実力見せる前には睡眠を   作:さかなヒロシ

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情報集め

教室から出た俺は他のクラスの様子を観察することにした。Bクラスは比較的真面目っぽい雰囲気を感じる。中心になっているのは非常にスタイルの良い女子生徒のようだ。全員が会話に参加していることからクラス内に俺のような自由人はいない良いクラスだと思う。

続いてCクラス、こちらのクラスはロン毛の男が支配する絶対王政タイプのようだ。俺も髪伸ばそうかな。体格に恵まれたやつが多いな。有栖に手を出されないように守る必要があるかもしれないしトレーニング始めるか。

最後にDクラス、正直言って酷すぎるな。騒がしいなんてもんじゃない。これじゃあ気持ち良く寝れないじゃないか。まぁ後ろの席にいる赤髪の男は爆睡してるが。この一コマ見ただけでもDクラスじゃなくてよかったと思えるな。他のクラスの大まかな雰囲気を知れたし本来の目的でも果たしに行くか。

 

 

 

目指すは上級生の教室がある階、初日に10万渡す学校に秘密がないとは思えないし何でもいいから教えてくれる人がいればいいんだけど、なんて思っていたらトイレの方向から会話が聞こえた。すかさず気取られないギリギリまで近づき端末で録音することにした。

 

「今頃1年は舞い上がってんだろうな」

 

「最初の一ヶ月は天国かと思わせて一気に地獄に落とされるもんな」

 

「俺らの時は3万しかもらえなかったから結構きつかったよな。Aクラスの奴らが羨ましいぜ」

 

「俺らも最初の一ヶ月でも真面目に授業受けとけば良かったって今でも思うもん。正直今のポイント差でAクラスに上がるのは絶望的だし」

 

「先生からAクラス特権の話された時なんて他のクラスでも大騒ぎだったらしいぞ」

 

ビンゴみたいだな。この会話だけ聞くと詐欺被害者みたいで少し同情してしまいそうだ。しかしAクラスに上がるとはどういうことだ?クラスごとに貰えるポイントに差があるような言い方もあるし、これはもっと詳しく調べる必要がありそうだが入学式まで時間も少ないし一旦教室に戻るか。

 

 

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい。用事はもう済みましたか?」

 

「あと少し時間かかりそうだから入学式が終わってからまた行ってくる」

 

「そうですか。咲耶くんが出て行ってから自己紹介しようと話が上がったのであなたの分もやっておきました」

 

「それはありがとう。けど変なことは言ってないよな」

 

「もう少し信用してくれてもいいじゃないですか」

 

「じゃあなんで周りから不自然なくらい視線を集めてるんだよ。クラス内の交流をすっぽかしたやつに対する疑いの視線ってわけでもなさそうだし、となると君が原因という可能性しか思い浮かばないわけよ」

 

「別に普通の紹介ですよ。名前と私の幼馴染ということ、好きなのは寝ることとお金と私、と」

 

「絶対最後のやつじゃないか。それのどこが普通なんだ」

 

「私は事実しか言ってませんよ」

 

「それでもここで言うべきことじゃないだろ。TPOを考えろ」

 

「私が好きというのは否定しないんですね。もし否定されてたらあなたのこと嫌いになってましたよ」

 

「それは良かった。代償にこのクラスでの俺の立場は終わったけどな」

 

気分は最悪だ。自分の知らないところで自分に対するイメージが変なふうに伝わってしまっているというのはちょっとした恐怖すら感じる。クラス内での会話が自分のことを話してるかもしれないと嫌でも意識してしまいそうだ。原因を作った少女に目を向けるとイタズラがうまく行ったことが嬉しいのかすごくニコニコしてる。まぁ有栖が嬉しそうなら些細なことだと割り切るか。それからは特に何もなく入学式のために移動することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

入学式はお決まりの長ったるい話しかなかったので割愛させてもらおう。途中で寝ないようにするのがただただ辛かった。式が終わり今日は解散とのことなので情報集めを再開する。

 

・ポイントは減る

・授業態度が評価される

・Aクラスには何かしらの特権がある

この三つが今わかっていることだがAクラスに上がるとはどういうことか知ることが鍵になりそうだな。

 

「何か困り事でもあるんですか?」

 

急に声をかけられたので顔を上げるとお団子ヘアーの生徒がいた。

 

「失礼ですがどちら様?」

 

「失礼しました。生徒会書記の橘茜です」

 

「1年雪上です。困ってると言えば困ってますね」

 

「私にできることなら力になりますよ」

 

「じゃあ一つだけ、Aクラスに上がるってなんですか?」

 

「どこでそれを聞いたんですか!」

 

「先輩たちがそういった会話をしてたのが聞こえたので、ぶっちゃけると盗み聞きですね」

 

「そうですか・・・ごめんなさい、Sシステムについては教えることができません」

 

「どれだけポイントを払っても?」

 

「そこにも気がついてるんですね。いくら積まれても無理です」

 

「わかりました。よろしければ連絡先の交換してもらってもいいですか?」

 

「いいですよ、また気になることがあれば遠慮せずに聞いてくださいね」

 

「えぇ、頼らせてもらいます。それではまた」

 

「はい」

 

橘先輩と別れた俺は職員室に向けて歩き出した




橘先輩登場です。Dクラスより先に登場しちゃいました
今のところDクラスは中間テストの図書室まで出る予定はないです
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