ガチャと俺のプライベートプラネット 番狂わせの召喚王 【第1巻発売中!】   作:太陽くん

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第2章 夢の地 サイタマー

埼玉県道頓堀市。

なぜ埼玉に道頓堀が?そもそも道頓堀は市ではない。

この珍妙な地域ができてしまったのには理由がある。

 

山田竜が星々の航路を開いてしまったおかげで、様々な技術や物資が地球に流入したが、地球国家にとっては不幸なことに大量のホムンクルスが押し寄せた。

 

 

「「「地球で一旗上げでやる!ホムンクルスたる者、一国一城の主にならねば!!!」」」

 

 

だが倫理観が色々と終わっているホムンクルスを地球に解き放ったところで、問題しか起きないことは誰もが予想でき地球は恐怖のドン底だった。

 

というわけでホムンクルスの隔離措置として、地球上の様々な地区を山田ドラゴンガチャ王国に99年租借または割譲された。この土地にホムンクルスを閉じ込めるのだ。

 

そのうちの一つが、埼玉県道頓堀市。埼玉県からとある方法で行くことのできる、異空間に建設された都市である。

 

許可無くこのエリア外に出たホムンクルスは、厳重な管理と監視を受けることにより地球の安全は保たれる。

 

山田ドラゴンガチャ王国は、世界の平和と秩序のためと言って、国土の拡張をした。

各国首脳はホムンクルスが怖くてこの案を喜んで飲んだ。本当に良かった。

 

 

 

 

 

…誰もが予想だなしなかったこと。ホムンクルスが築いた都市。どうせアメリカの西部開拓時代街中で決闘を行うような、日本の戦国時代のように多数の勢力が争う無法地帯になると思っていた。事実そうなった都市も存在し、観光地として人気を集めている。

 

 

 

 

不景気の日本において、ホムンクルスの莫大な資本投下は、ある種の爆弾であった。異常な収入、異常な技術、異常な武力。

 

とにかく景気が良かった。文字通り実力さえあればすぐに大金を稼ぐことができる。

 

野心溢れるもの達には、これを叶える環境と手段がある。

 

自らの夢を叶えるため、覚悟を決めた日本人達は道頓堀市へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

つまり、何が言いたいかというと。

 

決断力のある、欲深い人間はホムンクルスと相性抜群であるということである。最悪なことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!何考えてるんだあいつらは!」

 

マジでふざけんな!

 

俺がパチンコ屋から出ると、あたり一面が第一次世界大戦ソンムの戦いのような地獄の塹壕戦が繰り広げられていた。

たった数時間で何をしているんだこいつらは!頭が痛くなってきた。

 

さらに面倒なことに、予言書の解読が予想よりも早く終わり、俺はその対応をすべく地球に向かうこととなった。俺の休暇が‼

 

 

「で?本当にこの行き方であっているのか?

 

「はい!からこの電車に乗れば、埼玉県の裏【岩槻】駅に到着するそうです」

 

「まるでホグワーツだ」

 

「あ、イギリスの方ではホグワーツをモデルにした魔法学校が開設されてあるそうです!大阪のUSJから行けるらしいです」

 

 

なんでだよ。

 

 

 

…こいつは運命教会最高司祭のアリス。俺を神だと完全に信じ込んでいるイカれた女だ。

 

イカれてはいるが、魔法に関する知識や組織運営能力に長けており運命教会に関することを除けば、俺の陣営で最も役に立つ人間系ユニットであることは間違いない。間違いはないのだが。ホムンクルスではないこいつは、その一点以外を除き人間系最強格のユニットなのだ。

 

暇そうなやつがこいつしかいないので、仕方なく護衛として連れてきた。他の奴らは遅れてやってくる予定だ。

 

 

 

「あ、そろそろですね」

 

 

時空間に歪みを感じる。魔法的な干渉を感じ、抵抗せずに流れに任せる。

 

いつの間にか車内の人影は減り、大きなカバンを持った旅行客や猟銃で武装した猟師、目がキマっているビジネススーツの男など、雰囲気が一変した。空気が重く、ピリピリとした雰囲気が伝わってくる。

 

 

●精神干渉を確認。神性発動。精神干渉に対抗しました。

 

 

ん?なんだ?精神干渉?

 

 

「…どうやら、この都市に侵入した者に洗脳を行い、反山田的な思想を植え付けるようです。私のように対策をしていない一般人は、気づかずに思想を植え付けられてしまうでしょう。一応、山田様にもバフをかけておきますね」

 

ああ、だからホムンクルスを連れてくるなってことか。あいつら脳筋だからなぁ。攻撃魔法は進んで覚えるけど、防御系の魔法は興味がないらしいし。

 

 

この最高司祭アリスは防御系の魔法に優れる。護衛としてもってこいだ。

 

 

 

そうしてついた埼玉県裏【岩槻】駅。

電車の扉が開き外に出ると、空港のように人が大勢歩いていた。その中にはどう見ても日本人ではない外国人が半分以上を閉める。おそらく別ルートから入り込んだのだろう。

 

 

これほどの人々が、野望を胸に抱いて集まっているのか。

 

それはそれは、都市も発展するだろう。

 

 

 

 

 

 

「何ここ⁈どこ⁈」

「意味わかんないよぉ!家に帰らせてぇ!」

「助けてぇ!!」

 

 

 

 

 

 

…どうやら、間違って道頓堀市に来てしまった人も結構いたるみたいだ。きさらぎ駅かよ。

警備員に確保され、元の世界に何もわからず戻される可哀想な人たちを横目に、入国ゲートを通過する。

 

 

「楽しみですね!道頓堀市!見てくださいよこの人たち!みんな希望を持っていますよ!どんなに素晴らしい街なんでしょう!」

 

「バカ言うな、周りの奴らを見ろ」

 

あれは、競馬場やパチンコ屋でよく見る顔だ。人生。ロクでもないぞ。横から見てる分には面白いが、絶対に近づいたらまずいやつだ。俺も同類だからわかる。

 

「でも!道頓堀市は観光で有名なんですよ⁈道頓堀市といえば、名物はグルメ!目の前で料理人が食材を仕留めて料理してくれるらしいです!大阪文化を堪能したいです!」

 

 

こいつの中で間違った大阪文化が広まっている。誤解だ。

 

 

 

 

誘導に従い、人混みに押されながら長い通路を通り、ついに駅の出口に出た。

 

出口からは色とりどりな光が溢れる。もう時刻は夜なのに、またまだ熱気に溢れている。

きっと、活気に溢れる街なんだろうなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諸君!この者は脱税という罪を犯し、市長の徴税権を侵害した!よって磔の刑に処す!」

 

「道頓堀のピラニアに食われてしまえ!捨てろ!」

 

「カーネルサンダースの糧となれ!」

 

「ぐおおおおお!俺の金は俺の物だ!負けてられるか!道連れじゃあ!」

 

 

 

バタバタバタバタ。

 

 

 

磔にされた男の背中から何本もの手が生え、激情のあまり道頓堀川に突き落とそうとした人々を掴み道連れにする。

 

彼らは絶叫の中道頓堀の川に落ち、ピラニアと殺人カニに食われ赤い血が川を染める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ピラニアと殺人カニの残骸が川に浮かび血が流れ、何事もなかったかのように男達が川から頭を出すと、今度は水竜が彼らを丸呑みにする。食物連鎖である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道頓堀川の黄金の守護竜は川に存在するあらゆる物を捕食する!

 

道路では反山田軍が武装パレードを行い街中を行進し日夜粛清!

 

ホムンクルスに影響を受けた欲深い地球人が大騒ぎ!

 

ホムンクルスも対抗して大騒ぎ!

 

そこは世紀末!金と力こそが支配する大魔境!この先日本国憲法存在せず!

 

山田ドラゴンガチャ王国へようこそ!

 

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