HUNTER × GHOUL   作:喰種好き

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最終話。分岐1

ありがとうございました。


11.13本のトゲのない純白の花

「うあぁ!」

「…おや、目覚めましたか。」

あれ…?ぼんやりした頭でとりあえず声のした方に顔を向けた。

「確か…1次試験の…サトツ、さん?」

「ええ。名前覚えていたんですね。」

「うん。…イッ!」

「大丈夫ですか?一応キレイに折ってくれていたのですぐにくっつくと思いますが。」

腕の痛みで、試合中に折られた事とそれが事実な事、そして試験の最中だった事を思い出した。

「あ!オレ!試合は!?どうなったの!?」

「落ち着いて下さい。まずは、ゴンくん。__合格おめでとうございます。」

え?何も出来ず、中途半端な試合が…合格?

「サトツさん、オレ…」

「だめです。」

サトツさんはまるで、オレが何を言うか分かっていたかのように遮ってオレの無事な方の手を握った。

「不合格者が何を言っても合格出来ないのと同じく、合格した者を不合格にすることもできません。あとは、ゴンくん。キミの気構え次第ですよ。……もし自分に合格したという資格がない、と判断したのなら、ライセンスカードを捨てるのも、タンスの奥にしまい込んで肥やしにしてしまうのも、売る、という手もあります。ただし、自分の手で無くしてしまうともう一度手にする事も試験を受けることさえできませんが。

ですが、私から一言申し上げるならば、大事な事はハンターになって何を成し遂げるか、ですよ。世界は広く、未知のものがたくさんある。

それを感じ取れる力が、キミには有り余るほどあるのだから。」

「…うん。」

オレの返事にサトツさんは大きく頷き

「改めて、こちらをどうぞ」そう言ってサトツさんはオレに黒いノートのようなものを渡した。オレが首を傾げながら開くと、そこには__

「これが、ゴンくんのライセンスカードです。このカードを使う時期は自分で決めたらいい。キミならそれができるでしょう。」

「うん。これまで色んな人に助けて貰っていっぱい借りも作ったしね。それを全部返してから使う事にするよ。」

「ではもう一度言います。合格、おめでとうございます。」

「ありがとう!サトツさん」

「いえいえ__さて、試合の事でしたね。」

「あ!うん。まだ試合の最中でしょ?」

オレは窓の外を見る。外は暖かい日差しが射し、木の葉がサワサワと擦れ、遠くから鳥のさえずりが聞こえる。ゆったりとした時間が流れている。

「いえ、試合は終わりました。」

「えっ!?」

「実はゴンくん。キミはほぼ丸1日寝ていたんですよ。他の合格者達は今は、その試合の件で講堂にいます。後でゴンくんにも参加してもらいますが。」

「うん。でもそれより…誰が、落ちたの?」

「それは…キルア選手です。しかし不可解な事に、不合格となった試合が私を含め、皆口を揃えて記憶に霧がかかったように思い出せないと言うのです。ですが、試合直後の事はハッキリと覚えています。キルア選手の手にはベットリと血が着き、そのまま部屋の扉を開け、出ていく姿を…。」

「キルアが…なんで…」

「まずは、ゴンくんが気絶した後から順を追って話しましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴンが寝ていた部屋に、カネキの姿は無かった。

 

 

 

***

遠くから鳥のさえずりが聞こえる。僕は目を覚まし上半身を起こす。

喫茶店で嫌な話を聞いたせいだろう。

まるでそれが現実に起こったような嫌な夢を見た。それからまるで…自分が本の中の主人公になったような不思議な夢。起きた頭にはもう何も、思い出せないが…。そんな夢を見た気がする。

ベッドから出て伸びをしつつ部屋出る。

階段を降りているとテレビがついている音が聞こえた。

『…の夜から雨が……でしょう。』

「お兄ちゃん!」

1階の床に足をつけた僕が、リビングに顔を向けると階段を降りる音を拾ったヒナミちゃんが駆け寄って来ていた。

「…おはよう。ヒナミちゃん。」

僕が挨拶するとヒナミちゃんは頬を膨らまして

「もう!お兄ちゃん、朝なんてとっくに過ぎてお日様も真上だよ!」

と仁王立ちをした。僕は言われて時計を確認する。針は既に13時12分を指していた。

「本当だ。起きるの遅くなってごめんね。」

ヒナミちゃんに謝ると、ヒナミちゃんはすぐに顔を横に振って

「ううん。お兄ちゃん、ずっと元気なくて辛そうな顔してたから、たくさん

寝ている姿を見れてヒナミ、嬉しいよ。」

頬の空気を抜いたヒナミちゃんは安心した顔で笑った。

「…そっか。」

「うん!あ、お兄ちゃん、今日もどっか行くの?」

そうだった。昨日聞いた…いや、聞こえてしまった話を四方さんに伝えないと。

「そうだね。……万丈さん、僕ちょっと四方さんの所に行ってきます。…ヒナミちゃん、夜には帰れると思うから、それまで万丈さん達とお留守番できる…かな?」

「うん!ヒナミ待ってるよ!」

「ごめんね、ありがとう。」

ヒナミちゃんの頭を撫でた後、身支度を整え、

「それじゃあ、行ってきます。」

皆に見送られアジトを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、四方さんと話をした帰り道。

カネキケンは、某大型ファッションデパートに

付けられた巨大液晶を、

 

 

見た。

 

 

見てしまった。

 

 

見なければいけなかった。

 

 

知った。

 

 

知ってしまった。

 

 

知らなければいけなかった。

 

 

この世の終わりを見たかのように

 

 

液晶を見続けていた。

 

 

喰いいるように、

 

 

悔いいるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『12。しね』




改めてお疲れ様でした。
pixivの方ではもう1つの分岐、暗緑の方が人気でしたがこちらは純白なんですね。面白い。アンケートに答えて下さった方ありがとうございました。
あと10話に書き忘れてたのですが、某美食家が出たりカネキが赫子出しちゃってたりするギャグ寄り(二次創作設定寄り)の番外編のような話もこちらには載せません。
全く違う展開の暗緑やアトガキ、番外編全てpixivに。
また何かに引っかかり削除されたりしても新しい(同じのではなく別物の)小説を載せる予定はありません。
0話の前文通りです。それでは。
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