「そろそろいい時間ですし学校に行きましょうか」
「だな。お手をどうぞ、お嬢様」
「えぇ、しっかりエスコートしてくださいね」
有栖と共に家を出て学校に向かう。変わるのは行き先だけ、それ以外は今までと変わらないはずの登校が有栖から胸の内を聞かされた後だと意識してしまう。例えば手を繋ぐ感覚、俺よりも小さい手なのに優しく包まれているように感じる。隣を歩く横顔、柔らかい笑みを浮かべながら歩く姿はとても絵になっている。
「どうかしましたか?」
「いや、別に何も。ただ、これからどう生活しようかなって」
「咲耶くんはこの学校について何か知ってそうですもんね」
「本当に聞かなくても良かったのか?」
「あなたの行動から推理した方が面白いですから。今までのあなたとの違いがヒントになりそうですしね」
「なら今までと同じようにするだけだ」
「今まで通りにするって意識してしまうと却って不自然になってしまいますよ。私があなたの変化に気づかないように見えますか?」
「だよなぁ・・・・これで有栖が気づいたら学校に疑われるじゃん」
「それについては私からも学校に言っておきますから安心してください」
「そうか。そろそろ学校に着くから手離してもらってもいい?」
「だめです。このまま教室まで行きましょう」
「有栖のせいで変なやつって思われてんのにこれ以上俺の株下げるのやめてくれ」
「咲耶くんは自分の容姿が優れていることを理解した方がいいですよ」
「それは有栖の方だろ。結構昔からお前のこと狙ってるって声聞いてたぞ。告白もされてたんじゃないか?」
「されましたよ。全てお断りしましたが」
「へー」
「なんですか、その興味なさそうな返しは。もっと他にないんですか」
「まぁ有栖ならそうだろうなってくらいだな」
「むぅ、もっと妬いてくれてもいいじゃないですか」
むぅって可愛いな。有栖ほどの天才なら狙ってやってる可能性もあるがそれでも可愛いと思えるのは俺も彼女を好意的に感じているからだろうな。
「恋人にもなってないのに重いだろ」
「なら私は重い女になってしまいますね。女子の会話ではあなたの名前が出ることも多かったんですよ。実際に告白する人はいませんでしたがあなたが他の方と交際してしまったらどうしようかと思う時もありました。ですので咲耶くんにはすでに私という相手がいると周知した方が今後のためになるんです」
「そうかい」
そんな会話をしてたら学校に着いていた。
教室に入り席に座ると随分とガタイのいい男が話しかけてきた
「おはよう、俺は葛城康平。今後3年間よろしく頼む」
「雪上咲耶だ。有栖が言ってたことは真に受けんなよ。あいつは可愛い顔してえげつない事考えてるからな」
「忠告として受け取っておこう。しかしいいのか?」
「何が?」
「雪上は坂柳に肩入れすると思っていたが」
「君ら初日で派閥なんて作ろうとしてんの?」
「いずれはそうなるだろう。俺とあいつでは考え方が根本から違うからな」
「有栖は敵を蹴落とすタイプだからな。俺をお前の陣営に入れたいなら有栖より優秀であることを示すんだな」
「お前のお眼鏡にかなうよう努めよう」
「話が終わったなら俺は寝るがもういいか?」
「あぁ」
それから俺はHRが始まるまで寝ることにした。
今日から授業が開始する。最初の授業なのでガイダンスがメインだがSシステムの概要を知っている俺からすれば授業態度には気をつけるつもりだ。しかし、学校から口止めされているため遠回しなアドバイスもできずにクラスメイトの態度によってはcpが減ってしまう。誰か早く気づいてくれればいいが・・・・。なんて考えていたがさすがはAクラス、基本的には真面目に授業を受けている。しかし一部では小声で会話していたり寝ている者もいる。いいなぁ、俺も何も気づかなかったらあんなふうに寝てたのに。先生は注意しないが何かにメモをしている。おそらくあれに評価が書かれているのだろう。
今日の授業が全て終わると葛城が前に出た。
「皆聞いてくれ、授業中に関してだがもう少し真面目に取り組まないか?先生方は何も言わなかったが当たり前のことをしっかりやっていこう」
初日でこういった声が上がるのはありがたいな。さすが有栖の対抗馬になり得る男だ。
それより眠いな。どの科目も同じような説明で飽きるし。やばい、一回眠気を意識した・・ら・・・・。
やる気はあるけど文が思いつかない
自分としてはできるだけ毎日登校したいので小出ししていくスタイルでいきます