第二話になります。
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真っ暗な闇の中、小鳥のような囀りが微かに聞こえてくる。
朦朧としている意識の中、ゆっくりと瞼を開け差し込んでくる光に時折目を瞑りながら、意識をはっきりとさせていく。
「おお……これが異世界…。」
ゆっくりと上体を起こし、周りを見渡すと、限りない草原が広がっていた。どうやら木の根元で眠っていたらしい俺は、心地よい風と木の枝から差し込んでくる太陽の光にどうしようもなく胸を躍らせる。
見たこともない動物たちが周りに見てとれ、一本角のウサギや、真っ赤な色をした牛がいる。木の枝で囀っている小鳥はガラスのような質感であった。
(アレがモンスターってやつかな。)
ぐるっと辺りを見渡していると、ふと遠くに黒い塊があった。
目を凝らしてよく見てみると、町のようなものに見えた。
「さてと、こっからだな。とりあえず、冒険者ギルドってやつに行ってみるか。どの町にも最低ひとつはあるって話だったし。」
ダンジョンを探検し、危険なモンスターを倒し、時には国から任務を受け、富と名声がついて回る夢のような職業、冒険者。
そんな冒険者達を手厚く支援してくれるのが冒険者ギルドだ。
冒険者を目指すならば、必ず加入しなければならない。
『物語のような冒険を望むのなら、冒険者になるのが手っ取り早いですよ。』
とこの世界の神様が言っていたことを思い出す。
不慮の事故により死んでしまった俺は、前の世界の神を名乗る幼女にこの異世界に送り出された。
その前段階として、この世界の神様がいる空間に飛ばされた俺は、そこで色々とこの世界についての説明を受けた。
俺が転生することになった異世界は、よくあるファンタジー世界というやつだ。
ダンジョンがあって、モンスターがいて、魔法があって、スキルがあって、ステータスオープンできて、レベルの概念があって、冒険者がいて……とにかく一般的に思い浮かべられるザ・異世界。
この世界の神様は、ナイスボディの可憐な美女で、俺の知りたいことを全部丁寧に説明してくれた。元いた世界のポンコツ幼女には是非見習ってほしいな…。
そういえばこっちの世界の神様……名前とか聞いてなかったな。勝手ながら、その美しさからヴィーナス様と言わせてもらおう。
ヴィーナス様がこんなことを言ってたな。
『色々と戸惑うことがあると思いますが、目が覚めたのなら真っ先にステータス画面を確認してください。貴方の転生体はこちらの世界での矛盾が生じないように色々と調整をしていますので、名前、出身地、年齢等前世と間違えないようにご記憶くださいね。』
ええと、確か。ステータスオープンの方法は……っと。
心の中で強く念じればいいんだっけな。
(ステータスオープン!)
ヴゥンッと目の前にステータス画面が表示される。
「おお〜ハイテクだな。」
名前も変わってるんだったな。どれどれ。
NAME:ミナト・コノエ
AGE :18
BIRTH:ダーマー村
Lv. 1
HP:20
MP:30
ATK:20
MAP:10
DEF:30
SPD:10
ミナト・コノエ…か。
元々の名前とあんまり変わってないけど、逆にありがたいかも。エドワードとかジェームズとかになったら前世とのギャップで慣れるのに一年くらいはかかりそうだし。
出身地はダーマー村ってあるけど、同郷の人と会ったら確実に話は合わないだろうし、後々調べておくことにしよう。
ステータスは…俺が選んだスキルで底上げされてるはずだから悪いってことはないだろう。
…お、どうやら自分の全体像も見れるようだな。RPGとかでよくある装備確認画面みたいなもんか。
……お、おお〜……な、なかなかカッコいい見た目じゃないか。少しボサっとしてる黒髪だけど、セットしてないのが逆にカッコいい感じを出してるな。
身長は前世の俺よりちょっと高いくらいかな。
あの幼女、良い仕事するじゃないの。
「さてと、次はスキル確認だな。」
そして俺はステータス画面の左端にあるスキル一覧をタップする。
ヴィーナス様の説明によると、この世界には普通のスキルのほかにレアスキルというものがあるらしい。
レアスキルというのは生まれた時から既に習得しているもので、その個人の持って生まれた才能。いわゆるチート枠で、基本的に一人一つのレアスキルだからこそ強力な効果を持っているらしい。
なんとヴィーナス様は俺に習得したいレアスキルを四つまで選ばせてくれたのだ!
本来であればレアスキルはランダムに振り分けられるのだが、そこは神様幼女が口利きしてくれていたらしい。愛してるぜ。
そんなこんなで俺が選んだレアスキルはこれだ。
《成長倍加》
《身体能力向上》
《超気解放》
《女禍》
《成長倍加》は経験値取得量がアップし、《身体能力向上》はステータスが常に二倍、《超気解放》は一時的にHPとMP以外のステータスを何倍にも高めることができ、自身のMPを全部使うことによって発動できる。持続時間はMP1つにつき1秒だ。
(ラノベとかで見るチートスキルには程遠いかもしれないけど、《超気解放》とかこういう厨二臭い覚醒スキルみたいなのとか、最初は弱くても後々最強になれそうな感じのやつが大好きなんだよな。)
「最後に選んだスキルは完全に男の欲望丸出しだけど。」
……ってあれ?こんなスキルだったっけかな…?おれが選んだのは確か《魅力向上》っていう、女の子にモテくやすなるスキルだったはずだけど……。ヴィーナス様間違えちゃったのかな?
《女禍》……うーん、なんか嫌な予感がするスキルだけど……これスキル説明の欄とかないのかな?
ない……な。
なんでレアスキルなのに効果わからねーんだよ。怖いよ。
……ま、まあいっか!レアスキルには変わりないんだし、悪い効果ではないだろう。禍の字が入ってるのがすごく気になるけど……。
「よし!色々と不安もあるが町を目指すか!」
そういって俺は立ち上がり、異世界の大地を一歩一歩踏みしめるように歩き出した。
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