変な内容で長ったるい感じになっちゃった
もうすぐ中間テストである、とは言ってもまだまだ時間はあるわけで俺は勉強せずに寝るつもりだ。今日は有栖も用事があるらしく誰にも邪魔をされない一日になるだろう。有栖がそばにいてくれた方が質の良い睡眠になるが普段より多く寝ることで実質的な効果は同じになるのだ!と勝手に思ってる。この学校のテストが一筋縄でいくはずない、今回も何かしらのギミックと攻略法があるはずだ。攻略の鍵になるのは先日行われた抜き打ちテストだろう。特に最後の3問は難易度が高すぎて入学したての俺たちには解けるはずがない。ていうかあれ解けたの有栖だけじゃない?有栖に解き方を教えてもらうのも一つの手だが問題を覚えてない。詰んだかもしれない・・・・。
「しょうがない、寝てから考えるか」
しっかり眠って一度考えをリセットする、俺は今までそうやって生きてきたんだ。今回も寝たら最善策が思い浮かぶかもしれない。俺はその日のほとんどを睡眠に費やした。
翌日、いつもより寝たせいか意識が全然覚醒しない。
「ん〜〜」
「今日はいつもよりお寝坊さんですね。昨日はよく寝れたってことでしょうか」
「あ・・・り・す・・・・?」
「はい、あなたの愛しの有栖です」
「ありすだ〜〜」
「あらあら♪やはり寝起きが一番甘えてくれますね」
少しずつ意識がはっきりしてきて最初に目に映ったのは綺麗な鎖骨だった。
「有栖!?何してるの!」
「何って、咲耶くんの頭を撫でているだけです」
「それはわかってるけど俺が聞きたいのは理由の方だよ!」
「咲耶くんから私に抱きついてくれたんですよ。やっぱり本当は私に甘えたいんじゃないんですか?ちゃんと甘えるって約束したのに反故にされてる私の気持ちも考えてください」
「この一ヶ月はうっかりSシステムを話さないようになるべく別々に居ようって決めてたから・・・・」
「つまりこれからは甘えてくれるってことですよね?」
「二人きりの時だけな」
「それでも構いません。あなたが甘えてくれることに意味があるのです」
「じゃあ・・・・・・もうちょっとこのままでいさせて」
「っ!・・・はい!!」
それから3分程、有栖に撫でてもらった。いい感じに気持ちよかったから寝かけたが有栖にちょびっと怒られてしまった。やっぱり有栖に触れている時が一番落ち着くなぁ。
「有栖に聞きたいんだけど、テスト勉強してる?」
朝食を摂りながら有栖に聞いた。彼女は元から天才だが努力を惜しまないタイプの天才である。
「もちろんです。先日と同じような難易度が出題されると思いますから」
テストまで約3週間ほどあるためまだ取り組んでいないだろうと思っていたがもう始めているようだ。
「満点が何言ってんだか」
「咲耶くんは勉強していないのですか?」
「いや〜今回のテストにも何か秘密があるかもしれないし先にそれを解決してからだね」
「ちなみに私は攻略法をある程度予想できますが教えてさしあげましょうか?」
「自分で見つけたいから遠慮しておく。けど途中でヒントくらいはお願いするかも」
「そうですか、では頑張ってください。ところで咲耶くん、昨日は聞きそびれましたけど今いくらポイントを所持してるんですか?」
そういえば言ってなかったか・・・・昨日は周りに結構人がいたから伏せてたんだっけ。
「絶対誰にも言わないでくれよ。俺は有栖と違って目立ちたくないんだ」
「あなたの情報を売る気はありませんよ」
「200万」
「はい?」
「だから200万だって。学校側はそうまでしてSシステムを広めたくなかったんだと」
「そんなに貰って一体何をするつもりなんですか」
「それはまだ秘密、まぁ今年中にはわかると思うから楽しみにしていてくれ」
「そうさせてもらいますね」
その時にはきちんと有栖の想いにも応えてあげないとな・・・・。
その日も特に面白くない授業が行われている。Sシステムの概要が明らかになったからかみんな真面目に授業を受けているようだ。ただ、やはり気になるのは小テストのような難しい問題について触れていないことだろう。あれだけ難しい問題なんだ、解説くらいしても良いと思うんだが。なんて考えてたら授業が終わっていた。今は4限だから昼食の時間になるか。
「雪上、ちょっといいか?」
声をかけられた方を向くと見るからにチャラい男、橋本正義がいた。
「俺に話しかける奴がいるなんて珍しいな」
「そんなことないさ、クラス内には結構お前と話したいってやつはいるぜ」
「そうか。で、お前の目的は?一ヶ月あったんだ、お前みたいな奴ならいくらでも話す機会はあったろ」
「姫さんが夢中になってる雪上と話したいってのは本当のことだぜ」
「有栖のこと姫さんなんて呼んでんのかよ。あいつは姫ってほど心が綺麗でもないだろうに」
「こっち陣営のリーダーだからな、敬意を込めてそう呼んでるだけだぜ」
「そうか、もう一つの理由は?」
「ぶっちゃけると昨日先生から突然ポイントを振り込まれた雪上に媚び売っとこうかなって」
「ふーん、場所変えた方がいいな。ちょっと来い」
橋本を連れ空き教室に入り鍵を閉める。
「雪上は前からSシステムについて知ってたんだろ?」
「まぁな、俺が欲しいのはAクラスでの卒業じゃなくてポイントだから。そのために必要なことをするだけだ」
「クラスには興味ないのか?」
「ないな、この学校に来たのだって有栖がここに行くって言ったからだし」
「欲がないなー・・・・一つ聞きたいんだが卒業する時に余ったポイントはどうするつもりなんだ?」
「そうだな・・・・何も思いつかないな。お前だったらどうする?」
「Bクラス以下だったらAクラスで卒業できる権利を買う、何ポイント必要かはわからないけどな」
「じゃあそれでいい」
「は?」
「確かにこの学校ならそんなこともできそうだ。アイデア料として半額は出してもいい」
「本気か!?」
「本気だ。だからお前も俺を手伝え」
「何をすればいい?」
「今は有栖を手伝うだけでいい。ただしクラスポイントはなるべく減らさず立ち回れ」
「それは矛盾するんじゃないか?葛城を失脚させるのにポイントが減ってなかったら逆に勢い付かせちまうぜ」
「簡単な話だ、独自に動いて好成績を取ればいい。そうだな・・・直近だとテストで有栖派が上位を独占、それを有栖のおかげっていうのを続けていればいずれは有栖が勝つ」
「落とすんじゃなくて上回るってわけか。姫さんとは対照的なんだな」
「かもな。けど有栖からの指示優先でいいぞ。出来たら+αって奴だな」
「了解。話は終わりか?」
「あぁ。お前のせいで昼休憩にやろうとしてた計画が台無しになっちまったから練り直しだ」
「それは悪いことをしたな。その分働いて返すとするよ」
「そうしてくれ」
部下を獲得したのは良かったかもな。いっそ有栖陣営丸ごと利用した方が・・・いや、やめておこう。
まさかの神室より橋本と先に関わりました。
次回はテストの攻略法探しかな