HUNTER × GHOUL   作:喰種好き

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第4次試験の話です。

原作漫画も各場面が多いですが、こちらはカネキを軸にしているのでより場面転換が多いです。
8話より急に伸びてて驚きました。ありがとうございます。


9.7(セン)×カケル(ヒク)×1000(ナナ)

「では早速だが、今からクジを引いてもらう。…このクジで決定するのは『狩る者』と『狩られる者』。この箱の中には25枚のナンバーカードが入っている。すなわち今残っている諸君らの受験番号が入っている訳だ。今からこのクジをタワーを脱出した順に引いてもらう。」

リッポーさんは脱出した順番を読み上げ、言われた人は箱に向かいカードを手に取っていく。

 

 

-【今現在の受験生:受験番号順】-

16番:トンパ、34番:リュウ、44番:ヒソカ、53番:ポックル、80番:スパー、89番:シシトウ、99番:キルア、103番:バーボン、105番:キュウ、118番:ソミー、191番:ポドロ、197番:アモリ、198番:イモリ、199番:ウモリ、246番:ポンズ、281番:アゴン、294番:ハンゾー、301番:ギタラクル、362番:ケンミ、371番:ゴズ、384番:ゲレタ、403番:レオリオ、404番:クラピカ、405番:ゴン、406番:カネキ

 

 

「全員引き終わったね、今諸君らがそれぞれ何番のカードを引いたのかは、全てこの箱が記録している。したがってもうそのカードは各自、自由に処分してもらって結構。では次の試験について詳しく説明していく。諸君らが引いたそのカードにある受験番号が…それぞれの獲物(ターゲット)だ。」

(僕が引いたカードの番号は…191番…。)

リッポーさんは身振り手振りをしながら話を続ける。

「奪うのは獲物(ターゲット)の"ナンバープレート"。

自分の獲物(ターゲット)のナンバープレートは3点。

自分自身のナンバープレートも3点。

それ以外のナンバープレートは1点。

最終試験に進むために必要な点数は、6点。

ゼビル島の滞在期間中に6点分のナンバープレートを集めること。これが次の4次試験内容だ。」

説明を聞き終えた受験生達は僕含め自分のナンバープレートを取り外し、隠した。そしてゼビル島へ向かう船に案内され、乗り込んでいく。

 

「御乗船の皆様、第3次試験お疲れ様でした!

当船はこれより、約2時間かけて次の会場、ゼビル島へ向います。そして!ここ残った25名の方々には来年の試験会場無条件招待権が与えられます。たとえ今年受からなくても、気を落とさずに来年また挑戦してくださいねっ!…(…何この雰囲気。)…そ、それではゼビル島に着くまでの2時間は自由時間となりますので、皆さん船の旅をお楽しみくださいね!」

 

 

 

***

「よっ……ゴン、何番引いた?」キルアはゴンの隣に座る。

「………キルアは?」

「ナイショ」

二人は愛想笑いした。そして愛想笑いをやめたキルアから話を切り出す。

「…安心しろよ、オレの獲物(ターゲット)405番(ゴン)じゃない。」

「オレも99番(キルア)じゃないよ。」その言葉に

「じゃあ、せーので見せっこするか?」

とキルアは提案した。

「うん。いいよ。………せーのっ」

【199】【44】

「44…お前、マジ?……ゴンくじ運ないなー」

ゴンは舌を出し頭を搔く。そしてキルアの番号を見て

「キルアのは……誰の番号だっけ?」と呟いた。

「やっぱしわかんねー?他の奴の番号なんか全部覚えちゃいないもんな。あの後周り探したんだけどさーみーんなプレート隠してやんの。」

とキルアはゴンの方へ向くと、ゴンは真剣な眼差しで手を組み震えていた。

「…ゴン、嬉しいのか怖いのか、どっちなんだ?」

ゴンは目線を落とし床を見る。

「両方、……かな。これがもしただの決闘だったらオレに勝ち目は無かったと思う。でもプレートを奪えばいいってことなら何か方法はきっとあるはずなんだ。今のオレでも…少しはチャンスがある。そう思うとさ、怖いけど」ゴンは強く拳を握りしめる。「やりがいはあるよ。」

「……そっか。ま、がんばろうぜ。…ゴン、生き残れよ。」

キルアは立ち去りある人のところへ向かった。

 

 

「カネキさん!」

振り向くとクラピカさんがこちらに来ていた。

「クラピカさん、どうしました?」

「4次試験の件なんだが…」

そこでクラピカさんは言葉を詰まらせる。

「ああ…大丈夫ですよ、僕の獲物(ターゲット)は皆さんじゃないです。」

僕の言葉にクラピカさんの表情が柔らかくなる。

「そうか…あ、私も違うんだ。じつは」

そう言ってクラピカさんはクジのナンバーカードを見せてきた。

「16番…トンパさん、ですね。」クラピカさんは頷く。

「そうだ、クラピカさんこのナンバーに心当たりありませんか?」

僕も自分のナンバーカードを見せる。

「191番か…私に心当たりはないな。力になれずすまない。」

「いえいえ…(そういえばトンパさんは常連者だったら知ってるんだよな。)あの、クラピカさん良かったら組みませんか?」

僕の提案にクラピカさんは目を瞬かせる。

「それは有難い提案だが…いいのか?」

「はい。トンパさんならもしかしたらこのナンバーの受験生を知ってるかもしれないので。」

「分かった。ぜひよろしく頼む。」

 

 

「ねェ。」クラピカさんが去った後、キルアくんが僕の元へ来ていた。

「キルアくん…どうしたの?」と聞くと

「アンタの獲物(ターゲット)、誰?」

と刺すような目付きで聞いてきた。

「……キルアくんこそ誰なの?……僕?」

キルアくんは答えない。代わりに

「……ゴンに手を出したら容赦しないから」と言い放つ。

「…しないよ。誰も傷つけたくないから。」

「ハッどうだか。」

その言葉と共にキルアくんは踵返した。

 

 

 

***

「こちらの島がゼビル島です。それでは!第3次試験の通過時間が早い人から下船して頂きます!一人が下船してから2分後に次の人が下船する方式をとります。滞在期間は1週間!その間に6点分のプレートを集めてまたこの場所に来て下さい。では一番の方、スタート!」

「25番の方、スタート!」(ヒソカを見つけなきゃ!)

「最後の26番の方、スタート!」

 

 

 

***

【1日目】

(う〜ん。どうやったらヒソカのナンバープレートを奪えるんだろう…。………やっぱり真っ向勝負じゃ奪えそうもないよなー。何か相手の裏をかくようなやり方じゃないと…。)

 

 

「カネキさん!」

先にスタートしていたクラピカさんと合流し島の中を歩いていた。

「クラピカさん、そちらはどうでした?」

「ダメだった。もう受験生達は島の奥へ移動したようだ。全然見当たらない。」

とクラピカさんは首を横に振った。

「やはりここら辺に人が来るとしたら最終日に近づいた頃ですかね。…周りに気をつけて僕達も島の中心へ向かいましょうか。多分トンパさんは身体能力を使ったやり方より知識や経験を生かしたやり方のようですし、もしかしたら3日間ぐらいは息を潜めているかもしれませんね。」

「そうだな。私としては早めに見つけておきたいが…地道に探すしかないか。」

僕達は周囲を警戒しつつ島の奥へ向かった。

 

 

「ぐっ……体が…うご、か、ねぇ…」男は倒れる。

「惜しかったね。矢には即効性の痺れ薬が塗ってある。1週間はまともに動くことも出来ないぜ。…まぁ、すぐ近くに水場があるしすぐに死にやしないさ。じゃ、おつかれさん」

その様子を見ていたゴンは感嘆な眼差しで見つめていた。

(すごい…!完全に気配を消し背後に近づいて機をうかがう。やられた方だって矢を撃つ瞬間の殺気を素早く感じ取り致命傷をさけた!でも狙撃手はそれも予測して予め矢に痺れ薬を塗り万全を期していた。これが……狩り(ハント)!!)

ゴンはその場を離れ湖に向かった。

(もし今のオレがヒソカからプレートを奪うには、アレしかない!気づかれないように近づいて、スキを見て、奪う!ただ、今のオレじゃ不意打ちに成功してもあのヒソカを1発で倒せないしあの狙撃手のような痺れ薬もない。どうしたって一発勝負!!一瞬のスキをついてヒソカのプレートをこの釣竿で取らなくちゃダメなんだ。…その為にも、どんな動きでも百発百中でとらえれるようにならなくちゃ。)

 

 

「…くそっ誰だよ246番。全然人見当たらねーし、いや会いたくは無いが。…腹減ったな。おっ!?ラッキー、キノコ発見!…いやこれ、食えるのか…?」

 

 

 

***

【2日目】

あれからゴンは鳥に向かって竿を振り続けていた。

(全然だめだ…!カスりすらしない…!やっぱりオレにはムリなのかなー。)

ゴンは地面に腰を下ろしただただ湖を眺める。

そこに一羽の鳥が湖の畔の木に止まり、そして自然な動きで魚を捕まえ森の中へ消えていった。

(これだ!!)ゴンは勢いよく立ち上がった。

もう一度、鳥が魚を捕まえる瞬間を目に焼き付けるように観察する。

(相手が獲物を狙う瞬間!そこを逆に狙うんだ!!)

 

 

「クラピカさん!」

崖の上の木に登り、辺りを見渡していた僕は木の下で一緒に見渡しているクラピカさんを呼びかけた。

「カネキさんどうした?何か見つかったのか?」

「ええ、トンパさん。見つけました。」

僕の言葉にクラピカさんの表情が固くなる。

「どうやら誰かと一緒に行動しているようです。……あ、あれは!」僕の声に

「どうした!?何か起きたのか?どこにいる?」と声のトーンをあげこちらを見る。

「二人が動き出したのですが、レオリオさんをターゲットに狙っているみたいです。こちらの方向にいます。急ぎましょう。」

僕達はレオリオさんの元へ走り出した。

 

 

ガサガサと草むらから音がし、俺はナイフを出し構える。出てきたのは…

「待て待て落ち着けって、あんたはオレの獲物(ターゲット)じゃないよ」と両手を上げながらトンパが出てきた。

「………証拠を見せろ。」その言葉に

「ほら!」と【281】とトンパは書かれたナンバーカードを取り出した。

「な?…ふぅ捨てずに持ってて良かったぜ…。獲物(ターゲット)以外の戦いなんざ時間の無駄だからな。」

そこで言葉を止めトンパは身構えてきた。

「待て、もしかしてお前さん、オレが獲物(ターゲット)じゃないだろうな!?」

【246】のナンバーカードを見せながら「違う。だがそっちこそ、そんなリスクを冒して来た要件はなんだ。」と問うと先程とうってかわり、トンパは顔を青白くし下腹部から不穏な音と両手で抱え震えだした。

「どうやら木の実に当たったらしくてな。実は立ってるのもやっとなんだ。お前さんが医者志望という話を聞いてな。なんかいい薬もってないか?…もちろんタダとは言わん。もし246番が知らないならそいつの姿形、武器、得意技、弱点諸々教える。交換条件でどうだ?」

「……分かった。交渉成立だ。下痢止め胃腸薬etc…薬はあるぜ。待て近寄るな。情報が先だ。」

「う、分かったよ。」

 

 

「よし!カンペキ!百発百中で鳥を捕まえれるぞ!!」

(これを応用すれば、きっとヒソカのプレートも奪える!あとは…ヒソカを見つけるだけだ!)

「…っていってもこの島案外広いんだよなー。………ん?」

ゴンの周りに蝶がひらひらと舞う。と、いうよりはゴンの血の滲んだ手のひらに。

 

 

レオリオさんがいた場所まで向かっていると、すぐ前方から「ぶっ殺す!!!」という怒声と

「トンパ!例の場所で落ち合おう!」

「おうよ!」という会話が聞こえ、

クラピカさんと軽く頷き合い僕は草むらへ、クラピカさんは木の後ろに隠れた。

「おいおいお前さん、プレートはあっちがもってるんだぜ。オレよりあっち向かった方がいいんじゃないの。」

「やかましー!!」

「やれやれ、少しは学習しなよ。新人(ルーキー)さんよ。言っちゃあ悪いが騙される方が悪いのさ。それにチームプレイはハンター試験じゃ常識だぜ?」

と前を見ず後ろに向きながらトンパさんがこちらに走って来る。その様子を見たクラピカさんは木陰から出て

「後半は賛成だが、前半は許せん。」

「ん?」

「騙す方が悪いに決まってる!」とトンパさんに回し蹴りを放った。

「クラピカ!」

「レオリオ、無事か?」

僕も草むらから出る。

「うおっ!?カネキもいたのか!」

「はい。大丈夫ですか?レオリオさん」

「おう!怪我はないぜ。ただ…プレートを奪われちまった。」と片手で目を隠す。

トンパさんからプレートを取り、縛っていたクラピカさんはこちらに振り向き

「……乗り掛かった船だ。手伝うよレオリオ。…カネキさんはどうする?」

「僕はトンパさんに用がありますので…」

「そうだったな。では二人で取り返しに行こうか。取り返したらまたこちらに戻ってくるよ。」

「わかりました。気をつけてくださいね。」

僕の言葉に二人は頷きその場を去っていった。

 

 

「トンパさん、僕の獲物(ターゲット)は191番なのですがご存知ありませんか?」

うつ伏せになり手足を縛られたトンパさんは

「……知ってるぜ。だがタダじゃ教えられないな。」と笑みを浮かべる。

「………。そう言えば、初めてトンパさんとお会いした時の事、覚えていますか?あの時、僕が一人の受験生を聞いた時あなたは『去年、気に入らない審査官を半殺しにして失格した奴だ。』と教えてくれましたね。」

「それがどうした。」

「実は僕も一度だけ、人を半殺しにした事があるんですよ。」(人というか喰種だけど。)

トンパさんは挑発的な態度のまま

「脅しのつもりか?生憎オレに脅し(ハッタリ)は効かないぜ。」と答える。

僕はトンパさんの背後に回り込みしゃがみこんでトン、とトンパさんの背中に人差し指を置いた。

「そもそも半殺しってどういう状態だと思いますか?…僕はその時にこう考えたんですよ。"均等にダメージを負わせるとしたら、左右対称の骨が丁度いいのではないか、つまり人の骨約206本の内の半分。103本の骨を折ったらいい"、と。」

「……。」トンパさんは汗を流し顔色が悪くなったが、僕は気にせず淡々と話を続ける。

「例えばここは、第1胸椎。第2胸椎に第2肋骨。第3胸椎、第3肋骨~」

僕は骨の場所を人差し指でなぞっていく。

 

「~~第7胸椎、第7肋骨、第8胸椎、第8肋骨~」

「もういい!分かったから!ポドロのこと言う!まいった!」

「~~第1腰椎、第2腰椎、第3腰椎、第4腰椎、第5腰椎、仙骨、寛骨…」

腰あたりまで来たところで

「カネキさん、獲物(ターゲット)の事聞き出せただろうか?」

とクラピカさんとレオリオさんが戻ってきた。

「いえ、すみませんトンパさんと"雑談"をしていました。…改めてトンパさん、僕の獲物(ターゲット)、191番の事教えてもらえますか?」

トンパさんは「…お前達、よくコイツと一緒に居られるな…」と呟き

「191番はポドロってやつだ。そいつは~~…」

 

 

ゴンはヒソカを見つけ、タイミングを伺っていた。(絶対チャンスは来る!!ヒソカが獲物を仕留めようとする瞬間…!)

 

 

「…ねェ、四次試験開始からずっと尾けてるけどバレバレだぜ。出てこいよ。遊ぼうぜ。…時間のムダ、いくら尾けまわしたってオレはスキなんか見せないよ。」

後ろに向かって呼びかけるが、返事は返ってこない。(メンド。)

オレはため息を吐き、尾行している奴に向かって歩く。

「来ないならこっちから行くよ。はぁホントいやなんだよなぁー。どうせ1点だろうし。」

困った顔をしているとそこに前方から

「待たせたな、イモリ」と二人組が現れ、ずっとオレを尾けてた奴が「兄ちゃん!」と立ち上がる。

そいつは安堵した様子だったが、二人組はオレがいることを知り腑抜け、と殴り始める。

そしてやっと尾けてた奴がオレに近づき

「なぁ、ボウズ。プレートをくれねーか。大人しくしてれば何もしない」と言ってきた。

オレが「バーカ。」と返すと蹴ってきた。

「あーあ、いわんこっちゃない。バッチリみぞおち。」

(弱。)立ち上がって盗ったプレートを確認すると【198】。その様子を見たアイツは慌てふためく。(やっぱりハズレ。…だけど)

「オレの欲しい番号と1個違いってことは、もしかしてあんたら二人のどっちかが199番?」

と二人に呼びかけると顔つきを変え

「…ウモリ陣形(フォーメーション)だ。マジでいく。こいつタダのガキじゃねぇ。」と身構え始めた。

(…ふーん。オレから見たらスキだらけ。)

サクッとリーダー格らしい奴を人質にして

「動かないでね。オレの指、ナイフより切れるから。」と脅す。

二人が動かないのを確認してリーダー格の衣服を漁る。が、

「あれ、こっちが197番か。もーオレってこういう勘は鈍いんだよなー。…ねーそっちのアンタが199番?」と残りの一人に聞くと肯定した。

「ちょーだい。」と茶目っ気たっぷりに聞いたら、眉間に皺を寄せたけどプレート投げつけてくれた。

「サンキュ。さて、いらないプレートは…」

(もう1人は出てこない、か。簡単に取られるのも癪だし。)手の中をちょっと弄りつつ2つのプレートを別々に遠くに投げ

「あと5日あるし頑張って探しなよ。じゃあねー。」

とオレはこの場を後にした。

 

 

「トンパさん、詳しく教えてくれてありがとうございます。」

とニッコリ笑うとトンパさんは汗を流し身震いした。

「お二人は無事に取り返せましたか?」

「おう!クラピカのおかげだ。助かったぜ。」

「礼には及ばない、こちらも6点分集まったからな。それで私はレオリオの獲物(ターゲット)246番(ポンズ)を探すのを手伝う事にしたんだが、カネキさんも一緒に来るか?」

とクラピカさんが聞いてきたが、僕は少し考えて

「…いえ、一人で自分の獲物(ターゲット)を探してみます。」と答えた。

「そうか、もしこちらが191番(ポドロ)を見つけたら教えよう。」

「はい。僕も先に246番(ポンズさん)を見つけたら教えますね。あと早めにこちらが6点分貯まればそちらに合流します。」

「分かった。カネキさん気をつけてな。」

「カネキ!気をつけろよ。」

「ありがとうございます。お二人とも、気をつけて。」

僕は二人に手を振って別れた。

 

 

 

***

【3日目】

(良かったァー。ヒソカがクラピカとレオリオを狙った時は焦ったけど、クラピカの機転のおかげで無事だ。……でも次、ヒソカは必ず…殺る!)

ゴンは近くにある高い木の上に登り、

(…いた!あの受験生がヒソカとぶつかる!急がなきゃ。見つけたらヒソカは襲いかかるだろう。その二人がぶつかる場所は………あそこだ!)

ゴンは木から降り静かに走り出した。

(ヒソカが受験生を見つけた。でもまだ。まだだ。ギリギリまで粘るんだ。……………今!!!!)

ヒソカに向かって竿を振るとプレートは綺麗な弧を描きゴンの手の中にするりと収まる。上手くいった事による衝撃と成功した興奮で思考が止まる。ヒソカの足が動き出した事で(!!逃げなきゃ!)反射的に忘れていた事を思い出し素早くヒソカから背を向け走り出す。

それでも興奮が抜けず、体の中でマグマが駆け巡っているような感覚になる。

(やった。あのヒソカから…獲った!!)

ある程度の距離を走ったところで視界がぐにゃりと歪む。そのまま足を前に出せずゴンはうつ伏せに倒れ込んだ。そして背後から足音が近づき、

「およそ七千回。この数字が何を示すか分かるか?…俺がお前を仕留める事ができたチャンスの数だ。同時に、お前が竿を振り続けた数でもある。釣竿を振っているお前はスキだらけだ。だがその集中力と正確さは驚嘆に値する。特にさっきの一振は見事だった。まぁ、次からは自分の背後にも気をつけるんだな。」

とオレを『狩る者』だった受験生はオレからプレートを奪い、去っていった。

「くっそ……。」

 

 

「クラピカ!そっちはどうだった?」

「ダメだ。ヒソカに会って以来全然見かけない。…もう少し西に行くか。」

「そうだな…。」

 

 

(この島本当に広いな…。あそこの水辺にもう一度向かって見るか…。)

 

 

「「借りなんかまっぴらだ!今返す…!!」」

ゴンは後を追って来ていたヒソカによって情けをもらっていた。

その真っ直ぐな姿勢にヒソカは笑う。

「断る♠今のキミは僕に生かされている♣キミがもっと殺しがいのある使い手に育つまで、キミはずっと僕に生かされているのだよ♠だから…」

ヒソカは思い切りゴンの右頬を殴り、そして言い放った。

「今みたく僕の顔に1発、ぶち込む事が出来たら受け取ろう♦それまでそのプレートはキミに預けるよ♣」

ヒソカは来た道を戻り、ゴンは悔しさに身を滲ませた。

「………。」

 

 

 

***

【6日目】

「……全然見当たらねー。一度スタート地点に戻ってみるか?」

「ふむ、行ってみる価値はあるな。あと一日。プレートを6点分集めた者なら少しでもスタート地点に近い場所で様子を見たくなるのが心理。…私が、そうだからな。」

「よし、んじゃ行こうぜ。」

二人はスタート地点の海岸に向かい辺りを探る。

「…さすがにすぐ見つかるような場所にはいないな…」

その言葉にレオリオの顔が険しくなる。

「場所と時間を決めて落ち合おう。二人バラバラで探した方が効率がいい。」

クラピカが今後について提案していると、頭上から

「3人ならもっといいでしょ。」

と言葉がかかり降りてきた。

「「ゴン!」」

「やっぱりみんな考えることは同じだね。上で見てたら他にも何人かこの近くに来てたよ。」

「マジか!」

「ゴン、お前はもうプレートを集めたのか?」

「うん。まぁ……ね。」(ん…?)

 

 

(あれからクラピカさん達と別れて4日ほど経ったかな…。あと1日しかない。……一旦スタート地点に行ってみるか。もしそこにもいなかったら…他の受験生3人か、"喰種の力"を使うしか…。…考えるのは後だ。とにかく向かおう。)

 

 

「あそこだよ。あそこから薬品の匂いがする。どうする?」

「俺がいく。二人は待っててくれ。俺がいいっていうまで中には入ってくるな。」

「…30分だ。30分経っても連絡がなければ我々も入る。」

 

 

「こんばんは。191番のポドロさん、ですね?」

「…貴様が私を『狩る者』か。」

「はい。あなたのナンバープレートを頂きに来ました。プレートを頂ければ僕は何もせず、この場を去ります。」

「ふん、渡すわけなかろう。」

ポドロさんは身構え、「…シッ!」と

先手必勝とばかりに僕に向かって手技、蹴り技を仕掛けてくる。ポドロさんは素早く次々と技を繰り出し、身体がガラ空きになることはない。

(速いけど、喰種に比べたら全然反撃できる。ただ人は人でも使い手だ。生半可な力じゃ効かないし強すぎてもいけない…。……敢えて受けるか。)

僕は敢えてスキを作り、思惑通りに胸に目掛けて来た正拳をそのまま胸で受け止めた。

そして僕に攻撃が通り、一瞬固まった隙をつき腕を掴み僕は身を捻って背負い投げした。

そのまま間髪入れずに腕を引っ掛けて首を絞める。

(人相手は何気に初めてだ。力加減が分からないし、少しずつ力を強めよう。)

僕は首が折れないように探り探り力を強めた。

その間もポドロさんは肘打ちをしたり抵抗するが、残念ながら僕には効かない。5分程経っただろうか、やっとポドロさんの意識が落ちる。

「…ごめんなさい。」

僕はポドロさんのプレートを取りその場から離れた。

 

 

 

***

『『ただ今をもちまして4次試験は終了となります!受験生の皆さんは速やかにスタート地点へお戻りください!これより1時間を帰還猶予時間とさせて頂きます。それまでに戻られない方は全て不合格とみなしますのでご注意ください。なお、スタート地点へ到着した後のプレートの移動は無効です。確認され次第、失格となりますのでご注意ください。』』

 

 

【四次試験通過者:9名】

44番、ヒソカ:384(3)、80(1)、281(1)、118(1)

53番、ポックル:53(3)、105(3)

99番、キルア:99(3)、199(3)

294番、ハンゾー:294(3)、198(1)、362(1)、89(1)

301番、ギタラクル:301(3)、371(3)

403番、レオリオ:403(3)、246(3)

404番、クラピカ:404(3)、16(3)

405番、ゴン:405(3)、44(3)

406番、カネキ:406(3)、191(3)

 

 

僕達は船に乗りタワーに戻った後、最終試験会場へ向かう飛行船に乗った。

 

「過半数以上が新人か、豊作豊作。」

「…ところで会長。最終試験は一体何をするつもりですか?」

メンチの言葉に他試験官はネテロを見る。

「うむ、そのことなんじゃが…一風変わった決闘をして貰おうと考えておる。そのための準備としてまず9人と話をしたいのぉ…。ビーンズくん。」

「はい、なんでしょう?」

 

 

***

「ゴンいよいよ最終試験だな。ここまでこれたのもゴンのおかげだ。」

「…そんなことないよ。」

(やはり浮かない顔だな…。)「…ゴン。」

「四次試験中に何かあったのか?…合流した時の様子が少しおかしかったのが気になってな。」

クラピカが切りだすと、ゴンはポツリと呟いた。

「オレの獲物(ターゲット)、ヒソカだったんだ。」

それからゴンは顔を伏せ、吐き出すように言葉を紡ぐ。

「スキを見てプレートを奪えたけど、オレも他の奴に尾けられてて毒矢にやられてあっさりプレート取られちゃって。その後ヒソカがやってきて、奪われたオレとヒソカのプレートを貸しだとか言って置いてったんだ。いらないって言ったらぶっ飛ばされて、今みたいに一発殴り返せたら受け取るって言われて…やり返せなかった自分自身が悔しくて…」

だんだん語尾が震え出したゴンは唇を噛み泣いていた。(…。)

しばらく声を殺し嗚咽していたゴンだが目を擦り

「…だからかな。誰かの役に立ちたくて二人を探してたんだ。」

と顔を上げ夕日を眺める。

「…ゴン、私もレオリオもお前がいたからここまで来れた。ありがとう。感謝している。」

そこに機内放送が流れ出した。

『これより会長が面談を行います。番号を呼ばれた方は2階の第1応接室までお越しください。44番ヒソカ様〜』

 

 

(面談…?やっぱりあの時の事(3次試験の試合)を聞かれるのだろうか…。)『406番カネキ様〜第1応接室へお越しください。』背中にじっとり汗が流れ服が貼り付いた。

 

 

 

***

僕は呼ばれた場所に向かうと枝豆顔の案内人さんが

「406番カネキ様ですね。お待ちしておりました。中で会長がお待ちです。」と扉を開けた。

中に入ると和室のような部屋になっており、

「来たか、そこに座りなさい」と会長に促され座布団に座る。

「まぁそんな緊張しなさんな。ちょっと質問するだけじゃ。……早速じゃが、何故ハンターになりたいと思ったのかの。」

「…ハンターになれば様々な情報が見れると聞いたからです。あと色々便利だとも。」

「ふむ、では、残った受験生の中で1番注目しているのは?」

「注目、ですか?」聞き返すと頷かれた。

「…そうですね…ゴンくん、405番でしょうか。ゴンくんを見てると強いなって感じるんです。僕に無いもの沢山持っていて……それとなんと言うか性格も仕草も全然違うんですが、親友と一緒にいるような気持ちになれるんです。」

(そのわりには言ってる事と正反対の顔なんじゃがのぉ…)「なるほどの、最後の質問じゃ。残った受験生の中で1番戦いたくないのは?」

ダメ元で「全員戦いたくないです。」と答えるとキッパリと「その答えは無しじゃ」と即答された。

「……99番、403番、404番、405番ですかね。できれば44番と301番も戦いたくないです…。」

「注文が多いのぉ…」

「…すみません。」

会長は紙に書き留め、「話は以上じゃ。下がってよいぞ。」と言った。

絶対聞かれるだろうという質問がされず、

「えっ、それだけ、ですか…?」と驚き思わず聞き返す。

「うむ?そうじゃが、早く出ていってくれんかの。組み合わせが作れん。」

と淡々と言われ、慌てて僕は失礼しましたと部屋を出た。

部屋を出ると扉の横にいた案内人さんが

「お疲れ様でした。最終試験会場の到着は朝6時頃の予定です。こちらの部屋をお使いください。また、飛行船の中で受験生同士の争いは即失格となりますので、部屋でゆっくり英気を養ってください。」

と部屋キーを渡された。

(会長は3次試験の試合を見ていなかったのか…?そんなハズはないと思うんだけど…)首を傾げつつ渡された部屋に向かっていると「カネキさん」と呼ばれ僕は振り返る。

「クラピカさん。…あ、4次試験ではあの後合流できずすみませんでした。中々出会わなくて…。」

「いや気にしなくていい。こちらも246番(ポンズ)を見つけるのに苦労した。……カネキさん。最終試験で私は全力で戦わせて頂く。」

「…はい。僕も頑張ります。」

 

 

 

***

「ふむ、これでよし!皆の衆待たせたの、最終試験の組み合わせじゃ」

と会長は他試験官、ビーンズに紙を見せる。

「「………会長、これ本気ですか?」」

 

『皆様長らくお待たせいたしました。最終試験会場に到着しました。』

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