橋本のせいで昼休憩のほとんどを費やしてしまった俺は購買でパンを買って食べた。この学校にきて初めて食べたけど中々美味いな。それから午後の授業は午前と変わらず教師の言動からテストの攻略法を探るがこれといった収穫はなかった。有栖にヒントをもらわないといけないかもなぁ。
午後の授業が終わり有栖のもとへ向かう。
「有栖、助けてくれ」
「どうしたんですか?」
「ヒントをくれ、俺一人では無理そうだ」
「そうですか、貸し一つですよ」
「助かる」
「私からは一つだけ、Dクラスが確実にテストを乗り切る方法はこの方法しかありません」
「つまり学力が必要な方法ではないと?」
「そういうことです、それでは引き続き頑張ってください。見事導き出せたらご褒美をさしあげます」
「尚更頑張るしかないな。じゃあ、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい」
有栖に助言をもらい一人ベンチに座って考える。ちなみにここは日当たりが良く日向ぼっこにはちょうどいい場所で結構お気に入りだ。気を抜いたらすぐに寝て絵しまいそうだ。
「Dクラスにも攻略方法がある、か」
どの生徒もテストを乗り切るとなるとポイントを使った力技ではない、かといって地道なテスト勉強なんてやったらDクラスには乗り切れない。っていうか有栖も学力は関係ないっていってたしな。カンニングなんて論外だ。
「さて、どうしたものか・・・・」
「雪上くんじゃないですか、こんなところでどうしたんですか?」
声がする方へ顔を向けると橘先輩がいた。隣にはいかにも真面目そうな男子生徒がおりちょっと怖い。ここでくつろいじゃダメだったのかな・・・・。
「橘、知り合いか?」
「はい、1年の雪上咲耶くんです。入学式の日に困ってる様子だったので声をかけたんです」
「あの時はありがとうございます。ところでそちらの方は?」
「生徒会長の堀北だ」
「1年Aクラスの雪上です。何かの縁ということで会長にお聞きしたいことがあるんですが」
「生徒会に入る気があるのか?」
「いえ、そうではなくてですね・・・・テストをどう乗り切ろうかなと」
「普段から勉強すればいいだけだろう」
「別に赤点候補ってわけじゃないんです、小テストの最後の数問がはっきり言って意味不明だったんですよ。明らかに1年がやる内容じゃない、あんなのが中間でも出されたら手も足も出ないどころか人によっては赤点になるでしょう」
「何が言いたい」
「先輩たちも同じような問題をやったことありますよね?」
「あぁ」
「えぇ」
「先輩たちが良ければですけど勉強教えてもらえたらなぁって、忙しければ断ってもらっても構いません」
「私は別にいいですけど・・・・」
「橘の好きにしろ、だが俺は断らせてもらう」
「橘先輩、ありがとうございます。俺は基本暇なので先輩の都合がいい時間を教えてください」
「わかりました、また連絡しますね」
「はい。あっ、会長」
「どうした」
「会長はDクラスでもテストを乗り切れると思いますか?」
「不可能ではない、とだけ言っておこう」
「それって俺とは違う方法ですか?」
「そうだ、だが確実に赤点を回避することができる。俺からも一つ聞かせてもらおう」
「なんです?」
「入学初日にSシステムに気づいたのはお前か?」
「そうですけど。先に言っておきますと橘先輩から聞いたわけじゃないんで安心してください」
「そうか、ならいい。橘、行くぞ」
「はい。なるべく早く予定を伝えるようにしますが雪上くんもまずは自分で解けるところまでは考えてくださいね」
「わかりました」
先輩たちが移動し再び静寂が訪れる。しかし先輩たちに勉強を教えてもらうってのはいい方法だと思ったんだが違ったか。ってそりゃそうか、Dクラスの学力がどれほどかはわからないが教えてもらったくらいで赤点回避できたらDクラスにはならんだろうし、教えてもらうにしても基礎学力は必要になるだろうから有栖の言葉と食い違う。なら先輩たちはどうやって突破してきたんだ?今回の鍵はそこにありそうだ。
「また情報を集めるしかないか」
なんだろう、神室を出す機会が見つからない・・・