有栖ちゃんに甘やかされたい
「……き……ださい…………咲耶くん起きてください」
「あとちょっ……と」
「もうすぐ着きますよ。それに車に乗ってからずっと膝枕してるので流石に辛くなってきました。それでもまだ寝たいと言うのであればこれから膝枕はしてあげませんよ」
「それは困るな」
俺は体を起こし、
「おはよう有栖、いつもありがとな」
眠い目を擦りながら横にいる少女に挨拶をした。
「おはようございます。私も咲耶くんの可愛い寝顔を見れて嬉しいですよ」
「寝てる間に悪戯とかしてないよね?」
「さぁ、どうでしょうね」
彼女は嗜虐的な笑みを浮かべた。
「まぁ変なことしてないならいいや。有栖」
「どうしました?」
「手繋いでいい? 少しでも有栖と触れあってたい」
「しょうがないですね、少しの間だけですよ」
そう言って俺の差し出した手に重ねるように手を置いてくれた。
「ありがと。ふぁ〜……やっぱりまだ眠いな。今からでも帰って寝たい」
「咲耶くんはいつも眠そうにしてますね。普段からちゃんと寝てるんですか?」
「昨日は4時間くらい寝たかな」
「絶対それが原因です。これからはもっと早く寝てください」
「そう言われても有栖の膝枕じゃないとなんか寝つけないんだよね」
「バカなこと言わないでください。はぁ、今まで甘やかしすぎましたかね」
「顔赤くなってるし頬が少し緩んでるけど大丈夫?」
「気にしないでください。しょうがないので寝るまでは側にいてあげますから、早く寝れるようにしてくださいね」
「へいへい」
そこで一旦会話は終わりしばらく静かな時間を二人で過ごした。
俺たちがこれから通うことになった高度育成高等学校に到着した。
「有栖と違うクラスだったら帰ろうかな」
「そんなこと言わないでください。それに咲耶くんのことですから結局真面目にするでしょう、学校生活は」
「なんか言葉に棘を感じるけど気のせい?普段から真面目にしてるじゃん」
「私と二人の時はいつも眠そうな顔してる人が何を言ってるんですか。そんなに私との時間は退屈ですか」
「全然、むしろ安心する。有栖がそばにいると素の自分でいられるから」
「素で接してるってわかってても不安になるんですからこれからは気をつけてください」
「ここはあえて学校生活でも素でいくか。どうせ有栖以外知り合いいないし真面目に見せるのも飽きてんだよね。欠伸をしないように我慢するのも結構辛いし」
「せめて授業中は起きててくださいね」
「頑張るからご褒美を期待してる」
「当たり前にすることでご褒美を求めないでください。もう時間ですし行きますよ」
移動するとのことなので俺は有栖に手を差し出す。
「お手をどうぞ、お嬢様」
「・・・昔からそれやってますけど恥ずかしくないんですか?私はものすごく恥ずかしいですよ」
「別に恥ずかしくないな。有栖が嫌なら辞めようか?」
「学校の中では絶対にやらないでください」
「二人きりの時は?」
「咲耶くんの好きにしてください」
「じゃあこれからもやるよ」
有栖が重ねてくれた手を優しく握って歩き始める。何年か前にふざけてやってみたら有栖が乗ってくれたのがきっかけだが今更やらないというのも変な感じがしてしょうがない。俺からすれば有栖に触れられる機会が増えるので積極的にやっていこうとすら思っている。
結構スローペースになると思いますがよろしければコメントなどお願いします