学生の敵が多くてね・・・・
それは突然訪れた。キーンと音が鳴ると生徒達が一斉に端末を開き始める。学校からの連絡はマナーモードにしていても音がなるため非常にわかりやすくて助かる。実際になったのは今日が初めてだけど。だが音に関しては他になかったのか?はっきり言って一人でいる時なら驚くだけで済むがこういった他の生徒がいるところだと何人もの端末から音が発生する=マジでうるさい。配慮が足りない、学校に訴えたいくらいの騒音だ。
『生徒の皆さんにご連絡いたします。先ほど全ての生徒宛に学校から連絡事項を記載したメールを送信いたしました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員まで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので、確認漏れのないようにお願いいたします。繰り返します──」
船内放送でも呼びかけるってことは余程重要なことなのだろう。端末の電源をつけ送られてきたメールを確認するとそこには
『間もなく特別試験を開始いたします。各自指定された部屋に、指定された時間に集合してください。10分以上の遅刻をした者にはペナルティを科す場合があります。本日20時40分までに2階206号室に集合してください。所要時間は20分ほどですので、お手洗いなど済ませた上、携帯をマナーモードか電源をオフにしてお越しください』
また特別試験かよ、夏休みって言っときながらまだ一回も休みがないんだけど。文句を言ったところで状況が変わることはないが大声で言いたいくらいだ。そんな考えを遮るように今度はチャットが送られてきた。俺が現在持っている連絡先は有栖と側近3人、一之瀬に清隆の6人だけだ。試験ということもあり可能性はAクラスの誰かってことになる。
『咲耶くんは何時集合でしたか?私は20時40分に2階206号室でした』
送り主は有栖だった。それだけならいいが問題なのはどこでこれを送ったのかということである。
『有栖と同じだ。だが俺だけじゃなくて他のやつにも聞いてやれ。お前が送ってんのはグループチャットだぞ』
このやりとりがされていたのはいわゆる坂柳派と呼ばれているグループだった。無人島で中立から所属を変更したことで橋本に無理やり入れられたグループでもある。すぐに既読がついて返事が来る
『皆さんにも後ほど聞くつもりでしたよ。ただ、咲耶くんがグループに入ってから一回も会話をしていなかったので打ち解けれるようにしただけです」
・・・・・そういうことにしておいてやろう。そうしないと後が怖い。クラスごとに時間が違う可能性もあるし二人にも聞いておくか。俺はグループチャットを閉じ一之瀬とのチャット画面を開く。普段からある程度連絡(雑談がメイン)をとっているけど自分から連絡するのは初めてだな。チャットでしか連絡しないから無人島試験で顔と名前が一致しなかったのは申し訳ないことをしたと思ってる・・・・ほんとだよ?
『ちょっと聞きたいことがあるんだが良いか?』
チャットを送ってから意外に早く既読がついた。
『雪上くんから連絡してくるなんて珍しいね。聞きたいことって特別試験のこと?』
『あぁ、一之瀬の集合時間を教えてほしい。俺は20時40分に206号室だ』
「神崎くんと同じ時間なんだね。私は18時に201号室だよ。時間と部屋が違うってことはやっぱり意味があるのかな?』
一之瀬は時間すら違う。ただ神崎、確か無人島で会ったやつか。そいつとは同じ時間で場所が違う。
『意味はあるかもしれないが集合時間と場所だけではどうすることもできないな。大人しく待つしかないだろう』
『そうだね。何かわかったら連絡するね』
『わかった』
一之瀬との会話を終え清隆にも連絡したところ一之瀬と同じ時間だったようだ。俺の交友関係だとこれ以上情報を集めるのは不可能に近い。よし、時間まで寝よう。
20時に起きた俺は遅めの夕食を食べ指定の部屋に向かった。部屋の付近には有栖がすでにおり俺を見つけると手招いている。そこだけ見ると可愛らしい絵になるが彼女の後方では一触即発の空気が漏れ出ている。葛城が王様に対して非道だと言っており、王様が惚けているようだ。明確な証拠がないからかこれ以上は無駄だと判断した葛城が話を終わらせた。
「話は終わったか?」
「随分遅かったみたいだが遅刻のペナルティがわからない以上もっと早くに来るべきだ」
「急いで来た方だぞ。それにしてもいかにも仕組まれたメンバーってことは明らかだな。特に有栖と葛城は」
「咲耶くんも気付きましたか。ここにいるのが各クラスの主要メンバーということに」
「一之瀬が違う時間帯なのは気になるけど。あいつはもっと早い時間だった」
「確かに気になりますね。なぜあなたが一之瀬さんの集合時間を知っているのか」
そっち?別にやましいことは何もないし正直に話すか。
「テスト前に連絡先を交換したんだよ。そんで試験前に情報を集めようと思って連絡しただけ。成果は得られなかったけど」
「そうですか・・・・そろそろ時間ですし行きましょうか」
有栖に促され206号室に入るとDクラス担任の茶柱先生がいた。席に座るとすぐに特別試験の説明が始まった。
「今回の特別試験では、1年生全員を干支になぞらえた12のグループに分けて、そのグループ内で試験を行う。試験の内容はシンキング能力を問うものとなっている」
シンキング能力、有栖の独壇場だな。その後も説明は続いたが長すぎるので要点を絞ると
・干支にちなんだ12の各クラス混合グループを作る
・グループの中に一人『優待者』がいる
・試験終了後に全員が優待者を指名したメールを送れば50万ppt、優待者は100万ppt
・試験終了後に一人でも優待者の指名を失敗したメールを送れば優待者のみ50万ppt
・試験終了を待たずして優待者を当てたクラスは50cpと当てた人は50万ppt、当てられたクラスは−50cp
・試験終了を待たずして優待者当てに失敗すればメールを送ったクラスは−50cp、優待者には50万pptと所属クラスに50cp
俺たちは『竜グループ』でメンバーは
Aクラス:
Bクラス:
Cクラス:
Dクラス:
うん、絶対みんな仲良くなんて無理だ。
そういえば優待者試験で龍園の名前を知るみたいなくだりがあったの思い出したので竜グループにしました
一之瀬とのデート(?)や綾小路との休みは別の機会に