「おはようございます」
「何で有栖がここにいるの?」
「昨日私の胸の中で寝たのをお忘れですか?」
「・・・・・覚えてない」
「私に嘘は通じないのわかってますよね?咲耶くんが嘘つく時の癖はわかりやすいですから」
「癖って何だよ」
「秘密です。私しか知らない咲耶くんの一面があるというのは嬉しいですね」
「教えてくれよー」
「どうしても教えて欲しいのであれば私を交渉のテーブルにつかせる材料を用意することです」
「じゃあ無理だ」
「交渉しなくても一つだけ簡単な方法がありますよ。あなたが私とお付き合いすればいいんです」
「・・・・それはまだできない」
「だったら諦めてください。まったく、一体何があなたを躊躇わせてるのでしょうか」
「いずれわかる事だ・・・・・それよりも早く離してくれないか?」
今までずっと俺は抱きしめられていた。
「もういいんですか?」
「さすがに準備しないといけないからな」
「その前に昨日の答えを聞かせてください。お願いを受けてくれるのであれば昨日以上に甘やかしてあげますよ」
「それは・・・・・」
俺が言い淀んでちらっと有栖の方を見ると普段からは想像できないような慈愛の笑みを浮かべている。ずるいだろ・・・・
「・・・・わかった」
「ありがとうございます。答えも聞けたことですし準備しましょうか」
あれから数日後。真嶋先生が教室に入ってきて
「突然だがテストを受けてもらう。だがこのテストは成績には反映されないので安心して欲しい」
だったらやらなくてもいいのでは?と思うのは間違いだろうな。成績に関係なくてもポイントには影響しそうだな
「成績に関係ないがカンニングは発覚したら退学になるから気をつけろ」
先生の合図でテストが始まり、一通り問題を読んだが違和感を感じる。中学の内容ばかりで簡単すぎる、かと思えば最後の3問は今までやった事ない範囲の問題が出題されているのだ。有栖なら解けるかもしれないが他の生徒には満点を取らせる気がないように思える。これを解けた生徒数に応じてポイントアップか?だとしたらボーナスなんて言えるほどの価値は無いぞ。
結局最後の3問だけは空白でテストを終えることとなった。クラスの中でもその話題がちらほら上がっている。
「咲耶くんは最後の問題についてどう思いますか?」
「少なくとも解かせる気はないように感じるな。俺の予想は先生との契約に反する可能性があるから話さないぞ」
「それだけ聞ければ十分です。私もある程度は推測できていますよ。もちろん、咲耶くんと先生の契約内容も」
「さすがだな。天才の為せる技ってやつか」
「そんなものじゃありませんよ。咲耶くん風に言えば、愛によって為せる技ですね」
「俺が恥ずかしくなるからそういうこと言わないでくれ」
ほら、周りの奴らがこっちに視線向けてるし。入学してから葛城以外に話しかけられない原因って絶対これだよ。いや、空き時間は基本寝てるのもあるけど。
テストから時は過ぎ五月一日
起きたら隣に有栖がいた。今回に限ってはマジで心当たりがない、昨日は一人で寝たし鍵を渡した覚えもない。
「悪いことは言わない、自首するんだ」
「何言ってるんですか、自首なんてしませんよ。ちゃんと合法です」
「嘘だ、鍵はちゃんとかけたし有栖に合鍵を渡してない。有栖の体じゃ外から入るなんて論外、入る方法はないはずだ」
「簡単な話です、咲耶くんの部屋の鍵を買いました」
「は?」
「初日に先生が言っていたじゃないですか。ポイントで買えないものはないって、ですので少々高かったですが合鍵を用意することができたのです」
「方法はわかった。色々言いたことがあるけど一個だけ言わせてくれ」
「何ですか?」
「合鍵欲しいなら俺に言えばよかったんじゃない?」
「咲耶くんの驚いた顔が見たかったので」
「いくら使ったの?」
「大体6万ポイントですね。」
「馬鹿じゃん!俺のリアクション一つにそんな大金使わないでよ!」
「私としては満足しましたので払った価値がありましたよ」
「俺は有栖の金銭感覚に不安しかないよ」
「失礼な、普段はしっかり管理してます。そうですね・・・・今回は自分に対するご褒美ってところです」
「そうかい。まぁ有栖がそれでいいならこれ以上は何も言わない」
「ところで咲耶くん、気づいてますか」
「何が?」
「今月の支給ポイントが少し減ってます。94000ポイントしか支給されてません」
「そうなの?どれだけ増えたとか気にしてないや」
「ちょっと端末貸してください」
「ダメだ」
「なぜですか」
「契約に反する恐れがある」
「わかりました。この後先生から説明されると思うのでその後なら構いませんよね」
「あぁ。それじゃあ飯にするか」
「私が作ります。咲耶くんは待っていてください」
「自分で作るからいい」
「今回の件のお詫びとして受け取ってください」
「それはたまに作るやつのセリフだ。ここ最近毎日有栖が作ってるだろ」
「遠慮しないでください。それとも私の料理はお嫌いですか?」
上目遣いと涙目のコンボを発動される。これだけでも可愛いのに服の裾を摘んでるんだよ。これされたら聞くしかないじゃん・・・・
「・・・・好きだよ」
「では作ってきますね♪」
そう言って有栖がキッチンに立つ姿は何というか・・・・奥さんみたいだ。
「どうしたんですか?」
「幸せだなって」
「そうでしょう、これから毎日作りますよ」
「それは有栖に申し訳ない、せめて週一にしてくれ」
「では日替わりにしましょう、これ以上は譲れません」
「・・・わかった」
有栖の朝食はすげー美味かった。
部屋から出ると周りからポイントの支給額についての会話が聞こえてくる。支給額が減っただけならともかく支給されてないという声も聞こえてくる。おそらくDクラスの生徒だろう。どれだけ評価下げたんだ?
「同じような内容の会話しか聞こえてきませんね。そろそろ耳障りですから早く行きましょうか」
始業のチャイムがなり先生が教室に入ってくる。
「おはよう、早速だが聞きたいことがあるものはあるか?」
先生が開口一番俺たちに問いかける。有栖が手を挙げていた。
「先生、よろしいですか」
「坂柳か、いいぞ」
「今月のポイント支給額がわずかに減少しています。なぜでしょうか」
「それについて今から説明しよう。まずはこれを見てくれ」
そう言って先生がホワイトボードに文字を書き込んだ。
Aクラス 940cp
Bクラス 650cp
Cクラス 490cp
Dクラス 0cp
Dクラスほんとに0ポイントにしたのか・・・・アホ過ぎるだろ。それにしてもAから順番通りに成績が下がっていってるな。
「これは
「先生、少しよろしいですか」
「どうした、葛城」
「減少したポイントの詳細を教えてもらうことはできますか?」
「それはできない」
「わかりました」
これで話が終わると思っていたが先生から更なる爆弾が投下された。
「この学校ではクラスに順位をつけている。優秀なお前たちはAクラス、というようにだな。仮にBクラスがAクラスのポイントを超えれば順位が入れ替わりAがBに、BがAに変化する。お前たちにも希望する進路があると思うがそれに応えることができるのは卒業時にAクラスであることだけだ。それ以外のクラスで卒業しても学校は将来を保障することはない」
これがAクラスの特権ってやつか。しかしこれはいくら何でも後出しすぎじゃないか?
「次にこれを見てくれ。先日行われたテストの結果だ」
あのふざけた難易度のテストか。よほどの秀才か有栖のような天才じゃないと90点以上は取れないだろう。俺が知ってる名前だと
坂柳有栖 100点
葛城康平 90点
神室真澄 73点
雪上咲耶 82点
神室さんは勉強が苦手みたいだ。それにしてもさすがは有栖、今回も満点か。出会ってから一度も満点以外を取ったのを見たことがない。他の奴らもそれなりに優秀な成績を取っているな。
「テストの結果も優秀なお前たちは心配ないだろうが中間・期末で一教科でも赤点を取った生徒は即退学となる。だが俺はお前たちが誰一人として赤点を取らないと確信している・・・・坂柳」
「はい、何でしょうか」
「さっきから随分と落ち着いているが知っていたのか?」
「いえ、ちゃんと契約通り何も聞いてません。ただ自分の推測通りでしたので」
「ならいい。雪上、今お前に追加のポイントを送ったから確認してくれ。そしたら解散だ」
ここで渡すのかよ・・・・みんなこっち見てるよ。
「確認しました、ありがとうございます」
さらば、安眠。
正直Aクラスのテストいるかなってくらいだよね。赤点の心配ないじゃん。頑張って内容考えるけど
咲耶くんが有栖に話さない分の100万渡すのかいてなかったのでここで渡しました