさ、俺の前なんだから少しは取り繕おうよ妬けちゃうなあ」
「妬いているならもう少し可愛いげのある反応が欲しいですね。次は理科にしましょう」
両手の人差し指で角を作りながら抗議するもあっさり流される。つれないなあ……なんて暢気に思ってる場合じゃないか。たった1点とはいえ、いつのまにかリードを許しちゃっている。
理科は俺の一番得意な科目だし、なんとか巻き返しておきたいところだが……
【理科】
①2年Aクラス 本条 桐葉 98点
②2年Aクラス 坂柳 有栖 95点
「っしゃ、これで逆転」
「……これは、少々追い詰められてしまいましたね」
「植物学者志望として、この教科は死んでも負けたくなかったからね。それじゃあ次は社会だ」
どうにか2点のリードを得たが……残念ながらおそらく次で失われるだろう。過去に興味の持てない俺にとって社会は理科とは逆に苦手な教科だし、最後の10点分は大学受験には決して役に立たないようなマニアックな問題が多かった。2週間程度の付け焼き刃では到底時間が足りないよ。
【社会】
①2年Aクラス 坂柳 有栖 95点
②2年Aクラス 本条 桐葉 93点
「これで振り出し、です」
「そう、だね」
予想した通りあっさりと貯金を吐き出してしまったが、総合点でリードされなかっただけまあ良しとしよう。
……泣いても笑っても次で決着が付く。この楽しい時間が終わってしまうことを名残惜しく思うけど、いつまでもクラスメイト達を待たせる訳にもいかないからね。
「……それでは終わりにしましょうか。この戦いを……これまでの戦いを」
「ああ。……その結果がどうであれ、俺もお前もそれを受け入れる。念のため聞いておくけど、その覚悟に偽りは無いか?」
「ええ、勿論です。……とは言っても心の弱い私は、もし貴方に敗北し貴方を失うことになれば私は嘆き悲しみ、しばらく立ち直れなくなるでしょうね」
「安心しな、ちゃんと慰めたげるから」
「慰めるだけ慰めておいて、私の元から離れるのですか? 酷い人ですね」
「うん、知ってる。好きな女の子を悲しませてまで約束を守ることに固執するような奴は、どう贔屓目に見ても最低な屑野郎だよ」
「自覚しているのに改めないのですか」
「他人の決めたルールならともかく、己が自らに課したルールだけは破る訳にはいかないさ。これまでの俺の生を否定することになる」
「頑固な人ですね」
「それも知ってる」
これで最後になるかもしれない他愛も無い雑談をしながらタブレット画面を操作し、英語の項目で並び替えた─
…………っ…………これ、は……
6限目が終わり放課後になった。
いつもなら教室に残って談笑している生徒も何人かいるのだが、今日に限っては俺と有栖以外の36人は素早く帰り支度を済ませて教室を出ていった。この統制の取れた動きからして、やはり事前に根回しをしていたんだろう。
二人きりになった教室にて、俺は有栖と……
晴れて正式に俺の主となった最愛の女の子と向かい合っていた。6限目以降ずっと心の内より溢れんばかりに湧き出てくる
「……見事だよ有栖、お前の勝ちだ」
「ええ、私の完全勝利です」
【英語】
①2年Aクラス 坂柳 有栖 100点
②2年Aクラス 本条 桐葉 97点
【総合】
①2年Aクラス 坂柳 有栖 486点
②2年Aクラス 本条 桐葉 483点
負けた。
考えうる限り完璧に近いほど条件を対等に揃えた上で、言い訳の余地がまるで無いほど完膚なきまでに、本条桐葉は坂柳有栖に敗北した。
総合点で負け、こちらが点数で上回ったのはたった1科目のみ。そして極めつけは……この期に及んで同点引き分けなんてことにならないため、満点を取れないよう敢えて勉強時間に制限を設けていたというのに、有栖に1科目とはいえ満点を取られてしまった。
「……桐葉、約束は覚えていますね?」
「当然だよ。俺は1度結んだ約束を忘れたことはないし、破ったこともない。今までも、これからもね」
そう言って俺は有栖との距離を詰め、片膝を床につき彼女の前に跪く。
……俺は自分で言うのも何だけど、人の上に立つ資質を十二分に備えている。だけど人の上に立ちたいとは思わない。興味も無い有象無象共にいちいち指図しながら生きていくことに、何の娯楽も見出だせないからだ。
かと言って自分より頭の悪い相手にあれこれ指図されるのはさらに御免被る。駒よりも無能な将になどついていく価値など無い。
だからこそ自分と同等以上に賢い有栖が、出会って早々「(意訳)私に従え」とか言ってきたときはとても強く惹かれたし、上手いこと言いくるめられて「(意訳)負けたら生涯下僕」契約を結ばされたときは内心小躍りしたものだ。
そしてその有栖が、めでたく俺の上に立つに相応しい者だと証明された記念すべき瞬間なのだから、やはりそれ相応の演出が必要だ。
俺は
「本条桐葉はこの命尽きるそのときまで、坂柳有栖に従うことをここに誓うよ」
長きに渡り競い合った俺との闘いを制した上に、こうして俺を跪かせられているのだから、生粋のサディストである有栖はさぞや愉悦に満ちた表情を浮かべるだろうなあと思いながら顔を上げると……おや? 何だその慈愛に満ちた聖母のような優しい笑顔は。正直お前にはあまり似合ってないよ。
「……桐葉、そろそろいいのではないでしょうか?」
「……?いいって、どういう意味だい?」
「クラスの皆さんの内ほとんどは既に下校し、一部の方には他クラスの方が来ないよう警備をお願いしています。そして事前に真嶋先生に多少のポイントを支払い、放課後30分に限り教室の監視カメラを止めてもらっています」
「いや、だから一体何を─」
俺の言葉を遮るように、有栖は唐突に俺を抱き締めてきた。……あれ?何か既視感……これってまさか、
「以前貴方に言われたことを、そのまま言い返しますね。……私にまで取り繕うのはやめてください。悔しかったのなら、遠慮せず泣いても良いんですよ?」
「……バレてたの?」
「ふふ、私には桐葉のように隠し事を見抜く特別な眼はありませんが、誰よりも貴方のことを見てきたという自負はあります。それに私も、初めて直面する敗北と挫折の辛さと衝撃は身に染みてよく知っていますから。それこそ、失っていた感情が戻っても何らおかしくはありません」
「……」
「大丈夫ですよ桐葉。弱味を見せたくらいで、私も幻滅したりしませんから」
「いや待って有栖、いや有栖さん。……もしかしたら意趣返しのつもりか知らないけどさ、俺を負かしたの他でもないお前だぜ? 負かした相手に慰めてもらうのはなんかこう、俺のメンツ的にも遠慮したいかなあ……なんて─」
「ゴチャゴチャうるさいですね、それなら逃げ道を無くして差し上げしょうか。……最初の命令です、ありのままの感情を私にさらけ出してください」
「っ……」
……ずるい、ずるいよ有栖。なんて血も涙も無い女だ。たった今有栖に従うと宣言した直後に、そういう言い方されたらもう逆らえないじゃん……。
腹を括らざるを得なくなった俺は理性を投げ捨て、有栖の胸に顔を埋めて─
「びぃぃぃ゛ぃぇえ゛え゛ええ゛えええ゛えええ゛ぇぇぇ゛え゛ぇぇ゛゛ええ゛えぇぇえぇんっ! く゛やぁあぁ゛ぁしぃぃ゛い゛いぃい゛いよ゛おおぉお゛お゛ぉお゛!」
「き、桐葉……!?」
悔しい! 悔しい悔しい悔しいぃぃいいいっっっ!
なんで!? なんで負けた!? どうして!? 何が足りなかったんだ!? チクショウ悔しい! めでたい? 何もめでたくねぇよ馬鹿か! 有栖とずっと一緒にいたいのは心からの本心だけど、だからと言って負けたかった訳じゃあねぇんだよ! 言ってることが無茶苦茶? 支離滅裂? ああそうだよそうだなそうかもな! でもだからなんてだって言うんだ悪いかよ! 人の世はどこもかしこも矛盾だらけなんだよこのくらいでガタガタ文句言うんじゃねぇよバーカバーカ! お前バーカ……お前って誰だよ! 何ラリってんだ俺のバカ─誰がバカだこの野郎バカって言った方がバカなんですぅううう! いやいやトチ狂ってる場合じゃないなんで負けたか考えるべきそうすべき努力が足りなかったのかいやそんなことは無い決められた持ち時間でやるべきことは全てやった振り返っても悔いを残した覚えは無いならば有栖がルールを破ったんなわけあるかボケェ有栖も勝負事にはどこまでも潔癖完全な勝利以外で満足等できる筈も無いならば何故だ俺と有栖何処で差がついた慢心した覚えは無いし環境も同じだろうがあれか執念の差とでも言うのかたしかに「有栖には勝ってほしいけど負けたくない」なんて端から聞けば頭おかしいんじゃねぇのと思われても仕方ないこと考えていたよいましたよでもだからと言ってそんなことで俺が負けたとしたらもう悔やんでも悔やみきれない両親に顔向けもできないいや別に両親はどうでもよかったなあっヤバいどうしよう悔し過ぎていまだかつてないほどパニックになってるああどうしよう涙が出るほど悔しくなるなんて幼少期以来だしどうやって落ち着けばいいんだっけわかんなくなっちゃった頭がおかしくなりそうあばばばばばくぁwせdrftgyふじこ─
「ひっく、ひっく……」
「……ッッッ……よしよし、悔しかったですね」
心なしか息が乱れ頬を蒸気させた有栖の胸に顔を埋め、正直男としてどうなんだというレベルで号泣すること数分後、ようやく正気を取り戻した俺は─
「………………………………死にたい」
羞恥のあまり膝を抱えて踞っていた。
恐怖、悔しさときて今度は羞恥……長らく失っていた
「……ねえ有栖」
「なんでしょう」
「一生のお願いがあるんだけど」
「内容によりますね」
「忘れて」
「絶対に嫌です。命尽きるそのときまで脳内に保存し続けます」
ですよねー。はいはい知ってたよ知ってました。このドS娘があんな(俺以外の人からしたら)愉快な光景を忘れてくれる筈無いよねそりゃ。なんだったらさっき俺を慰めてたときも愉悦通り越してちょっと発情してたもんね。良い趣味してるぜこんちくしょう。
「……有栖の意地悪。足利義教」
「どんな悪口ですか。……それにしても、まさか桐葉があれほど取り乱すとは流石に予想外でした」
「ありのままをさらけ出せっつったの有栖じゃんかよう……」
「いやまあ、そうですけども」
「……もとより俺は、度を越した負けず嫌いなんだよ。そんな俺が10年以上振りに敗北……いや、ここまで完膚なきまでに負かされたのは生まれて初めてなんだ。そりゃあ幼児退行くらいするよ普通」
「普通とは」
これまでに一番記憶に残っている敗北は幼少期に親戚に将棋で負けたことだけど、客観的に考えればルール覚えたてで経験者に負けただけだし言い訳の余地はあったからね。
今回のように、徹底して条件を対等に揃えた上での敗北は初めての経験だ。まさかここまで悔しいとは……ああもう悔しいなあ畜生!
「……ただまあ、こんなことはこれっきりだ。理性で抑え込めることもわかったし、もう2度こんな醜態は晒してたまるか」
「おっと、そうはいきませんよ。今後一切、私と二人きりのときはありのままでいてもらいますから」
どうやらこのサドッ娘はさっきの情けなーい俺が大変お気に召したらしい。だけどね有栖……
「別に構わないよ、何も問題無い。約束した通り、今後いかなることがあっても俺はお前と共にいる。……だけどね有栖、俺はもう二度と負けるつもりは無いから」
今まで漠然としてわかっていなかったが、今日はっきりした。俺は負けるのが嫌いだ。もうどうしようもないほど嫌いなんだ。気が狂いそうになるくらい拒否反応が出てしまう。
だからこそ、今日の敗北は決して忘れてはならない。自分を負かした相手に慰められ、幼児のように泣きながら甘えるという、考えうる限り最も格好悪いと断言できる醜態を晒したけど……考えようによってはそれでよかったのかもしれない。今日の出来事を思い返すただそれだけで、死んでも負けてはならないと奮い立つことができるのだから。
「ふふ、リベンジマッチはいつでも受けて立ちますよ。……ああそうそう、もう1つだけ貴方に言うことがありました」
「……もう1つ?」
……はて、何だろう? まだ何かあったっけ? この俺の洞察力を以てしても、とんと見当がつかな─
「桐葉、貴方が好きです。どうか、私と交際してくれませんか?」
「………………ゑ?」
顔を赤らめながら唐突に告げられた、飾り気の一切無いドストレートな告白に、俺の脳は思わずフリーズした。
え?
…………え?
「ちなみにこれは命令ではありません。受け入れるのも拒絶、するのも、貴方の自由です」
「いやそんな悲しそうな顔しなくても拒絶なんてしないよ? でも、さあ……」
告白の返事に関しては一考までも無い。
俺は有栖が好きだ。お姫様のような綺麗な顔も、お子様のような体つきも、それと反比例するかのような妙な色気も、頭の良いところも、どうしようもないくらいサディストなところも、意外とヤキモチ焼きなところも、実は打たれ弱いところも、全部全部大好きだ。
こうして正式に有栖の下につくと決まった以上、彼女と交際することに関して不満などありはしない。……けどさあ、
「なんで先に言っちゃうの!? 普通こういうのって男から言うもんでしょ!」
「おや、桐葉らしくありませんね。そういう性差別を連想させる考えは、コンプラがなっていませんよ」
「そう言われたらぐうの音もでないけどさあ! ああもう告白するときは盛大にしようと画策してのが全部パアだよチクショー! だいたい有栖ってば結構ロマンチストなところあるから、俺から告白してくるの楽しみに待ってた筈だよね!? えっ何、俺の勘違いだった!? だとしたらすげえ恥ずかしいんだけど!」
「ええ、確かに楽しみに待っていたことに偽りはありません。ただ……こうして貴方が慌てふためくのを見たくなり、つい言っちゃいました♪」
「言っちゃいましたじゃねぇえええ! 有栖の意地悪! カトリーヌ・ド・メディシス!」
「いちいち悪口に歴史上の暴君を引用しないでください。それに─」
あまりにも想定外だった奇襲に取り乱す俺の顔を、有栖は両手で掴んで引き寄せた。
「そんなことよりも早く返事を聞かせてください。桐葉、私のものになってくれますか?」
「…………………………ひゃい」
もう二度と負けないと決意した直後に、恋愛的な駆け引きでバチボコに負かされちゃったよ。なんかもう今日の俺ほんと駄目だね。
……知恵比べと違って体が拒否反応を起こすこと無く、有栖に手玉に取られることを心地好く感じている辺り、たぶん俺って尻に敷かれるタイプなんだろうなあ。
特別試験・総合順位
1位 一之瀬クラス 平均723点
2位 龍園クラス 平均684点
3位 堀北クラス 平均661点
4位 坂柳クラス 平均655点
Aクラス(坂柳クラス)……1372ポイント
Bクラス(一之瀬クラス)……573ポイント
Cクラス(龍園クラス)……551 ポイント
Dクラス(堀北クラス)……349ポイント
桐葉君、色んな意味でボロクソに負けるの巻。いったいいつからオリ主は原作キャラより優れていると錯覚していた?
「勉強時間は1日3時間まで」ルールは条件を対等にする目的以外にも、お互い満点を取れないようにして同点引き分けを無くすためでもあったようですね。……それでも修羅有栖ちゃんは1科目だけとはいえ、満点を取ってしまいましたが。満点は取れない前提で試験に臨んだ桐葉君との意識の差が、勝敗を分けた要因の1つなのかもしれません。
前作と合わせて100話以上にも渡って散々「おかしないきもの」ムーブをしてきた桐葉君が、今回ようやく人間らしい反応を見せてくれました。これまで散々周りを振り回してきた因果が返ってきたようです。
幼少期にいつの間にか負の感情が欠落してしまった弊害か、彼のストレスへの耐性は幼稚園児レベルです。生まれつき強靭な理性を備えているため無理矢理平静を装うことは可能ですが、その理性も投げ捨ててしまうとこのようにぶっ飛んだ感情表現を露にします。
そしてようやく、ようやく桐葉君と有栖ちゃんが結ばれました。前作から追ってきてくださった読者様方は待ちくたびれたことでしょうね。